自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第20節 vs ローマ(H) 非常事態でも休養十分

 ミランセリエAを愛する皆様、あけましておめでとうございます。

 

 常に主力複数人を欠きながら前半戦を首位と4ポイント差の2位で折り返したミラン。2022年最初の試合はサン・シーロでローマを迎え撃つ。オミクロン株の蔓延で最大収容人数の75%から50%に入場者数が引き下げられた。

 

 ローマはここまで10勝2分7敗の6位。結果とパフォーマンスに波があるが、モウリーニョ就任1年目でリフォームの1年ということを踏まえれば、4-2-3-1から5-3-2への変更やザニオーロのCF起用など試行錯誤しながら6位というのは悪い成績ではない。

  • 今季アウェイゲーム4勝5敗、18得点13失点。
  • 31得点はリーグ8位。セットプレー6点、PKは1点のみ。前半の終盤と後半の終盤に強く8点ずつ。後半はまんべんなく取れているが、前半は30分までに4点のみ。エイブラハムが6点でチームトップ。ペッレグリーニが5点、ヴェレトゥが4点、CBのイバニェスがヘディングだけで3点。
  • 21失点はリーグ5位。無失点は7試合。後半の序盤に最も失点が多いが、前半も後半も中盤に4失点ずつしている。逆に最後の15分では1失点だけ。終盤に強い火事場のクソ力タイプ。
  • シュート数2位。枠内シュート数7位。エイブラハムがリーグ9位、ペッレグリーニが11位、ザニオーロが18位。
  • クロス成功数5位。
  • CK数2位。
  • オフサイド数10位タイ。
  • 枠に当てた回数9回で1位タイ。助けられた回数7回で10位タイ。エイブラハムが4回、ザニオーロが2回も当てている。
  • イエローカード数4位(多)。
  • 1試合平均走行距離10位。個人ではクリスタンテがリーグ4位、ペッレグリーニが8位。
  • ポゼッションタイム10位。自陣10位。敵陣10位。ザ・中間。
  • ヴェレトゥがリーグ5位タイの5アシスト。ムヒタリアンが4、エイブラハムとショムロドフが3アシスト。ペッレグリーニは意外と少なく2アシスト。
  • キーパスはペッレグリーニがリーグ3位、ヴェレトゥが5位タイ、カルスドルプが19位。
  • 被ファウル数リーグ9位タイにザニオーロ。
  • リカバリー数リーグ5位にイバニェス、12位にマンチーニ
  • 直近10試合の対戦成績はミランの5勝2分3敗。サン・シーロでの直近10試合はミランの4勝3分3敗。

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エンポリ戦後の2週間

 月曜日の昼にタタルシャヌがCovid-19陽性反応を示したことを発表。

 火曜日の夜にトップチーム選手1名(サムカス)のCovid-19陽性を発表。

 試合前日にも新たに3名(カラブリアロマニョーリ、トモリ)の陽性反応が確認された。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはイブラ、レビッチ、レオンが復帰。ケアー、ペッレグリ、プリッツァーリが負傷欠場。ケシエ、べナセル、バロ=トゥーレがアフリカネーションズカップで離脱中。DFが足りないのでコンティとスタンガ、第3GKとして17歳のナヴァがベンチ入り。腕章を巻くのはテオ。

 ローマはスピナッツォーラが負傷欠場。ディアワラとダルボエがアフリカネーションズカップで離脱中。マジョラルとフザートがCovid-19陽性反応で欠場。ファシオとサントンが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 20ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ローマは5-3-2で高い位置から制限をかけてSBに出させたところで、カルスドルプがテオ、ペッレグリーニがフロレンツィにプレスをかけて奪う狙いだと思われる。ミランは1-2-3-2-3でビルドアップ。2トップに対してメニャン、カルル、ガッビア、トナーリで菱形を作り数的優位で保持を安定。WGが幅を取り、クルニッチとブラヒムがライン間(ヴェレトゥの脇やトナーリに行きたいムヒタリアンの背後)でボールを引き出すと同時にジルーへのロングボールの落としやセカンドボールを狙う。

