自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21コッパ・イタリア準々決勝 vs インテル(A)

 今季ワーストの内容での完敗から中2日で迎えるのはコッパ・イタリア準決勝進出を懸けたカンピオナート1位と2位によるミラノダービー

 

 中2日の間にコロンボクレモネーゼへの武者修行が決定。

 ムサッキオのラツィオ行きも目前。

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランはべナセル、ガッビア、トナーリ、マンジュキッチが負傷欠場。チャルハノールがcovid-19陽性。ジャンルイジ・ドンナルンマが出場停止。アタランタ戦で負傷交代したカルルは問題なくベンチ入り。

 

 インテルはダンブロージオとベシーノが負傷欠場。

 

  • スタッツ&控えメンバー  

Match Report | 2020-21 | Quarter-Final | Lega Serie A

 

  • ハイライト


Inter 2-1 Milan | Eriksen Scores a 97th to Win Derby THRILLER! | Coppa Italia 2020/21

 

  • 流れ

 序盤はややミランのペース。1分、テオから斜めにブロゾビッチ裏のブラヒムへ通り、落としをレオンが受け、インナーラップするテオへパス。中央でテオからリターンを受けたレオンがミドルシュート。枠の左に外れたが良い入りを見せる。12分、イブラも降りて参加した右サイドでのパス交換からダロトがテオへ大きくサイドチェンジ。レオンのインスイングクロスを大外からイブラが折り返すがブラヒムが詰められない。

 ミランは17分にケアーが負傷し、替わってトモリを投入。23分、イブラが降りてメイテとワンツーを試みるが失敗し、メイテが前、イブラが後ろという状況でインテルボールに。インテルハンダノヴィッチ、ブロゾビッチ、コラロフでサレマーケルスのプレスを外し、コラロフからイブラがマークを外したヴィダルへ縦パス。サンチェス、バレッラを経由しダルミアンに繋がり、PA内のルカクへ。ルカクロマニョーリを背負いながらも反転して左足を振り抜くがタタルシャヌが足で防ぐ。更に、こぼれ球から繋がってペリシッチがサレマーケルスを抜いて左サイドを抉ってルカクへラストパス。しかし、ルカクのシュートはロマニョーリが寄せてブロック。26分には、デ・フライが持ち出して、開いたバレッラから逆サイドのペリシッチへ大きなサイドチェンジ。ペリシッチがシュートまで持ち込むがタタルシャヌの正面。徐々にインテルペースになってきたが、ミランがワンチャンスをものにする。

 30分、テオが運んで敵陣深くでFKを獲得。ブラヒムのボールはクリアされるがセカンドボールをダロトが放り込み。ダルミアンがヘディングしたボールをメイテがヘディングでイブラに繋ぐ。イブラがターンして右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に吸い込まれてミランが先制。

 ここから怒涛の反撃を始めるインテル。36分、バレッラからCB間を抜け出したサンチェスへロブパス。落としを受けたルカクから、ヴィダル、ペリシッチと繋ぎ、クロスにサンチェスがヘディングシュート。しかし、テオが身体に当て、トモリが頭で掻き出して防ぐ。前半終盤にロマニョーリの不必要なタックルを受けたルカクがヒートアップ。イブラと口論し頭突き合い。ルカクの怒りが治まらないまま0-1で前半終了。

 ダルミアンに替えてハキミを投入し、ルカクも笑顔で出てきた後半も完全なインテルペース。49分、ショートコーナーからハキミとサンチェスで崩してサンチェスがシュートを撃つがタタルシャヌが弾き出す。54分、中盤でブロゾビッチがメイテから奪ってカウンター。ハキミのクロスをルカクが合わせるがトモリがブロック。55分、フリーのコラロフからハキミへサイドチェンジ。サンチェスのクロスにヴィダルが飛び込むが枠の上に外れる。

 57分、イブラヒモヴィッチが2枚目のイエローカードを受けて退場。ミランはブラヒムに替えてレビッチをワントップに投入。

 更に押し込みまくるインテル。65分、FKのセカンドボールを拾ったサンチェスのクロスに大外からペリシッチがヘディングシュートも枠に収められない。66分にペリシッチに替えてラウタロ・マルティネスを投入し、4-3-1-2でこじ開けにかかる。そして、68分。ハキミから右ハーフスペースを抜け出したバレッラへスルーパス。遅れていったレオンがクロスをブロックするようなスライディングをするが、残り足で引っ掛けてしまう。一旦は流されたがVARでPKに。このPKをルカクが決めて同点に。

