自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第31節 vs ボローニャ(H) 速攻が生命線

 

 IMWが明け、カンピオナートは残り8試合。単独首位のミランは公式戦10試合無敗で4試合連続無失点中。4月からスタジアム収容人数がコロナ禍以前の100%に戻り、月曜日のナイトゲームながらサン・シーロは大入り。

 

 ボローニャは1試合未消化の9勝6分14敗で12位。昨季までは失点が多かったが、今季は失点が減ったぶん得点力も低下している。2022年の10試合は1勝3分6敗。5点しか奪えておらず、直近3試合は無得点。

 ミハイロヴィッチ白血病の再発で再入院。

 以下の順位はすべて暫定。

  • 今季アウェイゲーム3勝3分8敗、14得点26失点。ホームより苦手なのは明白。
  • 32得点はリーグ15位。セットプレーから8点、FKが1点、PKが3点、OGが1点。前半が10点のみ。ラスト15分に全体の38%に当たる12点。
  • アルナウトヴィッチがリーグ13位タイの9(ヘディング3)点。バロウが5点、オルソリーニとヒッキーが4点、スヴァンベリとデ・シルヴェストリが3点。スコアラーが8人しかいない。
  • バロウがチームトップの4アシスト。ソリアーノ、サンソーネ、ドミンゲスが3アシスト、オルソリーニとスヴァンベリが2アシスト。
  • シュート数13位。枠内シュート数14位。アルナウトヴィッチがリーグ12位。バロウ、オルソリーニ、スヴァンベリが30本以上で続く。
  • 枠に当てた回数17回でリーグ2位。アルナウトヴィッチが5回でリーグトップ。バロウが3回。
  • 44失点は9位。無失点は9試合。60-90分に全体の48%に当たる21失点。
  • 枠に助けられた回数13回は3位タイ。
  • リカバリー数15位。チームトップはメデル。チーム2位が中盤のドミンゲス。
  • セーブ数8位。個人ではスコルプスキ3位。
  • ドリブル数12位。
  • クロス成功数10位。
  • CK数9位タイ。
  • オフサイド数17位(少)。
  • PK獲得数4回。献上回数7回。
  • 1試合平均走行距離19位。スヴァンベリとソリアーノがチームトップ。
  • ポゼッションタイム11位タイ。自陣10位。敵陣11位。
  • パス成功数10位。キーパス数12位。ファイナルサードのパス数13位。
  • キーパス数35本でリーグ20位にソリアーノ。アルナウトヴィッチ、バロウ、スヴァンベリがそれぞれ29、28、27本で続く。
  • 被ファウル数リーグ7位にヒッキー、12位タイにスヴァンベリ。
  • 過去21試合の対戦成績はミランの16勝4分1敗。ミランが6連勝中。サン・シーロでは8勝1分1敗。

 

カリアリ戦後の2週間

 マルディーニ、ピオーリ、ブラヒム、トモリがドバイでイベントに参加。

 フランス代表でテオのクロスからジルーがゴール。

 ミランアカデミー賞

 エネルギー貯蔵システムを事業の中心とするドイツの企業SENECとオフィシャルストレージ及び太陽光発電システムパートナーシップを締結。

 ボローニャ戦で着用する4thキットを発表。トラムも装飾。袖の裾のデザインは好き。みんなシャツインしているように見える。

 ピオーリが3月の月間最優秀監督を受賞。

 

先発&フォーメーション

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 ミランロマニョーリが大腿を痛めて欠場。ケアーが負傷欠場。ダニマル、ラゼティッチが招集外。ブラヒム、ロマニョーリは累積リーチ。

 ピオーリがミランでのセリエA100試合目。平均勝ち点は3ポイント制になってからは史上最高の2.04。

 ボローニャはドミンゲス、デ・シルヴェストリ、キングスレーが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 31ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランのプレッシングは噛み合う配置のままにマンツーマン。ついていく範囲も広い。ボローニャはアルナウトヴィッチのポストプレーを使うために左サイドからアルナウトヴィッチへのパスコースを作る。アルナウトヴィッチに入ると、バロウが落としを受けたり、インサイドハーフとWBが追い越して疑似カウンターのような状況を生み出す。シャウテンも機を見て前線に絡んでいく。

