自業自得記録地獄

主にACミランに関する備忘録。

22-23セリエA第11節 vs モンツァ(H) 中途半端なプレスはやめましょう

 

 ワールドカップ直前まで続く7連戦の始まり。

 ミランの黄金期を築いたベルルスコーニとガッリアーニがモンツァとともにサン・シーロに凱旋する。

 

 モンツァは3勝1分6敗、9得点15失点の14位。相手が悪かったとはいえ開幕6試合で1分5敗のストロッパを解任し、7節からプリマヴェーラを率いていたパッラディーノが指揮を執ると、就任初戦から無失点で3連勝。前節は敗れたが、ミッドウィークのコッパ・イタリアではミラン戦を見据えて主力はロヴェッラ以外をベンチからも外して1.5軍のウディネーゼに勝利した。マークの受け渡しが徹底され、ボールホルダーへ寄せる強度も高まり、保持しても怖さがなかったチームにサポートや追い越しの意識を植え付けてV字回復を見せている。

  • 得点数12位タイ。セットプレーから1点、FKが1点。
  • センシが2点、1点が7人。チュリアが2アシスト。
  • シュート数17位。枠内シュート数15位。チームトップ5はカプラーリ、カルロス・アウグスト、センシ、チュリア、ギトケア。
  • クロス成功数10位。失敗数2位(多)。CK数13位タイ。
  • オフサイド数5位タイ。
  • 失点数14位。無失点試合3。
  • セーブ数11位タイ。
  • リカバリー数16位。センシがチームトップ。
  • インターセプト数4位タイ。タックル成功数6位。
  • 1試合平均走行距離リーグ4位。個人ではロヴェッラが6位、ペッシーナが21位。
  • ポゼッションタイム4位、自陣3位、敵陣6位。パス成功数4位。ファイナルサードのパス数4位。
  • キーパス数16位。センシが13本でチームトップ。
  • ドリブル数14位タイ。被ファウル数2位タイにセンシ、9位にカプラーリ。
  • PK獲得も献上もゼロ
  • 公式戦では1987年以来の対戦。

 

エラス・ヴェローナ戦後の5日間

 イタリア選手協会が選出した昨季の最優秀チームをミランが受賞。

 最優秀監督はピオーリ。

 ベストイレブンにメニャン、トモリ、テオ、レオン。テオはベストゴールも受賞。

 MVPはレオン。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、カラブリア、サレマーケルス、メニャンが負傷欠場。ケアーとデ・ケテラーレが復帰したが、メニャンが復帰直前にヒラメ筋を痛めて再離脱。ラゼティッチは招集外。ミッドウィークのCLに向けてトナーリ、レオン、ジルー、カルルらをベンチスタートにし、オリギが初先発。

 レビッチがミランでの公式戦100試合目。

 モンツァはロヴェッラが出場停止。イッツォが負傷欠場。招集外多数。

 ガッリアーニだけではなく、カペッロとブライダも来場。ベルルスコーニは政治活動の都合が合わずに来場できず。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 11ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 1分、右にブラヒムが開き、デストがブラヒムとワンツーで内側を突破。

 2分、ミランハイプレス。ブラヒムがカルディローラ、メシアスがカルロス・アウグスト、ベナセルがセンシにプレス。カプラーリをデストが見る。

 3分、ミランハイプレス。レビッチがアントフ、テオがチュリア、ポベガがバルベリスにプレス。モタへのパスをケアーが潰す。

 5分、モンツァビルドアップ。カプラーリが縦パスを受けて、その落としを受けたカルロス・アウグストがワンタッチで左サイドに顔を出したペッシーナにパス。ポベガがファウルで止める。

 7分、モンツァビルドアップ。センシが左に降りてカルディローラを押し出す。ミランはセンシにブラヒム、カルディローラにベナセルがプレス。

 9分、ミランミドルゾーン保持。モンツァはチュリアがテオにマンツーマン気味で他も人への意識は強く、プレス時は4-4-2のようになる。右サイドに顔を出そうとするオリギにパブロ・マリが付いていって空いた中央のスペースにポベガが3列目から飛び出すがメシアスからパスが出ない。

