自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21EL Round32 2nd leg vs FKツルヴェナ・ズヴェズダ(H)

 公式戦3試合内容も乏しく勝ちなしと暗雲が立ち籠めるミラン。ダービーから中3日でレッドスターとのリターンマッチ。

 レッドスターの週末の試合は先制を許すが終盤にCKからの2点で逆転勝利。無敗を維持している。

 

 1stレグは2-2。AGでミランがリード。

incursore.hatenablog.com

 

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランはべナセルとマンジュキッチとダニエル・マルディーニが負傷欠場。

 ツルヴェナ・ズヴェズダはミルノヴィッチとロディッチが出場停止。

 

  • スタッツ&控えメンバー

Milan-Crvena zvezda | Line-ups | UEFA Europa League | UEFA.com

 

  • ハイライト


Highlights | AC Milan 1-1 Crvena zvezda | Europa League Round of 32 return leg

 

  • 流れ

 レッドスターは2CBとサノゴとカンガでビルドアップ。右はガイッチが高い位置を取り、ベンがハーフスペース。左はゴベリッチが低い位置、イヴァニッチが大外、スルニッチ(ペトロヴィッチ)がカラブリア周辺のスペースに飛び出す形と、ゴベリッチが高い位置、イヴァニッチがハーフスペース、スルニッチ(ペトロヴィッチ)が下がり目で2-3-5化する形の2段構え。ミランはプレスのスイッチが入らず、簡単にボールを運ばれてしまう場面が目立った。

 レッドスターのプレッシングはファルチネッリがトモリにアプローチ、ベンが絞ってロマニョーリに。カラブリアとイヴァニッチ、中盤はマンツーマン気味。ミランは右に追い込まれると苦しい場面が多かったが、左は降りるチャルハノールに対してダロトが上がることでガイッチがついてこれずにチャルハノールがフリーで受けられる状況を作れていた。

 6分、ダロトのクロスのクリアにDFが手間取り、こぼれ球がクルニッチに。クルニッチのシュートがゴベリッチの腕に当たり、VARの進言によりPK。ケシエが冷静に沈めてミランが先制。

 18分、カンガのCKをニアでロマニョーリのマークを外したファルチネッリがフリック。パンコフに当たったボールをベンが押し込みネットを揺らすが、パンコフのハンドでノーゴール。

 21分、ベンの直接FKが左角枠に直撃。

 23分、トモリが蹴らされたボールをデゲネクが跳ね返す。これをイヴァニッチが中に運び、斜めに入ってきたベンへパス。ベンが放ったシュートはロマニョーリの股を抜きゴール右隅に決まる。レッドスターはもう1点必要。

 36分、クルニッチから右サイドのチャルハノールへサイドチェンジ。オーバーラップしたカラブリアのグラウンダークロスをファーでダロトが詰めるがボージャンが足で弾き出す。

 1-1で前半終了。

 ミランは後半からレオンとクルニッチに替えてイブラヒモヴィッチとレビッチを投入。レッドスターはスルニッチに替えてペトロヴィッチを投入。

 ミランはチャルハノールがトップ下に入り前半よりはプレスのスイッチが入るようになる。ビルドアップで手詰まっていたトモリには逆サイドが空いていることを伝えられた様子。

 52分、カラブリアスローインをカスティジェホがターン、レビッチ、チャルハノールとゴール前でテンポ良く左右に繋ぐと、ファーのイブラへクロス。頭での折り返しにレビッチが反応するがミートできない。

 60分、パンコフからのサイドチェンジを受けたイヴァニッチがトラップでカラブリアと入れ替わりシュートまで持ち込むがトモリがブロック。

 67分、ベンのFKをデゲネクが折り返しサノゴがボレーシュートを撃つがドンナルンマがスーパーセーブ。こぼれ球をゴベリッチが狙うが枠に飛ばせず。

 69分、チャルハノールへのバックチャージでゴベリッチが2枚目のイエローカードで退場。4-1-3-1に。

 72分、レッドスターのCKからミランがカウンター。イブラがクリアしたボールをチャルハノールがサレマーケルスへ繋ぐ。サレマーケルスが粘り、チャルハノールが逆のテオへ展開。テオから受けたレビッチのクロスをファーのイブラが折り返し、サレマーケルスがネットを揺らすがイブラがオフサイド

