自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21 セリエA総括 ~選手編~

 既出のベストイレブンどん!

 

 シーズン通しての活躍やチームにおける重要性を重視して選びました。昨季は出場時間を考慮しましたが、今季はやめました。ミランの選手評は大半が以下の記事のコピペです。

 データは以下のセリエA公式サイトより。

Player Statistics | Lega Serie A

 

個人的ベストイレブン

触れておきたい選手と監督

GK

 Gianluigi Donnarumma(MIL)

 今季セリエAベストGK。クリーンシート14回、2回以上PK機会があったなかで最高のPKセーブ率。例年通りビッグセーブを連発したが、今季は大きなミスが少なく、DFライン裏のカバーやビルドアップにもチャレンジ。総合力は着実に高まっている。

 

次点

 Alessio Cragno(CAG)

 ディ・フランチェスコ体制時にクラーニョのスーパーセーブ連発がなければ、最終的に降格圏から抜け出せなかった可能性すら感じるほど決定機を超反応で防ぎまくった。

 

その他

 Pepe Reina(LAZ)

 2ndGKの立場で開幕したがストラコシャの不調を受けて先発すると、安定したセービングとビルドアップで先発に定着。特に、ビルドアップの貢献度がストラコシャとは雲泥の差。1stプレスラインを超えるパスをいとも簡単に中盤に届ける技術と視野が素晴らしかった。元気な38歳。

 

 Andrea Consigli(SAS

 上位のなかでは圧倒的なセーブ数でチームを救った。PPGはキャリアハイだった。デ・ゼルビ就任後はチームスタイルからビルドアップにも積極的に参加しているが、劇的に足元が上手くなっている感じはないので、自陣ゴール手前でのパス回しは緊張感がある。実際、やらかしもある。

 

 Emil Audero(SAM)

 消化試合の最終節以外全試合に出場。クリーンシートは6試合とキャリア最低だったが、数多くのシュートストップでトップハーフフィニッシュに大きく貢献。

 

 Mattia Perin(GEN)

 定期的に怪我に悩まされるが、今季は4試合のみの欠場で、残留、11位フィニッシュに大きく貢献した守護神。やはり、マラッシを守るのが似合う。

CB

 Milan Skriniar(INT)

 昨季はコンテの戦術にアジャストできなかったが、今季は持ち前の1vs1の強さに代表される守備能力の高さに加えて、攻撃の起点、サポート役としても能力を発揮。個人的にはアタランタ戦のシュクリニアルの決勝点でインテルスクデットを確信した。

 

 Alessandro Bastoni(INT)

 アタランタ時代にガスペリーニの下でデビューし、コンテの下でブレイクした守って良し、攻めて良しの3バックの申し子。特に持ち運び、対角のロングフィード、オーバーラップなど攻撃面の存在感が際立っていた。ユヴェントス戦のバレッラへのロングパスは絶品だった。

 

 Stefan de Vrij(INT)

 コンテの信頼が厚いリベロ。今季は1得点止まりでアシストもなかったが、DFリーダーとしても、ポゼッションの中心としても不可欠だった。リカバリー数チーム1位。

 

次点

 Cristian Romero(ATA

 セリエAベストDF。移籍1年目ながら激しいタックル、捕まえたら逃がさないマーキングでガスペリーニのマンツーマンディフェンスに不可欠な存在になった。積極的に前線に上がり、いつの間にか相手ゴール前にいることも珍しいことではなかった。相変わらずカードは多いが、退場しなかったのは成長。リカバリー数3位。

 デ・フライと悩んだが、3バックとして鉄壁だったことを評価。

 

その他

 Simon Kjaer(MIL)

 何度か負傷離脱があったが、今季もDFリーダー、精神的支柱として不可欠な存在だった。PA内のシュートブロックやクロスブロックは熟練で、対角や裏に蹴り分けられるロングフィードの質はチーム随一。リカバリー数14位。