 ボローニャのプレッシングはマンツーマン気味で高い位置から積極的に行くのと5-3-2リトリートの2段構え。ミランはべナセルをアンカーに置く形を基本にしながら、しっくりきたのはカラブリアインサイドハーフに入る3-3-1-3。後方と中盤で数的優位を作り、前線はジルーとメデルのミスマッチを活用する。

 

 3分、ボローニャが左サイドからビルドアップ。大外のダイクスがワンタッチで中央のアルナウトヴィッチに斜めの楔を入れ、バロウが横移動でレイオフを受け、エビシャーが中央のフリーランでトナーリを動かし、バロウが右サイドのヒッキーに展開。ヒッキーがカットインしてカラブリアの背後を取ったダイクスにフライスルーパスを出すがダイクスは触るのに精一杯。

 15分、ミランのFKのこぼれ球からの2次攻撃。トナーリが拾って右サイドのレオンがカットインして左足でシュートを撃つ。DFがブロックしてファーに流れたボールをカルルが折り返す。メデルがブロックしたこぼれ球をレオンが左足で撃つが枠の上に外れる。

 21分、メニャンからメシアスへのロングパスをテアテがインターセプト。持ち上がって中央から左に流れたスヴァンベリにパス。スヴァンベリにべナセルがついていくが、スヴァンベリの手がべナセルの顔に当たりべナセルが止まるがファウルはなく、スヴァンベリが前を向き、バロウとのワンツーでPA内に侵入。スヴァンベリのパスをアルナウトヴィッチがスルーしてエビシャーがシュートを撃つがメニャンの正面。

 22分、自陣のカラブリアからテアテの裏に抜け出したメシアスにロングパス。メシアスがジルーにクロスを入れるがスマオロがブロック。こぼれ球をブラヒムが拾いシュートに持ち込むがメデルがブロック。

 25分、バロウのクロスをキャッチしたメニャンがすぐにテオに渡す。テオが運ぶが、アルナウトヴィッチが奪う。アルナウトヴィッチから中央で受けたバロウがミドルシュートを撃つがメニャンが弾き出す。

 27分、右サイドからビルドアップを図るミランだが、ボローニャがマンツーマンで対応。メシアスがカルルに下げて、カルルがジルーにロングボールを入れる。メデルが触ったこぼれ球をブラヒムが拾い、べナセルが右に流れてサポート。べナセルが内側を向き、ゴール前でメデルとスマオロの間に立ったジルーにロブパスを送る。ジルーが頭で落としたボールをカラブリアボレーシュートを撃つが枠の上に外れる。

 39分、ダイクスからスローインを受けたバロウがカラブリアを背負いながら中央に運び、ハーフスペースに入ってきたシャウテンにヒールパス。シャウテンが中央のスヴァンベリに折り返し、スヴァンベリがバロウに落とそうとするがバロウと合わない。

 41分、テオからテアテの背後を取ったジルーにアーリークロス。ジルーが頭で合わせるがスコルプスキがキャッチ。

 44分、ミランが敵陣右サイドでボールを動かし、ブラヒムがハーフスペースを縦にドリブル。大外のトナーリに下げると、トナーリがワンタッチでクロスを上げる。ジルーがメデルの上からヘディングシュートを撃つがスコルプスキがファインセーブ。

 0-0で前半終了。ミランの前半シュート数17は2013年のカターニャ戦の21に次ぐ多さ。今季のセリエAでは最多。

 後半からミランはメシアスに替えてレビッチを投入。レビッチは左でレオンが右に回るが入れ替わる場面も少なくない。SB、WG、ブラヒムorトナーリでサイドを崩す動きが増える。

 45分、自陣PAでバロウからボールを奪ったトナーリが敵陣まで運び、レビッチが右サイドに展開。カラブリアから受けたレオンが中央に運びブラヒムに縦パスを入れる。ブラヒムは左に回ったレオンにリターン。レオンが右足でシュートを撃つがスコルプスキが足でセーブ。こぼれ球をべナセルが拾い、トナーリが左サイドからクロスを入れてジルーがテアテに倒されるがファウルなし。

 53分、左サイドをトナーリ、テオ、レビッチで崩し、レビッチがシュート。スマオロがブロックしたこぼれ球をレオンが拾い、下げたボールをべナセルがミドルシュートを撃つがミートできない。

