21-22セリエA第25節 vs サンプドリア(H) フロレンツィの新境地
前日に首位インテルが引き分けたため勝利すると暫定首位に浮上するミラン。苦手なランチタイムキックオフだが、お付き合いは勘弁だ。
サンプドリアはここまで6勝5分13敗の16位。1月中旬に5試合勝利なしでダヴェルサを解任。後任にはジャンパオロが18ー19以来の復帰すると前々節から指揮を執り、前節は4-0の快勝。冬の移籍市場ではセンシ、リンコン、コンティ、マニャーニを獲得し、ガッビアディーニの長期離脱に伴いフリーのジョビンコとも契約するなど積極的な補強も目立った。
以下の順位はすべて暫定。
- 今季アウェイゲーム3勝2分6敗、13得点16失点。
- 33得点はリーグ12位。セットプレーから10点、PKが2点、OGが4点。開始15分と最後15分の得点が全体の46%を占める。
- カンドレーヴァが7点でチームトップ。6点でカプートとガッビアディーニが並び、吉田とトルスビーが2点で続く。
- 枠に当てた回数9回で3位タイ。カンドレーヴァが4回、カプートが2回。
- 41失点はリーグ13位。前半の方が失点が多い。前後半ともに最後の15分が最多失点。PKは1回しか与えていない。
- シュート数13位。枠内シュート数16位。カンドレーヴァがリーグ11位。
- クロス成功数6位。失敗数最多。
- オフサイド数3位。
- セーブ数4位タイ。
- イエローカード数最多タイ。
- 1試合平均走行距離14位。トルスビーがリーグ1位。カンドレーヴァが13位。
- ポゼッションタイム15位。自陣16位。敵陣14位。
- カンドレーヴァが7アシストでリーグ3位タイ。カプートが4アシストで13位タイ。
- カンドレーヴァがキーパス数リーグ1位。
- 被ファウル数チームトップはカンドレーヴァ。2位がトルスビー。
- コリーがリカバリー数リーグ3位。トルスビーが4位。
- セリエAの対戦直近10試合はミランの5勝2分3敗。ピオーリ就任後は3勝2分。
ラツィオ戦後の3日間
テオが26年6月まで契約延長。年俸は€4m+ボーナスと言われている。
Official Statement: Theo Hernández ➡ https://t.co/COTRQQUzuL
— AC Milan (@acmilan) 2022年2月11日
Comunicato Ufficiale: Theo Hernández ➡ https://t.co/geDKXj7UQU #SempreMilan pic.twitter.com/6Fi4hTW902
🤩 @TheoHernandez ⚽
— AC Milan (@acmilan) 2022年2月11日
Sit back and enjoy our N.19's gems 🍿
Which is your favourite?#SempreMilan pic.twitter.com/omPRujV0WY
先発&フォーメーション
ミランはテオが出場停止。ケアー、イブラ、ガッビアが負傷欠場。ラゼティッチが招集外。
レオン🏄がミラン100試合目。
100 Rossoneri appearances 🔴⚫
— AC Milan (@acmilan) 2022年2月13日
We gooo, @RafaeLeao7! 🏄
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サンプドリアは吉田、ガッビアディーニ、ダムスゴー、アスキルセンが負傷欠場。ジョビンコが招集外。
スタッツ&控え
Match Report | 2021-22 | 25ª Match Day | Lega Serie A
ハイライト
流れ
サンプドリアは5-3-2で高い位置から2トップがCBからボランチへのパスを防ぎサイドバックに出させて、カラブリアにはトルスビー、フロレンツィにはカンドレーヴァかコンティがプレス。
ミランはショートパスでボランチに繋ぐことはせず、メニャンも含めて後ろでボールを廻しプレスに出てくるサンプドリアの中盤の裏にロブパスを入れていく。メシアスとブラヒムが中盤の脇やライン間を狙い、ジルーとレオンがロングボールのターゲットになる。
