自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第11節 vs ローマ(A) 引退勧告

 7連戦の5試合目はセリエAのホームゲーム43戦無敗のモウリーニョが陣取るオリンピコに、アウェイに滅法強いピオーリミランが乗り込むハロウィンナイトのビッグゲーム。

 

 今季からモウリーニョが就任したローマはここまで6勝1分3敗の4位。まだモウリーニョが求める基準を満たした選手が少なく、起用できる選手が限られている印象。ローマも7連戦中で中3日。

  • 今季ホームゲーム4勝1分。8得点2失点。
  • 18得点はリーグ6位タイ。30-45分に5点で後半は万遍なく12点を取っている。
  • 10失点はリーグ3位。後半立ち上がりの15分に5失点。前半も後半も終盤の15分は無失点。無失点は4回でミランと並び2位タイ。
  • シュート数1位。枠内シュート数は5位。
  • 枠に当てた回数が7回で1位。エイブラハムとザニオーロが2回ずつ当てている。
  • クロス成功数4位。
  • CK数1位。
  • イエローカード数4位タイ。
  • ポゼッションタイム7位。敵陣4位。
  • トップスコアラーは5得点のペッレグリーニ。ヴェレトゥが4点で続き、エイブラハム、ムヒタリアン、イバニェスが2点で並ぶ。
  • ペッレグリーニはシュート数リーグ2位。エイブラハムが17位、ザニオーロが18位にランクイン。
  • キーパスはペッレグリーニとクリスタンテが6本でリーグ8位タイ。ヴェレトゥが5本、エイブラハム、ムヒタリアン、カルスドルプが4本で続く。
  • 平均走行距離はクリスタンテがリーグ5位、ペッレグリーニがリーグ11位。
  • ルイ・パトリシオがセーブ数リーグ6位タイ。

 

 ミランはローマ戦直近20試合は7勝6分7敗の五分。ローマホームだとローマが4勝でミランは3勝、引き分けが3つ。

 

ボローニャ戦後の2日間

 ケアーが24年6月まで契約延長。

 ミランゲータレードとオフィシャルスポーツドリンクパートナーシップを締結。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはブラヒムが復帰。ペッレグリが再離脱。レビッチ、メニャン、フロレンツィ、メシアス、サムカス、プリッツァーリが欠場。

 ローマはスピナッツォーラとスモーリングが負傷欠場。ディアワラ、ビジャール、マジョラル、ファシオ、サントン、レイノルズが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 11ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ローマはミドルゾーン低めに4-4-2で構えるが、前線のプレスは消極的で2トップと中盤の距離が少し遠い。ミランはCBとボランチの4人で3-1を作り、SBが高い位置を取り6トップに近い形でビルドアップ。

 ミランはイブラがマンチーニ、WGがSB、べナセルがヴェレトゥに付き、イバニェスから始めさせると、クルニッチがクリスタンテへのパスコースを消しながらイバニェスへプレス。ケシエは降りて受けるクリスタンテとライン間を狙うペッレグリーニのどちらにも対応できるように準備。マンチーニサイドから始まった場合はクルニッチがクリスタンテをマーク。対して、ローマは中盤が降りてパスコースを作り、少ないタッチのパス回しでプレス回避を狙う。ザニオーロはテオ、ムヒタリアンカラブリア、エイブラハムはCBを引きつけ、ペッレグリーニに時間とスペースを与える。

 

 2分、ルイ・パトリシオがエイブラハムへロングボール。こぼれ球を拾ったザニオーロが右サイドに少し運び、中盤中央のヴェレトゥへパス。フリーのヴェレトゥはサレマの裏を狙うビーニャへパス。ビーニャがサレマをドリブルで突破しゴール前に折り返すと、ペッレグリーニが左足で合わせるが枠の左に外れる。

 5分、左サイドでローマが保持するがヴェレトゥからカラブリアがボール奪取。ケシエに繋ぐと、左後ろに降りたイブラへ。イブラは少し運び、中央のレオンへ。レオンがヒールで落としたボールをケシエがシュートを撃つが枠の右に外れる。

 9分、サレマが右に開いてケアーからパスを受けてビーニャを釣り出す。内側でイブラがサレマから受けてビーニャの裏に抜け出したカラブリアへ。カラブリアがGKとDFの間にクロスを入れ、レオンが合わせるが上手くミートできない。

