自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

19-20セリエA第11節 vs ラツィオ(H) ~まだプレシーズンだから…~

 ホームでの連戦とはいえ中2日のミランが、カンピオナートとELの地獄の7連戦の5試合目となるラツィオを迎える一戦。

 ミランはムサッキオとスソが負傷でメンバー外、ケシエに代わってクルニッチが先発。ラツィオはカンピオナート用のほぼお馴染みのメンバー。

先発&フォーメーション

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スタッツ&控えメンバー

Milan Lazio live score, video stream and H2H results - SofaScore

ハイライト


Milan 1-2 Lazio | Immobile on Target as Correa Scores Winner | Serie A

流れ

 ラツィオボールでキックオフ。ミランの左サイド、ミリンコビッチ=サビッチをターゲットにロングボール。

 4分、ピッチ中央でロマニョーリからパスを受けたパケタだがカラブリアへのパスをミス。ルリッチが拾い、CBから逃げるようにワイドオープンになる得意な動きでフリーになったインモービレにラストパス。角度を作り右足でシュートを撃つがドンナルンマが反応する。

 6分、自陣PA内からラツィオのFK。ストラコシャがラドゥへミスパス。サムカスが拾いピョンテクへラストパス。右足でシュートを撃つがアチェルビが滑ってブロック。

 20分、自陣から繋ぐラツィオミランがプレス。バストスからミリンコビッチ=サビッチへのパスをクルニッチが狙い、トラップが大きくなったところを突いてチャルハノールへ。チャルハノールはワンタッチでピョンテクへ。ピョンテクは左から来たボールを右のサムカスへ。サムカスがタメを作りオーバーラップするパケタへラストパス。フリーのパケタが左足でシュートを撃つがストラコシャが難なくキャッチ。

 21分、上述の流れからピッチ中央でミリンコビッチ=サビッチがボールを受ける。クルニッチとべナセルの間を通しライン間でフリーのルイス・アルベルトへパス。べナセルが戻るがホアキン・コレアとのワンツーで更にゴールへ迫り、再びワイドオープンになっていたインモービレカラブリアの背中を通すラストパス。インモービレが右足ワンタッチで放ったシュートはクロスバー直撃。

 22分、ミラン自陣左サイドからスローイン。テオから後ろ向きでパスを受けたチャルハノールが右大外のサムカスへ一気にサイドチェンジ。サムカスがカットインからシュートもストラコシャが弾き出す。

 23分、自陣PA内からラツィオのFK。近場の3バックとルーカスにはマンツーで付かれているのでストラコシャからルリッチへロングパス。カラブリアが潰しきれず中央のミリンコビッチ=サビッチへ。ミリンコビッチ=サビッチはワンタッチでカラブリアがいなくなった場所を狙う左大外のホアキン・コレアへ。戻ってきたパケタをかわしPA内へ侵入しマイナス方向のルイス・アルベルトへパス。

これにはべナセルが猛烈な勢いで戻りコントロールミスを誘発し、クルニッチがこぼれ球を拾いピョンテクへ縦パス。カウンタースイッチオン。ワンタッチでチャルハノールへ落とし、チャルハノールから中央を走るクルニッチへパス。クルニッチは少し右に流れながら、左サイドを猛スピードで駆け上がるテオへパス。しかし、このパスがピョンテクに当たってしまいラツィオがリカバーする。

ルリッチ、ルーカスと繋ぎ、再びミリンコビッチ=サビッチからライン間でフリーのルイス・アルベルトに入る。ルイス・アルベルトは余裕を持って前を向き味方の上がりを待ち、テオがいない左サイドを駆け上がるラッザリを深い位置まで走らせるパス。ラッザリはドゥアルテとの駆け引きに勝ったインモービレにワンタッチでピンポイントのクロス。インモービレがこの日3度目の決定機をきっちりと頭で仕留めてラツィオが先制。

 27分、ミランゴールキック。テオへのハイボールをミリンコビッチ=サビッチが競り勝つがセカンドボールはピッチ中央のべナセルの下に転がる。べナセル、パケタと繋ぎ、右大外のサムカスへ。ルリッチをかわし右サイド深い位置まで進みマイナスのチャルハノールへパス。チャルハノールはルーカスの圧を受け前を向けず、べナセル、テオと繋ぐ。左ハーフスペースで受けたテオから中央で裏を狙うピョンテクへクロス。ピョンテクの足をかすめたボールがバストスの胸に当たりゴールに吸い込まれ、オウンゴールミランが同点に追いつく。

 30分、ストラコシャからミリンコビッチ=サビッチへロングボール。テオが競りに行くがルイス・アルベルトに落とされ、テオが空けたスペースへ走るラッザリにワンタッチでパス。ラッザリにPA内まで運びクロスを入れるがロマニョーリがブロック。

