自業自得記録地獄

主にACミランに関する備忘録。

21-22コッパ・イタリア準決勝2ndレグ vs インテル(A) すり抜けるモメンタム

 

 公式戦13試合無敗、7試合連続無失点のミラン。1stレグはホームで0-0。この試合から現在の無失点記録は続いている。17-18シーズン以来の決勝進出、02-03シーズン以来の優勝を目指す。

 一方、10-11シーズン以来の決勝進出と優勝を目指すインテルも公式戦9試合無敗で3連勝中。失点はたったの3。カンピオナートは最多得点、最少失点で実質1位の暫定2位につけており、どちらがスクデットに向けてアクセルを踏めるか、ブレーキを踏ませるかという面でも重要な一戦。

 

ジェノア戦後の3日間

 特になし。

 

先発&フォーメーション

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 ミランロマニョーリ、イブラ、フロレンツィ、ケアーが負傷欠場。カラブリアとカスティジェホが復帰し、ダニエルが招集外。

 カルルがミランでの50試合目。

 インテルコラロフとコルダズが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | Semi-Final (Second Leg) | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランのビルドアップはCBがPA幅に開き、ディフェンシブサードではメニャン、ミドルゾーンではべナセルかトナーリが降りてインテルの2トップに対して数的優位を作る。しかし、フリーの選手が持ち上がったり、2トップを揺さぶって中盤からプレス隊を引き出す様子はない。SBから前線にいかに良いボールを送れるかに懸かっている。インテルは2トップがCBからボランチへのパスコースを切り、サイドに誘導。テオにはバレッラ、カラブリアにはペリシッチが対応。SBがCBに下げると、プレスのスイッチが入り、ブロゾヴィッチがトナーリ、チャルハノールがべナセルを捕まえに行く。

 ミランの守備はマンツーマンハイプレス。流れの中でのインテルのビルドアップはデ・フライが中盤に上がって4-2-2-2のような形でペリシッチがCBからのパスを右足ワンタッチで斜めの楔を狙う。ゴールキックの時はブロゾヴィッチがデ・フライの横に降りたり、チャルハノールがバストーニの脇に降りるなどして3CBと3CHでミランのプレスを引き出し、開いたライン間に降りる2トップにロブパスを通したり、ハンダノヴィッチから高い位置を取ったペリシッチへのロングボールでカラブリアとのミスマッチを活用する。ミドルゾーンではホアキン・コレアが中盤に降り、左サイドでペリシッチ、チャルハノールと絡み、人と目を集めた隙をバストーニがインナーラップする。

 

 2分、中盤に降りるホアキン・コレアを中心にミドルゾーンで保持するインテル。左サイド際でボールを受けたペリシッチPA内のラウタロにパス。ラウタロは前を向くがトモリにシュートコースを塞がれ、シュートを撃てずバレッラに下げる。バレッラからPA右でパスを受けたダルミアンがトモリが下がって空いたスペースを狙うラウタロにパス。ラウタロが右足で見事なボレーシュートを決めてインテルが先制。

 11分、自陣左サイドのテオがトナーリにサイドに流れるように指示を出し、ライン間中央のケシエにパスを通す。ケシエは寄ってきたジルーとのワンツーでバストーニをかわす。右のサレマに渡し、PAでリターンを受けてワンタッチでシュートを撃つがサイドネット。

 14分、ミランのビルドアップに対して、インテルはシュクリニアルがトナーリのトラップ際にプレスをかけてボール奪取しカウンター。

 27分、高い位置でボールを失ったミランがカウンタープレスをかける。ラウタロとのワンツーで中央に入ってきたダルミアンからべナセルがボール奪取。こぼれ球をサレマが拾い左ハーフスペースのレオンにパス。レオンが縦に持ち出して左足でシュートを撃つがハンダノヴィッチがセーブ。