 12分、モンツァビルドアップ。低い位置で受けたチュリアがプレスに出てきたテオの背後に流れたペッシーナにパスでプレス回避。

 14分、オリギが左に流れて、中央に斜めに走り込んだメシアスにトモリからロングパス。PA内で胸で収めてシュートを撃とうとするがカルディローラがクリア。

 15分、タタルシャヌがボールを持って出しどころを探す。モンツァはセンシがデスト、バルベリスがベナセル、ペッシーナがポベガにプレスに行く構えを見せる。タタルシャヌはライン間で右寄りから中央バルベリスの背後に移動したブラヒムにロブパスを通すと、ブラヒムがセンターサークルからそのまま運んでパブロ・マリとアントフの間のスペースに持ち込み、アントフに身体を入れられそうになるが足を伸ばしてシュートを撃つとゴール右に決まってミランが先制。1-0

 18分、モンツァの保持。ミランはメシアスがカルロス・アウグストに、デストがカプラーリにマンツーマン、ブラヒムが中盤をサポートする。モンツァが右から左にボールを動かし、カルディローラがフリーでアタッキングサードに顔を出す。

 23分、モンツァはが右サイドでペッシーナとモタがキープし、チュリアが中央のセンシにパス。センシがセンターサークルから運び、左足でミドルシュートを撃つがタタルシャヌが弾き出す。

 24分、ミランのビルドアップ。テオからトモリへのバックパスにモタがプレス。トモリが右のデストにパス。中央のベナセルが右前、ライン際のブラヒムが斜め後ろに移動してマーカーを引き連れスペースを作り、デストがセンシをかわして運び出し。

 27分、モンツァがミドルゾーンで保持。センシから中央に斜めに入ってきたカルロス・アウグストに縦パス。ケアーがメシアスと受け渡すタイミングで受けたカルロス・アウグストから中央で浮いたペッシーナに繋ぎ、ペッシーナがデストとトモリを引き寄せて右サイドのチュリアにパス。チュリアのワンタッチクロスにカルロス・アウグストが頭で合わせるがタタルシャヌがセーブ。

 32分、ミランのビルドアップ。デストがバックパスのフェイクでバルベリスをかわして中央に運び、オリギにパス。オリギが左足でシュートを撃つがサイドネットに外れる。

 34分、タタルシャヌからレビッチへロングパス。レビッチが収めてファウルをもらう。

 テオがチュリアからボールを奪い自陣から運んでカウンター。レビッチのテオへの折り返しはアントフに当たる。

 36分、ペッシーナがベナセルの背後でセンシからフリーでボールを受け、カルロス・アウグストにスルーパスを出すがメシアスがクリア。

 39分、モンツァビルドアップ。アントフが中央のバルベリスにパス。バルベリスはワンタッチでチュリアへ。チュリアは右に流れたモタにパスで前進。モタのクロスはカプラーリに合わない。

 40分、中盤でポベガがボールを奪い、右前方に蹴ると、オリギがカルディローラの前に入ってボールをキープしながら運び、PA内のブラヒムにパス。ゴールを背にボールを受けるが、カルディローラからボールを隠しながら角度を作り右足を振り抜くとゴール左隅に決まってドッピエッタミランが追加点を挙げる。2-0

 2-0で前半終了。

 

 後半からミランはデストに替わってカルルが入り、3-2-5でテオが高い位置を取る。モンツァはテオの位置に対応するようにチュリアが下がって5-3-2で構える。

 47分、右ハーフスペースでブラヒムがベナセルとのパス交換でライン間に侵入し、カルディローラの背後を取ったレビッチにスルーパス。レビッチがシュートを撃つが、ディ・グレゴリオが距離を詰めて防ぐ。

 48分、カルルにカルロス・アウグストがプレスをかけてミスを誘いスローインモンツァは左からディ・グレゴリオを経由してアントフ、チュリアと繋ぐ。チュリアがテオをかわして右に流れたモタにパス。モタの落としをトモリがボールにつられてフリーになったペッシーナが受け、ベナセルとポベガがラノッキアにつられて空いたスペースに出てきたセンシへ。センシがワンタッチでカプラーリにパスを出し、カプラーリがシュートを撃つがカルルがブロック。

 50分、中央のラノッキアがサイドから斜めに移動したライン間のチュリアにパス。チュリアがモタにスルーパスを出すがケアーが対応。

 51分、モンツァが左サイドをカプラーリ、カルロス・アウグスト、カルディローラで押し込み、中央に戻す。ラノッキアがポベガを引き付けてポベガの脇に降りたフリーのペッシーナへ。ペッシーナがモタにスルーパスを出すがテオがインターセプト

