自業自得記録地獄

主にACミランに関する備忘録。

22-23セリエA第2節 vs アタランタ(A) 王者よ、対策を超えていけ

 

 開幕戦は4-2でウディネーゼに勝利したミラン。安い失点や前傾すぎたことでカウンターを受けるなど課題はあるが、強度の高いプレッシングとトランジションはそのままに、昨季は左サイドの影に隠れた右サイドがポジションチェンジと裏抜けを組み合わせたパスワークで活性化して得点を生み出す場面が多く見受けられ、ポジティブな開幕戦になった。

 

 昨季のアタランタは16勝11分11敗で8位。開幕戦はサンプドリアに2-0で勝利。ルックマンはデビュー戦でゴール。

 

ウディネーゼ戦後の1週間

 特になし。

 

先発&フォーメーション
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 ミランはイブラとクルニッチが負傷欠場。クルニッチは大腿の負傷で1ヶ月近く離脱する模様。

 アタランタはザッパコスタ、エデルソンが負傷欠場。イリチッチは欠場。パロミーノはドーピング違反疑いで出場停止処分中。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 2ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 序盤からミランがシンプルに裏を狙う攻撃でシュートを撃っていく。

 3分、アタランタは中盤に降りたパシャリッチがジムシティからのパスをワンタッチでサパタに縦パスを入れる。サパタがカルルを背負ってハテブールに展開。ハテブールから横パスを受けたフリーのマリノフスキーがダイアゴナルランで中央に入ってきたメーレにスルーパス。メーレのクロスかシュートはミスになり、ミランは助かった。

 

 アタランタはパシャリッチがトナーリ、マリノフスキーがトモリ、サパタがカルルに高い位置から牽制には行くが強く奪いに行く姿勢は見せず、ラインを上げすぎずロングボールによる裏抜けに警戒している様子。よって、ミランは持たされるような状況。時間とスペースを得られるSBを起点に、ポジションチェンジでマンツーマンマークから瞬間的に浮こうとする前線にボールを送る。トナーリとベナセルはどちらかが前に行く。

 ミランのプレスはトナーリがパシャリッチ、ブラヒムがデ・ローンをマークする4-1-2-3でハイプレス。アタランタは左サイドからビルドアップ。左に流れてカルルを釣り出すサパタにボールが入るとパシャリッチが前後左右に顔を出してサポートし、トナーリを中央からどかして逆サイドへのパスコースも創出する。トモリはマリノフスキーのマークよりも中央のカバーを意識せざるを得ないので、逆サイドはハテブールが高い位置で幅を取り、テオに対してマリノフスキーと数的優位を作る。

 

 17分、アタランタはカードを貰ったトロイとジムシティの位置を入れ替える。

 22分、ミランゴールキックカラブリアからベナセル、トナーリ、ベナセルと中央を経由しテオへ。テオがボールを持つと5人が一斉にゴールへ向かう。テオが中央に放り込んだボールはトナーリに合わない。流れたボールを大外からメシアスがボレーで合わせるが枠の右に外れる。

 28分、メーレ、トロイ、デ・ローンと繋ぎ、右ハーフスペースで浮くマリノフスキーが受ける。マリノフスキーのクロスはトモリがブロックし、こぼれ球をハテブールがファーサイドにふんわりクロスを上げる。パシャリッチとカラブリアが競って外に流れたこぼれ球をメーレが拾い、PA手前のスペースに降りたマリノフスキーにパス。マリノフスキーがダイレクトで左足を振り抜くと、カルルの膝に当たってコースが変わりゴールネットを揺らす。アタランタが先制。

 1-0で前半終了。

 後半からミランはレオンが外に張る時間が増える。

 49分、レオンのドリブルで獲得した左サイドからのFK。ベナセルが入れたボールをカルルがフリーで頭で合わせるが枠の上に外れる。

 50分、敵陣でテオからレビッチへのパスがずれ、こぼれ球をハテブールがサパタに蹴り出す。サパタが頭で落とし、パシャリッチがマリノフスキーにパス。マリノフスキーは左サイドに走ったパシャリッチにパス。パシャリッチがワンタッチで高速クロスを上げると、ファーサイドでハテブールが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 52分、レオンが左サイドからカットインしミドルシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。

 55分、ムッソから内側に入ったハテブールにパス。ハテブールは右に開いたマリノフスキーに渡し、マリノフスキーは左サイドのメーレに展開。メーレから受けたコープマイネルスがアーリークロスを上げ、サパタが頭で合わせるがメニャンが弾き出しCK。マリノフスキーのインスイングのボールをニアでパシャリッチが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 59分、内側のテオから、トナーリが左に動いてデ・ローンをどかした中央のスペースでCDKが縦パスを受ける。前を向き、デ・ローンの背後を取ったトナーリにスルーパス。トナーリが右足アウトでシュートを撃つがムッソが飛び出して防ぐ。

 60分、メーレがサパタに縦パス。メーレに戻し、斜めに顔を出したパシャリッチが受ける。落としをサパタが中央のマリノフスキーにパス。マリノフスキーは左裏に抜け出したパシャリッチにスルーパス。パシャリッチがゴールに向かうがテオがカバー。

