7連戦の最後は勝ち点14で並ぶ首位ナポリを今季全勝中のサン・シーロで迎え撃つビッグゲーム。今節は4位(13p)ウディネvs6位(12p)インテル、5位(13p)ローマvs2位(14p)アタランタが組まれており、1位〜6位が直接対決を行う奇跡的な日程が実現。欧州コンペティションを戦うセリエAのチームの中で公式戦無敗なのはミランとナポリのみ。
ナポリは4勝2分、13得点4失点の1位。インシーニェ、クリバリ、メルテンス、ファビアン・ルイス、オスピナら多くの主力が退団したが、安定したビルドアップとオシムヘンを活かす速攻のベースは変わらず、実力未知数の新戦力クヴァラツケリアが元カピターノの穴を補って余りある大活躍を見せ、キム・ミンジェも守備能力と身体能力の高さを発揮している。昨季まではオスピナとメレトのレギュラー争いがあったGKはメレトがレギュラー、シリグがバックアップという形になったことで、メレトが自信を得て責任を背負い安定したパフォーマンスを発揮しているように感じる。
- 得点数リーグ最多。ヘディングゴール数最多タイ。チームトップは4点のクヴァラツケリア。オシムヘンとキム・ミンジェが2点。キム・ミンジェは2点ともヘディング。
- ジエリンスキが3アシスト、ザンボ・アンギサが2アシスト。
- シュート数リーグ最多。2位に19本差。枠内シュート数3位。オシムヘンがシュート数最多タイ。クヴァラツケリアが7位タイ。
- CK数2位。
- オフサイド数4位タイ。
- リカバリー数リーグ3位。10位タイにキム・ミンジェ。チーム2位はザンボ・アンギサ。
- 1試合平均走行距離リーグ14位。
- ポゼッションタイム2位、自陣1位、敵陣2位。パス成功数1位。ファイナルサードのパス数2位。
- 90分あたりのパス成功数最多はキム・ミンジェ。
- キーパス数リーグ最多。2位タイにジエリンスキ、6位にマリオ・ルイ、13位タイにポリターノ。
- ビッグチャンスクリエイト数リーグ最多がジエリンスキ。3位タイにポリターノ。
- ドリブル数リーグ4位。
- 被ファウル数リーグ8位タイにロボトカ。
- セリエA過去20試合はミランの3勝7分10敗で同期間内で最低勝率の相手。最近3試合はすべて1-0でナポリが2勝。サン・シーロでは1勝4分5敗で勝率も獲得勝ち点も同期間内で最低。14-15シーズン以来勝利がない。
ディナモ・ザグレブ戦後の2日間
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— AC Milan (@acmilan) 2022年9月16日
先発&フォーメーション
ミランはイブラ、フロレンツィ、レビッチ、オリギが負傷欠場。レオンが出場停止。ラゼティッチがベンチ入り。
ナポリはオシムヘン、デンメが負傷欠場。スパレッティは前節の退席処分でベンチ入りできず。
スタッツ&控え
Match Report | 2022-23 | 7ª Match Day | Lega Serie A
ハイライト
流れ
ミランのプレスはジルーがキム・ミンジェ、クルニッチがラフマニにプレス。中盤を噛み合わせ、左サイドはディ・ロレンツォにテオ、ポリターノにトモリがスライドし、逆サイドはボールサイドに絞る。ナポリは序盤こそ定位置を崩さずに繋ごうとしていたが、IHが下がって受けるか、ボランチを釣りだして内側に入ったWGへのパスコースを作るようになる。ラフマニやポリターノからマリオ・ルイへのサイドチェンジも狙いの一つ。
4-1-4-1でハイプレスをかけようとするナポリだが、ミランはベナセルをアンカー、両SBに高い位置を取らせて、ライン間やアンカー脇に4人を配する1-2-1-6-1で、IHとWGのプレスを牽制する。トナーリが降りることでIHを釣り出し、クルニッチが間や背後でパスを引き出す。ナポリは4-4-1-1でジエリンスキがベナセルを監視するようにするが、プレスをかけられずにWGが中を消せば高い位置を取ったSBにパスが通り、SBへのコースを消せば内側に入ったWGにパスが通る仕様になるため、ラスパドーリとジエリンスキでメニャンまで下げさせて蹴らせるように仕向ける。