 57分、カルルの前線へのパスが引っかかりペッシーナが右ハーフスペースを運ぶ。右から左、左から中央に戻しラノッキアが左足でミドルシュートを撃つが枠の左に外れる。

 58分、タタルシャヌからデ・ケテラーレにロングパス。デ・ケテラーレがワンタッチでメシアスに出すがカルボーニインターセプトし、カルロス・アウグストへ。カルルがカルロス・アウグストに寄せると、バックパスをミス。カルルが奪ってそのままオリギにクロスを入れる。パブロ・マリがクリアしたボールをペッシーナが頭でセンシに落とすが、センシがコントロールミス。デ・ケテラーレが奪い、ポベガがシュートを撃つが枠を捉えられない。

 60分、モンツァのプレスを受けてタタルシャヌが左足でロングボールを蹴る。テオが競ったこぼれ球をセンシがコントロールミス。流れたボールをオリギが浮かせてカルボーニをかわしメシアスにスルーパス。メシアスの右足シュートは枠の上に外れる。

 61分、ミランはデ・ケテラーレがラノッキア、ポベガがセンシをマークし、運ぶカルボーニにベナセルが出ていく。

 64分、カルルからパスを受けたメシアスがカルボーニをかわしてオリギにパス。PA手前からオリギが右足を振り抜くとゴール右上隅に強烈なシュートが突き刺さる。オリギの初ゴールでミランがリードを広げる。3-0

 66分、モンツァはギトケアの投入で保持時も2トップに変更。

 67分、左に降りたラノッキアが持ち出し、前線で2vs2のペターニャにパス。ペターニャからギトケアへのパスはガッビアがクリア。

 68分、中央でラノッキアがポベガを引き付けてポベガの脇に降りたペッシーナにパス。ペッシーナがトモリに倒されてFKを獲得。

 69分、中央やや右からのFKをラノッキアが外から巻いて落とすキックで直接決める。3-1

 70分、アントフからペターニャへの縦パス。トモリとプレスバックしたポベガで挟んで奪い、デ・ケテラーレがミドルシュート。ディ・グレゴリオがキャッチして左サイドのカルロス・アウグストに投げる。カルロス・アウグストが中央に降りたペッシーナに繋ぎ、右のチュリアに展開。アタッキングサードまで運び、中央のペッシーナに戻し、ペッシーナがPA内のペターニャにパス。ペターニャの折り返しをギトケアが押し込もうとするがバランスを崩してミートできない。

 72分、モンツァはボンドがベナセルを引き付けて、サイドでフリーのカルボーニが運んでライン間のペッシーナに斜めのパスを通し簡単にアタッキングサードにボールを運び、ゴール前でFKを獲得。

 74分、メシアスからオリギへのパスがズレてモンツァがボールを奪い、カルボーニがベナセルの背後に走ったペッシーナにパスを通し、ポベガが倒してFK。

 75分、FKをラノッキアがファーに高いボールを蹴る。カルボーニが頭で折り返し、パブロ・マリがトモリを背負ってキープ。落としをカルボーニが撃つがタタルシャヌがセーブ。

 77分、ミランはヴランクスを投入し、デ・ケテラーレをCF、中盤を3枚にして、モンツァの3-4-1-2に噛み合わせる。

 82分、ミランはポベガがラノッキア、ヴランクスがボンドをマークし、カルボーニにメシアスがプレス。カルロス・アウグストはカルルがマーク。カルボーニからギトケアへのパスはズレる。

 83分、レオンがアントフに外切りで寄せるが、アントフは左足で内側からチュリアにパス。チュリアからペターニャへパスを出すが意図がズレてトモリがインターセプト。トモリからパスを受けたテオがデ・ケテラーレとワンツーを狙うがアントフがカット。しかし、アントフがコントロールミスしたところをテオが奪ってPA内に運び、マイナスの折り返しをレオンが落ち着いて右足で仕留めて勝負を決める4点目を奪う。4-1

 86分、カルルから受けたメシアスがワンタッチでデ・ケテラーレにパス。デ・ケテラーレがパブロ・マリを背負って、落としをベナセルが前向きで受けるがペッシーナがプレスバック。

 87分、アントフからギトケアへの斜め楔をガッビアが潰す。ヴランクスがレオンにロングパス。レオンが奪われて追い回すヴランクス。

 90分、カルボーニからボンドへの横パスをボンドの背中からデ・ケテラーレが奪いに行くがファウル。

 90+2分、テオがレオンとのワンツーでサイドを突破しクロス。メシアスの折り返しをフリーのデ・ケテラーレが合わせようとするがバウンドが合わず空振り。

 4-1で試合終了。

 

ミラン

 

