自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第9節 vs ユヴェントス(H) 修整成功

 

 チェルシー戦の完敗から中2日で迎える5連戦の3試合目は復調の気配が漂うユヴェントスサン・シーロで迎え撃つ。バウンスバックを見せ、ホームでのチェルシー戦に勢いを繋ぐには絶好の相手だ。

 

 ユヴェントスは3勝4分1敗、12得点5失点の7位。9月は公式戦5試合2分3敗と絶不調だったが、IMW明けの2試合はホームで2試合連続3得点で連勝。結果だけでなく内容も良化しており、今季は未だにアウェイの公式戦で未勝利だが、この試合に勝てば本格的に上昇気流に乗るのは間違いない。

  • 得点数6位タイ。セットプレーから2点、直接FKが2点(何れもヴラホヴィッチ)、PKが1点。
  • ヴラホヴィッチがリーグ2位の5点。ミリクが3点、ボヌッチ、ブレーメル、コスティッチ、ディ・マリアが1点。
  • コスティッチが2アシスト、1アシストが6人。
  • シュート数9位。枠内シュート数11位タイ。ヴラホヴィッチが6位タイ。ミリクは9本のみで3得点と枠に2回当てている
  • クロス成功数4位。CK数15位タイ。
  • 失点数2位タイ。無失点4試合。
  • セーブ数11位タイ。
  • リカバリー数15位。ブレーメルがリーグ7位タイ。
  • 1試合平均走行距離リーグ10位。
  • ポゼッションタイム9位タイ、自陣11位、敵陣10位。パス成功数6位。ファイナルサードのパス数14位。
  • キーパス数8位。クアドラードとコスティッチが10本でチームトップ。次点はミレッティ。
  • ドリブル数13位タイ。
  • セリエA過去20試合はユヴェントスの14勝2分4敗。ミランにとっては過去20試合でナポリに次いで勝率が低い相手だが、最近5試合は2勝2分1敗。サン・シーロでは3勝1分6敗。

 

チェルシー戦後の2日間

 ワーナー・ブラザースとブラック・アダムの劇場公開でコラボレーション。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、カラブリア、サレマーケルス、メニャン、ケアー、メシアスが負傷欠場。テオが復帰。

 ユヴェントスキエーザ、ポグバ、デ・シリオ、カイオ・ジョルジが負傷欠場。ディ・マリアが出場停止。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 9ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


www.youtube.com

 

流れ

 

 ミランのビルドアップはテオが内側に入りベナセルとボランチを組む3-2-4-1。ユヴェントスのSHは中央に絞ってボランチとの間を空けないようにすることでミランはサイドから崩しにかかる。

 ユヴェントスのビルドアップはラビオが状況に応じて列を上げ下げする4-2(1)-2(3)-2。ミランはジルーがボヌッチ、レオンが外切りでブレーメルにプレス。ロカテッリはポベガ、ラビオはトナーリがマーク。ユヴェントスは浮きがちなダニーロを基点にする意識とボランチが前に出てセカンドボールを回収したり、落としを前向きに受ける意識が高い。

 

 8分、ブレーメルがクアドラードに縦パス。落としを受けたダニーロが前線にロングボールを蹴る。ガッビアのクリアボールをロカテッリがトナーリに競り勝ち、ユヴェントス数的優位のカウンター。ヴラホヴィッチが運び、右のクアドラードにパス。クアドラードのシュートは枠の左に外れる。

 11分、ユヴェントスはロングボールのこぼれ球をラビオが拾って前進。左から中央に戻し、内側のダニーロが大外のクアドラードにパス。クアドラードからゴール前のヴラホヴィッチへのパスをスルーし、ミリクがPA内で反転シュートを撃つがタタルシャヌの正面。

 12分、ミドルゾーンでダニーロがレオンの背後で内側のスペースに入ってブレーメルからパスを受ける。フリーのダニーロが運んでミドルシュートを撃つが枠の左に外れる。

 19分、ミランの右CK。トナーリのアウトスイングのボールをカルルがニアで逸らしレオンが合わせるが左ポストに弾かれる。

 20分、ミランはジルーがCBの間を切る形でCBにプレスをかけ、レオンがダニーロをマークするようになる。

 23分、ユヴェントスはロカテッリとダニーロが入れ替わってビルドアップ。

 32分、ミドルゾーンで保持するユヴェントス。中盤に下がったクアドラードから右前に出ていったロカテッリにパス。ロカテッリは右に開いたミリクとのワンツーで内側を突破するがテオが戻って防ぐ。

 33分、レオンのコントロールミドルシュートは右ポストに弾かれる。

 44分、ユヴェントスシュチェスニーまで下げるとミランがハイプレス。クアドラードへのパスをテオがインターセプトしCKを獲得。

 45分、テオのアウトスイングのボールがボヌッチに当たり、こぼれ球をジルーのボレーシュートがゴール前のトモリに当たり、トモリが左足で蹴り込んでミランが先制。

 1-0で前半終了。

 46分、ブレーメルからマッケニーに縦パス。マッケニーが外側を上がってきたダニーロにパス。ダニーロはレオンと競り合いながらヴラホヴィッチとのワンツーを狙い、ヴラホヴィッチがスルーしたボールをダニーロが拾ってPA内に運んでクロスを上げるが精度を欠く。