 先日のEUROでの救命措置の初期対応とその後の行動に世界中から称賛と尊敬の念が送られた。この1年半のプレーと姿勢でミラニスタはすでにあなたに心酔していたが、今回の件でその思いは一層強くなり、あなたがミランに所属していることを誇りに思う。真の勇気を持った、真のリーダーに一生ついていきます。

 

 Matthijs de Ligt(JUV)

 昨季からの肩の怪我やCovid-19などにより9試合欠場したが、それ以外は主力としてプレーし、チームのCB陣のなかでは最長の出場時間を記録。対人の強さでリーグ2位の失点数に貢献。

 

 Francesco Acerbi(LAZ)

 過去5年はほぼフル稼働だったが、今季は負傷と出場停止で6試合欠場。得点もなかった。しかし、カバーリング、ビルドアップ、攻め上がりなど攻守に存在感は絶大。リカバリー数リーグ7位。

 

 Gian Marco FerrariSAS

 怪我無く33試合に先発。招集外になったのは出場停止とアッズーリのクラスター疑惑でサッスオーロが独自に隔離した2試合だけ。DFリーダー、ビルドアップの起点、セットプレーのターゲットとして不可欠な存在だった。状況に応じて攻め上がる場面もしばしば見受けられ、アチェルビにどんどん寄っている気がする。チーム2位タイの3A。被ファウル数チーム4位。リカバリー数リーグ18位、チーム1位。

 

 Ivan Radovanovic(GEN)

 主にDMとしてセリエAで300試合近く出場してきたが、今季はバッラルディーニ就任後に3バックの中央を任されると、落ち着いたプレーでチームを安定させた。昨季のチアゴ・モッタ体制時に数試合だけCBとしてプレーしたが、今季になって成果が出た。リカバリー数チーム1位。

 

 Bram Nuytinck(UDI)

 先発した19試合は5敗のみ、出場時に連敗したのはラツィオアタランタの連戦だけ、欠場した18試合では1勝しかできなかったということからもわかるように、存在の有無が結果に大きな影響を与えていた。

RSB/RWB

 Achraf Hakimi(INT)

 圧倒的なスピードを武器に7G8Aを記録。コンテ戦術の肝の一つであるウイングに完璧にハマった。ただ速いだけでなく、裏抜けや追い越しのタイミングも正確で、ラストサードでのクオリティも高い。財政難のため、1シーズンでの売却が濃厚。

 

次点

 Davide Calabria(MIL)

 開幕前は放出の噂もあったが残留すると、昨季終盤から感じさせていた進化の予感を完全解放。不得手だった対人守備が目覚ましい進化を遂げ、安定感を手に入れると、攻撃の起点になる配球も冴え渡り、攻守にハイレベルなSBに成長。SB/WBを主戦場にした選手のなかではリカバリー数3位。

 

その他

 Hans Hateboer(ATA

 負傷で後半戦はほぼ欠場したが、不在時の右サイドの強度と連携が劣化したことから存在の大きさが窺い知れる。更に、アタランタは今季6敗しているが、うち4敗がハテブールが出場しなかった試合。イリチッチもトロイも生かせるポジショニングは真似できない。

 

 Juan Cuadrado(JUV)

 WGでの先発もそこそこあったが、非保持はRSB、保持はRWGになる可変システムで2Gとチームトップの9A。クアドラードのドリブルとクロス頼みのクソサッカーになる時間も珍しくなかった。常連の被ファウル数ランキングは15位。

 

 Giovanni Di Lorenzo(NAP)

 出場停止2試合を除き全試合に先発フル出場した鉄人。FP出場時間リーグ1位。3G5A。インシーニェと並びキーパス数チームトップタイ。被ファウル数18位。リカバリー数チーム1位、SBでは2位。スタッツ的には良い数字が出ているが、個人的には失点に関与している印象も強い。

 

 Nahuel Molina(UDI)