 右はメシアスが幅を取ってカルロス・アウグストを押し込み、デストとブラヒムが手前のスペースを活用し、奥をオリギが流れて深さを作り、CBも釣り出す。左や中央はテオやポベガが飛び出してくるスペースを空けておくというイメージの攻撃を展開した。左利きで左に飛び出す方が得意なジルーではなく、右利きのオリギがCFに入ることでレビッチがCFに入った開幕戦を彷彿させる右サイドとブラヒムの躍動を生み出した。水準以上のパワーとスピードとテクニックで基点になるだけでなく、独力でもゴールまで持っていける能力の高さを示し、決勝点のアシストと加入後初ゴールを記録した。

 そして、何よりもブラヒム自身が素晴らしい個の力で得点を奪ったことで、危ない場面もありながらスコア上の余裕を持って試合を進めることができた。曖昧なポジション取りでモンツァに誰が付けばいいか悩ませ、当たり負けする場面は減り、トップスピードが上がったようにも感じさせ、プレスバックも精力的だった。ミランの10番がサン・シーロドッピエッタを記録するのは2000年のボバン以来らしい。セードルフもなかったのは意外。軽症そうで何より。

 デストはワンツーやドリブルでプレスをいなしてみせた。良いパフォーマンスだっただけに後半も見たかったが違和感で交代。軽症そうで何より。

 後半は3-2-5に変わったが右のカルル、ベナセル、メシアスと捕まらないブラヒムの菱形で幅と間を上手く使っていたが、ブラヒム交代後は停滞。ただ、メシアスがカルボーニとの1vs1を制すことでオリギの3点目を生み出すなど個で打開してみせた。

 ポジティブな攻撃の一方で、ミドルゾーンでの守備には不安が残る。ハイプレスは外に追い出せてマークもしっかり付けていたので悪くなかった。ロングボールのこぼれやファウルなどでミドルゾーンでの守備に移行したとき、中盤は相手の中盤を捕まえに行くが、ボールホルダーにプレスがかかっていない時はモタがCBの背後を狙うので、CBがモタにピン留めせられ下手にラインを上げられないため、ライン間に大きなスペースが生まれてしまい、そこをペッシーナやポジションチェンジで斜めに入ってくるWBに使われる場面が頻出。その最たる例は27分のカルロス・アウグストの決定機でライン間に入った後の対応も酷かった。後半はラノッキアの登場で出し手が増えて保持される時間が更に増え、ポベガはプレスとプレスバックで12km超えの走行距離を強いられた。

 77分のオリギからヴランクスの交代以降は相手の3-4-1-2への変更に合わせてプレスのマッチアップが明確かつCFがフレッシュなデ・ケテラーレになったので危ない場面は全くなくなった。ハイプレスでもミドルプレスでも前線がしっかりコースを限定してプレスに行かなければ後ろは動けないし、行くなら行く、下がるなら下がるという意思統一ができなければいけないという当たり前のことを再確認させられる試合だった。つまり、基本的にミランは撤退して守ることを望んでいないはずなので前線はボールホルダーへのプレスをやめてはいけないし、走れなくなったら交代ということになる。そして、90分間爆速プレスができる前田大然は脚力だけでなく心肺機能も変態だし特別な才能がある。ワールドカップで走りまくれ。

 

 1ヶ月ぶりの出場だったメシアスは守備ではカルロス・アウグストのマンマークを担当、攻撃では幅取りとスペースメイクが基本の黒子役だったが、77分以降のタスク変更にも即座に対応して鋭いプレスを見せ、ATにはラインを割りそうなクロスを折り返してデ・ケテラーレへのアシスト未遂をするなどフル出場で最後まで走り抜いた。チームへの貢献度は抜群だった。

 タタルシャヌは2つのビッグセーブで撃ち合いを許さず、絶妙なフィードで先制点をアシストし勝利をもたらした。とりあえずあと6試合頼みます!

 

 次は中2日で火曜日にアウェイでディナモ・ザグレブ戦。絶対勝利。

 

モンツァ

 

 ブラヒムを捕まえられず、最後のゴール前での対応も稚拙で、もったいないミスもあり4失点の大敗だが、多くのチャンスを作り撃ち合いになってもおかしくなかった。

 イッツォとロヴェッラの欠場は攻守両面で痛かった。アントフは2失点に絡み、カルディローラは攻撃時に絡む機会が多かったものの決定的なプレーができるタイプではないので怖さがなかったし、ブラヒムとオリギに苦戦した。昨季のジェノアでは負傷に苦しんだロヴェッラが球際でタフに闘えてボールも動かせる不可欠な存在になっている。ラノッキアは今後が楽しみ。そして、2人ともユーヴェからローンということは… 

 

主審 Livio Marinelli VAR Marco Guida

 

 特になし。