自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第4節 vs ユヴェントス(A) 早くも総力戦へ

 アンフィールドでの悔しい敗戦から中3日。またもビッグゲーム。ユヴェントス復調の芽を摘むためにも昨季のアリアンツ・スタジアムでの試合の再現を狙いたい。

 

incursore.hatenablog.com

 

 開幕3試合で1分2敗、3得点、5失点、シュート数12位、ポゼッションタイム18位というデータはユヴェントスらしくない。しかし、ミッドウィークのCLではマルメを0-3で一蹴。キエーザがいなかったが、一応の型が決まった感はある。

 ユヴェントスとは分が悪かったが、ピオーリ就任後はカンピオナート2勝2敗。交互に勝っている。順番的に次はユヴェントスの勝利。

 

リヴァプール戦後の3日間

 特になし

 

先発&フォーメーション

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 ミランはイブラ、メシアス、クルニッチ、バカヨコ、プリッツァーリに加えて、太腿を痛めたカラブリアと腰を痛めたジルーも欠場。コンティ、ユングダルがベンチ入り。

 ユヴェントスはアルトゥール、カイオ・ジョルジが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 4ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ミランは序盤は左肩上がりでケシエがアンカー、トナーリとブラヒムがIH、レオンがレビッチと2トップのようなビルドアップ。カルル投入後はトナーリがCB脇に降り、サレマが内側へ。ユヴェントスはコンパクトな4-4-2のブロックをミドルゾーンから自陣にかけてセットし、ほとんどハイプレスは行わない。ミランユヴェントスの2トップ脇から前進を狙い、ユヴェントスは中央へのパスを引っ掛けて2トップを起点にしたカウンターを狙う。

 ユヴェントスは左肩上がりでロカテッリがアンカー気味の3-1ビルドアップ。ミランは人に厳しくプレスをかけていく。ロカテッリにはトナーリが前にズレることが多く、内側に入るラビオにトモリ、上がってくるアレックス・サンドロにはサレマがついていく。逆に左サイドはディバラが降りることでケシエがベンタンクールと2択を迫られ、どちらかがフリーになりボールを運ばれることが多かった。

 2分、ミランスローインを奪われるがレオンがプレスバックしてラビオから奪い返す。ベンタンクールをかわしてブラヒムへパス。ブラヒムはロカテッリをターンでかわして中央を前進。ボヌッチに当たったボールを後ろから入ってきたトナーリがミドルシュートもDFに当たりCK。

 トナーリが入れたボールはロカテッリが頭でクリア。それをテオが横のケシエに繋ごうとするがアレックス・サンドロが奪い前のディバラへ。ディバラに最後尾に残っていたサレマが寄せるが裏に抜け出したモラタへのパスが通り、モラタがメニャンとの1vs1を冷静に逆を突きユヴェントスが先制。

 15分、ロカテッリから中央でフリーのボヌッチへパス。ボヌッチはケシエがディバラを気にしたぶん一瞬フリーになったベンタンクールへ縦パス。ベンタンクールから受けたアレックス・サンドロのクロスにモラタがケアーの背中から前に入り右足アウトでシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 17分、CKのこぼれ球からユヴェントスの2次攻撃。ディバラが縦パスを収めベンタンクールがサポート。アレックス・サンドロから左にいたクアドラードに繋ぎ、クアドラードはワンタッチで内側に入ってきたベンタンクールへパス。そして、中央でベンタンクールからパスを受けたディバラが右足でミドルシュートを撃つもメニャンがセーブ。

 30分、ユヴェントス右サイドのスローインダニーロが投げたボールをディバラがモラタにフリック。モラタがベンタンクールに繋ぎ、ベンタンクールから広大なスペースに抜け出したラビオへスルーパス。ラビオはメニャンとの1vs1目前まで運ぶが最後はトモリが身体を当ててシュートを撃たせない。

 42分、サレマが右サイドで受け、内側からアレックス・サンドロの裏に抜けたカルルへパス。カルルがワンタッチで折り返したボールをレビッチがシュートを撃つがキエッリーニ股間ブロック。こぼれ球をトナーリがミドルシュートを撃つが枠の左に外れる。

 1-0で前半終了。

 後半はレオンが外に張り、テオが内側へ入っていく。全体的にプレス強度も高め、個人の部分でもスピードに長けていないケアーとロマニョーリのCBコンビでは不安だったモラタの裏抜けに対してトモリがモラタに対抗できることで、より1vs1に重きを置いた守備に変更。

 49分、フリーのボヌッチからカルルの外から裏に抜け出したラビオへロングパス。ラビオがワンタッチで合わせるが枠を捉えられない。

 60分、トモリの脇に降りたトナーリからラビオとロカテッリとキエッリーニとアレックス・サンドロの間に入ったブラヒムへ縦パス。ブラヒムはすぐに前を向き、サレマとのワンツーでキエッリーニの裏を取りPAに入るが、アレックス・サンドロのカバーで遅らせられキエッリーニに奪われてしまう。

 73分、カルルからブラヒムへのパスが繋がらず、拾ったボヌッチからキエーザへパス。キエーザは右のディバラに預け裏を狙う。ディバラはキエーザが空けたスペースに後ろから走り込んだダニーロへパス。ダニーロはそのままPA内に持ち込みシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 75分、ミランのCK。トナーリのアウトスイングのボールをロカテッリのマークを外したレビッチがヘディングシュート。これが左ポストに当たりゴールに吸い込まれてミランが同点にする。

 82分、べナセルのコントロールミスにより中盤でボールを失うがキエーザからケーンへのパスがズレたところをトモリが奪う。トモリから引き取ったブラヒムは左サイドのスペースに抜け出したレビッチへロングパス。レビッチが左足のシュートに持ち込むが枠を捉えられない。

