自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第12節 vs ジェノア(A)

 カンピオナート23試合無敗中の首位ミラン。10連戦の8試合目の相手は19位ジェノア

 ジェノアは開幕戦以来勝利なし。得点数ワーストタイ。失点も22と多い。

 このカードの直近10年の結果は意外とロースコアのゲームが多い。ミランは昨季中断直前のジェノア戦に敗れて以来カンピオナート負けなし。ジェノアが壁として立ちはだかるのか。

 

 この日はミランの121歳の誕生日。

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランイブラヒモヴィッチ、ケアー、べナセル、ガッビアが負傷欠場。

 ジェノアパンデフ、サパタ、ビラスキ、ザッパコスタ、カッサータ、マルケッティが欠場。

 

  • スタッツ&控えメンバー    

Fixtures and Results | Season 2020-21 | 12ª Match Day | Lega Serie A

 

  • ハイライト


Genoa 2-2 AC Milan | Mattia Destro Strikes Twice For Genoa | Serie A TIM

 

  • 流れ

 どちらも上手く攻撃を繋げられない前半。ポゼッションはミランだが中盤で引っかかる。

最初のチャンスはジェノア。35分、マジエッロから右サイドのギリオーネにサイドチェンジ。ギリオーネアーリークロスをデストロがカルルと入れ替わるように前に入り、ロマニョーリをかわしてのシュートは僅かに枠の左に外れる。すると、1分後にミランにもチャンス到来。デストロへのスローインをカルルが潰し、カラブリア、サムカス、トナーリがワンタッチで繋ぎ、前を向いたチャルハノールからレビッチに繋がると、レビッチがバーニ、ギリオーネを抜いてシュートを撃つがペリンの好セーブに阻まれる。前半は0-0で終了。

 静かな前半だったが後半立ち上がり46分にスコアが動く。右サイドからミランが押し込んでいたが、サムカスからボールを奪ったストゥラーロから前線のデストロへ。しっかりと収めたデストロから駆け上がるギリオーネへ。ギリオーネの外をゴルダニーガが上がってくるのが見えていたダロトは寄せられず下がり、トナーリにギリオーネを任せる。ギリオーネはゴルダニーガへパス。ゴルダニーガはダロトに寄せられる前にワンタッチでライン間へのクロス。トナーリが釣り出され、ケシエの戻りも間に合わなかったスペースでショムロドフがトラップから反転ボレーシュート。ドンナルンマが好セーブで防ぐが、こぼれ球をデストロが詰めてジェノアが先制。しかしミランもすぐに追いつく。中盤でルーズボールを拾ったチャルハノールから横パスを受けたカラブリアが意表を突いたミドルシュート。これがゴール左下隅に吸い込まれて1-1。

 しかし、またしてもスコアが動く。59分、マジエッロから受けて内側へ進んだチボーラからレラガーへ。最初のポジショニングでチボーラがカラブリア釣り出し、ハーフスペースのピアツァがトナーリを釣り出し、チボーラの運びでケシエを釣り出しライン間にスペース。レラガーはワンタッチでショムロドフへ。ショムロドフもワンタッチでデストロへパスを出すがカルルが足を出す。ルーズボールを拾ったギリオーネアーリークロスをデストロがお手本のような動きとヘディングシュートでネットを揺らしジェノアが勝ち越し。

 追うミランは76分にトナーリに替えてブラヒムを投入すると、77分、ケシエが右サイドでボールを奪い、サレマーケルスが中央に戻し、ケシエ、ダロト、ブラヒム、チャルハノール、レオンと繋ぎ最後は外に余っていたハウゲのシュートは僅かに枠の右に外れる。更に81分、カルルと挟んでスカマッカからボールを奪ったケシエからハウゲ。ハウゲがギリオーネをかわしてからの平行クロスをブラヒムが捌いて最後はチャルハノールが振り抜くがレラガーが懸命にブロック。それで得たCK。チャルハノールがファーに入れたボールをロマニョーリが折り返すとカルルが押し込んでミランが同点に追いつく。

 最後に決定機を作ったのはジェノア。88分、ペリンから前線へのロングボールのセカンドボールをスカマッカが拾いギリオーネへ。オーバーラップしてきたゴルダニーガのアーリークロスをスカマッカがジャンピングボレー。枠を捉えたがドンナルンマの好セーブに阻まれる。試合は2-2で終了。

 

 負けてもおかしくなかったが引き分け。首位キープだが2位インテルが1ポイント差に迫る。カンピオナート24試合無敗。カンピオナート32試合連続得点。そして、カンピオナート14試合連続複数得点でセリエA新記録更新。

 

 トナーリを潰され、チャルハノールもライン間で受けさせてもらえない。レビッチもレオンも収まらない。出し手も居なかったが裏や斜めへの動きも乏しい。サイドでの連携もほとんど見られない。試合通してPAに入れたのは数回。PA内での最多タッチがロマニョーリというのがそれをよく表している。よく2点入ったなと思う。

 終盤にジェノアのラインが下がったのはあるが、ブラヒムとチャルハノールの2シャドウは僅かに可能性を感じさせた。前半からチャルハノールが中央を避けて受けても代わりに中に入ってくる人がいないという問題が解決された。最近は守備も考えてか、ブラヒムがトップ下でチャルハノールが左の並びが多かったが、逆にしたほうが流動性が出そう。CFはレビッチもレオンもダメダメだったのでコロンボに賭けてみてほしかった。補強必至。

 守備はボランチを動かされるとやはり難しい。CBの前に2人いるのが理想。2列目が戻れていればカバーできるが中央からの突破は許さなくてもクロス対応が緩ければ単純なクロスからでも失点してしまう。カルルはデストロに出し抜かれたのを糧にしてほしい。カンピオナート初先発だったダロトはアプローチが遅く余裕を持ってクロスを上げさせてしまったり、攻撃でも全く存在感を出せず。

 イブラ、ケアー、べナセル、テオ。主力4人の不在を痛感。イブラがいればロングボールで無理矢理押し込める。べナセルは後ろ向きで圧力を受けてもターンできる技術と敏捷性がある。テオは攻撃に厚みを作れるし、地味に出し手としても優秀。テオは疲労が理由で起用されなかったが累積リーチというのも関係ありそう。ケシエもリーチだが代役がいない。

 蓄積疲労、攻守の軸であり精神的支柱の2人の不在、ELを首位通過した後の安堵感、連戦最後に難敵のサッスオーロラツィオが控えているという中だるみ感。このような心身ともに難しい状況下でもこの2試合は勝たなければいけない相手だったが、負けてもおかしくない試合展開でも引き分けた。今はネガティブに捉えていないが最終結果次第で意味が変わってくる勝ち点2。

 

 次は中3日でアウェイのサッスオーロ戦。サッスオーロはカプートが復帰したが、ミランはイブラとケアーも復帰できず。放送は酷かったフジからDAZNに戻ります。

 

 基本的にはとてもコンパクトで中央では時間とスペースを与えない。プレスバックと迎撃で挟み撃ち。この試合のような守備強度が維持できていればこの順位になるはずがないのに。タフに動けるレラガーとストゥラーロが疲れてもベーラミとラドヴァノヴィッチが出てくるのはダルい。

 左からビルドアップし、右に展開。ギリオーネ、ゴルダニーガのクロスから決定機創出。ゴルダニーガはCBのイメージだけどクロス上手いし攻撃参加が絶妙。

 マジエッロマジ頑張った。

 

  • 主審 Daniele Orsato

 VARはマッツォレーニ

 オルサートらしくフィジカルコンタクトを許容するジャッジ。