サンプドリアのビルドアップはベレシンスキがRSBになる4バックとアンカーのリンコン、トップにカプートという配置を基本としつつ、トルスビーがLSBになってムッルーを押し上げたり、センシが中盤に降りたり、ポジションチェンジでマークをズラす狙いも見受けられる。
ミランはジルーがマニャーニ、メシアスがコリー、レオンがベレシンスキ、ブラヒムがリンコン、トナーリがカンドレーヴァ、べナセルがトルスビー、トモリがセンシ、ロマニョーリがカプートをマーク。SBは対面のWBを見るのが基本だが、状況に応じて中盤のサポートにも回る。
7分、自陣PA付近のメニャンから左ハーフスペースを裏に抜け出したレオンにロングパス。レオンが急加速でベレシンスキの前に入りファルコーネの脇を射抜いてミランが先制。
32分24秒〜35分53秒、DAZNブラックアウト。
37分、メニャンのロングボールのセカンドボールをサンプドリアがピッチ中央でキープ。ジルーがコリー、メシアスがムッルーにプレスをかけてファルコーネまで下げさせる。ファルコーネはレオンがマニャーニへのパスを防ぎに来たのでロブパスでベレシンスキに渡す。フリーのベレシンスキからロマニョーリの裏に抜け出したカンドレーヴァにスルーパス。カンドレーヴァのマイナスの折り返しをセンシが撃つが中央をカバーしたカラブリアがブロック。カンドレーヴァがオフサイド。
41分、トモリからハーフウェイライン手前でパスを受けたフロレンツィから、レオンとサイドを入れ替えていたメシアスが裏に抜け出してパスを受ける。メシアスが頭で落としジルーがPA手前からシュートを撃つがミートできず大きく枠を外す。
43分、フロレンツィから中央へのロブパスはコリーに跳ね返されるが、すぐにトモリがセンシから奪い返す。ブラヒムが運んで、左のレオンが3人引き寄せてゴール前のジルーにインスイングアーリークロス。ジルーが落としたボールをメシアスが左足で撃つがファルコーネが左手1本でファインセーブ。
1-0で前半終了。
45分、ミランが右サイド深い位置でスローイン。カラブリアがべナセルからリターンを受けトナーリに下げると、トナーリがワンタッチでムッルーとコリーの間のスペースのメシアスに縦パス。メシアスがシュートを撃つが僅かに枠の左に外れる。
49分、コリーにメシアスが外切りプレス。トルスビーへのパスをべナセルが狙い、トルスビーのコントロールミスをカラブリアが拾い、メシアスとワンツーで右サイドからクロスを上げる。ファーでジルーがヘディングを狙うがマニャーニが競ってシュートを撃たせない。
52分、サンプドリアが3枚替え。中盤は右からカンドレーヴァ、ヴィエイラ、エクダル、リンコン、アウジェッロという並びに変更。カンドレーヴァは外だけではなく内側にも入り、機を見てベレシンスキも攻撃参加。システムを噛み合わせてプレス強度も高め、SBへのプレスをWBが請け負うように変更。
55分、センシがべナセルからボール奪取。左サイドで繋ぐがマニャーニに戻し、内側のカンドレーヴァが受ける。ヴィエイラが中央から右ハーフスペースにレーン跨ぎで縦パスを受け、ワンタッチでレオンの背後を取り右サイドを駆け上がるベレシンスキパス。ベレシンスキからトナーリとロマニョーリを追い越したカンドレーヴァに折り返すがシュートは枠を捉えられない。
56分、ミランは2列目を総取っ替え。サレマはアウジェッロに付き、ジルーが中央に立ち、CB同士のパスコースを切るようにプレスをかける。
59分、ミランのゴールキック。メニャンから受けたカラブリアがタッチライン際を通してサレマへ。サレマがジルーとのワンツーで内側に持っていき中央のケシエにパス。ケシエがフリーのレビッチに渡し、レビッチがPA内に持ち込みシュートを撃とうとするがエクダルがブロック。レビッチがこぼれ球を拾って左足でクロスを上げるとファーサイドでジルーがバイシクルシュートを撃つがファルコーネがセーブ。
61分、右サイドから受けたロマニョーリがレビッチにミドルパス。追い越したフロレンツィがレビッチから受け、コリーのマークを外してPAに走り込むジルーへパス。ファルコーネが飛び出してジルーがトラップミス。オフサイドになったが、実際はオンサイド。
69分、ミランが右サイドからCK。トナーリのボールはファルコーネに弾き返されるが、べナセルが拾い中央のジルーに放り込む。ジルーのヘディングシュートもファルコーネが弾き出し、左からのCKに。トナーリのボールをロマニョーリがゾーンの間に入ってヘディングシュートを撃つがファルコーネがキャッチ。
