自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第6節 vs サンプドリア(A) 36歳ジルーの献身

 

 ターンオーバーの重要性と難しさを痛感する7連戦の5試合目。勝利と引き分けを繰り返すミランはアウェイ今季初勝利を狙う。

 

 サンプドリアは0勝2分3敗、2得点9失点の18位。今季未勝利だが、ホームではユヴェントスラツィオに引き分けている。

  • 得点数リーグ最少タイ。
  • シュート数リーグ12位。枠内シュート数18位タイ。チームトップはサビリ。
  • 枠に当てた回数4回でリーグ最多タイ。サビリが2回、クアリアレッラとレリスが1回。
  • クロス成功数18位。
  • セーブ数3位タイ。枠に助けられた回数4回でリーグ2位。
  • リカバリー数15位タイにコリー。
  • 1試合平均走行距離リーグ18位。
  • ポゼッションタイム11位、自陣11位、敵陣10位。パス成功数3位。
  • 2得点のアシストはどちらもリンコン
  • キーパス数14位タイにサビリ。
  • 被ファウル数リーグ1位にサビリ。6位タイにカプート。
  • セリエA過去20試合は11勝5分4敗でミランが6試合無敗継続中。マラッシでは6勝2分2敗で3連勝中。

 

ザルツブルク戦後の3日間

 オフィシャルモバイルフォンアクセサリーズパートナーのCellyとパートナーシップ契約を延長。

 クルニッチが25年6月まで契約延長。

 フロレンツィが左大腿の二頭筋腱を損傷しフィンランドで手術を行った。全治5ヶ月。

 トナーリが27年6月まで契約延長。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、クルニッチ、レビッチが負傷欠場。ラゼティッチが招集外。

 サンプドリアはコリー、ウィンクス、トリンボリ、デ・ルーカが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 6ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 4-1-4-1でミドルゾーンに構えるサンプドリアに対して、ミランはテオを上げる3-2-5でビルドアップ。3バックでボールを動かし、サイドや裏にスペースを見つけるとケアーからフィードが出る。変化を付けるのはテオで、内側に入ってIHの裏でボールを受けたり、外で受けて内側に運んだりビルドアップのキーマンを担う。

 非保持のミランはレオンがフェラーリとベレシンスキの中間ポジションを取りながら前線から人を決めてプレス。基本的にケアーがカプートをマークし、レオンでズレる左サイドの対応にカルルが回る。サンプドリアの攻撃はサイドからSB、IH、WGのトライアングルで運び、カプートのポストプレーで逆サイドに展開し、DFの目線を動かしたところにクロスを入れる。

 

 4分、中央のビジャールが右サイドを上がるベレシンスキにパス。ベレシンスキから受けたレリスがライン間中央のカプートに斜めのパス。カプートが左サイドのアウジェッロにパス。アウジェッロのクロスにカプートがCB2人をニアに引っ張った裏でレリスがボレーで合わせるがテオがブロック。

 5分、アウジェッロのクロスがカプートに当たりこぼれたボールをポベガが拾い左前方のレオンにパス。レオンはベレシンスキを背負って受けるが、当たりをブロックしサイドに持ち出して前を向き一気に抜き去る。右からCB間に抜け出したジルーがレオンからスルーパスを受けてゴール前のデ・ケテラーレに折り返す。デ・ケテラーレは中央に来たレオンに落とし、レオンのコントロールが流れたところをメシアスがワンタッチでシュート。アウデーロは足で止めようとするが当てられずミランが先制。

 10分、サンプドリアが右から左のアウジェッロに各駅停車で繋ぐ。アウジェッロがジュリチッチとワンツーで左サイドを前進。トナーリがカバーに行くがアウジェッロは中央のカプートに横パス。カプートがPAでキープしジュリチッチに落とす。ジュリチッチがコントロールミドルシュートを撃つがバーに嫌われる。

 20分、テオが自陣左サイドでボールを奪い、トナーリがメシアスに展開。メシアスが運び、右サイドに来てボールを受けたテオがトナーリに下げる。トナーリがジルーの頭を目掛けて放り込むがオーバーし、フェラーリがヘディングしたボールを左サイドでレオンが拾う。レオンがタイミングを測って右足でクロスを上げると、ムリージョとアウジェッロの間で待っていたデ・ケテラーレがアウデーロと交錯しながら肩で合わせてミランが追加点。と思いきや、ジルーがオフサイドで取り消し。

 41分、ケアーからフェラーリの裏を狙ったレオンにフィード。レオンがポベガに落とし、ポベガがワンタッチで左サイドのテオにパス。テオの折り返しをジルーが左足で合わせるがアウデーロがファインセーブ。アウジェッロのクリアをカプートとジュリチッチで繋ごうとするがケアーが奪い、メシアスから受けたポベガが中央から左のレオンへ展開。レオンがベレシンスキとリンコンを抜き去りジルーに折り返すが、ジルーが当てたボールは枠の左に外れる。

 0-1で前半終了。

 46分、オーバーヘッドを狙ったレオンの足がフェラーリの顔に当たってしまいレオンが2枚目のイエローカードで退場。ミランはデ・ケテラーレが左の4-4-1に変更。

 54分、ミランはメシアス、トナーリ、ポベガで中盤3枚を組む4-3-1-1に変更。サンプドリアはビジャールが左に降りたり、リンコンが右に降りて両SBを上げる3-4-3で保持。

