自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第22節 vs スペツィア(H) アンラッキーデイ

 ミッドウィークのコッパ・イタリアジェノア戦は延長120分を戦うハメになったが、2022年3試合連続3得点で3連勝を飾った。トモリの負傷、トナーリの出場停止を乗り越えて、勝利で暫定首位に立ちたい一戦。

 

 スペツィアはここまで5勝4分12敗で暫定16位。11・12月は6試合勝利なしでチアゴ・モッタ解任の噂があったが、ナポリに勝ったことで延命。

 以下の順位はすべて暫定。

  • 今季アウェイゲーム3勝1分7敗、10得点27失点。直近2試合のアウェイゲームはナポリジェノアにウノゼロで連勝中。
  • 21得点はリーグ16位タイ。セットプレー3点、OGが3点。前後半ともに15ー30分の得点が少ない。後半の序盤と終盤に強い。
  • ヴェルデ、ギャシ、バストーニが3点でチームトップ。エンゾラが2点で、1点のみが7人。
  • 41失点はリーグ17位。最も失点が嵩んでいるのは後半の中盤。前後半ともに序盤と終盤の失点も多い。
  • シュート数16位。ヴェルデ、マナイ、マッジョーレ、ギャシがチームトップ4。エンゾラとヴェルデは枠内シュート率50%超え。バストーニは枠内4本のみで3点。
  • クロス成功数15位タイ。
  • セーブ数2位タイ。
  • 枠に助けられた回数12回で2位。
  • PKを与えた回数が最多の7回。逆にPKを獲得したことがない。
  • 1試合平均走行距離13位。キヴィオルがリーグ9位。
  • ポゼッションタイム14位。自陣13位。敵陣15位。
  • ヴェルデ、バストーニ、マッジョーレ、コヴァレンコが2アシスト。
  • キーパス数リーグ14位にバストーニ。マッジョーレが33位タイ。
  • 被ファウル数リーグ6位タイにマッジョーレ、32位タイにマナイとギャシ。
  • リカバリー数リーグ10位にニコラウ。

 

ジェノア戦後の3日間

 カラブリアが陰性で復帰。

 シェヴァジェノアの監督から解任された。補強をしてこれからという感じだっただけにかわいそう。

 ロマニョーリが試合当日に陰性反応。翌日のトレーニングから復帰。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはトナーリが出場停止。ケアー、トモリ、ペッレグリ、プリッツァーリが負傷欠場。ロマニョーリが復帰明けで欠場。ケシエ、べナセル、バロ=トゥーレがアフリカネーションズカップで離脱中。ディ・ジェスがベンチ入り。

 スペツィアはサルセド、レオ・セナ、ポドゴレアヌが招集外。コリーがアフリカネーションズカップで離脱中。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 22ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 ミランはバカヨコがアンカーの4-1-2-3でビルドアップ。左はテオ、レオン、ブラヒムがローテーション。スペツィアはマッジョーレが前に出る4-4-2でプレス。WGはSBについていく。ミランはスペツィアのボランチ周辺でイブラ、クルニッチ、ブラヒムらが縦パスを引き出そうとする。

 スペツィアはSBを少し上げる2-3-2-3でビルドアップ。ボールサイドと逆のWGは積極的に中央や同サイドに流れてくる。ミランはイブラがニコラウをマークし、ブラヒムがキヴィオルからエルリッチに、クルニッチがバストーニからキヴィオルにスライドしてハメようとする。スペツィアはマナイのポストプレーに頼る。

 1分、カルルからイブラに縦パス。イブラが左のレオンに繋ぎ、レオンがコントロールシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。

 14分、中盤で受けたマナイをカルルが潰し、こぼれ球を拾ったイブラが左のレオンにパス。レオンがアミアンを縦に抜き左足でシュートを撃つがプロヴェデルが足でセーブ。

 17分、ミランはレオンがエルリッチに外切りでプレスに行き、テオとガッビアがそれぞれアミアンとギャシにスライドするやり方に変更。

 19分、ブラヒムから中央でパスを受けたサレマがバストーニをかわしてエルリッチを切り返して左足でシュートを撃つがキヴィオルがブロック。こぼれ球を拾ったクルニッチが右のイブラにパスを出し、イブラがシュートを撃つが枠を捉えられない。

