自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第36節 vs トリノ(A)

 会心の勝利から中2日。CLに向けて勢いづく3位ミランは再びトリノでのアウェイゲーム。今度の相手は18位ベネヴェントと4ポイント差の15位トリノトリノは5連戦の2試合目で次節に17位スペツィア、最終節に18位ベネヴェントとの直接対決を残している。

 トリノはここまで1試合未消化で7勝14分13敗48得点57失点。1月中旬のニコラ就任後はサナブリア、マンドラゴラの加入もあり、5勝7分4敗と着実に勝ち点を稼いでいる。特に4月以降は1敗のみ。

  • ホーム成績17位。アウェイ成績12位。引き分け数最多。
  • 1試合平均得点9位。シュート数10位。ポスト・バーに当てた回数3位。
  • 失点13位タイ。セーブ数17位(少ない)。
  • クロス成功数8位、失敗数2位。ヘディングゴール数3位。
  • オフサイド数18位タイ。
  • トータルプレイングタイム最長。アクチュアルプレイングタイム17位。
  • ポゼッションタイム15位。
  • 1試合平均走行距離19位。

 

先発&フォーメーション


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 ミランはサレマーケルスが出場停止。イブラヒモヴィッチ、トナーリが負傷欠場。

 トリノは前節から先発を7人変更。ヌクルが出場停止。イッツォ、ゴヤク、ムッルー、ヴァニャ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2020-21 | 36ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ミランは前節に引き続きカラブリアが下がり目で後ろ3枚気味のビルドアップ。トリノの2トップ間にDH1人、もうひとりのDHとチャルハノールとブラヒムが3ボランチ間や脇に顔を出す。トリノはできるだけ高い位置でプレッシングを狙う姿勢。ゴールキックに対してはマンツーマンでハイプレス。

 トリノのビルドアップは自陣低い位置ではあまり繋がずに前線へのロングボールを入れ、IHがセカンドボールを狙う。回収しても速攻をできない場合はミドルゾーンで保持し、2トップへの縦パスやサイドへの展開を狙う。ミランは4-2-3-1でボールサイドにコンパクトにする。SHはWBへのコースを切り、IHやCFへの縦パスのカットをDHやCBが狙う。

 

 18分、ケアーからチャルハノールへの縦パス、落としを受けたブラヒムからテオへスルーパスという流れでCKを獲得。CK後の波状攻撃。右サイドで受けたブラヒムが中央へ運びテオへパス。PA手前で受けたテオが左足を振り抜くとゴール右隅に突き刺さりミランが先制。

 19分、左サイドでスローインを受けたレビッチが深い位置まで運びテオに下げる。テオがワンタッチでクロスを入れるとケシエがヘディングシュートを撃つがシリグがファインセーブ。こぼれ球をカスティジェホが撃つがポストに嫌われる。

 23分、右サイド低い位置で受けたチャルハノールからケシエへパス。ケシエは少し運びレビッチへパス。レビッチは切り返しでリネッティをかわしカスティジェホにラストパス。カスティジェホがシュートかパスを狙って失敗するがリャンコのタックルがアフターでカスティジェホに当たりPK。これをケシエがしっかり決めてミランが追加点をあげる。

 35分、トモリからケシエへ縦パス。ワンタッチでチャルハノール、べナセルへと繋ぐ。べナセルが少し運びレビッチへ縦パス。リャンコがインターセプトを狙うがレビッチはかわし、上がってきたカラブリアへラストパス。カラブリアがシリグとの1vs1を冷静に沈めて3点目かと思われたがカラブリアオフサイド

 37分、ミランゴールキックに対してトリノがハイプレス。ドンナルンマから降りてきたチャルハノールへパス。チャルハノールからケアーへのバックパスをザザがカットし、チャルハノールのマークについていたブレーメルがシュートを撃つがドンナルンマがセーブ。こぼれ球をボナッツォーリが狙うがミートできない。

 0-2で前半終了。ミランは後半からカードをもらったべナセルに替えて古巣対戦のメイテを投入。

 48分、低い位置でリカルド・ロドリゲスからシンゴへサイドチェンジ。レビッチが追い、ブレーメルに下げさせる。レビッチが2度追いでブレーメルにアプローチ。ブレーメルからリネッティへのパスをケシエが狙って奪う。ケシエからのラストパスをブラヒムが冷静に決めて3点目。