 85分、ユヴェントスのCK。キエーザがファーのラビオへ送り、ラビオの折り返しをケーンが合わせるが枠の右に外れる。

 ミランゴールキックで再開。ロマニョーリからパスを受けたテオが内側へ運び、ブラヒムとのワンツーでさらに中央へ入り右サイドを上がってきたカルルへスルーパス。カルルのシュートはシュチェスニーが僅かに触り枠の上に外れる。

 1-1で試合終了。

 

ミラン

 リヴァプール戦の疲労から全体的に動きが鈍重で、トモリのRSB起用という策は失敗。先制を許し相手に主導権を握られたうえにケアーが負傷してしまう。しかし、ケアーからカルルの交代でプレッシングもビルドアップのスムーズさも改善され、後半は逆転も可能な内容にできた。4連勝とはならなかったが、離脱者が多い中、アリアンツ・スタジアムで勝ち点1を得たのは悪くない結果だった。

 序盤の右サイドのビルドアップはユヴェントスがズレる距離が短くプレスを受けやすかった一方、左のロマニョーリの方はフリーになれる場面がそこそこあった。

 5分のブラヒムのミドルシュートの場面は、テオがクアドラードを押し下げ、ベンタンクールの脇でロマニョーリからブラヒムが縦パスを受けてベンタンクールをかわしてシュートまで持っていった。その後はクアドラードが中を締めるようになり、ロマニョーリも無理なパスを中央に入れて引っ掛けてしまう場面が見られた。

 カルルが入り、カルルが幅、サレマが内側、トナーリが入口になると右サイドからも前進可能に。そして、後半から左サイドはレオンが幅を取ることで、幅を使った攻撃が可能になった。

 その効果が出ていた、後半立ち上がり46分のトナーリの持ち運びからのビルドアップは、カルルからケシエ、ブラヒムまでは良かったが、再び右サイドのカルルに繋がったのはもったいなかった。ブラヒム、テオ、レオンとシンプルに繋げばカルルに戻すよりは希望があった。

 60分のブラヒムの決定機は理想的な崩しだったが、アレックス・サンドロのカバーが素晴らしかった。

 プレッシングは自由に動くディバラにどこまでついていくかが問題になっていたが、後半はディバラをロマニョーリ、モラタをトモリが徹底マーク。強気のディフェンスで流れを引き寄せた。ラビオ以外中盤からの飛び出しがなかったのは助かった。

 今後に向けて不安なのは、ラツィオ戦のペドロ、リヴァプール戦のジョタ、この試合のディバラなど、どうすればフリーになれるかがバレてきていること。

 失点場面は普段なら最後尾でカウンターに備えているカラブリアがいない影響が大きかったか。ケアー、トモリ、ロマニョーリの同時起用でテオはサレマと対カウンター要員になった。テオの繋ぎが奪われ、サレマがディバラに突っ込んでしまった。サレマはステイでモラタのスペースを奪い、テオにディバラの対応をさせれば遅らせられたと思う。最後、テオはモラタに手が出かけたがファウルをすればDOGSOで退場だったのでよく我慢した。

 

 メニャン、トモリ、トナーリ、ブラヒムは不可欠な存在に。流れが悪くてもコンスタントにライン間でボールを引き出し素早く前を向いて攻撃を仕掛けてくれるブラヒムと昨季のケシエのようにピッチを支配し始め、セットプレーのキッカーとしても有能なトナーリは想像以上の進化を遂げている。

 vsユヴェントス3試合連続ゴールのレビッチはフラストレーションが溜まる試合だったと思うが、キエッリーニとフェアにやりあっていたご褒美が来た。この3試合本当に攻守に頑張ってくれている。

 レオンがフル出場。やはりサイドに出てからのほうがやりやすそうだった。クロスは精度が低くレビッチとの意図も合わず。リヴァプール戦の失点のようにダニーロに背中をとられてシュートを撃たせてしまった。

 レオンとは逆にサイドよりも中に入って良くなったのがサレマ。アレックス・サンドロへの守備対応には苦戦。

 チームを好転させたカルルはもっと使ってあげたい。アタッキングサードでの質が低いことには昨季も触れたので頑張れ。

 ケシエはディバラとベンタンクールに苦戦。ビルドアップでもボールを引き出す動きが少なく、存在感が薄かった。替わって投入されたべナセルはユヴェントスのコンパクトさが崩れていたこともあり簡単に前を向けることで良さが出ていた。ただ、デュエルはもっと頑張ってほしい。

 テオは明らかに良くない時のミスが多く、トランジションの反応も遅かった。それでもカルルへのラストパスに至る運びは流石だった。定期的にこのような時期が来るのでバロ=トゥーレを使ってあげよう。

 

 次節は水曜日にホームで昇格組のヴェネツィアと対戦。負傷者の復帰に関してはポジティブなニュースが多く、ケアーは軽症でジルーはベンチ入りできるかもしれないらしい。何れにせよ、ヴェネツィア、スペツィアの連戦で勝ちながらコンディションを整えて、アトレティコ戦、アタランタ戦を迎えたい。ガッビア、カルル、バロ=トゥーレ、ダニマル、ペッレグリはチャンス。

 

ユヴェントス

 60年ぶりの開幕4試合未勝利らしい。

 前半は攻守両面で改善が感じられた。ディバラとモラタも下がって中央のスペースを消せていたが、コンパクトさを維持できなくなってからは組織のバラつきが目立った。

 交代で入った選手は脅威にならなければいけなかったが、ミランからすれば全く怖さがなかった。また、キエーザとクルセフスキにはポジションや役割が伝わっていないようにすら見えた。

 

主審 Daniele Doveri VAR Aleandro Di Paolo

 カードはトナーリとディバラの喧嘩両成敗だけ。