 12分、ローマのビルドアップ。ルイ・パトリシオマンチーニ、イバニェス、ヴェレトゥ、CBの間に降りたクリスタンテ、マンチーニ、カルスドルプと繋ぎ、カルスドルプから降りてきたペッレグリーニにパスが通ると、ペッレグリーニはワンタッチでザニオーロへ。ザニオーロはテオを背負いながら受けてオーバーラップするカルスドルプに落とす。右サイドを突破したカルスドルプが敵陣深くまで運びゴール前に折り返すが味方に合わずカラブリアがブロック。このこぼれ球を再びカルスドルプが折り返すが今度はべナセルがクリア。ムヒタリアンに当たってこぼれたボールをペッレグリーニが左足でボレーシュートを撃つが枠の右に外れる。

 15分、右サイドのケシエから中央左寄りのべナセルへ。べナセルがイブラへ縦パス。マンチーニのプレスを物ともせずキープし中央のクルニッチへ。クルニッチはマンチーニの背後を取ったイブラへパス。イブラが左足でシュートを撃つが枠の上に飛ばしてしまう。

 23分、左に開いたレオンが個人技で突破を図りカルスドルプのファウルを受ける。このFKをイブラが弾丸シュートで決めてミランが先制。

 36分、右サイドに開いて受けたサレマがビーニャを背負うが中へ運び、中央に入ってきたレオンへパス。レオンは裏に抜けたイブラへパス。イブラはカルスドルプの戻りで倒れるがこぼれ球をレオンがシュート。しかしカルスドルプがブロック。

 37分、ケアーから裏に抜け出したイブラへロングパス。イブラの胸でのパスを受けたレオンがルイ・パトリシオをかわしてネットを揺らすがイブラがオフサイド

 0-1で前半終了。

 後半からローマは被保持でもクリスタンテをCBの間に入れた3バックに変更。ペッレグリーニがボランチに入り3-4-2-1。CBにシャドーがプレスに出るようになり、連動してSBにはWBが出る。保持では前半のミランのように3-1-6で押し込み、ペッレグリーニとザニオーロがケシエやべナセルに対してファジーなポジションを取るようになる。対して、ミランはレオンがマンチーニ、サレマがビーニャ、クルニッチがヴェレトゥをマーク。

 49分、ケアーからクリスタンテの裏に抜け出したイブラへロングパス。イブラは胸で収めてそのままゴール左隅にシュートを流し込むがオフサイド

 52分、マンチーニからケシエを引き連れて降りるペッレグリーニへ。リターンを受けたマンチーニがフリーのザニオーロへ縦パス。ザニオーロは少し運び、テオの裏を取ったカルスドルプへパス。カルスドルプの折り返しをマイナスでフリーになったエイブラハムがシュートを撃つがケアーがブロック。再びエイブラハムの下にこぼれるがべナセルが奪う。ケシエが駆け上がるテオに繋ぎカウンター発動。テオが内側を運び右から中央を斜めに抜け出したイブラへパス。イブラがイバニェスと交錯し倒れるとPKの笛がなる。VARはOFRを推奨。主審は映像を見たが判定は変えず。これをケシエがしっかりと決めてミランが追加点を挙げる。

 60分、ローマはレオンに剥がされ続けカードを貰ったマンチーニのポジションをイバニェスと入れ替える。

 65分、マンチーニが運びフェリックスへ縦パスを出すが繋がらず、こぼれ球をべナセルが拾いクルニッチに繋ぐ。クルニッチは後ろから寄ってくるフェリックスの前に入るようにドリブル。クルニッチがフェリックスに倒されるがファウルなく、拾ったペッレグリーニがPA手前でテオに倒されてファウル。テオが2枚目のイエローカードで退場。ミランは4-4-1で対応。

 76分、ミランは3枚替えで5-3-1に変更。

 78分、ローマの攻撃を凌ぎ、左サイドでケシエがキープしようとするがイバニェスが奪い2次攻撃。ザニオーロからバロ=トゥーレの裏を取ったペッレグリーニへスルーパス。ペッレグリーニの折り返しはフェリックスに合わない。

 81分、ローマが右サイドでFKを得る。ペッレグリーニが近くのヴェレトゥとワンツーで縦に突破しクロス。ファーでザニオーロが頭で合わせるがケアーがブロック。

 89分、クリスタンテが中央でペッレグリーニへ縦パス。落としをショムロドフがカルレス・ペレスに繋ぎ、ペレスがシュートを撃つがロマニョーリがブロック。こぼれ球をマンチーニが強烈なシュートを撃つがタタルシャヌがセーブ。

