20-21セリエA第19節 vs アタランタ(H)
公式戦無失点3連勝中の首位ミラン。中4日でサン・シーロに迎えるのは中2日の連戦が続く6位アタランタ。前半戦ラストゲーム。
アタランタはここまで9勝6分3敗41得点23失点。相変わらずのインテンシティ、チャンスメイク力で公式戦12試合負けなし中。11月に復帰した天才イリチッチが12月下旬から本調子を取り戻し、ペッシーナ、サパタと新トリデンテを結成している。
ガスペリーニが就任した16-17シーズンから8試合でミランの1勝5分2敗。ガットゥーゾ時代のピョンテク全盛期の1勝。最後にサン・シーロでアタランタに勝利したのは2014年。
中4日の間にミランは無所属だったマンジュキッチとチェルシーから買取オプション付きローンでトモリを獲得。マンジュキッチは言わずもがなの実績と経験を持っており、イブラの負担を軽減したり、同時起用で相手に圧力を与えられる存在として期待。トモリはスピードとビルドアップに長けたCB。最近、プレミアリーグからイタリアにやってくる選手は軒並み(エリクセン以外)活躍しているので期待。
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そして、コンティがパルマへ移籍することも決定。怪我が多く、アタランタ時代のようなパフォーマンスを見せることはできなかった。アッズーリに招集されるくらいには復活してほしい。個人的にはスペツィアに行ってほしかったけど。
Benvenuto Andrea #Conti! ✍🏻💛💙
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イタリア選手協会が選出する12月の月間MVPはテオ!
⭐️ “Calciatore del mese AIC” - dicembre 2020 (Serie A) @TheoHernandez premiato da chi nella storia di questo sport ha lasciato un segno sulla fascia sinistra.#aicmvp pic.twitter.com/xiFUGSRkKL
— AIC | Assocalciatori (@assocalciatori) 2021年1月22日
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先発&フォーメーション
ミランはロマニョーリ、サレマーケルスが出場停止。べナセル、ガッビアが負傷欠場。チャルハノールがcovid-19陽性で欠場。レビッチ、クルニッチが復帰し、テオは偽陽性だったことが判明しアタランタ戦初出場。マンジュキッチ、トモリが早速メンバー入り。
アタランタはパシャリッチが負傷欠場。ガスペリーニ監督との関係が崩壊したパプ・ゴメスが招集外。
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スタッツ&控えメンバー
Match Report | 2020-21 | 19ª Match Day | Lega Serie A
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ハイライト
Milan 0-3 Atalanta | Atalanta beat league leaders AC Milan in impressive 3-0 win | Serie A TIM
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流れ
立ち上がりはミランが良い入りを見せる。50秒、ドンナルンマからレオンへのロングボール。レオンがトロイに競り勝つがイブラに繋げられない。しかし、ロメロが弾き返したボールをレオンが拾いイブラへスルーパス。イブラのシュートは枠に納まらないがオフサイド。1分、レオンがトロイとデ・ローンをかわしてオーバーラップするテオへ。テオのグラウンダークロスにイブラが飛び込むがジムシティがブロックしてCK。トナーリのインスイングのボールをメイテがフリーで合わせるが枠に飛ばせない。以降は、序盤のピンチを凌いだアタランタが自分たちのサッカーを見せ始める。
13分、ミランがイブラのポストプレーとカスティジェホからの展開でテオが攻撃参加。しかし、クロス精度を欠き、ロメロがクリア。これをイリチッチが拾いゴセンスに繋ぐ。ゴセンスからカルルとテオがいないスペースに走るハテブールへロングパス。ハテブールが収めてシュートを撃つがケシエが戻り足に当てる。25分、ショートコーナーでイリチッチがゴセンスに下げると、ワンタッチで送られたクロスをロメロがカルルの背後を取ってヘディングシュート。これが決まってアタランタが先制。
アタランタの時間が続くなか、40分、ミランはFKを得る。トナーリのロングパスをハテブールの背後に回ったイブラが合わせるが枠に飛ばせない。前半は0-1で終了。
ミランは後半からメイテに替えてブラヒムを投入するが、そう簡単に流れは変わらず。
50分、アタランタは左サイド深くでスローイン。ジムシティがサパタへ縦パス、落としを横断して受けるフロイラーからスペースを得たイリチッチへ。イリチッチのシュートはカルルがブロックするが跳ね上がったボールをキープしようとしたイリチッチの顔にケシエの肘が入ってしまいファウルでPK。このPKをイリチッチが自ら決めてアタランタが0-2とする。
更に攻め込むアタランタ。60分、ミランがロングカウンターに出て行きたいが、テオからレオンへのパスがずれてターンオーバー。デ・ローンから右サイドに流れたイリチッチに繋がり、イリチッチの右足クロスをファーでフリーのサパタがヘディングシュート。しかし、枠の上に外れる。67分、ゴセンスのスローインをサパタが収めて、落としをフロイラーがスペースを得たイリチッチへ。イリチッチがムサッキオをかわして右足でシュートを撃つが僅かに枠の左に外れる。
