退場者が続出している21-22シーズン開幕節のラストを飾るゲーム。19-20シーズンの中断明けの昨年6月末からの厳しいスケジュールを終え、ほとんどの選手がしっかりと休暇を取れたミランはPSMで守備に自信を深めてルイジ・フェラーリスに乗り込む。
昨季9位のサンプドリアはラニエリ監督が退任。後任選びには時間がかかったが、ラニエリから戦術的な変化が小さく、混乱が起こりづらそうなダヴェルサを招聘。現時点で目立った補強はないが、主力級の放出もヤンクトだけで済んでいる。しかし、トルスビーはアタランタに狙われており、EUROでの大活躍でダムスゴーはいつビッグオファーが届いてもおかしくない。
コッパ・イタリアのアレッサンドリア戦を観たところ、アレッサンドリアの積極的な攻守に終始苦戦していたが、セットプレーの流れからの得点で辛くも勝利。クアリアレッラとカンドレーヴァのクオリティは今季も健在。ビルドアップが不安定だったCBには予想通りに吉田とコリーが入れば改善されそう。アレッサンドリアの3バックのビルドアップに上手く対処できていなかったので、PSMで3-1ビルドアップを行っていたミランは狙い目。オープンになったケアーから吉田の裏にレビッチやレオンを走り込ませるのは効きそう。
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パナシナイコス戦後の1週間
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フロレンツィを買取オプション付きローンで獲得。報道によると€1mの有償ローンで買取金額は€4.5m。個人的にはゼーマン時代のインサイドハーフが好き。25番といえば現コーチのボネーラ。
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先発&フォーメーション
ミランはイブラヒモヴィッチ、ケシエが負傷欠場。RSBの4番手にまで降格したコンティが招集外。
サンプドリアはロナウド・ヴィエイラ、カプラーリ、トレグロッサ、ムリージョらが招集外。
スタッツ&控え
Match Report | 2021-22 | 1ª Match Day | Lega Serie A
ハイライト
流れ
サンプドリアのプレッシングで試合が始まる。ミランのCBにはクアリアレッラとガッビアディーニ、ボランチにはボランチがマンツーマン。カラブリアにはアウジェッロ、テオにはカンドレーヴァが対応。メニャンへプレスをかけるのはプレッシングが発動中の時なので、メニャンからビルドアップがスタートする場合は基本的にノープレッシャー。
ミランはSBが高い位置を取り、ボランチがCB間や脇に降りて相手ボランチを釣り出し、空いた中央にブラヒムが降りてボールをピックアップしドリブルで前進していく。中盤まで降りていくブラヒムにサンプドリアのCBは付いていかずSHが絞って見ようとするが、そうなるとサイドにスペースが生まれるという悪循環。また、メニャンの精度も飛距離も高性能なフィード能力を生かしてSBへのロブパスや前線へのロングパスも目立った。
サンプドリアのビルドアップは、DFラインの前にエクダルがアンカー気味にいて、トルスビーがCBとSBの間に降りるというミランと似たような形。対するミランのプレッシングはボランチを中央からあまり動かさないようにしていたので、トルスビーをマークする人はいないうえにブラヒムがエクダルを気にしないといけないのでプレスはハマらない。
しかし、ミランはトルスビーが動く時間を与えないようにプレスを早くすることでマッチアップが明確な状態になりプレスがハマるようになる。逆にサンプドリアはトルスビーを高い位置でロングボールのターゲットとして運用していく。
4分、サンプドリアがデザインされたショートコーナーで大外から中に入りフリーになったクアリアレッラのヘディングシュートは枠外。
直後のゴールキック。メニャンからベレシンスキの背後を狙ったレオンへロングパス。レオンがシュートまで持ち込むがアウデロが左手で弾き出す。
8分、メニャンからアウジェッロの裏へのロングパスをカラブリアが追いかける。カラブリアが軽く押してアウジェッロのミスを誘いボールを奪う。そのままゴールライン際からマイナスの折り返しを入れると、ブラヒムのシュートはアウデロが抑えきれずにゴールに吸い込まれる。ミランが先制。
12分、サンプドリアのビルドアップでオープンになったコリーからトナーリとサレマの間に降りたクアリアレッラへ縦パス。クアリアレッラがスルーしたボールはダムスゴーに繋がり、ゴール前でガッビアディーニ、カンドレーヴァとボールが渡る。カンドレーヴァのシュート性のクロスにダムスゴーが飛び込むが触れずゴールキックに。
16分、中盤でクルニッチがボールロストするがブラヒムが猛烈なプレスバックとファウルで速攻を止める。そのFKをガッビアディーニが直接狙うがメニャンが上に弾いてバーに当たる。
25分、FKのクリアボールをテオがミドルシュート。アウデロが弾いたボールをクルニッチが撃つが枠外。