 60分、自陣左サイドでファウルを受けたテオがクイックリスタートでカラブリアに展開。カラブリアが右に開いたレオンに預け、レオンがカットインでテアテを釣り出した裏に抜け出したカラブリアにレオンからスルーパスカラブリアが右足でシュートを撃つがメデルに少し当たり枠の左に外れる。

 66分、自陣PAでテオがヒッキーの突破を止めメニャンが抑える。メニャンがテオに渡し、テオがカラブリアにサイドチェンジ。ブラヒム、べナセル、トナーリと繋ぎ、左のレオンへ。レオンがヒッキーとの1vs1を縦に突破し左足でクロス。レビッチが左足でボレーシュートを撃つがミートできない。

 68分、中央でパスを繋ぎ、べナセルがミドルシュートを撃つがスコルプスキが弾き出す。

 70分、シャウテンの攻撃参加にブラヒムが戻ってボール奪取。そのまま運び、ダイクスをかわして右に開いたイブラにパス。イブラがクロスを狙いながら運んでマイナスの折り返し。レオンがシュートを撃つが枠の右に外れる。

 終盤のボローニャはオルソリーニを右に下げて5-4-1でブロックを構える。ミランは放り込むようなクロスが多くなる。

 94分、ミランのCK。テオのアウトスイングのボールを中央でレビッチが頭で合わせるがスコルプスキがファインセーブ。

 0-0で試合終了。

 

ミラン

 

 前半から最後まで攻め続けたがアタッキングサードでのクオリティを欠き、シュート33本、クロス32本が空砲に終わり、上位対決をものにした2位ナポリ、3位インテルに実質勝ち点1差に詰められてしまうことになった。まだ7試合も残っているので、最後に順位表の1番上にいれば良いという心持ちで良いと思う。今季はスクデットを取れなくても失敗ではないというのは確かだが、ここまで来たら欲しいよね。

 

 3分の場面以外は相手のビルドアップからピンチになる場面はなかったが、ボローニャがリスク排除のビルドアップをするのでハイプレスをさせてもらえなかった。21分のピンチの場面はエビシャーへのスライディングでプレッシャーを与えてコースも限定させたトモリのファインプレー。

 ビルドアップはプレスを受けると苦しさがあったものの、ミスは少なく、べナセルが個人でかわして展開してくれたり、ボローニャが陣形を整える前に運ぶなどして1度押し込めると敵陣でゲームを進められる試合だった。

 問題は崩しとフィニッシュ。決定機はカウンターがほとんど。前半44分の右サイドでトナーリとブラヒムが絡んで人数をかけることで中央にスペースを作ってジルーがヘディングシュートを撃った場面のように相手を動かす作業をじっくりやりたい。この試合のスコルプスキに限らず、勝てない試合は相手GKを褒めるべき場面は多いのだが、今季を通してブロック崩しの設計された型は持ち合わせておらず、個人技や即興のコンビネーション頼みという問題は変わらないので、今季はショートでもロングでもカウンターで仕留めきり、失点を最小限に抑えることで勝ち点を稼ぐしかないと思う。

 

 べナセルは代表戦の疲労を考慮しての交代だと思うがプレス回避や前線へ相手の間を通すパスが効いていたのでフル出場してほしかった。逆に前半にいなかったらと思うとゾッとする。

 レオンはやはり前半は中に入りすぎているように感じる。右でもドリブルができることがわかったのは朗報。ライン間の横ドリブルは有効。

 カラブリアが交代した後はケシエが腕章を巻いていたが、試合終了時はテオが巻いていた。ケシエが巻いている場面でフロレンツィが横切った時に何か言ったのか?

 

 次は日曜日にアウェイトリノ戦。プレス回避と追い越しランで点を取ろう。

 

ボローニャ

 

 しっかり練られたビルドアップと強気なプレッシングで序盤は良い試合をした。徐々に強度が落ち、終盤は防戦一方になるがスコルプスキの活躍で無失点で終えた。

 アルナウトヴィッチは収まりが良く、プレスバックも頑張った。機嫌が良さそうだった。

 シャウテンとエビシャーのカバーエリアが広かった。

 

主審 Livio Marinelli VAR Aleandro Di Paolo

 

 主審はミラン初担当。手を使ったプレーに寛容だった印象。イブラとメデルの頭部の接触はイブラがボールに触っているのにメデルのファウルにならないのか?ただのアクシデントとして流すのか?