 35分、左ハムストリングを痛めたサムカスに代わりレビッチ。サムカスは悔し泣き。

 35分、自陣で繋ぐラツィオ。ボールホルダーのラドゥに対しレビッチはルリッチへのパスコースを消しながら寄せる。ラドゥはルーカスに入れ、ルーカスからフリーのルリッチへパスを送る。ルリッチからライン間に降りてきたフリーのインモービレに送るがインモービレがコントロールミスをしパケタが奪う。

パケタは中央に入ってきたチャルハノールへパス。チャルハノールは中央から左の裏へ流れるピョンテクへパスを送るが左サイド奥まで流れてしまい、ピョンテクは後方のテオへ戻す。テオから中央でフリーの状態で受けたべナセルは、ライン間で待つチャルハノールや裏を狙うレビッチなど複数の選択肢があったなかで左サイドへドリブルで移動し大外のパケタに渡す。べナセルは1度中央へ戻る動きを入れた後、パケタに対して寄せに行ったラッザリの背後のスペースを狙い、パケタからパスを引き出しクロス。レビッチがルリッチから離れフリーになってヘディングシュートを撃つが枠を捉えることができない。

 37分、クルニッチが最終ラインに吸収された5-4-1で構えるミランに対し、ホアキン・コレアがライン間でルイス・アルベルトから縦パスを引き出す。べナセルを引っ張ったインモービレの動きも効果的だった。ホアキン・コレアは前に出てきたドゥアルテと戻るべナセルの間を通してインモービレへ渡しカラブリアの背後を狙う。インモービレロマニョーリカラブリアの間を通しホアキン・コレアへラストパス。しかしホアキン・コレアはオフサイド

 38分、自陣から繋ぐミランロマニョーリ、テオと繋ぎ、べナセルへ。べナセルはワンタッチで左に流れたクルニッチへ速いパス。クルニッチもワンタッチでライン間中央のチャルハノールへ。この流れから獲得したCKをチャルハノールが直接狙うがストラコシャがライン上で弾き出す。

 44分、ピッチ中央からアチェルビが右足で左大外のルリッチへフィード。ルリッチはルイス・アルベルトとコンビで突破を試みるがうまくいかずラドゥへ戻す。ラドゥは内側へ運びライン間のホアキン・コレアへ。この時もインモービレがべナセルを釣り出していた。コレアはワンタッチで斜め後ろのルイス・アルベルトへ渡し、潰しに来たカラブリアと入れ替わるようにルイス・アルベルトを潰しに前に出たドゥアルテが空けたスペースに走る。ルイス・アルベルトからドゥアルテの股抜きヒールパスを受けたコレアが左足でシュートを撃つがロマニョーリがブロック。

 1-1で前半終了。

 52分、パケタに代えてレオン。LWGに入る。

 53分、カラブリアからレビッチへのパスをルリッチがインターセプト。カウンターになる。ルイス・アルベルトがゴール前まで運ぶがクルニッチが戻って奪う。

クルニッチは直ぐに中央のチャルハノールへパス。このパスでラツィオの中盤ラインを突破しカウンター返し。チャルハノールが運び右のピョンテクではなく左のレオンへラストパス。パスが少し後ろに来て時間が掛かったところにミリンコビッチ=サビッチが戻りクリア。

 55分、自陣から繋ぐラツィオ。ラドゥからパスを受けたフリーのバストスが敵陣へ運びPA手前のホアキン・コレアへ縦パス。ロマニョーリを背負いながらインモービレルイス・アルベルトとのパス交換でカラブリアの背後を取るがカラブリアはなんとかクリア。

 58分、ラッザリのクロスをキャッチしたドンナルンマから中央のチャルハノールへスロー。チャルハノールはアクロバティックなパスでレオンへ。テオへ落とし左サイド奥に流れたピョンテクへスルーパス。バストスが戻ったため自陣方向へドリブルし中央のチャルハノールへパス。これはルーカスがブロックするがクルニッチがリカバーしライン間のレオンへパス。レオンは前を向きドリブル突破を図るがピョンテクが掻っ攫い左足でシュートもサイドネット。

 59分、ミリンコビッチ=サビッチとインモービレに代えてパローロとカイセド。

 63分、ミランのFKをバストスがクリアしたボールはルイス・アルベルトの下へ。カイセドとのワンツーで中盤ラインを突破しテオの外を捲って爆走するラッザリへスルーパスPA内でラッザリがテオと交錯し倒れるがノーファウル。

