自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

19-20セリエA第22節 vs エラス・ヴェローナ(H)

 公式戦5連勝で1月を負け無しで終えたミラン。今節サン・シーロに迎えるのは昇格組ながら9位のエラス・ヴェローナ。6連勝で次節のミラノダービーへ臨みたいところだが、神様仏様イブラ様が怪我と病気で欠場。更に攻守に獅子奮迅の活躍を見せていたベナセルが出場停止。ダービーを目前にして試練が訪れた。

 エラス・ヴェローナはアムラバトとラフマニがそれぞれフィオレンティーナナポリへの移籍が決定したが、今季はヴェローナに残留。主力をキープして後半戦も戦うことができる。

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランはコンティが病気でベンチの代わりに怪我明けのカラブリアが先発。イブラ、ケアー、クルニッチが欠場。ベナセルが出場停止。新加入のサレマーカーズ、トリノからローンバックのラクサールがベンチ入り。

 エラス・ヴェローナはCFタイプではないヴェッレを最前線に起用。サルセドが怪我で欠場。

 

  • スタッツ&控えメンバー 

Milan Hellas Verona live score, video stream and H2H results - SofaScore

  • ハイライト


AC Milan 1-1 Hellas Verona | 10-Man Verona Hold on to Draw After Calhanoglu's Freekick | Serie A TIM

  • 流れ

 3分エラス、敵陣左サイドでパスを廻しアムラバトから右サイドのファラオーニへ。インターセプトを狙ったテオをかわして内側へ入り込み、PA内のペッシーナへ。ペッシーナにはムサッキオがマークしておりこぼれ球をヴェッレがミドルシュート。ドンナルンマが横っ飛び左手1本でセーブ。しかしヴェッレのハンド。

 12分エラス、ゴールキックをセンターサークルでミゲウ・ヴェローゾとチャルハノールが競り合う。セカンドボールがザッカーニにこぼれ、サムカスの裏を走るラゾビッチへ。ラゾビッチは運んでペッシーナ狙いのクロスを蹴るがカラブリアがブロック。大きなクリアはできないがボールはハーフウェイラインのギュンターまで戻る。ギュンターにサムカスがプレスをかけるがラゾビッチにパスが通る。ラゾビッチはカラブリアの背後を取っていたザッカーニへ。ザッカーニのクロスにテオの背後を上手に取ったファラオーニが合わせてエラス・ヴェローナが先制。0-1。

 16分エラス、自陣右サイドファラオーニからライン間でペッシーナが受けてワンタッチで右サイドのヴェッレへ。ヴェッレはセンターサークルのヴェローゾへ。ヴェローゾはワンタッチで左ハーフスペースのザッカーニへ。これでカラブリアに対してザッカーニと駆け上がるラゾビッチで数的優位。ザッカーニからスルーパスを受けたラゾビッチのシュートはドンナルンマがキャッチ。

 19分ミランハーフウェイライン自陣寄り左サイドタッチライン際のテオからラフマニの背後を取ったレビッチへロブスルーパス。レビッチはPAへ侵入し折り返すがギュンターがクリア。

 28分ミラン、中央やや左からのFK。チャルハノールが蹴ったボールがヴェッレに当たりコースが変わりゴールに吸い込まれミランが同点に追いつく。1-1。

 29分エラス、キックオフからミランがプレス。ラフマニからヴェッレへのパスでプレス回避。ヴェッレは右サイドのペッシーナへ。ペッシーナからアムラバト、ヴェローゾ経由で左サイドのラゾビッチへ。ラゾビッチにはカラブリアがザッカーニを捨ててアプローチしたためカラブリア‐ムサッキオ間にはフリーのザッカーニとスペースが。ラゾビッチからザッカーニへパスが通りザッカーニが折り返すがムサッキオがブロックしCK。

 30分ミラン、上述のCKをニアでレビッチがクリア。拾ったサムカスがレオンへパスを出すが、アムラバトがカットしファラオーニへバックパス。これもミスになり、レオンが拾ってファラオーニをかわそうとするが失敗。ただこれをサムカスが拾って運びゴール前のレビッチへ。シルヴェストリと1vs1になったレビッチはシルヴェストリをかわそうとするがタッチが大きくなりシュートを撃てない。

