自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第21節 vs ヴェネツィア(A) 左アッパーでKO

 2022年の始まりとなったローマ戦はいきなりの苦境かと思われたが、見事なチームワークで勝利し、試合が延期になった首位インテルとの差を1に詰めることに成功。

 

 ヴェネツィアはここまで4勝5分10敗で暫定16位。後方から丁寧に繋ごうとするチームで、アラムやキーネのようなテクニシャン、オケレケやヨンセンのようなスピードアタッカーには気をつけたい。先日にはバイエルン・ミュンヘンからキュイザンスを獲得。前節は延期になったため、この試合が2022年最初の試合で休養十分。

 以下の順位はすべて暫定。

  • 今季ホームゲーム2勝2分5敗、12得点17失点。ホームとアウェイに差はほとんどない。
  • 18得点はリーグ19位。セットプレー3点、PK2点。前後半で得点数に差がない。強いて言うなら開始15分に強い。
  • アラムが5点でチームトップ。オケレケが4点、アンリが3点、CBのチェッカローニが2点。
  • 34失点はリーグ13位。後半に失点が多く、60分以降が総失点の半分を占めている
  • シュート数最少。枠内シュート数は17位タイ。アンリ、アラム、オケレケがチームトップ3。
  • CK数最少。
  • セーブ数3位。
  • イエローカード数2位(多)。
  • 1試合平均走行距離3位。チームトップはブシオ。
  • ポゼッションタイム17位。自陣9位。敵陣20位。
  • アラムが3アシスト。
  • キーパスはヨンセンが15本、キーネが14本、ブシオが12本、アラムが11本。
  • 被ファウル数リーグ22位タイにアラム、24位にアンリ。
  • リカバリー数リーグ18位にカルダーラ、23位にチェッカローニ。

 

ローマ戦後の2日間

 ボートで移動。ヴェニスはまた行きたい。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはケアー、ペッレグリ、プリッツァーリが負傷欠場。カラブリアロマニョーリ、トモリ、タタルシャヌ、サムカスがCovid-19陽性で欠場。ケシエ、べナセル、バロ=トゥーレがアフリカネーションズカップで離脱中。前節に続き、DFが足りないのでコンティとスタンガ、第3GKとして17歳のナヴァがベンチ入り。

 ヴェネツィアはカルダーラとテスマンが出場停止。ヴァッカが欠場。エブエヒがアフリカネーションズカップで離脱中。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 21ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 4-3-3で中央を閉じるヴェネツィアに対して、ミランのビルドアップはテオが下がり目の3バック気味でボランチは横並びの1-3-4-2-1の様な並び。右はフロレンツィとサレマとバカヨコやイブラのパスワーク、左はレオンのドリブルやテオの持ち運びや走り込み、メニャンからイブラへのロングボールには裏にレオンかサレマが走り込むなどサイド攻撃とロングボールを主体に攻め込む。ヴェネツィアインサイドハーフボランチへのパスのインターセプトを狙いつつ、サイドの選手へのアプローチも行う。

 ミランはブラヒムがアンパドゥをマークしながらイブラと2人で2CB+アンカーを抑えようとするが、ヴェネツィアは選手間の距離を広く取ることでミランのプレスも広げさせ、インサイドハーフのブシオやキュイザンスが降りるのに連動してSBが上がったり、内側に絞ったりポジションを調整しつつマークをズラして前進していく。トップ下のアラムは中央よりもサイドに開いてフリーになったり、相手SBをピン留めして味方をフリーにさせる。

 1分、外側からマッゾッキの背後を突いたレオンにテオからスルーパス。レオンがPA内に持ち込んでゴール前に折り返すとイブラが押し込んで2分でミランが先制。

 6分、自陣右サイドでボールを奪い、左サイドに展開しテオが持ち運んでカウンター気味の攻撃。敵陣PA前でサレマとワンツーを試みるが失敗。ただ、こぼれ球をブラヒムが拾い、イブラからパスを受けたレオンが左からマッゾッキをかわしてシュートを撃つがセルヒオ・ロメロがセーブ。

 27分、ミランのFK。トナーリが横にズラしたボールをテオが強烈なシュートを撃つがセルヒオ・ロメロが弾き出しCK。右CKをテオがブラヒムとショートコーナー。リターンを受けたテオがPA手前に走り込むフロレンツィにパス。フロレンツィがダイレクトミドルシュートを撃つがセルヒオ・ロメロがセーブ。