 72分にアクシデント。ミランのカウンターに付いていったヴァレリ主審がハムストリングを痛めてしまい、73分から6分間中断し、4審のキッフィと交代。

 再開後も変わらず攻め込むインテル。88分にメイテのミスで抜け出したラウタロがシュートを撃つがタタルシャヌが防ぐ。89分に最大の決定機。右サイドから繋がってきたボールをコラロフがワンタッチでゴール前に送ると、ラウタロがスルーし、ルカクが収めてラウタロに落とし、ラウタロのリターンをルカクがシュートもタタルシャヌがスーパーセーブ。

 ATは10分。96分、メイテがラウタロにボールを奪われ、後ろから足が当たってしまいゴール前でFKを与えてしまう。これをエリクセンが見事な縦回転でネットを揺らしてインテルが逆転。試合はこのまま2-1で終了。

 

 残念ながら公式戦連敗。コッパ・イタリア敗退。しかし、少なくとも前半はアタランタ戦の教訓を生かそうという心意気を感じた。イブラの退場後は守ることで精一杯で、タタルシャヌの好守がなければ早々に試合が決していたはず。

 

 ハイプレスはGKを使ってズラされ見事に外された。ケシエがルカクへの縦パスを警戒するぶん、開いたり降りたりするバレッラに受けられてしまった。全体的に前の選手たちのプレスの連動性が低く、ギアを上げるタイミングが合ってないのも問題。スイッチを入れるチャルハノールの不在が痛すぎる。良かったのは2トップに入ってもロマニョーリとトモリが簡単にやらせなかったこと。

 プレスをかわされた後の戻りをレオンは頑張っていたと思うが、一旦中盤を4枚フラットにした方が奪いに行く形を作りやすい気がするけど。強豪チームの3バックには3バックで対抗するのもアリだとこの連敗で感じた。

 ビルドアップではケシエがアンカーの4-3-3にも見えるスタートだった。アタランタ戦では生かせなかった時間とスペースを得られる両SBだが、この試合では何度か良い場面が見られた。問題はメイテが全く絡めない件。

 ロングカウンターはテオとレオンが雰囲気は感じさせたが、受け手と出し手の意思疎通が出来ずに流れてしまう場面が目立った。

 イブラ退場後は4-4-1になったがレビッチのタスクが謎だったり、たまに中途半端にハイプレスするわで厳しかった。レビッチはボールコントロールも悪いし、退場しそうだし、なかなかの酷さ。もっと中盤をサポートするような守備をしてほしかった。

 

 メイテはアタランタ戦を観ても時間がかかりそうなのは感じたが、本職でもこの出来だとかなり不安。ハイプレス苦手?構えて守る方が得意そう。判断が遅くボールロストも多い。トリノでも試合に出れてなかったのもわかる。下位との試合で少しずつ慣らしていくしかない。自分のリーチを理解してないのか、ヴィダルに対するファウルもラウタロに対するファウルも「あー、当たっちゃったー。」ってリアクション。

 タタルシャヌは好セーブ連発で本当に素晴らしかった。ただ、1つ気になるのはFKの壁と自分の立ち位置はあれで良かったのか。

 ベッカム以来のイングランド人選手のトモリが上々のデビュー。前回記事で現在のチームの守備の課題を解決し得る存在だと書いたが、本当にそれを期待できそうなパフォーマンス。抜群のスピードでサンチェスとルカクに対応。ほとんど練習をしてないわりには、ロマニョーリとの意思疎通も出来ていた。

 

 次は中3日でアウェイのボローニャ戦。べナセル、トナーリ、マンジュキッチは復帰予定。チャルハノールが陰性になってくれることを願う。

 

 前回対戦からスタイルはバランス寄りになったと思う。変えたというよりは戻したと言ったほうが良いか。ロックダウン明けからアグレッシブで攻撃的になり、今季も継続していたが、点は取れてもあまりにも失点が多いのでバランス調整が入ったという印象。シュクリニアルがパフォーマンスを取り戻しているのもバランス調整のおかげ。

 ビルドアップでデ・フライと2CB気味にポジションを取ったコラロフの配球や、冷静にパスコースを探して繋ぐハンダノヴィッチ、ケシエを動かすバレッラの受け方、SBから距離を取ってフリーになるWB、両サイドへのダイナミックな展開が目立った。

 前回やられたカウンターに対するネガトラの意識が高かった。

 ダルミアンは悪くなかったがハキミが怖すぎるので交代は妥当か。

 エリクセンは好きなので中心でやれるチームに行ってくれ。

 

  • 主審 Paolo Vareli

 VARはバンティ。まさかの5回戦のトリノ戦と同じコンビ。

 前半を終わらせるの1分早くない?

 他のカードは妥当だったが、イブラへの2枚目だけは勢いでカードを出してしまった。