31分、自陣左サイドのFKをテオがカラブリアへサイドチェンジ。アウジェッロが寄せるが中央から右に流れるサレマにワンタッチで流す。サレマには中央からエクダルがついていくが、空いたライン間のブラヒムへパス。ブラヒムはスルーしてジルーの落としをブラヒムが撃つが吉田がブロック。
0-1で前半終了。
51分、コリーから前線のガッビアディーニへロングパス。流れたボールをテオが処理しようとするがガッビアディーニに身体を入れられてPA内でボールロスト。ガッビアディーニが右足でシュートを撃つがメニャンがコラプシングで防ぐ。
86分、右サイドからカンドレーヴァが左足でクロス。大外に飛び込んできたムッルーの折り返しをヴェッレが狙うがべナセルがブロック。ミランが大きくクリアするが、吉田が拾いサンプドリアの攻撃が続く。左サイドのムッルーにボールが渡ると中央に入ったダムスゴーとのワンツーでカラブリアの裏を取りクロスを入れる。ファーに流れたボールをカンドレーヴァがワンタッチでシュート性の高速クロスを入れるがヴェッレは合わせきれず。
93分、ゴール前でのアドリエン・シウバのパスミスを拾ったジルーからパスを受けたレビッチのコントロールシュートは僅かに枠の右に外れる。
0-1で試合終了。
ミラン
開幕戦勝利。昨季から6試合連続無失点。
サンプドリアの積極的な姿勢は想定外で苦戦した部分もあれど、クルニッチ、トナーリのコンビでも落ち着いたビルドアップからチャンスメイクができたのはとても良かった。昨季はこのようなプレスをかけられた試合ではほとんどロングボールを蹴るしかなかった。マークされている中、彼ら自身が自陣の繋ぎで致命的なミスをしなかったのも大きかったが、冷静にフリーの味方を見つけて繋いだメニャンと、フリーになれるエリアを探し続けボールを敵陣へ運んだブラヒムの存在が不可欠だった。事実、ブラヒムの交代後はべナセルがボランチ、クルニッチがトップ下に入ったが、クリーンなビルドアップはできず守勢に回ってしまった。新トレクアルティスタが獲れればいいが、失敗したら昨季に少しだけ試したレオンのトップ下は有りだと思う。ただ、やはり攻撃的なオプションが少ないのでサイドでもトレクアルティスタでも計算できるダムスゴーが欲しい。€10mの有償2年ローンに€20mの買取義務でどうですか?
そのレオンは良いスタートを切ったが、徐々にキレと集中力が落ちていってしまった。特に残念だったのは、46分のメニャン、クルニッチ、ブラヒム、サレマ、ジルーと完璧に中央を崩したのにレオンが止まってしまったこと。ジルーも怒ってた。
サレマは基本的に内側を取りながら、アウジェッロがカラブリアに出ていくとアウジェッロの裏へ流れていく動きは効いていた。アタッカーとして何らかの怖さが身につけば良いのに。
そして、サレマに代わってフロレンツィがデビュー。これといった場面はなかったが2人は良い競争をしてほしい。
終盤にはカラブリアに代えてロマニョーリを投入し3-4-1-2に変更。サンプドリアペースの展開だったが、ロマニョーリがしっかりと受け手を潰し続けて危なげなく試合を終わらせることに成功。ピオーリも手応えがあるようで今後も逃げ切りたい場面では多く見られるかもしれない。
ケアー、トモリ、カラブリアが安定のパフォーマンスを見せた一方で、テオはカンドレーヴァのドリブルとクロスの対応に苦慮。間合いを空けすぎて相手に余裕を与えてしまっていた気がする。攻撃参加のランニングは良かったが、良い形で受けられなかった。トモリは身長は高くないが、ジャンプ力のおかげなのかポジショニングが良いのか跳ね返し能力がやたら高い。
クルニッチとトナーリは地味な仕事が多かったが着実にこなして勝利に貢献。走行距離はチームトップ2。ともにネガトラ時のSB裏のカバー、バイタルエリアの管理は光っていた。クルニッチはトルスビーとの空中戦にも互角にわたり合い、トップ下に移っても最後まで足を止めず。トナーリはブレシアで見せていたようなドリブルを随所に発揮。ケシエがいればもっと落ち着いた試合展開にできたかもしれないというタラレバはあるが十分に働いた。
ジルーはシュートがなかったが、得点の匂いを感じさせる動きはできていた。良いボールが来れば問題ないだろう。プレッシング、身体を張ったキープなどでも及第点の働きはした。イブラもそうだが、PSMでも見られたように隙を見て裏を狙う動きが上手い。ブラヒムとは既に良い関係性があるように見える。今のところ9番の呪いは気にならないのでこのまま頼みます。
前任者にはなかったビルドアップ能力でミランに新たな攻撃バリエーションをもたらし、本業のセービングでも能力の高さを見せ、一夜にして前任者の幻影を振り払ったマジック・マイク。セリエAで最も現代的なGKと言ってもいいかもしれない。
次はカリアリとのホーム開幕戦。サン・シーロにミラニスタが帰ってくる。
サンプドリア
プレッシングはニースやバレンシアがしたように、より前傾姿勢のハイプレスの方がミランとしては嫌だった。完全マンツーマンではなく中途半端なところがあって助かった。
ベレシンスキは攻守にタフ。
着地時に思いっきり捻ってしまったガッビアディーニの左足首が心配。トレグロッサもカプラーリもいないと前線の選手層が心許ない。
主審 Marco Guida VAR Aleandro Di Paolo
総じて落ち着いていて良かった。