 67分、センターサークル手前からベナセルが裏に走るジルーにロングパス。ムッソが弾き出し右サイドのスローイン。サレマとオリギが繋ぎ、ベナセルがミドルシュートを撃つと、ムッソが弾いたボールが右サイドにこぼれる。サレマが拾い、ベナセルにパス。ベナセルがコープマイネルスをかわしてシュートを撃つと、左ポストに当たってゴールに吸い込まれミランが同点にする。

 72分、アタランタはコープマイネルスがトップ下、スカルヴィーニがボランチに入る。

 79分、アタランタが左サイドでスローイン。コープマイネルスの縦パスをベナセルが奪い、内側に上がってきたテオにパス。テオが運び、中央のオリギにパス。オリギはトロイとデミラルをかわしてシュートを撃とうとするがジムシティがカバー。

 1-1で試合終了。ミランのストロングを消し、ウィークを突く戦術と人選でアタランタが先制点も取り優勢に試合を進めたが、ミランはべナセルの個人技で同点に追いつき勝ち点1を分け合った。

 

ミラン

 

 10分、テオの中央への運びと縦パス。ブラヒムのスルーパスがテオに合えば…

 55分、クロスに対してニアに2人余っているが、ファーはサパタ、パシャリッチ、ハテブールに対してトモリとトナーリの2人。

 57分、ブラヒムが右に降りて中央にスペースを作り、中央にレビッチが降りてポストになり、内側を駆け上がったカラブリアへスルーパスを出すがデミラルに当たって繋がらず。

 61分、中央から左裏のスペースに走ってテオからパスを引き出すCDK。

 

 前回対戦もアタランタの守備に苦戦した。それでも2-0で勝てたのは得意のカウンター2発で得点を奪ったから。互いにメンバーが違うが、今回のミランはトップ下にブラヒムを置いたことが、前回のクルニッチとは決定的に異なり、ボールを持って勝つことが求められる人選だった。

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 ブラヒムとレビッチが開幕戦で好パフォーマンスを見せたことで、今節も先発起用されるのは自然なことだったが、ともに高い強度のマークを受け、スペースを見つけること、作ることに苦労した。前節は好連携を見せた右サイドの絡みも少なく、2人を継続起用した旨味を出せなかった。ただ、チームとしても、連動して動いているというよりもバラバラに動いているように見える場面も少なくなかった。途中出場の選手たちで劇的に改善したというわけでもなく、レオンを動き回らせる必要の有無やジルーとオリギのプレーエリアの整理なども精査しなければならない。CDKは投入直後は良かったが次第にフェードアウトしていった。攻撃のビジョンを持っているのだからもっとボールを受けに行っていいと思う。

 守備ではアタランタの左サイドから運ばれるとマリノフスキーがフリーになる問題が生じた。人選の話に戻ると、今回はブラヒムがデ・ローン番に選ばれたが、前回はクルニッチがコープマイネルス番をしながら気を利かせて背後のスペースを使う相手にプレスバックで守備をサポートし、それが起点になったカウンターから得点を奪った。ブラヒムにクルニッチのような守備を求める気は全くないので、この人選になり、この問題が生じた時にどのような対応ができたのか。例として、ジムシティに持たせて、メシアスはメーレにつけてDFを一人余らせるのは現実的な策だったと思う。実際にサレマが入ってからはそのような形になる場面もあった。

 戦術的柔軟性とフィジカルを併せ持つ重要な選手であるクルニッチが離脱する間、守備に気が利く中盤的素養を持つトップ下兼インサイドハーフとして期待したいのはアドリ、ポベガ、それからサレマ。特に、PSMで高評価を得たはずが開幕2試合は出番がないアドリは保持でボールに関わる意識が高いので、被保持でも貢献できることを示すことができれば一気に頭角を現すようになると思われる。サレマは現実的ではないが、献身性、運動量、間で受けて食いついてきた相手をかわすセンス、近い距離でのコンビネーションが好きという特徴はインサイドハーフ向きだと思うので見てみたい。

 戦術、強度、質を持つ強敵との今季初対戦で勝点を得ながら攻守に課題があぶり出されたのは、今後のことを考えればポジティブに捉えられる。昨季までは強敵相手に対策をする側だったが、今は王者。全てのライバルが対策を打ち、土をつけてやろうと挑んでくる。連覇は対策を超えて強くなった先に見えてくる。

 

 2022 年のセリエAで劣勢から最も多くの勝ち点を獲得したチームに。

 

 次は土曜日にボローニャ戦。

 

アタランタ

 

 移籍の噂があるマリノフスキーを先発に抜擢し結果を出す。サパタ、マリノフスキー、パシャリッチの関係性はそれぞれの個性が発揮されており厄介なトリデンテだった。マリノフスキーは一転残留になるのか?

 ミランがもしCDKのゼロトップをやり始めたら、トップ下にパシャリッチがほしい。

 ボガはミランでレオンのバックアップをしないか?

 

主審 Fabio Maresca VAR Paolo Valeri

 

 カードが8枚と多かった。妥当といえば妥当だが、6枚ぐらいで抑えられたような気もする。

 問題だったのは47分。ハテブールのレオンへのタックルはハテブールの足裏が着地したレオンの足の脛に入っていてかなり危険だったのでレッドカードレビューが入るべきだった。なぜレッドカードにならないのか理解できない。

 オリギがジムシティを蹴ったのも故意ではないがめちゃくちゃファウル。得点に繋がったらVARでファウルになって取り消されたと思うが、アタランタからすればVAR関係なく普通にファウルを取ってくれよと思うのは当然。