自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第9節 vs ボローニャ(A) 自滅未遂

 先週はエラス・ヴェローナに見事な逆転劇を見せ無敗を維持したが、ミッドウィークはポルトに完敗でCLは3連敗。離脱者が多すぎてターンオーバーもクソもない7連戦の3試合目。

 そして、ピオーリは就任後公式戦100試合目。

 

 ボローニャは3勝3分2敗で8位。第7節ラツィオ戦から3バックを採用し一定の効果がある模様(7節も8節も放送がなかったので詳細は知らないが)。

  • 今季ホームゲーム3勝1分。
  • 13得点はリーグ8位。セットプレーとPKで8点。
  • 15失点はリーグ13位だが無失点試合は3でリーグ2位タイ。
  • シュート数7位。
  • クロス成功数3位。
  • CK数2位タイ。
  • 枠に当てた回数1位タイ。
  • オフサイド数ダントツ最少。僅かに2回。
  • 平均走行距離18位。
  • ポゼッションタイム8位。敵陣6位。
  • トップスコアラーはアルナウトヴィッチとバロウで3得点。DFのテアテ、デ・シルヴェストリ、ヒッキーが2得点で続く。
  • バロウが3アシストでリーグ3位タイ。3試合連続得点中。
  • アルナウトヴィッチはシュート数リーグ3位。キーパス数8位タイ。枠に当てた回数は3回でリーグ最多。
  • ニコラス・ドミンゲスがリカバリー数リーグ5位。MFではトップ。被ファウル数でもリーグ8位タイ。

 

 ミランボローニャ戦5連勝中。過去20試合でも15勝4分1敗。

 

ポルト戦後の3日間

 ピオーリが56歳の誕生日を迎えた。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはレビッチが間に合わず、テオとブラヒムは陰性反応が出ず、ケシエが発熱とポルト戦から誰も復帰できず、おまけにペッレグリが軽症で招集外。メニャン、フロレンツィ、メシアス、プリッツァーリも依然欠場。ミランテとコンティがベンチ入り。

 ボローニャはボニファーツィ、キングスリー、ヴィオラが負傷欠場。アメイが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 9ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ハイプレスは行わず5-3-2ゾーンで構えるボローニャに対して、ミランは右はカスティジェホ、左はバロ=トゥーレが幅を取り、時間とスペースを得るカラブリアと降りてくるレオンを中心に攻撃を展開する。ボランチは前後よりも横移動。

 ボローニャの後ろからの繋ぎに対しては、イブラがメデル、レオンがスマオロ、クルニッチがテアテ、カスティジェホがヒッキー、バロ=トゥーレがデ・シルヴェストリ、トナーリがドミンゲス、べナセルがスヴァンベリにプレス。保持されてミドルゾーンで構える際もカスティジェホが下がって5バック。ボローニャはアルナウトヴィッチへのロングボールやサイドの突破とクロスを試みる。

 12分、ボローニャのCK。スヴァンベリがふんわりしたボールをタタルシャヌの周りに作った密集に入れると、タタルシャヌが飛べずにアルナウトヴィッチがヘディングシュートも枠の左に外れる。

 15分、ボローニャ右サイドでバロウからデ・シルヴェストリへの横パスをバロ=トゥーレがカットし、すぐにイブラへパス。イブラはスマオロの背後へ走ったレオンへスルーパス。レオンがカバーに入ったメデルより先に追いつき左足を振り抜くとメデルに当たってコースが変わったボールがゴールに吸い込まれミランが先制。

 19分、ケアーからスマオロとメデルのギャップに走り込んだクルニッチへフライスルーパスPA外でクルニッチを倒したスマオロにDOGSOが適用されレッドカード。ボローニャは4-3-2で守りだす。

 26分、左外に降りたレオンがカットインで3人引きつけて中央のイブラへパスを出すがテアテがカット。こぼれ球をトナーリが拾い、サムカスが大外でフリーのバロ=トゥーレへクロス。バロ=トゥーレが頭で折り返し、レオンニコラス当たり高く上がったボールをイブラがヘディングシュートもミートしきれずスコルプスキがキャッチ。

 27分、ボローニャのビルドアップ。中央でソリアーノからスヴァンベリへのパスに食いついたべナセルをスヴァンベリが巧みにかわして左のヒッキーへスルーパス。ヒッキーがシュートを撃つが大きく枠の左に外れる。

 34分、敵陣左サイドでボールを受けたバロ=トゥーレが縦に仕掛けてクロスをあげる。スコルプスキが飛び出して弾いたボールをサムカスがシュート。スヴァンベリがブロックしたこぼれ球をカラブリアが豪快に蹴り込んでミランが追加点。

 40分、カラブリアから少し降りたイブラへ縦パス。右サイドでサムカス、イブラ、カラブリア、サムカス、イブラ、サムカスと繋ぎ、右ハーフスペースに来たレオンへパス。レオンがワンタッチで裏に抜け出したカラブリアへパス。カラブリアのシュートはミートできず大きく枠から外れる。

 0-2で前半終了。

 前半終了間際に負傷したサムカスとカードを貰ったトナーリを下げてサレマとバカヨコが後半から登場。ボローニャソリアーノが右サイドをケアする意識が高まったように感じる。

 48分、バカヨコからサレマへのパスを奪ったところから繋いで、テアテからバロウへの縦パスをバロウがワンタッチで左奥にヒッキーを走らせてボローニャがCKを獲得。バロウのニアへの速く、良くカーブがかかったインスイングのボールをイブラが頭で触るがオウンゴールボローニャが1点を返す。