 RWBのレギュラーに定着した後半戦以降で2G4A。何度もスプリントでの上下動を繰り返し、同郷のデ・パウルに選択肢を与えた。5Aはチーム2位タイ。

 

LSB/LWB

 Robin Gosens(ATA

 WBとはいえ、驚異の11G6A。3人目になる動きが上手く、サパタのポストプレーを使ってPA内に侵入する形や右サイドからのクロスに飛び込む形は鉄板。守備もそつなくこなし、カバーリングも上手い。

 

次点

 Theo Hernández(MIL)

 不動のLSBとしてミランのFPではケシエに次ぐ出場時間を記録し、セリエAでは2回のドッピエッタなど7G5Aを記録。守備はLWGにチャルハノールやクルニッチを置くことでサポートを得られて悪目立ちすることは少なくなった。むしろ調子が悪い時に目立ったのはドリブルやパスの判断ミス。無理して突っ込んで奪われてカウンターという場面は少なくなかったが、その運びや突進に助けられる場面の方が圧倒的に多いのも事実。被ファウル数6位。

 

その他

 Leonardo Spinazzola(ROM)

 終盤戦は負傷欠場が続いたが、それまではドリブルとオーバーラップで左シャドーのムヒタリアンとともに左サイドを切り崩した。アタランタ時代のパプ・ゴメス、アッズーリでのインシーニェといい、ハーフスペースを主戦場とするアタッカーとの相性が抜群。2G4A。キーパス数チームトップタイ。

 

 Tommaso Augello(SAM)

 昨季再開後からレギュラーを奪い、今季は出場停止の1試合を除いだ全試合に先発し1G3A。キーパス数チーム3位。FPではチーム最長出場時間、リーグでは8位。

 

 Federico Dimarco(VER)

 LWB、LCBとして35試合5G3A。ザッカーニやラゾヴィッチと左サイドを蹂躙しキャリアハイのシーズンになった。セットプレーのキッカーとしても有能で、ゴラッソも多い。キーパス数リーグ7位。被ファウル数チーム2位。ディ・マルコではなくディマルコ。

 

 Davide Zappacosta(GEN)

 11試合負傷欠場したが、FPではチーム4位の出場時間。出場しなかった試合は1勝もしていない。出場時はアグレッシブな仕掛けで存在感は抜群だった。左より右での出場が多かったし、これまでのキャリアでもほぼ右でのプレーだったが、左サイドの方が中にも縦にも仕掛けられ、動きに躍動感を感じた。4Gはキャリアハイ。

DM

 Franck Kessié(MIL)

 今季も怪我無く53試合中52試合に帯同し50試合に出場した鉄人。FP出場時間リーグ4位。平均走行距離リーグ8位(実質6位)。何れもチームトップ。PK11本とはいえ13G。覚醒した昨季から引き続きピッチ全体を支配した。印象的だったのは試合終盤にピッチ角で見せる鬼キープ。

 

その他

 Marcelo Brozovic(INT)

 今季も攻守に縦横無尽に走りまくり、1試合平均走行距離リーグ1位。爆弾タトゥーには笑わせてもらった。

 

 Marten de Roon(ATA

 ガスペリーニの信頼が厚いツイ廃。派手な仕事はしないが、地道にポジションを調整し、ボールを繋ぎ、ネガティブトランジションに備える。リカバリー数MF2位。

 

 Manuel Locatelli(SAS

 昨季オフからステップアップの噂が絶えず、アッズーリにも定着したサッスオーロの心臓。昨季の本格開花から今季も安定したプレーを披露。キャリアハイの4G。1試合平均走行距離チーム1位。被ファウル数チーム2位。リカバリー数MF4位、チーム2位。

 

 Morten Thorsby(SAM)

 今季も走りまくった。ヘディングの強さも発揮してヘディングのみで3G。1試合平均走行距離リーグ3位。リカバリー数MF1位。

 

 Milan Badelj(GEN)