 53分、ヴラホヴィッチがポストプレーでミリクにパスを出すがズレたボールをブラヒムが奪う。ブラヒムがハーフウェイライン手前から運び、ボヌッチをかわし、追いかけてきたミリクのタックルもかわし右足でシュートを撃つと、シュチェスニーが弾ききれなかったボールがネットを揺らしミランが追加点を挙げる。

 56分、ユヴェントスはラビオがLSHでミレッティが中央。中央に人を集める。

 58分、ミランは4-2-3-1でクルニッチをパレデスにはっきりマークさせる。ピオーリがベナセルを呼び、中盤のマークや守り方を確認する。

 64分、ミランはレビッチとクルニッチでブレーメル、ボヌッチ、パレデスにプレスをかける。

 66分、右サイドで受けたデ・ケテラーレからダニーロとブレーメルの間からダイアゴナルランで抜け出したテオにスルーパスシュチェスニーが飛び出し、テオが角度のないところからシュートを狙うが枠を捉えられない。

 70分、ダニーロのクロスをミリクがファーで頭で合わせるがタタルシャヌの正面。

 79分、ユヴェントスケーンがLWG、ソウレがRWGの4-1-2-3に変更。

 83分、ミランはレビッチが左、オリギがCF。

 アレックス・サンドロからミレッティに縦パス。外から内側に入ったケーンが落としを受けてミリクとワンツーでPA内に侵入し右足でシュートを撃つが、カルルがブロックし枠の右に外れる。

 89分、ユヴェントスの右CK。ソウレのインスイングのボールがこぼれ、ブレーメルがシュートを撃つがクルニッチがブロック。

 90+1分、アレックス・サンドロからミレッティへのスローインをデ・ケテラーレがカットし、クルニッチが裏に抜け出したオリギにスルーパスシュチェスニーとの1vs1になるがシュートはシュチェスニーがセーブ。

 2-0で試合終了。

 

ミラン

 

 ポゼッションは40%だがシュートはユヴェントスの10本に対して21本撃ち、8月末のサッスオーロ戦以来今季3度目のクリーンシートで昨季勝てなかったユヴェントスに今季は勝利。これでピオーリはvsアッレグリ初勝利。

 序盤はダニーロを上手く使われ、プレス誘発からのロングボールでライン間を広げられ、ラビオとロカテッリにセカンドボールを拾われる苦しい展開だったが、20分にプレスのやり方を変え、持たせることで試合のペースを引き戻した。ミリクとヴラホヴィッチのポストプレーは完璧ではないがトモリとガッビアが最低限に抑え込んだ。ミランにとって助かったのはカルルの背後にヴラホヴィッチが流れてガッビアと競争になる場面がなかったこと。ガッビアが弱みを晒されず、強みを出せて戦えたのが良かった。そして、カルルがSBにいるのは守備面においての安心感が段違い。ケーンに抜け出された場面はカルルじゃなければケーンのスピードとパワーに抑え込まれてブロックできなかったはず。スピードと予測を活かしたインターセプトも流石だった。ナポリ戦以来の出場だったテオは良い意味でらしくない冷静な守備で無失点に貢献。

 バックラインだけではなく、何度もCBを追いかけたジルー、いつもとは違う守備にも対応してみせたレオン、ハードワークをした中盤3人、しっかりと課されたタスクをこなしたクルニッチとレビッチも無失点に貢献した。やはり中盤にMFを3人配置するのが守備を考えると良い決断になりそう。

 保持ではポベガとトナーリをシャドー化、テオをボランチ化させ、SBとCBの間にシャドーやテオを飛び込ませたかったのだと思うが、相手の中盤をあまり引き出せず、特に成果は得られなかった。4-1-2-3のままや3-1-4-2の方がブロックを崩すには良かった気がするが、カウンター対応を意識して3-2を選択したと思われる。

 デ・ケテラーレは狙いを持った守備は上手いが、ネガトラの強度が低い。レビッチを見習いましょう。66分のテオに出したパスは良かったし、ピオーリは中央のほうが良いと言っているが、個人的には右サイドで基点になるプレーを期待したい。

 

 次は中2日でホームのチェルシー戦。リベンジマッチ。

 

ユヴェントス

 

 初めの20分は作戦通りだったが、対応されてからは上回れなかった。ラビオは序盤は凄かったが、左に行ってからは無駄な時間を過ごした。クアドラードとマッケニーの交代は意味がなかった。最後の4-1-2-3が最も可能性を感じた。

 コスティッチは存在感がゼロ。絶対にインテルに行ったほうが誰もが幸せになれた。

 

主審 Daniele Orsato VAR Daniele Chiffi

 

 生半可な接触ではファウルを取らない。自分が明確にファウルだと思ったものを取っている様子。カードも少なく、ブレないジャッジだった。