自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第18節 vs レッチェ(A) 蝕む

 

 前節はローマに終盤のセットプレー2発で追いつかれた結果、ナポリに差を開けられ、ユヴェントスに得失点差で上回られ3位に転落。ミッドウィークのコッパ・イタリアではトリノに数的優位で延長戦を戦い、カウンター1発で敗北。最悪の雰囲気で5試合無敗と好調のレッチェ相見える

 

 レッチェは4勝7分6敗、16得点18失点で昇格組ながら11位。中断前3試合2勝1分の勢いは再開後も止まらず、再開初戦は後半で圧倒しラツィオに逆転勝利。

  • ホームゲーム2勝4分2敗、9得点9失点。アタランタラツィオ相手に連勝中
  • 得点数15位タイ。セットプレーが2点、PKが1点。30~45分に全体の半分を占める8点、前半最初の15分は無得点。シュート決定率9%。
  • ストレフェッザが5点でチームトップ。コロンボが4点、シーセイが3点、1点が4人。
  • ヒュールマン、ホアン・ゴンサレス、ディ・フランチェスココロンボが2アシスト。
  • シュート数最少。枠内シュート数19位。枠内シュート数チームトップはストレフェッザ、枠外シュート数チームトップはシーセイ。
  • 枠に当てた回数5回で10位タイ。
  • PK獲得回数2回。
  • 失点数5位タイ。無失点試合2。前半に12失点。得点が多い30〜45分は失点も最多。最後の15分は1失点のみ。
  • PK献上回数3回。
  • セーブ数6位。
  • インターセプト数2位。クリア数最多。
  • リカバリー数6位。9位にヒュールマン。
  • ファウル数3位(多)。2位タイにヒュールマン、9位タイにホアン・ゴンサレス
  • 1試合平均走行距離リーグ12位。全体の20位にヒュールマン。スプリントの20位にガッロ。
  • ポゼッションタイム最短。パス成功数19位。ファイナルサードのパス数最少
  • キーパス数最少。チームトップはガッロ。
  • ドリブル数16位。被ファウル数4位タイにストレフェッザ、13位タイにホアン・ゴンサレス
  • オフサイド数8位タイにシーセイ、11位タイにバンダ。
  • バスキロットとファルコーネは全試合フル出場。
  • ミランレッチェに最後に負けたのが05-06シーズンのアウェイ。以降はミランが5勝3分。ピオーリはレッチェ戦2勝6分1敗。バローニはミラン戦1分1敗。ピオーリvsバローニは1勝1敗。

 

トリノ戦後の2日間

 

 べナセルが2027年6月まで契約延長。報道によると年俸は€4m+ボーナスで、2024年以降は7/1〜15の期間に海外クラブだけに有効な€50mのバイアウト条項がある。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、メニャン、バロ=トゥーレ、レビッチ、クルニッチが負傷欠場。トナーリが出場停止。ケアーとオリギが復帰し、バスケスが初のベンチ入り。ボッツォランがベンチ入り。

 ブラヒムがミランでの公式戦100試合目。

 レッチェはポングラチッチ、デルマクが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

LECCE VS MILAN | Statistiche

 

ハイライト


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流れ

 

 2分、カルルからカラブリアへのパスが弱くなったところをディ・フランチェスコが掻っ攫いクロスを上げると、飛び込むブランの前でテオがカバーに入るが、テオの胸に当たったボールがゴールに吸い込まれOGでレッチェが先制。1-0

 4分、ベナセルからレオンへの展開をジャンドレイがインターセプト。ストレフェッザとのパス交換から逆サイドでフリーのディ・フランチェスコに展開。ディ・フランチェスコがタタルシャヌと1vs1になり左足でシュートを撃つが枠の右に外れる。

 

 ミランのビルドアップはベナセルがアンカー、IHにポベガとブラヒムの4-1-2-3。レッチェはハイプレス時はコロンボの隣に一人(主にホアン・ゴンサレス)出て、ヒュールマンがベナセルを捕まえに前に出る4-3-1-2のようになる。ミドルゾーンではミランはSBが内側に入り、レッチェは4-5-1ゾーンで構える。

 

 9分、右ハーフスペースのブラヒムのスルーパスに中央から抜け出したポベガが右足でシュートを撃つがファルコーネがブロック。ジルーがこぼれ球に反応するがバウンドが合わず枠を捉えられない。

 13分、カルルからポベガに縦パス。ポベガがテオに落とすがストレフェッザがカットし、左サイドでフリーのディ・フランチェスコにスルーパス。ディ・フランチェスコがカットインからシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。

 14分、ベナセルからサレマに展開。サレマが内側からペッツェッラの背後に抜け出したカラブリアに繋ぎ、カラブリアが折り返すが中に合わない。

 

 レッチェは後方で繋がずにロングボール。コロンボや空いているスペースにガンガンロングパスを出す。SBも積極的に攻撃参加するが、片方は残る。特にRSBのジャンドレイが外を上がることでRWGのストレフェッザが中に入ってフリーで受ける場面が目立ち、ブランは下がり目でバランスを取り、コロンボが右寄り、ホアン・ゴンサレスが高い位置に進出することでLWGのディ・フランチェスコをフリーにする。

 

 23分、ショートコーナーからストレフェッザが下げてヒュールマンがクロスを上げると、バスキロットが動き直しでカラブリアからフリーになりカルルとテオの間に入って頭で合わせてレッチェが追加点を奪う。2-0

