自業自得記録地獄

主にACミランに関する備忘録。

22-23セリエA第5節 vs インテル(H) 赤い波

 

 7連戦の3試合目。エリオットからレッドバードへの体制変更後初戦。新オーナーの初陣がミラノダービー

 

 インテルは3勝1敗、9得点5失点の3位。

  • 得点数リーグ2位。ラウタロが3点、コレアが2点。
  • シュート数リーグ2位。枠内シュート数1位。個人ではラウタロがリーグ3位。
  • クロス成功数4位タイ。
  • オフサイド数4位タイ。
  • 1試合平均走行距離リーグ4位。
  • ポゼッションタイム3位、自陣3位、敵陣5位。パス成功数3位。
  • キーパス数9位タイにディマルコ、11位タイにバレッラとチャルハノール。
  • リカバリー数10位にデ・フライ
  • 被ファウル数7位タイにバレッラ。
  • セリエA過去20試合は9勝7分4敗でインテルが勝ち越し。

 

サッスオーロ戦後の3日間

 ミランは正式にエリオットからレッドバードに12億€での売却と経営権の移行が完了。

 ヴォルフスブルクからヴランクスを€2mの有償ローンで獲得。€12mの買取オプション付きで、買い取った場合将来の転売益15%を支払う。年俸は€1.5m。

 バルセロナからデストを買取オプション付きローンで獲得。オプション額は€20m。年俸は€3.8mとミランにとっては高額だが、ローン代も含まれていると考えれば妥当か。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、クルニッチ、レビッチが負傷欠場。ラゼティッチが招集外。

 インテルルカクが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 5ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 インテルはミドルゾーンに5-3-2で構える。押し込まれると2トップも戻ってくる。ミランは基本の4-2-3-1をベースにテオ、トナーリ、レオンがポジションチェンジをして、テオに行きたいバレッラ、レオンを見たいドゥンフリースの守備の基準点を狂わせようとする。

 ミランは噛み合う配置のままプレスに行くが、最初から強く行くわけではなく、3バックに持たせて近くにパスを出したり、バックパスを出すと担当の選手を捕まえるようにプレスをかける。インテルは右サイドはドゥンフリースがテオから離れる低い位置を取ると、バレッラがテオの背後にトナーリを連れて走り、2トップへのパスコースを作る。左はチャルハノールがバストーニの脇に降りていくことでベナセルを釣り出し、ダルミアンやバストーニが少ないタッチで2トップにパスを出す。チャルハノールとバレッラが距離を取ることでミランの中盤も広げ、そのスペースで2トップが起点を、WBが幅と深さを作り、ブロゾヴィッチが機を見てデ・ケテラーレの背後を取って前に絡み攻撃に厚みをもたらす。

 

 11分、ドゥンフリースがコレアにスローイン。コレアが反転してカルルと入れ替わり、ダルミアンにパスを出すがパスが弱くカラブリアが蹴り出す。こぼれ球をバストーニが拾い、左に開いたコレアが中央を上がってきたブロゾヴィッチにパス。バレッラ、ドゥンフリースと繋ぎ、ドゥンフリースの折り返しをブロゾヴィッチがシュートを撃つがトナーリがブロック。

 14分、インテルが左サイドからスローインで繋ごうとするところをデ・ケテラーレが奪い、トナーリが左のレオンにパス。レオンが左サイド深い位置に運びクロスを上げると、バストーニのクリアがバーに当たるが、ジルーが押したとしてファウルの判定。

 20分、インテルのビルドアップ。ハンダノヴィッチがコレアに縦パス。コレアがフリックでラウタロに繋ぐ。ラウタロがカルルを背負ってキープし左に回ったコレアに渡す。コレアはワンタッチで中央を上がってきたブロゾヴィッチにスルーパス。中央を抜け出したブロゾヴィッチがメニャンとの1vs1を冷静に決めてインテルが先制。

 25分、ミドルゾーンでCB間に降りたベナセルから左に開いたトナーリにパス。トナーリがデ・フライとバストーニの間を抜け出したジルーにパス。ジルーが収めて左足で反転シュートを撃つが枠の右に外れる。

 27分、インテルのビルドアップ。バストーニから左に開いて受けたチャルハノールがワンタッチで中央のデ・フライかコレアにパスを出すが、ズレたボールをトナーリが拾う。トナーリがPA手前まで運び左のレオンにパス。レオンはワンタッチ左足シュートを逆サイドネットに決めてミランが同点にする。