 23分、キヴィオルがマナイにパスを出すが、マナイのバックパスがミスになり、中央にいたレオンが拾い、キヴィオルの股を抜いて中央を運ぶ。レオンは右のサレマにパスを出して、マイナスに動いてリターンをワンタッチでシュートを撃つが枠の上に外れる。

 26分、フロレンツィがアウトサイドキックで内側のサレマに繋ぐと、サレマがアウトサイドで後ろのイブラにフリック。裏に抜け出したイブラがエルリッチを弾き飛ばしシュートを撃つがプロヴェデルが足でセーブ。

 28分、左サイドでボールを奪ったスペツィアはマナイがカルルを背負いながら右サイドのギャシに展開。ギャシはガッビアとフロレンツィの間のスペースに上がってきたレツァにパス。レツァのシュートはメニャンがセーブ。

 29分、中盤に降りたイブラがクルニッチに縦パスを入れてリターンを受けると、強烈なミドルシュートを撃つが枠の左に外れる。

 39分、メニャンのロングボールをイブラがニコラウに競り勝って後ろに流すと、拾ったレオンは右のサレマにパス。サレマが内側に持ち出して左足でシュートを撃つがプロヴェデルがセーブ。

 41分、レツァがスローインをプロヴェデルに投げると、レオンが猛追。トラップが浮いたところをレオンが奪ってプロヴェデルに蹴られるがレオンのファウルという判定。しかし、VARの介入でOFRが行われPKの判定に。しかし、テオが右に外してしまう。

 45分、自陣でマナイからボールを奪ったクルニッチが裏に走るレオンに一気にロングパス。レオンが出てきたプロヴェデルの上を超えるループシュートを決めてミランが先制。

 1-0で前半終了。

 54分、ブラヒムが降りて受けてターンしようとするがキヴィオルに引っかかる。こぼれ球をカルルが拾って持ち上がり右のサレマにパス。サレマは内側のイブラに繋ぎ、イブラが左足で巻いたシュートを撃つが枠の左に外れる。

 55分、ヴェルデからギャシへのサイドチェンジは飛距離足りずテオがインターセプト。そのまま持ち上がろうとするがキヴィオルに倒される。ブラヒムが拾ったため主審はアドバンテージを取り、ブラヒムは左のレオンにパス。レオンがアミアンを縦に抜き去り、折り返しにサレマがワンタッチでシュートを撃つがプロヴェデルが足でセーブ。

 58分、右に流れたヴェルデから近くでパスを受けたアグデロがマイナスにドリブルしながら、PA内でテオからフリーになったアミアンにパス。アミアンが前を向いてシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 62分、ヴェルデのFKをメシアスが頭でクリア。こぼれ球を拾ったアグデロからレツァが左サイド深い位置で受けてクロスをあげるとフリーのエルリッチが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 62分、レツァが左から中に入ったヴェルデにパス。アグデロ、バストーニと繋ぎ、左に開いたヴェルデが折り返したボールをカルルの背中を取ったアグデロが押し込んでスペツィアが同点にする。

 82分、自陣深くでボールを奪ったレオンがイブラにロングボール。イブラが胸で収めてクルニッチにパスを出すがバストーニがインターセプト。バストーニから受けた右のギャシがガッビアの股を通してコヴァレンコにパス。コヴァレンコがワンタッチでシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 89分、カラブリアからのロングボールをジルーがレビッチにフリック。レビッチがイブラに繋ぎ、イブラが反転シュートを撃つがプロヴェデルの正面。

 91分、カラブリアがメシアスとのワンツーでプレス回避。クルニッチ、イブラと繋ぎ、左のレビッチの折り返しをジルーが左足でシュートを撃つがエルリッチが身体でブロック。クリアボールを拾ったミランはテオからイブラへロングパス。内側に入って落としを受けたレビッチがバストーニに倒されるが、こぼれ球をメシアスがワンタッチでシュートを撃ち見事に左隅に決める。しかし、レビッチが倒された時点で笛が鳴っており得点は認められず。FKをイブラが直接狙うがプロヴェデルが弾き出しCK。テオのアウトスイングのボールをイブラがニアで頭で合わせるがプロヴェデルが弾いてバーに当たりキヴィオルがクリア。

