自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

19-20セリエA第8節 vsレッチェ(H) ~解放されたアタッカー陣と変わらない悪癖~

 DAZNが謎の再生エラー。

 昨季もやっていた子供たちがサイン貰える試合。

  

先発&フォーメーション

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スタッツ&控えメンバー↓ 

Milan Lecce live score, video stream and H2H results - SofaScore

ハイライト

https://youtu.be/hpZSm6OugGY

戦評

 ミランは中断期間中にジャンパオロを解任しピオーリを招聘し再起を図る一戦。

 基本システムは4-3-3。アンカーはラツィオでピオーリの下でプレーしたビリア。IHはパケタとケシエの位置が普段とは逆で、チャルハノールをLWG、レオンをCFに置いてきた。

 レッチェはいつも通りの4-3-1-2。RSBにリスポーリではなく今季初出場のメッカリエッロを抜擢。

 ピオーリ初陣のミランの出方の予想が難しい中で開始早々からミランが決定機を迎える。1分に左サイドを崩しレオン、2分にパケタがボール奪取しチャルハノールのスルーパスからレオン。レオンが2回の決定機を逸するもこれまでとは明らかに違う躍動感を見せる。10分、パケタとレオンに気を取られて空いたCB間のスペースにアタックするチャルハノールへ、大外で持つスソからパスが通り決定機。11分、再び大外で持ったスソから、今度はビリアがCB間にアタックしパスを受けるもガブリエルとルチオーニがギリギリの対応。

 そして19分、ビリアからのロングパスはまたしてもCB間にアタックするチャルハノールへ。後ろ向きのトラップになるが前を向き厳しい角度からゴールへ突き刺し流れのままに先制点を奪う。なおも攻めたてるミラン。23分は右サイドで敵を惹きつけたスソが左サイドで完全にフリーのテオへ大きなサイドチェンジ。テオのクロスに合わせたレオンのシュートはロッセッティーニがなんとかブロック。28分はフリーのテオが簡単に運びライン間のチャルハノールとパケタを経由しスソが得意のエリアからシュート。38分にもテオが1人で30~40m運びチャンスメイク。前半はミランが完全に支配した。

 後半からレッチェはファルコに替えてファリアスを投入。攻撃の起点となっているロマニョーリへのプレスを強めるというプランか。しかし、後半もミランペースで試合は進む。54分、テオからまたもやCB間をアタックするチャルハノール。56分、カウンターでタフツィディスからマンコースへのパスをビリアが目測を見誤りピンチになるが、マンコースがPKを貰いにいくように倒れ事なきを得る。その30秒後、ミランに決定機。大外で受けたスソ。パケタがロッセッティーニを釣り出し、空いたCB間にスソからレオンへお膳立てのスルーパス。しかし今日はレオンの日ではないのかまたもチャンスを決められない。

 58分、ファリアスのクロスをクリアしたかに見えたコンティだったがVARでハンド判定。レッチェにPKが与えられる。ババカルのシュートはドンナルンマ神が弾くもののこぼれ球を押し込まれ同点とされる。

 66分、ミランはレオンとパケタに替えピョンテクとクルニッチを投入。同じ位置に入る。71分、スソのクロスのクリアボールをクルニッチが冷静に頭で繋ぎチャルハノールがミドルボレーシュートを放つもわずかに枠から外れる。79分にはケシエに替えレビッチを投入。攻撃姿勢を強め勝ち越しを狙う。すると80分、中央でビリアから縦パスを受けたチャルハノールが前を向きクルニッチとワンツーでCB-SB間を突破。マイナスの折り返しをピョンテクが流し込み勝ち越し。ピョンテクがPK以外で今季初ゴールを決めサンシーロは今季最高の盛り上がりとなる。

 勝ち越しを許したレッチェはすぐに足を攣っていたババカルに替え元ミランのラパドゥーラを投入。88分には観戦していたエリオットは勝利を確信したように満足気に席を立ち、ミランものらりくらりと試合を終わらせにかかっていた。しかし91分に集中力が切れる。スソのボールロストやビリアのパスをインターセプトされ陣地回復できずにいるとカルデローニに強烈なミドルシュートを蹴り込まれ再び追いつかれてしまう。残された時間で攻めるがゴールは遠くこのまま試合終了。

 内容は明確に良化したものの細部は変わらず勝ち点2を落としたミラン。何度も崩されながらPKとゴラッソでアウェイで勝ち点を拾ったレッチェ。まさに明暗分かれる結果となった。

ミラン

 攻撃時は3-2-5に近い並び(レビッチ投入後は4-1-5。レビッチが左翼。)でテオとスソが両翼、パケタが右ハーフスペース、チャルハノールとレオンが左ハーフスペースと中央を行き来する立ち位置を取る。いわゆる5レーン理論ってやつ。運動量とフィジカルは凄いがアタッキングサードでのプレーの質が低かったケシエをビリアと並べてバランサーとして起用。左翼を任せられるテオの獲得により可能となった、ガットゥーゾシステムのマイナーチェンジといった印象なのでジャンパオロ期は本当になかったことになりそう。

 以下の図は1分の決定機の大まかな立ち位置。

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 このようにテオが浮く場面が多かった。誰も来なければ運ぶドリブルができるし、敵が来れば他にスペースができる。この場面ではマイェルが出てきてタフツィディスとの間にケシエが縦パスを刺し、レオンとチャルハノールのコンビネーションでCB-SB間を突破した。

 守備はおそらく4-1-4-1。構えるよりもプレスの意識が強かった。

 

 ピオーリ初陣。非常に良かった攻撃。ジャンパオロに動きを縛られていたアタッカーたちが解放され生き生きと躍動していた。レッチェミランがどのようなサッカーをしてくるのか予想が難しかったと思うが、来週のローマ戦がどのような展開になるのか。ちなみにローマも似たような5レーンの攻撃をしてくるはず。

 チャルハノールは最も得意な役割を課されたことで生き返り1ゴール1アシストの活躍。運動量豊富にスペースをアタックし続けた。ガットゥーゾ期前半のボナベンと組んでいた時のような躍動感だった。

 スソが生きるのは逆サイドが生きている時という言説はこの試合でも証明された。テオとの両翼はストロングになりそう。

 ジャンパオロの教え子のくせにコンディション不良により出場機会が少なかったクルニッチは冷静に堅実なプレーを選択していて良かった。勝ち越した後はケシエがやっていたようなバランサーにするのかと思ったけどそんなに変わってなかった。

 レオンはちゃんと決めような。ライバルのピョンテクのゴールをめっちゃ喜んでたのは素晴らしい。

 レビッチはサイド突破させるより中央でフィジカルを生かす方が良いのか?

 

 勝てなかったのはかなり痛いし、内容が良かっただけに悔しさも大きいが、明確にポジティブな変化が見られたので楽しみな気持ちの方が私は強いです。私自身も勝利を確信して気を抜いてしまっていたので、最後の笛まで集中しなければいけないということを身を以て学びました。選手達自身もそうだと思うので次に期待します。

 

レッチェ

 推進力があるはずのファルコは元気がなかった。

 ゼーマンローマ時代からタフツィディスの左足の精度はやはり高い。

 気になっていたLSBカルデローニがゴラッソ。本当にシュート意識が高い。山中みたい。

 懐かしのガブリエルとラパドゥーラ。

 リヴェラーニ監督、第4審か誰かに何か言って退席。

主審Pasqua

 開幕のウディネーゼ戦以来2回目。特に問題なし。

ボヤキ

 今後もRSBにこのタスクを課すのなら本当に冨安欲しくなるな。

 あと、来週日曜からサマータイム終了みたいです。