 29分、左サイドのFKのこぼれ球をサレマがダイレクトボレーミドルシュートを撃つがハンダノヴィッチがセーブ。

 30分、中盤でインターセプトしたトナーリが持ち上がって左のレオンにパス。そのままトナーリはPAに入り、レオンの折り返しをワンタッチで右足で流し込もうとするがミートできず枠を外す。

 38分、ミランインテルのプレスを受けてトモリがロングボールを蹴る。バストーニがヘディングしたボールをチャルハノールがコントロールミス。ピッチ中央でこぼれ球を拾ったべナセルが上がってきたテオにパス。テオがハーフスペースを持ち上がって中央に入ってきたサレマとワンツー。シュクリニアルがカバーしたボールがゴール前にこぼれ、ケシエが飛び込むがペリシッチがカバー。ハンダノヴィッチが拾い、右サイドのバレッラに投げてインテルがカウンターを狙う。しかし、バレッラから内側を上がったダルミアンへのパスがズレてトモリがカット。トモリがすぐにレオンにパスを出して逆カウンター。レオンがPAに持ち込んでシュートを撃つがハンダノヴィッチがセーブし、こぼれ球がバレッラに繋がる。バレッラから中央のブロゾヴィッチを経由して左に開いたホアキン・コレアへ。ホアキン・コレアがカットインし裏に抜け出したラウタロにスルーパスラウタロが飛び出してきたメニャンの足の上を冷静に射抜いてインテルが追加点を挙げる。

 42分、インテル左サイドのFK。壁に当たったこぼれ球をバレッラがボレーシュート。バストーニが頭でコースを変えるが枠を外れる。

 2-0で前半終了。

 後半からミランはブラヒムとメシアスを投入し、保持時はカラブリアが下がり目、べナセルがアンカー、メシアスとテオが幅を取る3-1-5-1のようになる。

 51分、敵陣中央でべナセルからチャルハノールがボール奪取。すぐにスペースに抜け出したラウタロにパス。ラウタロがカルルと駆け引きをしてシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 54分、ミドルゾーンで保持するインテル。左に開いたチャルハノールから右ハーフスペースのバレッラへパス。バレッラがラウタロにつけ、ラウタロが右のダルミアンにパス。ラウタロとポジションチェンジしたホアキン・コレアがダルミアンからパスを受け、斜めにPAに入ってきたダルミアンにリターン。ダルミアンとテオが接触しダルミアンが倒れるがノーファウル。

 58分、ミランの右CKのこぼれ球からカルルが右足インスイングのクロスをあげる。ジルーが折り返したボールをブラヒムがシュートを撃つがバストーニがブロック。こぼれ球を拾ったメシアスが低いボールをゴール前の密集に送り込むと、ジルーとケシエがシュートを撃つがチャルハノールとデ・フライがそれぞれブロック。

 65分、ミランの左CK。ペリシッチが頭で触ったボールがトモリの胸に当たり、PAの外にこぼれる。いち早く反応したべナセルがダイレクトミドルシュートを撃つと、ボールはインテルの選手たちの間をすり抜けネットを揺らす。しかし、カルルがハンダノヴィッチの視界を遮ったとしてオフサイドで取り消し。

 81分、ロングボールをジェコがビダルに繋ぎ、右サイドにビダル、バレッラ、ダルミアン、サンチェスが集結する。サンチェスに付いて行ったトモリが空けたスペースにブロゾヴィッチがブラヒムの背後を回って走り込みビダルからパスを受ける。ブロゾヴィッチがゴール前に折り返すとゴセンスが押し込んでインテルが3点目を奪う。

 88分、ブラヒムがジルーとのワンツーで中央突破。左のテオに出し、マイナスの折り返しを貰うがシュートコースを塞がれ、横のメシアスにパス。メシアスがワンタッチでシュートを撃つがハンダノヴィッチの正面。

 3-0で試合終了。

 

ミラン

 