 ローマのビルドアップに対して、ミランは噛み合う配置のままハイプレス。

 3分、ミランの右CKのこぼれ球をテオがダイレクトボレーミドルシュートを撃つがルイ・パトリシオがファインセーブ。しかし、VARが介入しエイブラハムの腕に微かに当たっていたことを確認されてミランにPK。PKをジルーが決めてミランが先制。

 16分、ローマのパス回しにプレッシャーをかけるミラン。イバニェスからルイ・パトリシオへのバックパスをジルーが奪ってシュートを撃つがポスト。しかし、こぼれ球をメシアスが蹴り込んでミランが追加点を挙げる。

 23分、トナーリからジルーへの縦パスを奪ったマンチーニから前線のエイブラハムに縦パス。カルルが前に入るがコントロールミス。拾ったエイブラハムが背後に抜け出すザニオーロにパス。ザニオーロがPA内に持ち込んでシュートを撃つがメニャンが右足でセーブ。

 25分、ミランがハイプレスを仕掛けてブラヒムが左サイドでムヒタリアンからボール奪取。中央でジルーがサレマとパス交換してジルーが左足を振り抜くがスモーリングがスライディングでブロック。

 38分、中央で後ろ向きでボールを受けたクルニッチにマンチーニがプレスをかけてボール奪取。右サイドでパスを回し、ザニオーロがミドルシュートを撃つと、ゴール前に走り込んだエイブラハムに当たりコースが変わったがメニャンが超人的な反射神経でボールを弾き出す。ローマのCK。カルルがファーにクリアするが、ペッレグリーニがダイレクトでシュートを撃つと、ゴール前でエイブラハムがコースを変えてローマが1点差にする。

 48分、低い位置で受けたカルスドルプから右サイドのスペースに流れたザニオーロへパス。ザニオーロがボールをスルーしてガッビアと入れ替わりPA内に運ぶがトナーリがカバー。

 2-1で前半終了。

 48分、自陣深い位置からカルルがジルーにロングボール。マンチーニが競り勝つがセカンドボールをクルニッチが拾い右のメシアスにパス。メシアスが一気に縦に持ち出してビーニャをかわして折り返す。スモーリングがブロックしたボールをクルニッチが拾うがシュートを撃てず。

 50分、右から左に動かして中央からブラヒムのミドルシュートはバー直撃。

 58分、メニャンからジルーへのロングボールは繋がらず、セカンドボールをローマが繋いでカウンター。中盤で受けたムヒタリアンが運んで中央のエイブラハムにパス。エイブラハムがPA手前から反転シュートを撃つがメニャンが右腕を伸ばしてセーブ。

 61分、ローマのCKが続く流れ。ペッレグリーニのボールはクリアするが、こぼれ球をムヒタリアンがダイレクトボレーミドルシュート。しかし、メニャンが防ぎ、そのこぼれ球を撃ったイバニェスがオフサイド

 70分に投入されたアフェナ=ギャンは保持ではシャドー、非保持ではインサイドハーフのような立ち位置。

 73分、左ハーフスペースをトナーリがドリブルで運び、カルスドルプの裏に抜け出したテオにスルーパス。カルスドルプのスライディングはボールに触れず、カルスドルプがテオを倒して2枚目のイエローカードで退場。

 フロレンツィのFKは右上の角に嫌われる。

 75分、ローマはエル・シャーラウィがRSB、ショムロドフが左インサイドハーフに入る4-3-2に変更。ハイプレスの姿勢を見せる。

 80分、後ろでパスを回しガッビアからイブラへロングボール。スモーリングを背負いながらイブラが落としたボールをレオンが拾って独走。ルイ・パトリシオとの1vs1も難なく沈めてミランが3点目を挙げる。

 92分、クリスタンテからマンチーニへのパスがズレたところをレオンが奪い、マンチーニを抜いてPA内でマンチーニに倒されてPK。マンチーニも2枚目のイエローカードで退場。しかし、イブラのPKはルイ・パトリシオが止める。