 95分、ニコラウが大きく蹴り出したボールをアグデロとカルルが奪い合う。カルルが身体を入れるがアグデロが足を出してボールを前に出すと、拾ったコヴァレンコがゴール前のギャシに折り返す。ギャシが飛び出して来たメニャンを冷静に見極めてネットを揺らしスペツィアが逆転。

 1-2で試合終了。

 

ミラン

 ジェノア戦前半の強度不足を反省した試合の入りを見せて序盤から優勢に試合を進めるが、プロヴェデルが好セーブを連発。テオがPKを失敗し、いよいよ嫌な雰囲気になってきたタイミングでレオンが先制点を決める。後半は統制が失われてきたミランとは対照的にアグデロの投入でペースが上がったスペツィアに同点ゴールを許す。ミランは終盤にメシアスがネットを揺らすが主審の判断ミスで認められず、逆に終了間際に前がかりになりすぎたところでミスを犯し逆転負け。勝てば暫定首位ということもあり、ミランに関わる人たちには受け入れ難い敗戦になってしまった。2時半キックオフでリアタイ観戦された方は本当にお疲れ様でした。

 個人的にはやるせなさすぎて「こういう日もある。」と割り切ってすぐに切り替えられた。チームとして全く機能せずに負ける試合の方が悔しさが募る。

 

 前半はスペツィアのプレスがそこまで強度が高くないため、CBは簡単にボールを動かせたうえに、ミランの不安要素である後ろ向きのバカヨコへのプレスも厳しくなかったので楽にプレーできた。スペツィアのキヴィオルとバストーニを見ていると、バカヨコにプレスに行くよりもブラヒムとクルニッチが気になるし、ライン間も空けたくないという様子が見受けられた。

 ジェノア戦の反省であるプレスのスピードとプレスバックの意識も高めていた。ハイプレスがハマりまくったわけではないが、制限をできていた場面が多かった。

 後半は前半がハイペースだったことで強度が落ちたと同時に、それに伴う全体の意思をコントロールできる人(トナーリ)がいなかった影響が出たと思う。同点ゴールはスペツィアの崩しが上手かったが、前線が必要以上にプレスに行って(後ろの押し上げが足りなくて)かわされたというのも、留まっていれば防げたかはわからないが一因ではある。

 

 レオンは2022年に入ってから5得点に関与しておりリーグトップ。今節も素晴らしいゴールとチャンスメイクの数々。プレスバックの意識も高かった。

 カルルは全体的に見ればビルドアップ時の持ち出しや楔、前への守備は良かったが、2失点に関与してしまった。1失点目はアグデロに背後を取られてしまい、クロスをブロックすることもできなかった。もっとリーチのある選手だったら防げたかもしれない。2失点目はすぐにボールを外に出すか、引っ張られたアピールをするなりできたはず。真面目すぎた。頑張れ。

 レビッチはジルーとイブラに続く3人目のアタッカーとして守備陣を混乱に陥れた。

 カラブリアはなぜかシュートを撃てる位置にいる。

 

 次は日曜日にホームでユヴェントス戦。今節の結果は忘れて前に進むしかない。

 

スペツィア

 プロヴェデル止めすぎ。ナポリ戦は超ラッキーなオウンゴールを最後まで守りきったが、ミラン戦は止めまくって一方的な試合にさせなかった。チアゴ・モッタはちょっと運が良すぎるぞ。

 マナイと全く異なるタイプのアグデロが入って流動性と狭いエリアでのクオリティが高まった。ちなみに昨季もアグデロのトップ起用に苦戦した。

 

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主審 Marco Serra VAR Daniele Doveri

 前半から後ろから手で引っ張る行為には躊躇なくイエローカードを出していた。後半は退場者を出したくないという想いをギャシへの対応から感じられた。55分のアドバンテージを取った場面は基準通りならキヴィオルに2枚目を出しても良かった。

 そして、痛恨のやらかし。やっちまった感がすぐに表情や態度からも伝わった。

 最後のカルルとアグデロの場面もカルルの肩を手で掴んでいるアグデロのファウルを取ってほしかった。