 92分、右ハーフスペースで受けたカルレス・ペレスがケシエを連れて中央へドリブルしマンチーニへ。左サイドでマンチーニからパスを受けたヴェレトゥがファーへクロスを入れると、ロマニョーリが頭で触ったボールをケシエがいなくなったスペースに予測して動いたエル・シャーラウィが拾いゴール右上隅にシュートを決めてローマが1点を返す。

 1-2で試合終了。

 

ミラン

 前半は序盤こそピンチもあったが保持とネガティブトランジションで試合を支配。1点では物足りないぐらい良い内容だった。後半は相手の変更に多少苦労しつつもミスジャッジのPKで追加点を得る。ミスジャッジの流れでテオが退場すると防戦一方。終盤に1点返されたもののケアーを中心に凌ぎ勝ちきった。苦しみながらも10勝1分。

 

 ローマのプレスが緩いので簡単に保持から押し込む展開になった。ナポリ戦のように高い位置からボランチに厳しく対応してくると想定していたのでミランはナメられていたのか?

 右サイドからの攻撃が多く、カラブリアとサレマでビーニャを釣り出してスペースを使う形が見事にハマった。レオンが中央に入ってイブラが左寄りになるポジションチェンジも効いていた。

 ネガティブトランジションも良かった。押し込めているので切り替わった瞬間に前後からプレスをかけてミスを誘いボールを奪い返す場面が多かった。

 プレッシングではトップ下のペッレグリーニにどう対応するのかという試合前の最大の関心事に対して、ペッレグリーニに到達する前に奪うという解を示した。中盤の形をローマに合わせてCBにはWGが外切りプレスというのを想像していたが、実際はケシエがクリスタンテを狙いながら背中でペッレグリーニを見るという難しいタスクを担った。12分の場面のようにケシエがクリスタンテにまで行けば、トモリが降りるペッレグリーニにまで行くが距離があるので潰すことはできなかった。ただ、プレス回避されて危なかったのはそれと後半のPK前の場面くらいだったのは悪くないか。

 10人になってからはカウンターの機会や保持の時間を作れなかったので防戦一方。アトレティコ戦もそうだったが、前線にはスペースで勝負できるタイプがいてくれればと思う。テオもレオンもいないとキツい。トナーリに期待したが、よりによって運べる場面がほとんど来なかった。ローマが焦ってミドルシュートを撃ってくれたのは助かった。

 

 イブラがキャノンシュートでセリエA通算150得点、クラブキャリア通算400得点を達成。お得意様のローマ相手に文句なしのパフォーマンスだった。

 決定的なシュートブロックが2つあったケアー。さらにはクロスの跳ね返しやタタルシャヌのキックミスのカバーだけでなく、オフサイドになったがイブラへのロングパスも見事で好守に存在感抜群だった。最後の判定には助けられた。

 昨季のローマ戦の苦い思い出があったタタルシャヌは良い対応を見せて勝利に貢献。

 べナセルはネガティブトランジションルーズボールへの反応などが非常に良かった。レオンはファウルじゃないと止まらない。

 

 テオは何故あんなファウルで止めたのか。退場したいのかと思った。本人的には手も足も使ってないよということなんだろうが…ダービーは出場停止。

 

 次は中2日でホームのポルト戦。勝利し、他会場の結果次第ではグループステージ突破の可能性が広がる試合。週末のダービーも踏まえたメンバーになるのか注目。

 

ローマ

 実際に戦ってみると内容的にはあまりフォンセカ時代から変わってないように感じた。熱量が増して空気は良くなっているんだろうけど。

 中盤3人が肝。

 エイブラハムはフィニッシュ特化型?ムヒタリアンは元気がない。マンチーニはイブラにもレオンにも苦戦。

 18歳の新星フェリックス・アフェナ=ギャンは。デビュー戦だった前節は出場後に流れを変えていてたまげた。将来が楽しみ。

 

主審 Fabio Maresca VAR Paolo Silvio  Mazzoleni

 全く試合をコントロールできず、カードが乱れ飛び、重大な判定のミスが相次ぐ。自分は主審に寛大な方だと思うが、これまでの悪評も相まってもう見たくないというのが本音。

 ミランのPKのファウルはイバニェスがボールに触る前のコンタクトを取ったのだろうが、そもそもファウルではないと思う。これをファウルにするなら、クルニッチとフェリックスの接触もファウル。そして、終盤のペッレグリーニとケアーの接触もファウルになるはず。

 あと、トモリの程度で遅延行為になるならゴールキックを全然蹴らないGKにもカードが出されるべき。