 過去2年は運動量の低下が顕著だったが、バッラルディーニ就任後はほぼフル出場。しかも1試合平均走行距離リーグ9位。チームトップタイ、キャリアハイの4A。マジエッロ、ラドヴァノヴィッチ、ストロートマンらベテランたちでチームを安定させた。

CM

 Nicolò Barella(INT)

 今季セリエAベストMF。出場停止の1試合を除く全試合に帯同し、32試合に先発、3G7A。1試合平均走行距離リーグ6位。走攻守全てがハイアベレージ。身長は低いが、そのぶん重心も低く、当たり負けないボディバランスと負けん気の強さで球際でも魅せられる。技術も申し分なく、時折見せるボレーミドルシュートは要注目。どんなチームでも必要とされるサッカーセンスなので、お金持ちの皆さん買っていきなよ。

 

次点

 Sergej Milinković-Savić(LAZ)

 昨季以上の8Gにキャリアハイの8A。1試合平均走行距離リーグ7位。リカバリー数MF3位、チーム2位。2シーズン続けて攻守に安定感あるプレーを見せてロマン枠から脱却したのでそろそろステップアップのタイミングだと思う。全然噂は聞かないけどプレミアで暴れてこい!

 

その他

 Remo Freuler(ATA

 攻守によく走るリンクマン。プレッシングで相手SBまで出ていくタスクを課されるのは日常茶飯事。ポゼッション局面ではビルドアップ、チャンスメイク、フィニッシュの全てに関与する。平均走行距離リーグ16位。

 

 Jordan Veretout(ROM)

 ゲームメイクからフィニッシュまで担う、もはやローマの心臓と言っても過言ではないダイナモ。9試合の負傷欠場時は3勝しかできず。今季はPK5本含む10G。

 

 Giulio Maggiore(SPE)

 プリマヴェーラ生え抜きのインクルソーレ。良いプレーを見せていたが、3G1Aは少し物足りない。

 

 Razvan Marin(CAG)

 アヤックスからローンで加入した運動量豊富なBox to Boxタイプ。セリエA初挑戦ながら37試合に出場し3G5A。アシストとキーパス数はチームトップ。FPではチーム2位の出場時間を得た。

OM

 Rodrigo de Paul(UDI)

 出場停止の2試合を除き全試合に先発し9G(PK3)10A。今季最も唸らされた選手(昨季はルイス・アルベルト)。運ぶドリブルとラストパスの質は頭抜けていた。キーパス数リーグ1位。被ファウル数リーグ2位。FP出場時間リーグ6位。

 

次点

 Piotr Zielinski(NAP)

 Covid-19により欠場した2試合を除き全試合に出場。序盤はCMでの出場が多かったが、オシムヘンやメルテンスの負傷でOMが定位置に。昨季の総括で数字を求めたところ、今季はどちらもキャリアハイとなる8G10Aを記録。巧くて走れる良い選手から怖い選手になってきた。

 

その他

 Hakan Calhanoglu(MIL)

 シーズン全体を考えると良かったと言えるのかは微妙だが、ハイプレスのスイッチ、プレスバック、献身的にスペースを埋める守備をしながら、6位タイの9アシスト、キーパス数4位というのは称賛されるべき数字。リーグ8位の89本ものシュートを撃ちながら4Gは物足りない。枠に当てた回数2位タイ。

 

 Matteo Pessina(ATA

 ガスペリーニが好調だったパプ・ゴメスを外してまで攻守のバランスを改善させるキーマンとして起用したのがペッシーナ。昨季のエラス・ヴェローナでも才能を発揮していたが、今季の活躍でアッズーリ入り。味方の位置を見ながら豊富な運動量で相手選手間に顔を出しまくり、シンプルなプレーでチームメイトをリンクさせた。

 

 Lorenzo Pellegrini(ROM)

