自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第20節 vs ボローニャ(A)

 アタランタインテルに連敗し、リスタートを期す首位ミラン。中3日で迎えるのは13位ボローニャとのアウェイゲーム。

 ボローニャはここまで5勝5分9敗24得点33失点。攻守に積極的な姿勢を見せるチームだが、得点があまり奪えていない。先々週まで8試合勝利なしだった。

 ミランボローニャ戦10試合無敗。アウェイゲームに限れば14試合無敗。お得意様。

 

 ムサッキオが契約解除でラツィオ移籍が決定。ルイス・フェリペが負傷離脱したことによる緊急補強だと思うが、3バックは合いそうな気がする。ミランは売却益よりも年俸を浮かせる方を優先。

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランはケアー、ブラヒム、ガッビアが負傷欠場。チャルハノールは陰性判定が出たが、コンディションを鑑み招集外。べナセル、トナーリ、マンジュキッチが復帰。トモリが初先発。

 チャルハノール欠場時は負ける確率が上がるというデータ。

 

 ボローニャはメデルとサンタンデールが負傷欠場。

 

  • スタッツ&控えメンバー    

Match Report | 2020-21 | 20ª Match Day | Lega Serie A

 

  • ハイライト


Bologna 1-2 Milan | Rebić and Kessié Secure Win Despite Late Poli Goal | Serie A TIM

 

  • 流れ

(従来の手法だと気力と時間を使うので、以後は超簡略化させてください)

 

 ミランはいつものハイプレス。保持はCB、DHの4枚でビルドアップ。SBが高い位置を取り、WGはアンカー脇に侵入。レオンかイブラが間に顔を出す。

 ボローニャは4-1-4-1でミドルプレス。トナーリを捨てて、持たせたトモリに出ていくドミンゲスがスイッチ役。保持はIHがビルドアップのサポートに降りる動きやサイドに流れるバロウに連動して、IHの飛び出しやWGのカットインでスペースを活用することを狙う。

 6分、トモリからイブラへの縦パスを起点に、カラブリアのクロスをレビッチが流してレオンにシュートチャンスが訪れるがミート出来ない。

 11分、テオのFKをスコルプスキが好セーブ。

 23分、CKのセカンドボールを拾ったトナーリのクロスをイブラが捉えるがスコルプスキが好セーブ。そのこぼれ球も再度クロスを入れるとレオンがダイクスに倒されてPK。イブラのキックはスコルプスキが弾くが、こぼれ球をレビッチが詰めてミランが先制。

 38分、ミランのハイプレスをダイクス、シャウテン、ドミンゲスでかわすと、ソリアーノからバロウがトモリを釣り出して空けたスペースに侵入したサンソーネにパス。サンソーネのシュートはドンナルンマが好セーブ。

 40分、ロマニョーリからレオンへ縦パス。レビッチのクロスをイブラが頭で折り返しカラブリアがシュートも勢いなくスコルプスキがキャッチ。

 直後、ダニーロから前線へロングパス。ドミンゲスがフリックしたボールをカラブリアが処理ミス。サンソーネに抜け出され、ドミンゲスにビッグチャンス。しかし、これもドンナルンマがビッグセーブ。

 前半はミランのアグレッシブなスタイルが両GKの好守を引き出した。

 後半はボローニャもハイプレスを敢行。それに伴いミランもロングボールが増加。

 48分、カラブリアのロングボールをイブラがレビッチに落とし、レオンがイブラへのクロスではなくシュートを選択するがスコルプスキが弾き出す。

 53分、ロマニョーリが自陣でボールを奪い、そのまま運んでいく。レオンのアーリークロスをイブラが頭で折り返すとスマオロの腕に当たりPK。今度はケシエがしっかり決めてミランが追加点。

 60分、ドンナルンマのロングボールをレオン、レビッチ、テオで繋いで、内側を抜け出したテオがイブラとワンツー。最後は右サイドを駆け上がってきたカラブリアがシュートもスコルプスキが弾き出す。

 78分、ボローニャはダイクスに替えてパラシオを投入し、ポーリがアンカー、ヴィニャートとスコフ・オルセンがWBの攻撃的な3-1-4-2に変更。

 80分、冨安からソリアーノのパスがズレてテオが拾う。テオが中央へ持ち出したところをパラシオが引っ掛けてカウンター。ポーリ、パラシオ、スコフ・オルセンと繋ぎ、最後はポーリが蹴り込んで1点差に。