 36分ミラン、右サイドからCK。サムカスのインスイングのボールにフリーのロマニョーリがヘディングで合わせるが枠の右。

 1-1で前半終了。ミランは攻撃の形を作れなかった。

 50分エラス、自陣左サイドアムラバトから右サイドのラフマニへ。ボナベンとレビッチが寄せるがワンタッチでタッチラインのファラオーニへ。ファラオーニは中央のヴェローゾへ横パス。ヴェローゾは少し運んでサムカス‐チャルハノール間に降りてきたザッカーニへ。ザッカーニは前を向き、ラインを下げたテオの前のペッシーナへ。ペッシーナのコントロールミスをロマニョーリが見逃さずクリア。

 51分エラス、ミランが自陣でボール保持。テオがシンプルにミスパスヴェローゾにボールが渡る。ヴェローゾは左サイドラゾビッチへ展開。ラゾビッチのインスイングクロスにボナベンのマークを外したペッシーナがヘディングで合わせるがポストに嫌われる。

 57分ミラン、敵陣左サイドで受けたボナベンがカットイン。PA手前のチャルハノールへのパスがずれて右サイドタッチライン際まで転がったところでチャルハノールが拾う。チャルハノールはサポートに来たサムカスへ。サムカスはガラ空きのハーフスペースを駆け上がってきたカラブリアへ。カラブリアのシュートは大きく右に外れる。

 62分エラス、敵陣中央でヴェローゾからヴェッレへ縦パス。ヴェッレはワンタッチで左サイドに上がってきたクンブラへ。クンブラは前のラゾビッチに預けてインナーラップ。ラゾビッチはカラブリア‐ムサッキオ間を抜けるザッカーニへ。しかしこれがミスになり、戻ったサムカスが拾って右足でクリア。しかし距離を稼げずアムラバトが拾う。左サイドからアムラバトがロマニョーリの背後へインスイングクロス。これを右サイドから入ってきたファラオーニがペッシーナに落とすが、ボナベンがペッシーナのマークにしっかりついていきシュートを撃たせない。しかしこぼれ球をザッカーニが左足一閃。これは左ポストに嫌われる。

 63分エラス、上述の流れでCK。ヴェローゾがファーに蹴ったボールをラフマニがフリーでヘディング。ドンナルンマは触れずボナベンがブロック。ギュンターの前にこぼれるがカラブリアが間一髪先に反応し事なきを得る。

 63分ミラン、ボナベンに代えてパケタ。ケシエがアンカー、レビッチがLWGの4-3-3。

 67分エラス、アムラバトがサムカスに足裏を見せてしまいVARで一発退場。ザッカーニがRIH、ペッシーナがLIHの5-3-1に。

 68分ミラン、テオからレオンへ楔。レオンはケシエに落とす。ケシエはチャルハノールへ横パス。チャルハノールは少し運んで、サムカスがラゾビッチを引っ張って開けたスペースに入り込むカラブリアへ。PA内で受けたカラブリアはカットインから左足でシュートも枠の左。

 69分エラス、ヴェッレに代えてボリーニ。早くも古巣対戦。ブーイング。

 72分ミラン、敵陣右サイドカラブリアからパケタに縦パス。サムカスに落とす。パケタは右サイドに開いてリターンを受ける。パケタは広がったクンブラ‐ギュンター間のスペースを狙うカラブリアへスルーパスカラブリアはワンタッチで中へ折り返すがテオはコントロールミスでシュートを撃てない。

 76分ミランカラブリアに代えてサレマーカーズ。早速ミランデビュー。

 78分ミランボリーニがスルーしてくれたことでムサッキオがフリーで持ち運びPA内のサムカスへ。サムカスは強引に突破を試みるが失敗。PA内でこぼれ球を拾ったチャルハノールはパケタに横パス。パケタの右足ダイレクトシュートはギュンターがブロック。更にこぼれ球をテオがミドルシュートを撃つがエラス守備陣が素早い寄せでブロックしスローインスローインからテオのふんわりとしたクロスにサムカスが頭から飛び込むがミートすることができない。