 76分、ラツィオのCK。ドンナルンマが飛び出すも触れずに流れたボールをアチェルビが右足でシュート。ドンナルンマが戻って弾き出す。

 81分、右肩を痛めたカイセドに代えてカタルディ。ルイス・アルベルトがFWに。

 82分、ルーカスがヘディングでのバックパスを失敗しボールはミランの左サイドにこぼれる。これをレオンが拾い、インナーラップをしたテオへ。テオがゴールエリアまで侵入するがラッザリが止める。このボールをPA内で3本パスを繋ぎ、バストスから一気に最前線のホアキン・コレアへロングパス。ドゥアルテが競り勝つが、セカンドボールはルイス・アルベルトがリカバーしホアキン・コレアへ丁寧なラストパス。コレアが丁寧なファーストタッチから豪快にゴール左へ蹴り込みラツィオが勝ち越し。ロティート会長は大ガッツポーズ。ドンナルンマは成す術無し。

 84分、クルニッチに代えてボナベントゥーラ。

 このまま1-2で試合終了。ラツィオサン・シーロミランに勝利するのは1989年9月3日以来らしい。

ミラン

 これまでよりも人への意識がかなり強い守備だった。

 前半は3トップが3バック、クルニッチがミリンコビッチ=サビッチ、パケタがルイス・アルベルト、べナセルがルーカス、テオがラッザリを意識していた。時にはクルニッチとパケタがDFラインに吸収され6-1-3になることもあった。3トップのプレッシングは左右で異なった。バストスに対してはチャルハノールがラッザリへ出させ、テオがインターセプトを狙うようにプレス。ラドゥにはルリッチへのコースを切るプレスのかけ方だった。左サイドからのクロスにミリンコビッチ=サビッチが飛び込んでくる形を嫌ってのやり方かもしれない。

 後半は前半以上にはっきりさせる。RWGだったレビッチがルリッチを見るように変更。ピョンテクとチャルハノール(レオン)が2トップ気味でサイドへ誘導。その下のパケタ(チャルハノール)がプレス時はアチェルビ、撤退時はルーカスをケア。

 インターセプトやデュエルの数値が相手を上回ったのはこの守備の効果と言えるはず。しかし、カウンターでテオがいない場所を使われたり、流動的に動くルイス・アルベルトホアキン・コレアとインモービレを捕まえられず何度もライン間を使われピンチを招いてしまった。相変わらず軽率なミスからも失点しかけた。

 攻撃では、後半はチャンスがほとんどなかったが前半は何度かあった。20分のパケタ、36分のレビッチは決めてほしい場面だった。38分の場面はチャルハノールが右サイドへ運べれば決定機を作れたはず。53分のもチャルハノールがもう少し前方にパスを出し、レオンが前を向いたまま良いコントロールができれば決定機だった。38分は本当に惜しかった。

 SPALと守備のやり方は近いが、最終ラインを下げるのがラツィオの方が早いと思う。SPAL戦では多かったCBから裏へのロングボールが今日は少なかったのも、ピョンテクが苦手なポストプレーを強いられてしまったのもこれが要因か。

 

 素晴らしいプレーをしていたのはべナセルとクルニッチのエンポリコンビ。2人ともまさしくハードワークしていた。2人の懸命なプレスバックがなければ失点は増えていたと思われる。攻撃面でもポジショニング、技術、冷静な判断が光っていた。

 テオ、チャルハノール、ロマニョーリの3人と上記の2人はレギュラー確定でいい。

 サムカスは怪我をしてしまったが前節に続いて好印象だった。代わって入ったレビッチがRWGタスクに対する適性の低さを露呈したためスソと一騎打ち。軽傷であれ。

 レビッチはサイドでの幅取り要員じゃないってことはフランクフルトでのプレーを見ていた人は皆知っている。サイドでもかなりオープンな状況であれば脅威を与えられると思うが、今のミランではチャルハノールのタスクが最も彼に合っているはず。だが、チャルハノールが攻撃のキーマンとなっている現状を考えると立場は厳しい。

 レオンは途中出場で緩い守備をされるとキツい。しっかりやってくれ。

 カラブリアは今日もミスが多かった。ムサッキオの怪我の具合やカルダーラが万全の状態になればDFとして使われることがなくなるかも。

 3-2-5のRWGをカラブリアやコンティにやらせる考えはないのかな。当然今とは異なるタスクで。今の可変よりもシンプルに、3CBとWBを置いたり。

 

 まだピオーリ4試合目。自分好みの選手が揃っているわけではない(これからも)。負けたのはローマとラツィオ。ジャンパオロ期が時間の無駄だったのだから今はプレシーズン。代表明けのナポリ戦から結果が出始めればCLも夢ではない! とか無理矢理ポジってみる…

ラツィオ

 セリエAで一番上手いのはルイス・アルベルト。パスを出すタイミングや方向が読みづらい。

 バストスは良い運びをしていた。

 今季のインモービレは決定機逸が多い。それでも点取りまくってる。

主審Gianpaolo Calvarese

 カウンターが多かった分カードが多くなったのは仕方ないか。ルリッチがべナセルに喧嘩を仕掛けようとしたのを止めたのはGJ。

ボヤキ

 前半盛りだくさん過ぎて書いてて疲れた。

 テオとラッザリの競走は世界陸上inサン・シーロ