 56分、右サイドでパスを回し、寄ってきたサビリがデ・ケテラーレをブロックして前を向きジュリチッチにパス。ジュリチッチから受けたカプートが左のアウジェッロに展開。アウジェッロのクロスをニアでジュリチッチが頭で合わせてサンプドリアが同点にする。

 58分、ミランは5-2-2で守り、サンプドリアはレリスがRSBに入る。

 62分、中央やや左のトナーリが斜めにCB間を抜け出したジルーにロブパス。ジルーが収めてポベガに落とし、中央でポベガから横パスを受けたテオが右足でコントロールシュートを撃つがアウデーロが弾き出してCK。トナーリのアウトスイングのボールをニアでジルーが頭で合わせるが枠の右に外れる。しかし、VARからの進言でOFR。ジルーのヘディングしたボールがビジャールの手に当たっており、ミランがPKを獲得。

 66分、PKをジルーが決めてミランが勝ち越し。

 70分、ジルーの後ろに入ったベナセルがビジャールをマークしながらボールを追いかける。

 72分、サビリがガッビアディーニに縦パス。ガッビアディーニがフリックでカプートに繋ぎ、リターンを受けてジュリチッチにスルーパスを出す。カルルがブロックしたこぼれ球をミドルシュートを撃つがメニャンの正面。

 75分、サビリがガッビアディーニとのワンツーでカルルの背後を取りPAに侵入し、ケアーとぶつかって倒れるがノーファウル。

 78分、ヴランクスは5-3-1の中盤の左に入る。

 86分、アウジェッロからのパスをクアリアレッラがケアーを背負いながら収めて前を向き右裏に抜けるガッビアディーニにスルーパス。ガッビアディーニは右足でシュートを撃つがメニャンがセーブ。こぼれ球をヴェッレが折り返したボールがポストに当たり、ガッビアディーニがボレーで合わせるがメニャンが正面でブロック。

 1-2で試合終了。

 

ミラン

 

 保持がうまくいかなかった試合でカウンターで早い時間に先制点を奪えたのは大きかった。早い時間にリードを奪ったことでうまくいかなくても焦らずにバックラインがボールを動かすことができ、早く前に行こうとして前傾姿勢でボールを失うことはなかったのが良かった。

 3-2-5の配置は悪くないと思うが、実際の位置取りは両サイドとも高い位置を取り切れていなかったり、カルルが左CBに慣れていなかったり、ケアーのフィードとテオのドリブル以外に効果的なプレーは少なかった。テオのドリブルはロストもあったがビルドアップにおいて個人で相手を剥がし前進してくれるほど楽なものはない。デストにも同様のプレーを期待したい。また、カルルのところに左利きCBがいれば違う展開を作れたとも思う。左CBをやり慣れているのはトモリとガッビアだがどちらも右利き。ケアーは右専任でチャウもプレー集を見ると右ばかり。3バックでビルドアップを行う際はカラブリアではなくテオが3バックに入るのも一考。

 退場後は耐える場面が多かったが、攻撃できないこともなかった。速攻ではなく、ボールを大事にしたい場面も少なからずあった。高い位置を取る相手SBへの対応とPA内のクロス対応を考えて5バックに変更したのは良い判断だった。

 ジルーが本当に誰がどう観ても頑張った。そもそも本来はオリギが先発のはずだったが前日練習で痛めて欠場し、急遽ジルーが5試合連続の先発になった。前半からチャンスに絡み、10人になってからもプレスを止めず、ロングボールを収めて時間を作り、PK前のCKを獲得する起点も作り、PKを誘発し、自ら決めてフル出場。尊敬。

 レオンは出ずっぱりのわりには調子が良かっただけに、この試合以上にナポリ戦に出られないのが痛い。どちらかというと1枚目がもったいなかった。

 ヴランクスがデビュー。逃げ切りのための中盤守備強度アップを託されてしっかりタスクをこなした。自陣で後ろ向きでボールを受けた場面でも落ち着いてプレーしていた。そして、ムサ・デンベレが憧れという点がめちゃくちゃ推せる。

 

 次は中3日でホームのディナモ・ザグレブ戦。今節は試合前からターンオーバーの予定が崩れ、試合内容的にも主力を休ませることができなかったが、唯一無二の便利屋クルニッチが復帰できそうなのは朗報。ナポリ戦に出られないレオンは力を出し切ってほしい。

 

サンプドリア

 

 来週スペツィアに勝てなかったら解任か?しかし、ジャンパオロは退席になってしまったのでベンチ入りできない。

 攻撃の狙いは良いし、カプートもクアリアレッラもガッビアディーニも動きが上手いのでもっと得点が奪えそうではある。

 

主審 Michael Fabbri VAR Rosario Abisso

 

 クアリアレッラが倒れたところでPKをとってもらえなかったドリアーノたちとジャンパオロに溜まっていた不満が最後に爆発して荒れた。退場もPKも妥当で、クアリアレッラのはVARが介入するほどの明白な間違いではない。