12分、ナポリのゴールキックからのビルドアップにミランがプレス。クヴァラツケリアがマリオ・ルイからパスを受けるが、カラブリアが前を向かせず、デ・ケテラーレがボールを奪う。デ・ケテラーレが横のトナーリに渡すと、トナーリはワンタッチで中央のクルニッチに縦パスを入れる。クルニッチにラフマニが釣り出されると、そのスペースに入ったジルーにクルニッチからパスが出る。ジルーが前を向いて左足でシュートを撃つがメレトが触りバーに弾かれる。
24分、クヴァラツケリアのコントロールミスを奪ったカラブリアからカウンター。サレマ、デ・ケテラーレ、テオと左の奥に持っていき、デ・ケテラーレがクルニッチとのワンツーで左ハーフスペースを突破して折り返す。ジルーが難しい体勢で当てるが枠を捉えられず。ジルーの後ろにはカラブリアが来ていた。
27分、ミランの右CK。べナセルのインスイングのボールをファーでクルニッチが頭で合わせるがメレトが弾き出す。
41分、ナポリがCKのこぼれ球を拾い、マリオ・ルイが右サイドのジエリンスキに展開。ジエリンスキが下げてポリターノからハーフスペースに抜け出したディ・ロレンツォにパス。ディ・ロレンツォの折り返しをクヴァラツケリアがヒールでゴール前に流すがザンボ・アンギサに合わない。
0-0で前半終了。
50分、メニャンからクルニッチへのフィードをラフマニが競り勝ってポリターノがマリオ・ルイへサイドチェンジ。大外で受けたクヴァラツケリアがデストに得意の深い切り返しのドリブルを仕掛けてPA内で倒れるが笛は鳴らず。しかし、VARが介入しデストがボールにチャレンジできていないことが確認されてPKに。
54分、ポリターノが蹴ったボールは右に飛んだメニャンの下を抜けて決まりナポリが先制。
56分、メニャンからライン間のクルニッチへのフィードが通り、サレマ、デストと右に持っていく。デストが下げてサレマがアーリークロスを上げると、ファーのテオが頭で合わせるがディ・ロレンツォがブロック。
59分、メニャンのフィードをジルーがクルニッチに繋ぎ、左サイドを上がってきたテオが平行クロスを上げるが、4人入ってきても合わない。
61分、トモリからザンボ・アンギサの裏でパスを受けたクルニッチが大外のテオにパス。テオがハーフスペースのデ・ケテラーレとワンツーで内側に侵入しPA内のジルーにパス。ジルーの落としをサレマが撃つがキム・ミンジェがブロック。
67分、ディ・ロレンツォから内側で受けようとしたゼルビンがトモリの圧を感じてミス。べナセルが拾い、デ・ケテラーレがロボトカをかわしてマリオ・ルイとキム・ミンジェの間に走り込んだメシアスにスルーパス。メシアスがワンタッチでシュートを撃つがメレトがセーブ。
68分、トモリからザンボ・アンギサの脇でブラヒムが受けてデ・ケテラーレが左のスペースに走ったテオにスルーパス。テオがPA内に侵入し、折り返しをメシアスがニアに走って空いたマイナスでフリーのジルーが押し込んでミランが同点にする。
74分、ゼルビンからテオとべナセルで挟んでボールを奪い、トナーリ、ジルー、ブラヒム、トナーリと左サイドでパスを回し、大外のトナーリからハーフスペースのデ・ケテラーレにパス。PA手前でデ・ケテラーレが前を向き、中央に入ってきたジルーにパス。ジルーがワンタッチでシュートを撃つが枠の上に外れる。
77分、右サイド高い位置でボールを受けたディ・ロレンツォが、ゼルビンがトモリを釣りだしてゴール前の広大なスペースでカルルと1vs1のシメオネにパス。カルルが前を向かせずシメオネはマリオ・ルイに下げるが、マリオ・ルイがすぐにアーリークロスを上げると、シメオネがトモリの前で頭で合わせてナポリが勝ち越し。
78分、メニャンの左サイドへのフィードをディ・ロレンツォが弾き返し、ザンボ・アンギサがトナーリをターンでかわしシメオネにパス。シメオネは食いついたトモリの裏に抜け出したゼルビンにスルーパス。ゼルビンがシュートを撃つがメニャンがセーブ。
81分、アドリが左、ブラヒムがトップ下に入る。
85分、メシアスの運びをマリオ・ルイが奪い、マリオ・ルイがカルルの裏に抜け出したシメオネにパスを出し、シメオネがマリオ・ルイにリターンを出そうとするがミス。カルルが奪い、ブラヒムに預けて上がっていく。ブラヒムはテオに渡し、テオが持ち運び、中央のジルーにパス。ジルーが後ろにフリックし、カルルがシュートを撃つがバー直撃。
96分、テオが運び、アドリがPA内のジルーにハイボールを入れる。ジルーの落としをブラヒムが収めるがシュートは撃てない。こぼれ球をべナセルが拾い、ニアのブラヒムにクロスを上げるとブラヒムが頭で合わせるがキム・ミンジェがブロック。