 25分、ウムティティのボール奪取からコロンボが前線へのパスのこぼれを拾い、ミランのカウンタープレスをパス交換でかわし、ストレフェッザがディ・フランチェスコへ展開。ディ・フランチェスコカラブリアを縦にかわしクロスを上げ、ファーでジャンドレイが頭で合わせるが枠の右に外れる。

 38分、CKのこぼれ球からサレマのパスをPA内で受けたポベガが反転右足ボレーシュートを撃つが枠を捉えられない。

 42分、カラブリアの左足インスイングクロスをウムティティとバスキロットの間に入ったジルーが頭で合わせるがファルコーネが横っ飛びでセーブ。

 2-0で前半終了。

 57分、右サイドで開いて受けたメシアスがカットインからジルーにパス。ジルーのフリックをポベガが受け、PA内に入りに行くジルーに落とす。ジルーが撃ったシュートはファルコーネが弾き、こぼれ球にブラヒムが反応するがバスキロットが掻き出す。そのこぼれ球を拾ったレオンがストレフェッザを外してニアに撃つとネットを揺らしミランが1点を返す。2-1

 68分、ミランはジルーとオリギの2トップに変更。

 69分、ベナセルが左サイド高い位置を取ったデストに展開。レオンが内側でバスキロットを釣り出し、デストからバックパスを受けたポベガがアーリークロスを入れると、ジルーが頭で浮かせたボールをウムティティとヒュールマンの間に走り込んだカラブリアが頭で押し込みミランが同点にする。2-2

 78分、ベナセルがマレーとウムティティをかわしてガッロの背後を取ったメシアスにスルーパス。メシアスのシュートは左ポストに当たるがオフサイド

 82分、左サイドライン際でガッロがカラブリアとべナセルの間を突破。ガッロの折り返しをタタルシャヌが飛び出して弾いたボールがトモリに当たりゴール方向に飛んでいきあわやオウンゴール

 2-2で試合終了。

 

ミラン

 

 最悪な入りからなんとか同点に追いつき、負けに等しい勝ち点1を獲得。ユヴェントスを粉砕したナポリとの差は9ポイントに開き、連覇に向けて暗雲が立ち込める。

 

 レッチェの徹底したロングボールで守備からリズムを作ることを許してもらえず、逆サイドのWGへのサイドチェンジから多くのチャンスを作られた。保持時間はミランの方が14分も長いが、敵陣での保持時間は8分で同じだった。12月末のPSV戦を彷彿とさせるやられ具合で、完全にレッチェの術中にハマってしまい、ミランの12本に対して、リーグ最少シュート数の相手に17本ものシュートを許した。

 

 ビルドアップは右サイドの3人+ジルーで何度か良い突破や崩しはあった。しかし、カラブリアが上がると背後のスペースをディ・フランチェスコにカウンターで使われるというジレンマも生じた。左サイドはレオン頼みで、テオは積極性も精彩も欠き、パス成功率61%と調子が悪いのは明らかで、ポベガはゴール前に入っていく才能がある一方、柔軟性や臨機応変さを学ばなければいけない。トナーリの不在を感じずにはいられなかった。

 後半は前半よりも全体的な距離感がコンパクトになり、繋がりを感じやすくなったように見え、それをベナセルがコントロールしていたという印象。とは言え、決定機を多く創出するような劇的な改善ではなく、被カウンターの機会を減らすことが主眼にあり、2点以外に後半の決定機はなかった。1点目はジルーの一度下がってボールを触ってから再び前に行く機転を利かせた動きとレオンの虚を突いたシュート、2点目はデストへのパスコースを作ると同時にバスキロットを釣り出したレオンの動き、2トップへの変更、ジルーの冷静な落とし、カラブリアの予測不能な動きで奪った。狙い通りなのかは知る由もないが、2点取ることも簡単ではないので追いついたことはポジティブに捉えたい。

 

 トリノ戦で120分戦ったカルルとトモリの状態を危惧していたが…トモリはシーズン通して安定感を欠いているし、ポジションがコロコロ変わって大変なカルルは最近はキャパオーバーでバグが目立つ。復帰したケアーのロングパスは相変わらず正確だった。

 

 次は中3日で水曜日にサウジアラビアインテルとのスーペルコッパ・イタリアーナ。今季のターニングポイント。負ければ今季のトロフィー獲得は絶望的になるが、勝てば霧が晴れ、前に進む力が湧くきっかけになりうる。

 

レッチェ

 

 チーム全員が試合でやるべきことを理解しており、好調である理由を見せつけたが、会心の勝利には僅かに届かなかった。

 バスキロットとウムティティのCBコンビに守護神ファルコーネという組み合わせは昇格組には贅沢なほど優秀だが、バルセロナでは怪我がちで居場所を失っていたウムティティが復活し、バスキロットもファルコーネもAでレギュラーとして戦うのは初めてなので素晴らしいと言う他ない。

 ディ・フランチェスコ息子はいつ見ても良い意味でウザい。

 SPALのお気に入りだったストレフェッザが幅を広げて活躍していて嬉しい。

 

主審 Daniele Orsato VAR Paolo Silvio Mazzoleni

 

 マレーとべナセルのカードは必要なかった気がする。特にマレーのは全体的にフィジカルコンタクトに寛容なジャッジをしていたのでなおさら。