 開始早々に失点をしたことでインテルに主導権を与えてしまった。その後はカウンターや相手のミスから何度か決定機を得るが決め切れず、逆にカウンター合戦に敗れて追加点を許してしまう。後半の選手交代と役割の変更が劇的な改善にはならないものの、べナセルのゴールで勢いが生まれるかもしれないと思われたが認められず、選手交代で流れを取り戻したインテルが3点目を奪い終戦。大枠で見れば完敗だが、モメンタムになり得る瞬間を掴み損ね続けた。べナセルのゴールが認められて2-1になる世界線の試合を観たかった。

 ビルドアップが上手くいかず、ロングボールも有効活用できず、プレッシングが頼みの綱だったが、攻撃に繋げられるような奪い方は数回だった。その数回による決定機を決めきることができれば違う試合になる可能性があった。決定力がないなら、プレス強度を高めて機会を多く作るしかなかった。

 ビルドアップはすぐにSBに付けるのではなく、CBとボランチで何本かパス交換してSBに渡すことで時間とスペースを与えられれば良かった。簡単に追い込まれてしまった。それとは関係ないが、4分20秒のテオがトモリに下げてトナーリが左に流れてフリーでボールを受けた場面はトナーリが前線にロングボール蹴ってミスになったが、内側でテオがバレッラの背後を取っていたし、ブロゾヴィッチもサイドに釣り出せていたので丁寧にやれば中央を崩せたはずの場面だった。インテルの中盤3枚を如何にして動かすか、動かした場所をどう使うか、CBに迎撃させないために裏を突くなどの意識の共有ができていなかったように感じた。

 それにしてもほとんど左サイドからのビルドアップだったのはインテルに誘導されていたように見えなかったので、テオとレオンの速さと技術を生かして突破する狙いだったのだろうか。個人的には右でボールを動かし、左にスペースを作って内側のテオと大外のレオンで強襲する方が理に適っているように思うが。

 これまでの無失点は強固、堅牢な守備組織というよりもCBとメニャンの踏ん張りと相手のクオリティ不足と幸運によるものだったのが暴かれた。プレッシングは兎も角、自陣での守備もマンツーマンベースであることを突かれた失点だった。3失点目はわかりやすく崩されたが、1失点目は複雑。中盤に降りてパス回しに参加するホアキン・コレアはフリーなので数的優位を中盤に作られて簡単にボールを動かされるのが起点になっている。最後はラウタロに対するトモリの位置は難しい判断だった。基本の位置に戻ったが故にラウタロを見失い最高のシュートを撃たれてしまった。2失点目も最後はトモリの判断ミスだが、その前に決めろよという話。3失点目はカルルがジェコに寄る前にゴセンスが入ってきたことに気付けていれば防げたかもしれない。

 

 ジェノア戦を急遽回避したカラブリアは全くコンディション不良から回復できていないように見えた。動けていないしビルドアップの判断も悪かった。インテルの中盤の脇を突くような動きを期待していたので残念だった。

 そして、練習で怪我をするレビッチ…

 

 次は中4日で苦手なアウェイのラツィオ戦。ここで連敗するならそれまでのチーム。難敵だらけの残り5試合、フルスロットルで前へ。

 

インテル

 

 ペリシッチは絶好調だし、ラウタロホアキン・コレアはマンツーマンが入れ替わる瞬間を作り、活用するのが上手かった。

 ブロゾヴィッチのバックアップにはボローニャのシャウテンを推します。

 残りの対戦相手はトップ3のなかで最も簡単だが、来週のミッドウィークに延期分の試合がありコッパ・イタリアの決勝も入って日程は少し厳しくなった。

 

主審 Maurizio Mariani VAR Paolo Silvio Mazzoleni

 

 1stレグと主審が同じという稀有な事態。テオとホアキン・コレアの接触はノーファウルだと初めは思ったが映像を見ればテオのファウルでも仕方なかった。

 カルルの関与問題は”カルル”が邪魔をしたという決定的な証拠がないので判定を覆せないのでは?