 ボランチ、シャドウで34試合に出場しキャリアハイの7Gに6A。後半戦はジェコに代わってカピターノバンドも巻いた。キーパス数チームトップタイ。被ファウル数チーム1位。リカバリー数チーム4位。欠場4試合は1分3敗。

 

 Antonin Barak(VER)

 昨季のレッチェで復調し、今季は出場停止3試合とCovid-19の1試合以外は全試合に出場し7G3A。セリエA1年目の17-18シーズン以来の2000分越えで、FPではチーム2位の出場時間。平均走行距離チーム1位。欠場時は3分1敗。キープ力やクロスのターゲットにもなれる高さが活きるシャドウでの先発が多かったが、インターセプトやタックルの能力も求められるボランチとしても起用されるなどユリッチ監督からの信頼が厚かった。チェコ代表として出場するEUROでの活躍も期待。

 

 Roberto Soriano(BOL)

 ボローニャの攻撃に不可欠な存在として37試合に先発し9G6A。キーパス数リーグ8位タイ。FP出場時間リーグ3位。得点と出場時間はキャリアハイ。

RWG

 Domenico Berardi(SAS

 8試合負傷欠場したが、30試合17G(PK7)7A。得点数とPPGがキャリアハイ。シュート数リーグ4位。キーパス数リーグ5位。被ファウル数チームトップ。昨季に引き続き結果を出したことで、未熟の天才肌からセリエAでも指折りのアタッカー、チャンスメーカーとしての地位を確立した。今季は2000分以上プレーしたシーズンでは初めてレッドカードを貰わなかった。

 

 Antonio Candreva(SAM)

 絶対的なチャンスメーカーとして35試合5G7A。キーパス数リーグ11位タイ。サイドに張るだけじゃなく、中に入ってボランチのように積極的にボールを受けて展開する場面も多く、明らかにチーム内では際立ったクオリティでボールを動かしていた。

 

LWG

 Lorenzo Insigne(NAP)

 33試合に先発し、今季もナポリの攻撃を牽引。戻る守備も怠らずに、チームトップかつキャリアハイの19G(PK7)。7A。シュート数2位。キーパス数チームトップタイ。枠に当てた回数リーグ1位。

 

次点

 Federico Chiesa(JUV)

 フィオレンティーナで3試合1G1Aの後、ユヴェントスへ電撃移籍。ユヴェントスでは左右問わず28試合に先発し8G7A。爆発的なスピードと強引な仕掛けは苦しんだチームのなかで輝いていた。LWGだと左に流れてくるロナウドが邪魔だったのではないかと感じたが、ポジションチェンジで中に入ってフィニッシュに絡めるようになったり、プレーの幅が広がっているのは良い傾向か。

 

ST

 Ruslan Malinovskyi(ATA

 Covid-19に感染して欠場した2試合を除く全試合に出場。8G11Aを記録しアシスト王に輝いた。キーパス数5位。止める蹴るの技術が抜群。フィジカルコンタクトにも強く、少々の当たりではコントロールが乱れない。強烈な左足のシュートについてはもはや触れる必要がないくらい有名。

 

 Henrikh Mkhitaryan(ROM)

 負傷が多かった昨季から大きく数字を伸ばし13G(PK1)10A。ジェコが不調のなか、崩しのキーマン、最大の得点源として攻撃を牽引した。しかし、21節から34節はゴールもアシストもなし。1試合平均走行距離チーム1位。

 

 Mattia Zaccagni(VER)

 怪我無く36試合に出場。ぬるぬるドリブルを武器に19節時点で5G5Aを達成したが、その後はゼロ。しかし、それはラザーニャとカリニッチのせいだろう。キーパス数リーグ11位タイ。被ファウル数リーグ3位。

 

 Roberto Pereyra(UDI)

 インサイドハーフ、2トップの一角として34試合に先発し5G5A。大した数字ではないが、豊富な運動量であらゆるエリアに顔を出してチームを繋ぎ合わせた。エースのデ・パウルの相棒として攻守に不可欠な存在だった。