 51分、ボローニャゴールキックからのビルドアップ。メデルからフリーのデ・シルヴェストリへパス。バロ=トゥーレが遅れて出てくる。ソリアーノが中央からサイドに流れてパスを受けるがバカヨコにつかれて前を向けずデ・シルヴェストリに戻す。これをワンタッチでサイドに流れたアルナウトヴィッチへパス。トモリが寄せるが懐深いキープから裏に走ったソリアーノへパス。ソリアーノがワンタッチでバロウへラストパスを送るとバロウが冷静にネットを揺らし10人のボローニャが同点に追いつく。バロウは4試合連続ゴール。

 55分、バロ=トゥーレが左サイドを縦に仕掛けてクロスをあげると、ソリアーノの足がバロ=トゥーレの左足首を踏みつける格好に。VARの進言でOFRを行いレッドカード。ボローニャは9人になり4-3-1に変更。

 62分、ボローニャはCBのビンクスを投入し5-2-1で守るようになる。一方、ミランはイブラとジルーへの単調な攻撃が目立つ。

 75分、左サイドのべナセルからのアーリークロスをジルーがテアテと駆け引きしヘディングシュートを撃つがスコルプスキがファインセーブ。

 77分、ボローニャが敵陣右サイドでFKを得る。メデルからのロングボールはケアーが頭で弾き返すがセカンドボールをシャウテンが拾う。アルナウトヴィッチがダイクスとパス交換し、スヴァンベリとのワンツーでDFラインを破るが、ファーストタッチが外に流れてしまい良い状態でシュートを撃てずタタルシャヌがセーブしボローニャのCKに。スヴァンベリのファーへのボールをテアテがヘディングシュートもタタルシャヌの正面。

 83分、左に流れたバカヨコが縦に仕掛けてクロス。スヴァンベリが頭で弾き出したボールをべナセルがダイレクトボレーシュート。これがゴール左隅に突き刺さりミランが勝ち越し。

 88分、ミランは数的優位を活かしポゼッションで試合を終わらせにかかる。ボローニャは4-1-3で重心を上げる。カルルからタタルシャヌへのバックパスにプレスを仕掛けるが、バカヨコ、ケアー、カルル、べナセルとワンタッチで外される。べナセルが持ち運び、パスを受けたイブラがPA外からコントロールショットを決めてダメ押し。

 2-4で試合終了。

 

ミラン

 ボローニャがプレスに来ないのでボールを廻すのは簡単だった。カウンターで先制点を奪い、スマオロも退場したことでさらに余裕が生まれ、前半は申し分ない展開だった。

 後半はバカヨコとサレマが試合に入れないうちに軽率な2失点。ソリアーノも退場し、べナセル中心に押し込み続けるがボールを待ってしまう単調な攻撃が続く。それでもバカヨコの意外性あるドリブルからべナセルが素晴らしいシュートを決めて勝ち越すと、プレス回避からイブラがダメ押し。

 開幕9試合で8勝は大昔の54-55シーズン以来2度目。

 

 この試合はピオーリのコメント通り。

ミラン指揮官、CL黒星からのリーグ戦白星に「これは非常に重要な勝利」 | サッカーキング

「我々は苦しんだ。2点リードで数的優位に立った時、試合が終わったと勘違いしてしまった。もしプレーを止めてしまったら、どんなシナリオでもリスクを背負うことになる。ただ、幸いなことに、我々は勝利を手にする強さを見せられた」

 

 レオンとバロ=トゥーレのポジションチェンジがエラス戦から良い感じで、バロ=トゥーレがサイドを押し下げた手前のスペースにレオンが降りて捌くプレーが攻撃の起点になり、バロ=トゥーレ自身のスピードを活かした縦突破も新たな攻撃の形になり始めている。バロ=トゥーレは今度からFBTと略します。

 

 77分のアルナウトヴィッチの決定機後にトモリが怒った先はケアーが弾いたセカンドボールをコンパクトにして拾えなかったイブラとジルーか?寄せが甘い中盤か?

 

 バカヨコは受ける動きが少なく、リアクションが遅いのでトナーリ、べナセルとの差が目立った。2失点目はソリアーノについていけなかった。最ももたらしてほしい効果は中盤のデュエル強化だが今のところ見る影もない。

 サレマはIMW明けの不調から抜け出せない。基本は張っていたサムカスに比べると幅広く動いていたのは指示があったのか?

 イブラはなんとも言えない動きが多く、イブラじゃなければダニマルに替えてほしかったが、結局イブラだから得点を決めて歴代4位の年長ゴール。約1年後に決めれば新記録。イブラでもまた怪我するのは怖いのかな?

 

 次は中2日でホームトリノ戦。トリノは中3日。チームスタイル的にエラス戦のような展開が予想される。サムカスが離脱したが、レビッチ、テオ、ブラヒム、ケシエ、ペッレグリは復帰できるか?

 

ボローニャ

 昨季までならもっとアグレッシブなプレスをかけていたはずだが、今季は抑えめな様子。

 前半のスマオロ退場で4バックになった後は大外のバロ=トゥーレを見きれない場面が多かったが、後半からソリアーノが気にして戻るようになり改善された。しかし、不幸にもそれがソリアーノの退場に繋がってしまう。9人になって5-2-1にしたのも悪い選択ではなかったと思う。ミドルシュートを決められたらしょうがないという守り方だった。

 バロウの速くて曲がって落ちるキックは本当に素晴らしい。

 テアテは風貌もプレースタイルも好き。

 

主審 Paolo Valeri VAR Daniele Chiffi

 2人も退場したので多少の荒れ模様は致し方ない。勢いでサレマをイエローカード2枚で退場にしてもおかしくなかったが冷静に堪えた。

 クルニッチがボールをコントロールできたかわからないがそれでもDOGSOに当たるのか。