 33分、トナーリが左に開き、テオが内側に入り、トモリからパスを受けたトナーリがワンタッチでデ・フライとバストーニの間を抜け出すジルーにパス。高くバウンドしたボールをジルーが撃つが枠を捉えられない。

 34分、中盤でブロゾヴィッチからバレッラへのパスをトナーリがインターセプト。そのまま運び、ジルーとのワンツーで中央からフリーでシュートを撃つが当たり損ねてハンダノヴィッチの正面。しかし、ハンダノヴィッチがリスタートでドゥンフリースに投げたボールをテオがインターセプト。そのまま持ち上がってミドルシュートを撃つが僅かに枠の上に外れる。

 36分、中盤でバストーニからデ・ケテラーレがボールを奪いカウンター。メシアスのクロスはレオンの前でシュクリニアルがクリアしCK。べナセルのアウトスイングのボールをニアでデ・ケテラーレが頭で合わせるが僅かに枠の上に外れる。

 37分、インテルのビルドアップ。ハンダノヴィッチの中途半端なロブパスをカラブリアが弾き返す。こぼれ球を拾ったデ・ケテラーレがシュクリニアルとデ・フライの間にドリブルをしPA手前でブロゾヴィッチに倒される。ブロゾヴィッチにイエローカード

 42分、ジルーがハンダノヴィッチにプレスをかけて蹴らせてカラブリアが回収。ボールを動かして左寄りに運んだベナセルがバストーニの裏に回ったジルーにハイボールを送りジルーが頭で合わせるが枠の上に外れる。 

 1-1で前半終了。

 47分、中盤でトナーリがボールを奪いデ・ケテラーレがプレスをいなしてカラブリアにパス。カラブリアから受けたメシアスが飛び込んできたバストーニをかわし、追い越したカラブリアにも、間に顔を出したジルーにも出せないがファウルをもらう。トナーリが入れたボールにテオが頭で合わせるが枠の右に外れる。

 53分、メニャンがクロスをキャッチし、テオに投げてカウンター。テオからCB間に走ったトナーリへのパスはデ・フライが対応するが、テオがすぐにスローインをレオンに投げる。深い位置のレオンが左足でマイナス気味に折り返し、フリーのジルーが左足を振り抜くとボテボテと転がったボールがゴールに吸い込まれてミランが逆転。

 59分、左に開いたトナーリからバストーニとデ・フライの間を抜け出したジルーにロングパス。ジルーがレオンに落とすと、レオンがPA内でバストーニとデ・フライを一気に抜き去り冷静に右隅に流し込んでミランが3点目を奪う。

 66分、右からシュクリニアル、ムヒタリアン、チャルハノール、ディマルコ、ダルミアンと左へ繋ぐ。ダルミアンがムヒタリアンとのワンツーでカラブリアの裏を取りゴール前に折り返すと、トモリの前に入ったジェコが蹴り込んでインテルが1点差に迫る。

 67分、レオンから中央のブラヒムへのパスをディマルコがインターセプトしてカウンター。ジェコが運び左のラウタロにスルーパスラウタロの左足シュートは僅かに枠の上に外れる。

 69分、ディマルコが中央から左の裏に走ったジェコにパス。ジェコはワンタッチで内側を走ったダルミアンにパス。深い位置からダルミアンが折り返すが、ラウタロの前でメニャンが弾き出す。流れたボールをドゥンフリースが拾い中央へふんわりクロスを上げると、ベナセルと競ったラウタロが頭で叩きつけるがメニャンがセーブ。

 73分、レオンが中盤で左サイドから中央へドリブルをするがドゥンフリースがファウル無しでボールを奪い、ラウタロからパスを受けたジェコがミドルシュートを撃つがメニャンが足で掻き出す。右サイドに流れたこぼれ球を拾ったムヒタリアンの折り返しをジェコがスルーし、ドゥンフリースがボレーで合わせるがトモリがブロック。こぼれ球をチャルハノールが撃ち損じるがラウタロが収めて、落としをディマルコがシュートを撃つがサレマーケルスがブロック。

 76分、ドゥンフリースのスローインをジェコが受けてチャルハノールにパス。フリーのチャルハノールがミドルシュートを撃つがメニャンがファインセーブ。

 83分、ミランは3-4-1-2に変更。インテルはシュクリニアルが3バックの中央へ。

 87分、右に開いてメニャンからパスを受けたカルルがブラヒムへ縦パス。ブラヒムが後ろから来たディマルコをかわして右サイドを持ち運ぶ。折り返しをレオンがトラップしワンフェイク入れてシュートを撃つが大きく枠の上にハズレる。