69分、ミランはレビッチとマンジュキッチを両WGに替えて投入。すると、早速チャンスが生まれる。ムサッキオからのロングパスはイブラの裏に入ったマンジュキッチも触れないが、ジムシティのヘディングをケシエが拾いシュートモーションに入るが、ロメロがボールを突く。こぼれ球をマンジュキッチがシュートを撃つがゴッリーニがセーブ。71分にはケシエからのロングパスをイブラがブラヒムとワンツーでシュートに持っていくがジムシティがブロック。
マンジュキッチ投入でミランの攻撃に迫力が出てきたがアタランタは果敢に3点目を狙いに行く。73分、イリチッチのCKをサパタがトナーリのマークを外してヘディングシュート。しかし左ポスト直撃。そして、76分、テオから受けたレビッチがケシエに落とそうとするがデ・ローンに引っかかりカウンター。トロイ、ペッシーナ、ロメロと繋ぎ、サパタへラストパス。サパタが冷静にに合わせを射抜き、0-3。
1点でも返したいミランは91分、CKの流れからブラヒムがミドルシュートを撃つが右ポストに嫌われる。更に94分、トナーリからケシエに鋭い縦パスが入り、イブラ、レビッチ、テオと繋ぎ、クロスにイブラが合わせるがミートできず、流れたボールをマンジュキッチがシュートも当てるのが精一杯でゴッリーニがキャッチ。試合はこのまま0-3で終了。
昨年1月のサンプドリア戦以来の無得点でカンピオナート連続得点記録は38試合でストップ。インテルがウディネーゼに勝てなかったのでスクデットを獲得した10年前以来の前半戦首位ターン。
今季ワーストの内容で完敗。昨季の2試合をミックスしたような内容だった。
カルダーラには勝てていたイブラがロメロに完敗。やっぱり止められないイリチッチ。
プレッシングは機能せず、良い奪い方からカウンターに繋げることができなかった。逆に中途半端なプレスによってスペースを与えてしまった。引き分けたジェノアとウディネーゼのようにコンパクトなブロックを組むのがアタランタにとっては嫌だったと思う。ここ数試合狙われているのが顕著な、ボランチ脇(特にケシエ)のスペースを使われる件とラインを上げられない件は改善必至。カウンターのためになるべく前に残しておきたいLWGを下げるのは良さが消えてしまいそうなのでラインを上げて潰せるようにしたい。となると、トモリはそれらを解決するうってつけの存在かもしれない。周りとの連携も重要になるが、イリチッチ、ディバラ、ルカクら規格外の怪物たちを抑えれば買い取り間違いなし。
攻撃は前半はイブラとメイテの関係性を作れず。メイテにはチャルハノールやブラヒムのように中盤をサポートするような動きをさせずに高い位置を取らせて、イブラへのロングボールをサポートさせるような役割が与えられた。しかし、イブラが収められなかったり、少しだけ時間を得られたSBからも良い配球が出来ず全く機能しなかった。それなら、むしろレオンとイブラの2トップ気味でLWGにレビッチの方がハマりそうだと思った。メイテも後ろ向きで受けるのが得意そうではなく、前を向かせてプレーさせた方が良さそう。加えて、ミランのプレースピードにもなれる必要がありそう。
後半はブラヒムがいつもどおりのボールを引き出す動きで多少はボールが回るようになった。更にマンジュキッチとレビッチでゴールへ向かう怖さが生まれた。試合通して誤算だったのはテオが低調だったこと。
トランジション強度は低めで運動量も少なめ。アタランタの方が鋭さがあった。
イブラはエラス・ヴェローナのマニャーニにも苦労したがロメロにも苦戦。ただ、マンジュキッチとのツインタワーには可能性を感じた。マンジュキッチの献身性も相変わらずだったので2トップでもWGでも問題なさそう。
ケアーは腰痛を患いながらも奮闘。3点くらいは防いだかもしれない。ただ、キツそうなのは目に見えているのでスペツィア戦くらいまで休んでも良いかも。
カルルはイリチッチ相手に翻弄されたが頑張っていたのは事実。18分にイリチッチを止めた場面は見事。中盤と挟んで奪えるような状況を作れなかった。課題のクロス対応のミスで先制点を与えてしまった。怪我の程度が心配。
次は中2日でコッパ・イタリア準々決勝のミラノダービー。完敗に落ち込む暇もなくやってくる1位と2位によるビッグマッチ。勝ち上がるという意味だけじゃない勝敗の重みがある状況。本当にミランがスクデットを狙えるのか、今季最も重要な局面かもしれない。
全局面で強い。攻撃力が魅力だが、ペースを掴むのはプレスから。ボールを奪えるから攻撃が出来るというのを体現している。
ペッシーナがトナーリ、デ・ローンがケシエ、フロイラーがカラブリア、ゴセンスがカスティジェホ、ジムシティがメイテというのが基本的なマッチアップだが、マッチアップを捨てて囲みに行ったり、受け渡す判断が素晴らしい。
もし、ガスペリーニが「無人島に何を持っていきますか?」という質問を受けたら、「デ・ローン、フロイラー、ハテブール」と答えそうなくらいの圧倒的信頼感。
パシャリッチが復帰して、メーレがカスターニュのように両サイドでフィットすれば更に強くなるという恐ろしさ。
イリチッチはメンタルが安定していたら隙無しかもしれないけど、不安定な方が天才感も強まって好き。
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主審 Maurizio Mariani
VARはキッフィ。
前半終了前のゴッリーニのキャッチミスがイブラのファウルになったのは謎。
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おまけ
解説者として天下を取った感のある戸田さんによるレビュー。