 

 João Pedro(CAG)

 カピターノとして37試合に先発し16G(PK4)3A。キープ力と得点感覚は上位クラブでもプレーできるレベル。意外にもチームが苦しんだ前半戦の方が得点数が多い。キーパス数チーム2位。被ファウル数リーグ4位。FP出場時間リーグ2位。

 

 Junior Messias(CRO)

 セリエDから成り上がってきた無名のブラジル人。初めてのセリエAで36試合に先発し9G3A。ボールをゴールへ近づける仕事は見事だったが、シュートとラストパスの質には物足りなさがあった。シュート数リーグ7位。被ファウル数リーグ5位。FP出場時間リーグ7位。30歳ながら、更なるステップアップが確実。

CF

 Romelu Lukaku(INT)

 24G9Aで文句なしのMVP。「ルカクなくしてスクデットなし」と言えるほど、セリエAにおいて、インテルにとって絶対的な存在だった。対面のCBは、PA外ならばファウルで止めればいいが、何度もファウルはできないし、規格外のパワーとスピードでファウルすら許してくれない。PA内で背負われたら成す術無し。ホームでの得点数リーグ1位。

 

次点

 Luis Muriel(ATA

 先発16試合、1533分の出場で22G(PK2)9A。先発も出場時間も増加したが、驚異的だった昨季以上の得点関与率を記録。ウルトラスーパーサブ。アシストが多く増加したように、今季はパプ・ゴメスの代役としても活躍。CKのキッカーも務めたり、相手ブロックの手前からドリブルで切り崩し、味方にスペースを与えたり、ミドルシュートを撃つ場面も見られた。

 

その他

 Lautaro Martínez(INT)

 開幕前はバルセロナへの移籍の噂が後を絶たなかったが、全試合に出場しキャリアハイの17Gを挙げてスクデット獲得に貢献。シュート数リーグ5位。ヘディングゴール数はリーグ2位で、ポスト、裏抜け、ミドルシュートなど万能。5-3-2の3の脇に下がってスペースを埋める守備タスクもしっかりとこなした。途中交代にキレて何度かコンテと喧嘩をしたが、すぐに謝罪。

 

 Zlatan Ibrahimovic(MIL)

 PKが決まらなくなったり、言ってもないことで退場させられたり、ルカクと怪獣映画さながらの喧嘩をしたり、今季も話題に事欠かなかった神。しかし、神の体も老いには勝てず負傷離脱を繰り返し、終いには膝を痛め、代表復帰も虚しくEUROを欠場することになってしまった。それでも出場時の存在感は別格で、セリエA19試合で15G2Aを記録。

 

 Duván Zapata(ATA

 37試合15G10A。得点は2季連続で減少中だが、アシストはキャリアハイ。サボらない守備と屈強なポストプレーで相変わらず不可欠な存在。ルカク同様、PA内で背負われたら成す術無し。枠に当てた回数2位タイ。

 

 Cristiano Ronaldo(JUV)

 33試合出場29G(PK6)2Aで得点王に輝き、セリエAベストFWも受賞。流石の決定力でとにかく結果は出した。しかし、それ以外のプレーでの貢献度は低かった。評価も扱いも難しいが、スピードに衰えも見られる現在の状態は、同点時、ビハインド時のスーパーサブが適任か。シュート数1位。ヘディングゴール数1位。枠に当てた回数2位タイ。

 

 Victor Osimhen(NAP)

 負傷やCovid-19で13試合欠場し、先発は16試合に留まったが10G2A。数字以上に相手に与える怖さがあり、味方がプレーしやすい状況を作る動きが効いていた。単純に、スペースがある状況で背が高くて足が速い人へのロングボールは怖い。

 