 38分、ミドルゾーンでフロレンツィからバカヨコへの横パスが少しズレ、そのトラップ際をアンパドゥが狙いヴェネツィアショートカウンター。アンパドゥが少し運び右のアンリにパス。アンリのアーリークロスにアンパドゥがガッビアの背中から前に入って頭で合わせるが枠の上に外れる。

 0-1で前半終了。

 後半のミランは保持も4-2-3-1。ヴェネツィアはブシオが左に出る4-4-2気味でハイプレス。

 47分、レオンがブラヒムと縦のパス交換。その間にテオがマッゾッキの裏を突くランニングをするとレオンからスルーパス。ブラヒムに釣り出されていたスヴォボダはカバーできず、テオがマッゾッキの寄せをブロックしながらニアを撃ち抜きミランが追加点を挙げる。

 56分、ミランがハイプレスをかけてロングボールを回収。メニャンからフロレンツィが内側に入ってパスを受ける。ガッビアからブラヒムに縦パス。ブラヒムからオーバーラップしたテオが受けて中央へ突進。イブラへのパスは繋がらないが、すぐにプレスをかけるとスヴォボダがイブラにパスをしてしまう。イブラがチェッカローニを交わしシュートを撃つがスヴォボダがブロック。こぼれ球をテオが押し込もうとするが、スヴォボダがゴールライン上でハンド。ミランにPKでスヴォボダは決定機阻止で一発退場。テオがPKを決めてミランが3点目を奪う。

 ヴェネツィアはアンパドゥがCB、ブシオとチルニゴイのボランチ、右にヨンセン、左にキーネ、トップにオケレケの4-4-1。

 73分、自陣左サイドでガッビアから内側のテオ、外側のトナーリ、外に流れるテオと繋ぎ、テオからのパスをレビッチがフリックでダニマルに繋ぐ。中央をダニマルが運んでオーバーラップしたテオにパスを出すが、テオはPKを貰いにいって失敗。

 81分、ミランのカウンタープレスをいなしてアンパドゥから中央のチルニゴイにパス。チルニゴイはチェッカローニに出してバカヨコが出てきたスペースに走る。チェッカローニからパスを受けたハプスはワンタッチでチルニゴイにパス。チルニゴイが中央に運び右のヨンセンにパス。ヨンセンがワンタッチで折り返すと、チルニゴイには合わないが奥のオケレケがシュートもカルルがブロック。

 0-3で試合終了。

 

ミラン

 開始早々の得点と安定したポゼッションで試合を優位に進め、後半開始早々の得点とPKと退場で勝負あり。スタンガをデビューさせるほど余裕のある試合になり、ピオーリのセリエA通算400試合目を勝利で飾った。

 

 サイドからの攻撃が機能。左はレオンとテオが剛、右はフロレンツィとサレマで柔。

 ビルドアップで背後から狙われているバカヨコにパスを出さないのはチームの共通理解になっていそう。

 プレッシングは人が足りない場面が度々見受けられ、CBにWGが出るのか、ブラヒムとボランチがスライドするのか、あまり定まっていなかったように感じた。ヴェネツィアの前線のクオリティ不足は助かった。

 とは言え、カルルは安心して観ていられるプレーを続けており、どこかから「レギュラーとしてプレーしないか?」と誘われないか心配になる。

 トナーリがカードを貰うより失点した方がマシだと思ったが、ユヴェントス戦やインテル戦に出られないよりは遥かにマシだった。スペツィア戦はロングボールゴリ押し一択。

 

 イブラがヴェネツィアとの初対戦でゴールを奪い、ヴェネツィアがイブラにヤラれた通算80クラブ目となった。

 最近、腕章を巻いてドッピエッタを記録したのはカカとマルディーニらしい。

 サレマは若干身体が重そうで、相手がドリブルで持ち出す動きに遅れていたが、それでもよく足を動かしていた。

 レビッチが復帰。コンディションはまだまだっぽいが、中央の攻撃に厚みをもたらす。

 

 次は金曜日早朝にコッパ・イタリアラウンド16のジェノア戦。完勝に加えて、誰かしら復帰してほしい。

 

ヴェネツィア

 後方の保持は悪くなかったので、前線のクオリティが高ければ決定機を作れたと思われる場面は多かった。

 マッゾッキとスヴォボダは怒られそう。

 アンパドゥはアンカーもCBも良さげ。

 マッゾッキの脚のタトゥーが凄い。

 

主審 Massimiliano Irrati VAR Paolo Silvio Mazzoleni

 特になし。