72分、サンプドリアはリンコンに替わってクアリアレッラを投入。センシがトップ下、ヴィエイラが左インサイド、右インサイドにカンドレーヴァの4-3-1-2。中盤は流動的。
74分、べナセルに替わってクルニッチがそのままボランチに入る。
80分、中央で受けたセンシにトモリが寄せてミスを誘う。トナーリが拾って運び、マニャーニを引きつけて左でフリーのレビッチにラストパス。レビッチがシュートを撃つがファルコーネが弾く。こぼれ球をトナーリが撃つが当たり損ね、ジルーに折り返すがブロックされる。更にこぼれ球をレビッチが折り返しケシエが飛び込むがマニャーニがブロック。
84分、カンドレーヴァに替わってサビーリ。サビーリがトップ下。
1-0で試合終了。
ミラン
練習通りと言うメニャンからレオンへのミサイルで先制した後は、球際のデュエルにより両チームともに倒れる選手が続出し、止まる時間が多くまったりした前半になった。後半はボールを持たれる時間が多かったがピンチは少なく、むしろ2点目を取れないことでスペツィア戦の嫌な記憶が過ぎったが、無事に勝点3を積み上げ暫定首位に立った。
ピンチは少なかったが55分のカンドレーヴァのシュートシーンは危なかった。トナーリとレオンが対面の選手に背後をを取られ、ロマニョーリがヴィエイラに釣り出されたスペースを使われたが、トモリが寄せてプレッシャーを与え、シュートコースも限定させてミスを誘った。センシとカンドレーヴァが中盤に入ってくるので、トナーリとべナセルは見なければいけない人が増えて大変だった。
メニャンからレオンへのミサイルパスはこれまでも何度か見られていたが、遂にアシストを記録。ありがとうリールさん。ミランのGKがアシストをしたのは2006年のジダ以来らしい。
2006 - Before Mike Maignan's assist, the last #SerieA assist by a Milan goalkeeper was in 2006 (Dida against Ascoli). Playmaker.#MilanSampdoria
— OptaPaolo 🏆 (@OptaPaolo) 2022年2月13日
LSBを任されたフロレンツィは左足を使えないがボールを扱う技術があり、手前ではなく奥をよく見えていたのでビルドアップで詰まることがなくスムーズだった。ワンタッチでのプレーが多く、相手の視線を動かしたり、スライドのベクトルの逆を取るパスなどが効果的だった。フロレンツィの新境地にもなり得る可能性を感じたし、ただでさえ少ないバロ=トゥーレの出番が更に減少してしまう。ビルドアップにおけるSBの重要性を改めてよく理解できた。
ジルーが超元気にフル出場でスプリント距離チームトップ。プレスもポストもゴール前のポジション取りもサボらず、90分には前線からPAまで戻ってスペースを埋める献身的な姿勢も目立った。確か、チェルシー時代に左サイドからのボールの得点割合が大きいというデータを見た気がするが、フロレンツィのように後ろからパスが出ると前線にはスペースがあるのでDFの前に入って左足で撃てるし、背後を取ってヘディングという2択を選びやすくて良いかもしれない。ダービーの2点目みたいなパターンもあるから一概には言えないが。
べナセルは相変わらず動きが軽快でボール回収率も高かったと思う。ようやく完全復調と言っていい感じ。
レビッチはコンディションがまだまだとはいえ決めないといけない場面が2つあった。先発復帰のトモリは全く問題なし。
次は土曜日にアウェイでサレルニターナ戦。サレルニターナは前半戦の時とは別チームになっているので侮れないが、軽く一蹴して連勝を伸ばしたい。
サンプドリア
3枚替え後はセンシだけではなく、WBに変わったカンドレーヴァまで中盤に顔を出すおかげでポゼッション率は上がった。しかし、チャンスはあまり作れず。屈強なポストプレーヤーでも居れば攻撃のバリエーションと迫力が出そうだと思ったので、屈強というタイプではないがガッビアディーニの離脱は本当に痛い。
主審 Daniele Chiffi VAR Paolo Valeri
67分に左サイド高い位置で奪ったトナーリはファウルじゃないし、レオンとトモリを削ったセンシにはカードを出してほしかった。