 52分、シンゴが狭い中央へドリブルしリネッティへパス。リネッティの足下からメイテが奪い、テオが運びカウンター。テオから左に開いて受けたレビッチがブレーメルをドリブルで振り回しゴール前へ折り返す。フリーのケシエがシュートを撃つがミートできずに枠の右に外れる。

 56分、チャルハノールのFKがトリノDFに当たりファーに流れ、手前でシンゴが触ったボールがブラヒムに当たりゴール方向に飛んだボールはバーに当たる。

 57分、自陣でメイテ、ケシエ、チャルハノール、メイテ、カラブリアと繋ぎプレスを回避。カラブリアは中央から外にブオンジョルノの裏を抜け出したカスティジェホへスルーパス。カスティジェホが右サイドから中に入ったブラヒムに下げ、ブラヒムは中央に上がってきたチャルハノールへパス。チャルハノールがワンタッチでミドルシュートを撃つが僅かに枠の左に外れる。

 60分、カラブリアからブラヒムへの縦パスをブオンジョルノがインターセプトするがパスミスがテオのもとへ。テオから受けたブラヒムが左に開いたレビッチへ。レビッチはハーフスペースを駆け上がってきたテオへスルーパス。テオが飛び出してくるシリグの頭上を超すワンタッチループシュートを決めて4点目。

 66分、アンサルディからボナッツォーリへのパスをプレスバックしたカスティジェホがカット。中央へ運びチャルハノールへパス。チャルハノールは右サイドを駆け上がってきたクルニッチへパス。クルニッチは中央へコントロールし左に開いたレビッチへラストパス。レビッチはワンタッチでニアを射抜き5点目。

 71分、中盤でメイテがヴェルディからボール奪取。すぐにブレーメルの裏に走り出したレオンへスルーパス。レオンがゴール前まで運び並走していたレビッチへラストパス。レビッチがガラ空きのゴールに流し込み6点目。

 78分、CKのこぼれ球を拾ったダロトからファーへクロス。クルニッチが頭でゴール前に折り返すとレビッチが膝で押し込み7点目。

 0-7で試合終了。ミランが21世紀初の7得点の大勝でCL出場まであと1勝とした。

 

ミラン  

 トリノの事情を差し引いても累積リーチ組のカード管理まで含めて完璧な勝利。強いて言えばマンジュキッチが初ゴールを奪えればよかった。

 前半を無失点で終えた試合数が25試合で5大リーグで3位。セリエAでは最多。

 アウェイ15勝は最多タイ記録。最終節アタランタ戦で勝てば新記録。

 

 シュート本数はトリノと同じだが被枠内シュートはチャルハノールのミスからの1本のみ。ピンチはほとんどなかった。

 ピオーリがチャルハノール交代後にレオンではなくクルニッチをLSHにしたのは、SHにはちゃんと戻れる選手を起用するという意思表示だと思う。イブラ、レビッチ、レオン、ブラヒムで前線2枠を奪い合い、クルニッチが信頼され、ハウゲが居場所を失う。

 レビッチはチャンスメイクに徹していたおまけが最後の3発に来た感じ。ミランの選手がトリプレッタを記録するのはバッカ以来らしい。3点目のきっかけになった2度追いは素晴らしかった。

 終盤戦絶好調のテオは今季2度目のドッピエッタ。DFのドッピエッタは5大リーグ今季初らしい。

 サムカスはよく走った。ボールを持って何かしたわけではないが動きは周りを助けていたと思う。

 メイテは3点目の直前のネガトラではこぼれ球を拾ったバゼッリをサムカスと挟みカウンターを防いたり、何度もチャンスの起点になり古巣相手に躍動。ガゼッタの6点には納得がいかない。

 

 

トリノ

 先を見据えた主力温存の末に大敗。この結果が悪い方向に行かないようにしなければならないが、試合後にピッチでニコラが円陣を組んでいたから問題はないか。

 足下で受けたがるボナッツォーリは効く試合とそうじゃない試合が分かれる。ボール持ってるけど崩せずに停滞している試合はどんどん受けに来てくれてリズムが生まれるのは助かる。この試合は裏やゴールへ向かう動きの方が必要だった。そこそこ好きなので頑張れ。 

 

主審 Marco Guida

 VARはアウレリアーノ。

 特になし。