 Giacomo Raspadori(SAS

 EUROのメンバーにも選出され、今、最も期待されているイタリア人ストライカー。小柄だが抜群のアジリティと巧みな動きや位置取りでマーカーを外し、コンパクトな振りの鋭いシュートを見舞う。ミラン戦では途中出場でトモリを翻弄し2Gを奪い逆転勝利に導いた。

 

 Dusan Vlahovic(FIO)

 第一イアキーニ政権では先発も多くなく1点しか奪えばなかったが、プランデッリ就任後に覚醒し、第二次イアキーニ政権でも得点を奪い続け37試合21G(PK6)2A。得点感覚が磨かれただけじゃなく、ポストプレーにも屈強さが見られ始めた。被ファウル数リーグ11位。リカバリー数チーム3位。U-23MVPを受賞。

 

 Andrea Belotti(TOR)

 カピターノとして33試合に先発し、いずれもチームトップの13G(PK4)6A。シュート数リーグ6位。キーパス数リーグ13位タイ。被ファウル数リーグ1位。自分でチャンスを作り、自分で決めないといけなかった。頑張った。

 

 Simy(CRO)

 昨季はセリエBで得点王に輝き、今季は全試合に出場し20G(PK8)2A。25節から31節にかけて7試合連続得点で10Gを荒稼ぎ。シュート数は58本のみ。ゴール前のポジショニングが良く、ワンタッチでのゴールが多い印象。PKも上手い。アフリカ人選手としてはエトー以来のセリエA20得点。

マルチロール

 Danilo(JUV)

 負傷者が続出したDFライン全ポジションをカバーし、終いにはボランチまで任され、全ポジションで及第点以上のプレーをし続けた。チーム最長出場時間。1G4A。リカバリー数チーム1位。

 

次点

 Adam Marusic(LAZ)

 そもそもの立ち位置はRWBラッザリの控えだったが、負傷者続出の影響で中盤戦までは左右のWB、終盤戦は3バックの右として計33試合に先発し、チーム最長出場時間を記録。

 

 Nahitan Nández(CAG)

 豊富な運動量を持つファイターは4バックでは中盤とWG、3バックではCMとWBで出場。サイドでは重心の低いドリブルで縦に突破しクロスでチャンスメイク。2G3A。被ファウル数チーム2位。

 

 Federico Barba & Riccardo Improta(BEN)

 バルバは4バックではCBとLB、3バックではCBに対応する守備のマルチロール。インプロータは両サイド全部とインサイドハーフに対応。フィリッポ・インザーギが試合中にシステム変更をできるのはこの2人のおかげだった。

 

監督

 Antonio Conte(INT)

 自身が指揮を執り始めてから始まったユヴェントスの連覇を9で止め、インテルに11季ぶりのスクデットをもたらした闘将。後半戦は遂にエリクセンの組み込みにも成功。

 

 Stefano Pioli(MIL)

 数々の記録を打ち立て、ミランに8季ぶりのCL出場権をもたらした。

 

 Roberto De Zerbi(SAS

 ポゼッションスタイルを完全に植え付けて2季連続の8位。シャフタール・ドネツクでの冒険も楽しみ。

 

 Davide Ballardini(GEN)

 12月に通算4度目のジェノアの監督に就任すると、ベテラン選手を中心にしたチームで就任時の19位からジャンプアップして11位でフィニッシュ。

 

 Vincenzo Italiano(SPE)

 昨季は就任1年目ながらスペツィアをクラブ史上初のセリエA昇格に導き、今季は自身初のセリエA、どうしても見劣りする戦力ながら、攻守にアグレッシブなスタイルを貫徹し残留に成功。ミランナポリには金星を挙げる。

_______________________________________

 

 クラブ編に続き長くなってしまいましたが以上で今季の振り返りは終了です。本来はより厳選してTOP50のようにしたいと思っていたのですが、触れておきたい人が多すぎてこのようになりました。パルマからはゼロでしたが、クツカ、クルティッチ、エルナニは頑張っていたし、ミハイラは将来が楽しみです。それではお疲れ様でした。