1-2で試合終了。
ミラン
5分、センターサークルのケアーから右サイド高い位置を取ったカラブリアにフィード。マリオ・ルイとキム・ミンジェの間に大きなスペースができ、サレマが狙ったがカラブリアからパスは来ず。
17分、低い位置に降りたジエリンスキがハーフスペースのクヴァラツケリアに縦パス。ケアーを背負ったクヴァラツケリアがマリオ・ルイに落とし、カラブリアの裏でリターンを受けてカットインを狙うとケアーが引っ掛けてイエローカード。
29分、トモリから中央のジルー、クルニッチ、デ・ケテラーレ、サレマが密集するエリアに縦パスが入るが、ジルーがトラップミス。繋がればPA前中央で数的均衡か優位の状況になり得た。
36分、トモリがラスパドーリのパスをカットしたボールがテオに繋がりカウンターの好機だったが、サレマのパスが弱くデ・ケテラーレの前でラフマニがカット。
38分、レオンなら戻らない場所に戻ってボールを奪うクルニッチ。
64分、サレマがキム・ミンジェにプレスに行くと、マリオ・ルイが内側に入ってロボトカからパスを引き出し、運んでトナーリを釣り出してジエリンスキがミドルシュート。
77分、失点場面。テオがゼルビンに背後を取られそうになったのをトモリがカバーしようとしたことでシメオネにパスが通り、シメオネが3人を集めてサイドを変えたことで、本来立つべき位置もマークも大きくズレてしまった。ボールに群がっての失点は2試合連続。
プレスもビルドアップからの攻撃も機能したが、決定力の差が結果に如実に影響し、今季公式戦初黒星かつ、1月のスペツィア戦以来244日ぶりのセリエAでの敗戦となった。下を向く内容の負けではなかったので暗雲が垂れ込める心配はないが、ナポリにはアウェイで勝ってポイントを相殺しなければならない。7連戦お疲れさまでした。
レオンの個の力なしでもナポリのような強敵相手に優勢に試合を進められたことが確認できたのは今後に向けて非常にポジティブな点。SBを高い位置に置き、2列目に中間ポジションを取るのが上手い選手を並べることで4バックに対して位置的優位と数的優位を得て、チャンスを作り、得点を奪うことができた。レオン以外に個でゼロから打開できるWGがいないので、立ち位置と連係で崩せたことは価値がある。逆に、ボールを触りたがるレオンがいないので攻撃がスムーズだったとも言えるし、テオは替えが効かない。ブラヒムとデ・ケテラーレの同時起用もお互いにやりやすそうに見えた。
守備はハイプレスからショートカウンターのチャンスを何度か作り、危険に晒される前にファウルで止めた面もあるが流れの中で崩されたのは数回だけ。総合的に見たら悪い内容ではなかったが、後半はナポリペースで入ってしまったなかでPKを与え、2失点目はディナモ・ザグレブ戦と似ているもったいない失点だった。この手の失点にピオーリは少し怒っている様子なので、中断明けに変化があるか注目。自陣守備でのマンツーマン濃度を薄くするのか?
唯一、残念な出来だったのはデスト。PK献上はクヴァラツケリアが上手かったので仕方ないとしても、得意なはずの攻撃面でプラスアルファをもたらせなかった。後半に右サイドからの攻撃が減ったのは明らかで、カラブリアが取っていた位置よりもクヴァラツケリア寄りだったのが気になった。
デストはカラブリアぐらい高い位置(クヴァラとマリオ・ルイの中間)を取ってほしかったんだがピオーリから下げるような指示があったのか?なかったのならバルサで評価されなかったのはそういうところなのかな?
— インクルソーレ (@milan2733) 2022年9月19日
次は2週間後にアウェイのエンポリ戦で5連戦が始まる。年内は残り13試合。レビッチとオリギは次こそ頼むぞ…
ナポリ
CLのレンジャーズ戦も0-3で勝ったが、内容的にはピンチも多かった試合だったので、そういった試合をアウェイで勝てる強いチームだと感じる。
ジエリンスキってあんなに足が速かったっけ?ベナセルが遅いのか?
ゼルビンは昨季のBでの活躍でアッズーリに招集されているけど、このレベルの試合ではまだまだだと思ったら、勝ち越し点に間接的に関与しやがった。
主審 Maurizio Mariani VAR Massimiliano Irrati
特になし。