 90+4分、ハンダノヴィッチのロングボールをジェコが頭でゴセンスに繋ぎ、ゴセンスのクロスをトモリが頭でクリアしたこぼれ球をムヒタリアンミドルシュートを撃つが僅かに枠の左に外れる。

 3-2で試合終了。お互いに慎重な序盤からインテルミランの隙を突いて先制するが、左サイドからリズムを作るミランインテルのビルドアップミスを見逃さずに追いつくと、怒涛の攻撃とプレスで試合を支配し、後半15分までに3点を奪い、完勝を予感させた。しかし、インテルは63分の3枚替えを機に反撃を開始。交代選手の活躍ですぐに1点差に迫り、その後も決定機を作り続けるが、メニャンの大活躍でミランが逃げ切った。

 

ミラン

 

 まずは、スリリング、エキサイティング、スペクタクルな試合を勝利で終えることが出来て本当に嬉しい。スタジアムの熱気、両チームのプライド、流れを掴んだ時の圧力、試合を決めたスーパープレー。どれをとっても素晴らしく、カルチョが人々を惹きつける理由が詰まった90分だったと思う。正直、試合前は「まだ5節だしなあ。」とか、「どっちも万全じゃないしなあ。」と考えて、ダービーなのにテンションは上がっていなかった。よって、リアルタイムで観なかったが、情報遮断して観終えると、これほどリアルタイムで興奮を感じ、共有すべきだった試合はないと後悔させられた。最後のムヒタリアンミドルシュートの軌道は、視聴者のみならず、ピッチ上の選手さえもスローモーションで再生されていたはずだ。

 

 最近の試合で苦戦しているので持たせようという企みが窺えるインテルの守備に対して、ミランは今季取り組んでいる右サイドの連携ではなく、悪い意味で曖昧になっていた左サイドを調整して挑んだ。

 トナーリが左に開いてドゥンフリースに前に出て来てもらい、レオンとシュクリニアルの1vs1を作り、デ・ケテラーレがブロゾヴィッチとデ・フライの中間ポジションでボールを受けられる位置に立つことで、前を向かせたくないデ・フライが食いつくと、バストーニとジルーがゴール前の広いスペースで1vs1になる状況を作る。トナーリの視野とパス精度、デ・ケテラーレのポジショニング、いるだけで相手を引き付けるレオン、ジルーの動き出しが見事に機能した。バストーニではなくディマルコが先発だったら身長とパワーのミスマッチでさらにチャンスを作れたかもしれない。このジルーが右から左に抜け出す形はフロレンツィがLSBに入っていた試合でもよく見られたもので、ジルーにとってボールも相手も見やすいために動きやすく、そのまま利き足でのシュートに持ち込めるのでやりやすそう。

 プレスは序盤はハマりきらず、対応が遅れる場面が多かったが、相手の狙いを理解できてからは対応が早くなり、同点後はほぼ前進させなかった。しかし、インテルの3枚替えにより、外に開くことが多かったバレッラから2トップと近い位置でボールに絡むムヒタリアンに替わったり、中央で降りて受けることが多かったコレアに替わって入ったジェコがサイドの裏にも走ってパスを引き出したり、ディマルコとダルミアンがレーンチェンジするなど、多くの変化に対応できず完全に流れを渡してしまった。コンパクトにできず、セカンドボールを拾えない防戦一方の展開だったが守護神メニャンに救われた。終盤の5バックは劇的な改善にこそ至らなかったが、いくらか試合を落ち着かせることができ、逃げ切りの一助となった。

 

 次は中2日でザルツブルクとのアウェイゲーム。強度が高くスピードがあるチームなのでかなりタフな試合になることが予想される。

 

インテル

 

 ハーフタイムを経て、後半に入っても63分までは流れを変えられなかったのが痛かった。

 やはり昨季までのペリシッチは怖かった。

 

主審 Daniele Chiffi VAR Aleandro Di Paolo

 

 カードが7枚出たが、流れの中で出たのは2枚だけ。揉め事と遅延行為と不必要なラフプレーで5枚。ファウルの基準にもブレはなかった。テオとドゥンフリースのは最初の揉め事でイエローカードを出していなかったら、後半のはテオのファウルを取っていたかもしれない。