 83分、押し込むボローニャオルセンのクロスはクリアされるが、こぼれ球を拾ったダニーロからDFラインの背後に絶妙なパス。反応したソリアーノが頭で合わせるがドンナルンマがビッグセーブ。

 ボローニャが最後まで猛攻を見せたが、ミランがなんとか逃げ切り1-2で勝利。

 

 なんとか逃げ切って連敗ストップ。

 カンピオナートアウェイゲーム20試合連続得点。

 シーズンの最初のアウェイ10試合で9勝した3番目のチーム。

 

 ハイプレスの成功率はぼちぼち。スタートポジションが整っていれば不安はない。それほどボローニャのビルドアップ隊の選手のクオリティも高くないのでミスをしてくれる。38分のように、グチャグチャになった状態だとマークがバラついて判断が遅れてしまう。

 クルニッチのトップ下、マンジュキッチのLWGは守備強度を上げた。逆に、レビッチとレオンがいなくなったことでカウンターの怖さを相手に与えられず。イブラではなくレオンを前に残せば良かったかもしれない。マンジュキッチが加入したので勝っている試合でイブラをフルで使う必要性があるのかは疑問。

 終盤はボローニャのシステム変更とソリアーノ、パラシオによる非常に流動的なポジションチェンジに混乱させられた。

 前半のビルドアップもぼちぼち。レオンは上手くリンクマンとしての役割を果たした。トナーリは出来る限りのことはやったと思うが、後半のべナセルのプレス耐性とボール捌きを見せられると厳しいものがある。トモリは良い縦パスが何本かあったが、ケアーのようなロングフィードは持ってなさそうだった。

 

 3回のビッグセーブとトモリのクリアミスをカバーしチームを救ったドンナルンマが文句なしのマン・オブ・ザ・マッチ。出場停止だったダービーでのタタルシャヌの奮闘も刺激になったか。

 初先発のトモリはダービーでの好パフォーマンスによって高まる期待にも応えた。後ろでも前でも勝負できるスピードと前で潰しきれるパワーは素晴らしい。40分のドミンゲスの決定機はドンナルンマのビッグセーブだが、猛烈な寄せでドミンゲスにプレッシャーを与えた。

 走行距離トップ2のサレマとケシエは最後まで本当によく走った。サレマはいつサムカスに替えるのかと思っていたがフル。オンではあまり目立たなかったが、常にアクションを起こしていたのが相手にはウザかったと思う。ケシエは前後左右に危険なエリアを埋め、終盤は鬼フィジカルで時間稼ぎ。PK上手すぎ。

 べナセルが12月13日のパルマ戦以来の出場で随所に流石のプレーを見せてくれた。指示を出して味方を動かすことができる選手が復帰したのは頼もしい。同様のことを言えるのは新加入のマンジュキッチとトモリ。マンジュキッチはプレッシングの指示、トモリはクロスに対するマーキングの指示を出していた。マンジュキッチはチームとして使われたくないパスラインを消すのが上手い。

 

 コッパ・イタリアは敗退したので、次は中7日でクロトーネ戦。クリスマス休暇以外で1週間空くのは今季初めて。マンジュキッチの初ゴールなどゴールラッシュに期待したい。

 

 スコルプスキ神。セリエAでも目立つ存在ではないが安定感抜群の実力者。ポーランドシュチェスニーにドロンゴフスキにレベル高すぎ。

 ドミンゲスの運動量が凄まじかった。プレッシングのスイッチ役、ブロック組む時はシャウテンの横に戻る、ビルドアップのサポートと前線への飛び出し。

 曲者すぎるソリアーノとパラシオ。

 やっぱりバロウは左サイドから仕掛けさせたい。CFは荷が重い。ミハイロヴィッチが昨季からずっとCFを欲しがっているなかで、最近はピナモンティの噂があるがどうなるのか。

 冨安は良くも悪くも目立たず。攻撃参加は序盤のドリブル突破からのクロスぐらいか。

 

  • 主審 Daniele Doveri

 VARはパイレット。

 2本目のPKの後、オルソリーニがテオに倒されたがファウルがなく、ソリアーノが報復のようなタックルをしたことで、一瞬、場が荒れた。ただ、すぐに止めに入り、一時的な盛り上がりで抑えた。