 81分、ガイッチからパヴコフへロングボール。パヴコフがトモリに競り勝ちカタイに繋がる。カタイがPA内に持ち込みシュートを撃つがサイドネット。

 91分、ダロトからのパスをメイテが背後に寄ってくるサノゴをワンタッチでかわし、中央を斜めに抜け出したレビッチにスルーパスオフサイドギリギリで受けて撃ったシュートはパンコフがブロック。

 試合は1-1で終了。ミランがAGの差で辛くもベスト16行きを決めた。

 抽選会の結果、次の相手はマンチェスター・ユナイテッド。レスターとかレヴァークーゼンとか負けたのね。

 ミランはユナイテッドに強いらしいが関係なさそう。

 

 なんとか突破。終盤は点を取りたいけど無茶して痛い目に遭うのが怖いというもどかしさがあった。

 レオンもクルニッチも曖昧なプレス。最近の試合内容を考えて、ハイプレスを抑えたのか?あえて攻めさせて、レオンのカウンターが生きるスペースを作ろうとしたのか?ちょっとよくわからない。何れにせよ、ピッチを広く使う相手から全然ボールを奪えないし、綺麗に崩された。5レーンを巧みに利用されて崩されるのは、最近の勝てない試合の共通点。そろそろ本気でカラブリア、カルル、ケアー、トモリ、テオの5バックを練習した方が良いかもしれない。

 攻撃は前半は左から前進して右サイドに展開する形は良かった。35分のようにゴベリッチの裏にケシエが飛び出すのは効果的だったがそれっきりだったと思う。前半はチャルハノール、後半はイブラが降りるのが目立った。イブラ、チャルハノール、レビッチのスペースの相互利用はスムーズで良い動きだったが、オンの質が上がらず得点を奪えなかった。

 最近4試合でPK2つとOG1つの3点しか奪えていないが、絶望的だったのはスペツィア戦だけ。元々ポゼッションからの崩しは得意じゃないので、良い守備ができずに得意のカウンターを発揮できない方が問題。カウンターできてもひとつひとつの質が落ちているし、全ては1年間走りっぱなしによる蓄積疲労のせいにしたい。

 

 ビルドアップ時はマンツーマン気味にカンガに付かれていたケシエだが、CB間や脇に降りるような動きはなかった。

 ドンナルンマ神が22歳の誕生日にチームを救うスーパーセーブ。

 レオンは1stレグの後半といい、悪いダラダラ感が戻ってきてしまっている印象。10分のカウンターもデゲネクに止められてしまうし、実は怪我持ち?

 

 次は中2日でアウェイローマ戦。EL組同士、日程の苦しさは同じ。CL圏内を争ううえで絶対に負けられない。

 

 幅を直接的にも間接的にも活用した攻撃。13分、イヴァニッチのサイドチェンジからの攻撃。20分、パンコフの縦パスからベンのFK獲得。56分、サノゴから中央縦パス。66分、大外イヴァニッチがワンタッチで斜めの楔。

 1stレグに引き続き、やはりイヴァニッチとカンガ。2人とももう少し若ければめちゃくちゃオファーありそう。大外でも内側でも、オンでもオフでも輝くイヴァニッチはこの試合を観たセリエAのクラブが調査に動くだろうなあ。サッスオーロもスペツィアもハマりそうだけど、エラスがザッカーニの後釜として狙いそう。

 運べるデゲネク。縦パスのパンコフ。パワーのサノゴ。ダイアゴナルのベン。ファルチネッリのポスト。巨人パヴコフ。

 スタンコヴィッチは監督としてもセリエAに来れそう。カリスマ性に戦術メモリーも持ち合わせてそう。来季こそコンテがインテルと喧嘩別れするはず()なのでレジェンドを後任にどうぞ。

 

  • 主審 Jesus Gil Manzano(ESP)

 VAR Alejandro Hernandez (ESP)

 最後のCKをやらせてあげないのはミラン的には助かったけど試合としてはつまらない。