自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第29節 vs サンプドリア(H)

 コッパもELも敗退したので今季はカンピオナートの10試合のみとなった2位ミラン。インターナショナルマッチウィーク明けの初戦は10位サンプドリアを2ヶ月勝利なしと苦戦が続くサン・シーロで迎え撃つ。

 

 サンプドリアはここまで10勝5分13敗38得点42失点。前節まで5試合勝利なし&8試合連続失点中だった。

  • クロス成功数4位、失敗数ダントツ1位
  • ヘディングゴール数3位タイ
  • ポゼッションタイムは5番目に短い
  • ポストとバーに救われた回数は3位タイ

 

 先発&フォーメーション

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 ミランカラブリア、レオン、ロマニョーリ、ブラヒム、マンジュキッチ、ダニエル・マルディーニが負傷欠場。レビッチは2試合出場停止が軽減されて出場可能に。

 ケアーとクルニッチはミランでの50試合目。

 サンプドリアはエクダル、トレグロッサが負傷欠場。

 

 スタッツ&控え

Match Report | 2020-21 | 29ª Match Day | Lega Serie A

 

 ハイライト


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 流れ

 ミランはGK、CB、べナセルの4人+αでビルドアップ。SBは高い位置を取り、2列目は中央に集結。各人、裏への意識が高め。サンプドリアはべナセルにはアドリエン・シウバかトルスビーが厳しく対応。SHは上がっていくSBにしっかりついていく。

 サンプドリアはサイドを起点に、背負って受けれる2トップへボールを送り前進を狙う。ダムスゴーは中に入り2トップをフォロー、アウジェッロが大外レーンを利用。

 5分、CKのこぼれ球が繋がってガッビアディーニがループ気味にシュートもドンナルンマがセーブ。

 21分、ガッビアディーニがアウジェッロへサイドチェンジ。 アウジェッロがクアリアレッラとワンツーで中に入り右足でシュート。勢いは弱くドンナルンマがセーブ。

 22分、サレマーケルスからチャルハノールへのパスがズレると、コリーが拾いトルスビーへ。トルスビーが裏を狙ったガッビアディーニへロングパス。ガッビアディーニの落としをカンドレーヴァが拾い、ゴール前のダムスゴーへ送るがテオが戻って対応。

 23分、サンプドリアは右サイドでFKを得ると、カンドレーヴァのボールに後ろから飛び込んだトルスビーが強烈なヘディングシュート。しかしドンナルンマがビッグセーブ。

 0-0で前半終了。ミランはチャンスを作れず枠内シュート0。後半からサレマーケルスに替えてカルルを投入。

 56分、自陣でテオからケシエへのパスがズレると、拾ったクアリアレッラがワンタッチでドンナルンマの頭越しのループシュートを決めてサンプドリアが先制。

 58分、アドリエン・シウバが2枚目のイエローカードで退場。 直後にミランはレビッチとトナーリを投入。ケシエがより高い位置でプレーし始める。

 81分、トナーリから右サイドのカルルへ展開。カルルから 中央のイブラへパス。落としを受けたチャルハノールは左のハウゲへ。ハウゲからスルーパスを受けたレビッチが折り返すがコリーがクリア。

 86分、サンプドリアはケイタにボールが収まり、前進するが、ケイタからのパスはテオに渡ってしまい、ミランがカウンターに出る 。テオ、イブラ、ケシエと繋ぎ、最後はハウゲがアウデロの肩口を射抜きミランが同点に追いつく。

 87分、左右に揺さぶり、空いた中央からチャルハノールがミドルシュートもアウデロが弾き出す。

 92分、チャルハノールからコリーの裏を取ったイブラへ縦パス。イブラは横のケシエに繋ぎ、ケシエがシュートを撃つが、ブロックに入った吉田麻也かべレジンスキに当たったボールは左ポストに嫌われる。

 1-1で試合終了。

 

 ミラン

 全てが上手く行かずにしょうもないミスで先制点を献上するが、アドリエン・シウバの退場のおかげで引き分けで終われた。退場がなければミランが押し込む時間は減り、サンプドリアがボールを持たれ続けるのが苦しくなり、焦って攻めに行ってしまうような精神状態にはならなかったと思う。

 足を滑らせる選手が多かった。

 今季3度目の前半枠内シュート0本。チャンスもなし。

 ビルドアップはべナセルが厳しく監視されていたため、結局ケシエやチャルハノールがサポートせざるを得ない状況になった。べナセルはほとんど前を向いてボールを動かすことができなかったし、ボール奪取やインターセプトも少なくデュエル勝率も低かった。調子が良ければ剥がして前を向くことができる選手だが、まだそこまでのコンディションにはなっていないので、メイテ先発でケシエがアンカー気味にプレーする形で今は良いと思う。相手の勢いが落ちてきたところにべナセルを投入すれば、圧倒的に押し込む展開が作れそう。

 前方へのパスは裏への意識はあったがオフサイドにかかりすぎた。オフサイドに関してはサンプドリアのラインコントロールが良かった面もあるが、オフサイド以外の場面でも、出し手と受け手のタイミングや場所にズレがあってボールを失う場面が多すぎた。おそらく、代表に行くとそのような感覚にズレが生じてしまうのだろう。ミラネッロに居たテオさんは知らん。

 そして、代表に行ってほしくなかったと思ってしまう出来だったのがイブラ。終盤のチャンスにはほぼ絡んでいたが、前半の中盤くらいからCBと勝負しなくなったのが残念。CBから逃げるように降りて捌くのは上手いが、他の選手の質が上がってこないし、イブラがゴール前に入っていくまでの時間を作れないので相手は怖くない。イブラ個人だけの問題ではないのも難しい。サンプドリアはラインを高めにしていたので、LWGがレビッチだったら、CBからイブラの延長線上の裏へのロングボールは狙えたかもしれない。

 失敗に終わったサレマのSB起用。「本来はダロトを使う予定だったが、代表でフル稼働した疲労を考慮して温存、カルルでは攻撃性能が物足りないからサレマ。」という起用の経緯だと予想している。はあ、カラブリア様…

 サムカスは動き自体はキレていたし悪くなかった。しかし、何も生まれない。

 トモリ、ケアー、ドンナルンマは安定。

 ハウゲは約4ヶ月ぶりの得点が貴重な同点弾。苦しんでいた時期ならシュートを撃たなかったかもしれないが、冷静にGKが手を出せないコースを狙い撃ち。残り9試合頼んだぞ!

 

 サンプドリア

 ぬるかったミランとは対照的に、高い集中力と強度でプレーしたが、アドリエン・シウバが頑張りすぎて退場してしまうと、自分たちの時間をあまり作れず防戦一方になってしまった。

 DFライン、ダブルボランチカンドレーヴァの集中力は見事だった。

 トルスビーの走行距離は驚異の12.7km。

 

 主審 Marco Piccinini

 VARはイラーティ。

 カードは多かったが荒れたわけではなかった。