 3-1で試合終了。

 

ミラン

 DFのレギュラーを3人、ボランチの主力2人を欠くなか、クリスマス休暇を経てコンディションが回復しフレッシュになれば、やっぱりこのぐらいやれるよねという内容と結果を示したナイスゲームだった。

 ローマ戦3連勝は1996年以来らしい。

 チームの肝でもあるプレス強度はもちろん、プレスバックや帰陣の速さが素晴らしかった。フレッシュになっただけでなく、CBがカルルとガッビアという緊急事態だったから全員で頑張れたというのもあるのかな?48分のカルスドルプが低い位置で受けてテオの背後にザニオーロを走らせる形は試合前から容易に想像できた攻撃で、ガッビアとカルルの左右を変えた方が良いんじゃないかと思っていたが、何度も狙ってくるわけではなかったので助かった。

 ビルドアップも中盤を噛み合わないように立ち位置を変えて、メニャンのキックを活かした。前半戦全体の反省が活かされているのが素晴らしい。

 

 トナーリが圧倒的なパフォーマンス。ビルドアップでボールを失わず、中盤でボールを奪い、ガッビアのカバーまで。前半戦は全試合出場したがターンオーバーを重視したためフル出場は少なかった。1月はフル稼働せざるを得ないが怪我したらお終い。

 メニャンは前述のビルドアップだけでなく、本業のセービングでも素晴らしいプレーを連発。カルルとガッビアをトナーリと前後で支えた。

 前日に急遽出番がやってきたカルルとガッビアはよくやった。2人とも前に強かった。カルルはかなり気合いが入っていた気がする。ガッビアはスペースでザニオーロと勝負になると流石に厳しいものがあったが、ロマニョーリでもあのようになる可能性は大いにあった。逆にケアー、トモリなら余裕だったのではと思える。

 12月から存在感を高めているフロレンツィは最愛のローマ戦でも安定したプレーで勝利に貢献。ビルドアップで前線に入れるパスの質が高く、守備で危ない場面も意外とないし、FKは本当に得意そうなのでこれからも期待。

 ブラヒムはコンディションが良くなったと明確にわかるプレーぶり。メシアスはドリブルやハードワークも光るが、何よりも結果を残すのが素晴らしい。ジルーはスモーリングマンチーニと競り合いセカンドボールを作るプレーを貫徹。プレスも良い。

 レオンはイブラが落とすことを想定した素晴らしい動き出しでリードを拡げる3点目を奪い、流石のドリブルでPKを獲得。PKは自分で蹴れば?w

 バカヨコはスリップとコントロールミスから試合に入ったので不安が増大したが、強みのボール奪取で存在感を発揮。総じて良いプレーだった。

 コンティは約1年ぶりの出場。移籍濃厚だが、今すぐ移籍されるのはちょっと困るくらいDFがいない。

 

 次は中2日でアウェイのヴェネツィア戦。苦手のランチタイムキックオフだが、良い流れを継続させたい。

 

ローマ

 メニャンを絡ませたミランのビルドアップに対して、プレスに行き切れなかったし、ミランのハイプレスが困るビルドアップをできなかった。単純なパスミスも多かった。

 4バック+クリスタンテで3バックにもできる方がビルドアップに柔軟性は生まれそうだけど、4バックじゃ守れないから3CBにしたのだろうから難しい。

 イバニェスは好きな選手だが、ポカが減らない。

 エル・シャーラウィのRSBは草。

 

主審 Daniele Chiffi VAR Gianluca Aureliano

 前半のカルスドルプvsテオで荒れ始めたが、熱を冷めさせることはできず。

 最初のPKは確実に当たっていたか微妙。ボールの回転のままにも、掠っているようにもとれるが、影響はほとんどないし、その程度ならVARは介入しなくても良いと思った。

 イバニェスがイブラに倒された場面は前回のローマ戦ならPKになりそう。