 91分ミラン、どちらも拾いきれないセカンドボールをファラオーニが拾って中央を運んで行くがパケタがプレスバックでボール奪取。サレマーカーズに一旦預け、敵陣でリターンを受ける。パケタはファラオーニが空けたスペースで呼び込むテオへパス。ヴェローゾが足を伸ばして触ったたが失速しながらテオに繋がりシュート。これはシルヴェストリがセーブ。こぼれ球をサムカスが詰めるがクンブラのブロックに遭い右ポスト直撃。更にレオンの下にこぼれるがトラップ際をペッシーナがクリア。

 92分ミラン、サムカスに代えてダニエル・マルディーニ。公式戦デビュー。

 サレマーカーズのクロスにテオが飛び込むが触れない。

 93分エラス、ザッカーニに代えてダヴィヴィッツ。CBだがそのまま中盤に入る。

 アムラバト退場後はミランが攻め続けるもエラス・ヴェローナが守りきり1-1で試合終了。ミランは連勝が止まってしまったが7試合連続無敗継続。

 

 神イブラと司令塔ベナセルの重要性を痛感する試合だった。アムラバト退場がなければ負けていた可能性も大いにあった。FKの同点ゴールやポストに助けられたり運が良かった。

 退場まではレビッチ、レオン、テオらの個人技が炸裂する状況以外は攻め手はほとんどなかった。後半からサムカスが右サイドで幅を取り、広げたラゾビッチ‐クンブラ間に後方からカラブリアが飛び出す形は良かった。ただカラブリアに代えてサレマーカーズを入れたことで、サレマーカーズが幅を取る2-1-4-3に変更され、そのような攻撃はなくなった。

 守備はサイドに人数をかけるエラス・ヴェローナの攻撃に苦戦した。SBに対してシャドーとWBの1vs2を瞬間的に作られるような場面をカラブリアは本当に苦手としている。ザッカーニとラゾビッチの2人はどちらもドリブルを仕掛けられる選手で対応が難しいのは百も承知だし、サムカスが単独プレスに行ってしまってサポートが無い場面もあったが、以前からそのような状況での判断ミスが多い。テオのクロス対応とともに早急に改善してほしい。

 チャルハノールはガットゥーゾ時代から何度か3列目で起用されることがあるがしっくりこない。後ろから作るより前で動くタイプ。ベナセルの代役は厳しかったが、他に本職がプリマヴェーラブレシアニーニしかいなかったから致し方ない。ちょうど怪我したクルニッチが悪い。

 次節はダービー。イブラもベナセルも戻って、累積リーチだったロマニョーリも無事、インテルラウタロが出場停止、ハンダノビッチも怪我でいなさそう。これは勝つしかねえので。

 

 ガスペリーニの弟子であるユリッチ監督が遂にブレイクしている今季のエラス・ヴェローナ

 アタランタ同様のマンツーマンディフェンス。テオの攻撃参加にペッシーナはよく戻って対応した。ラゾビッチにはカラブリアと似たような課題を感じた。

 先制すると重心を下げすぎてしまうのはもったいないと思う。相手に下げさせられているわけではなく自ら下げているので。ユベントスvsフィオレンティーナの様に下げすぎると事故が起こる確率が高まる。

 攻撃もアタランタに近い。シャドーがサイドに開き、CFが縦パスを引き出し、WBがクロスに飛び込み、CBも上がってくる。DHにゲームメーカータイプのヴェローゾを置いているのがユリッチの色と言えるかもしれない。

 ペッシーナ好き。ボリーニはやっぱり下手。

 

  • 主審 Daniele Chiffi

 アムラバトの退場はそんなに強くはないけど足裏がちゃんと当っちゃってるから妥当なのかな。サムカスのイタイイタイアピールは非常に有効だったと思う。全体的には微妙でした。

 

  • ボヤキ

 ベルギー的にはサーレマーケルスらしい。英語実況はサレマーカーズっぽかった。個人的には合体させたサーレマーカーズが呼びやすい。