自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第27節 vs ウディネーゼ(A) 3月の悔恨

 

 25節と26節で勝ち点1しか獲得できなかったものの、2位争いのライバルが同様に取りこぼし続けているため4位以内に留まっているミラン

 

 ウディネーゼは8勝11分7敗、34得点30失点で10位。3節から8節までに6連勝があったが、その後は10試合未勝利が続いたジェットコースターのようなシーズンで、前節の勝利も7試合ぶりだった。攻撃を彩るデウロフェウの負傷離脱にロベルト・ペレイラの不調も重なりフィジカル頼みの攻撃になっているが、中位グループでは失点数も負け数も少なく、GK、3CB、アンカーのセンターラインは堅い。

  • ホームゲーム3勝7分2敗、19得点14失点。ホームで2敗以下は他に4チームのみ
  • 得点数8位タイ。セットプレーから6点、FKが1点、OGが1点。セットプレーからの得点数5位。シュート決定率9%。後半に得点が多く、最後の15分に最多の11点。途中出場選手の得点数8で3位
  • ベトが8点、サマルジッチが4点、ウドジェ、ロベルト・ペレイラ、ビヨル、ロヴリッチが3点、デウロフェウとロドリゴ・ベカンが2点、1点が5人。CBとWBの選手で計11点
  • デウロフェウとロベルト・ペレイラがリーグ4位タイの6アシスト。サクセスが5アシスト、ロヴリッチが3アシスト、サマルジッチとウドジェが2アシスト。
  • シュート数6位。枠内シュート数11位。枠内シュート数チームトップはベト、枠外シュート数チームトップはロヴリッチ。
  • 枠に当てた回数8回。デウロフェウが4回でレオンと同数でリーグ最多
  • クロス成功数12位。CK数4位
  • PK獲得回数0回、献上回数3回。
  • 失点数6位タイ。無失点試合8。セットプレーからの被シュート数は4番目に多いが、失点数は3で2番目に少ない。前半に失点が多く、最初の15分が最多の9失点。
  • セーブ数16位タイ。
  • リカバリー数15位。ワラセがリーグ最多
  • インターセプト数12位。タックル成功数4位。クリア数7位。
  • 1試合平均走行距離リーグ19位ジョグ距離3位、スプリント距離15位。チームトップはロベルト・ペレイラスプリント距離リーグ4位にウドジェ
  • ポゼッションタイム13位。パス成功数13位。ファイナルサードのパス数8位。ロングボール成功数11位。
  • キーパス数6位。デウロフェウが7位タイ
  • ドリブル数4位
  • サクセスは被ファウル数リーグ2位ボールロスト数リーグ6位
  • ワラセはFP出場時間リーグ2位
  • セリエA過去10シーズンの対戦成績はミランの9勝6分6敗。ピオーリ就任後から現在までミランが6試合連続無敗(3勝3分)だが、フリウリでの試合に限るとウディネーゼが5勝2分3敗で勝ち越している。
  • レビッチが4点、ロドリゴ・ベカンが3点でそれぞれのトップスコアラー。
  • ピオーリはウディネーゼ戦通算10勝8分5敗。ソッティルはミラン戦は前回対戦のみで1敗。ピオーリvsソッティルも前回対戦のみでピオーリの1勝。

 

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サレルニターナ戦後の4日間

 

 プリマヴェーラUEFAユースリーグでアトレティコ・マドリーを倒して史上初の準決勝進出。。

 CL準々決勝の相手がナポリに決定。

 

先発&フォーメーション

 ミランはジルーが出場停止。テオが発熱で欠場。メシアスが負傷欠場。デストとバスケスが招集外。カラブリア、ケアー、レビッチが累積リーチ。

 レオンが公式戦150試合出場。

 ウディネーゼはデウロフェウ、エボッセ、マジーナが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

UDINESE VS MILAN | Statistiche

 

ハイライト


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流れ

 

 ウディネーゼは5-3-2でミドルプレス。ミランは右サイドはベナセルが降りてカルルが開き、左サイドはレオンが降りてバロ=トゥーレが内側の高い位置を取る。ブラヒムかトナーリが間で顔を出してサポート。ウディネーゼは降りていく選手に対して敵陣では深追いはせず、自陣ではCBが出ていって中盤が後ろのスペースを埋める。

 ミランのプレスは3-4-1-2でビヨル以外をマンツーマンでマークしたところからブラヒムがワラセを見ながらビヨルに出ていく。ウディネーゼはビヨルから2トップに縦パスを入れて、WBとIHが前向きでサポートに入って、速攻か広いサイドに持っていってクロス。

 

 8分、カルルとチャウの間に降りたベナセルから左前に顔を出したトモリへのパスをサマルジッチがインターセプト。トモリに勝負を仕掛けてこぼれたボールをロベルト・ペレイラが意表を突いてワンタッチでシュートを撃つとゴール左に吸い込まれてウディネーゼが先制。1-0

 35分、ロベルト・ペレイラとワラセの前で受けたブラヒムが前を向いて、2人の間を割ってドリブルし、イブラに縦パスを入れて、そのまま前に行ってリターンを受けてシュートを撃つが枠の上に外れる。

 38分、ビヨルからサクセスに縦パス。落としをエヒジブエがサマルジッチに繋ぎ、ロベルト・ペレイラ、ウドジェと展開。ウドジェが内側に運んでサクセスに預け、サクセスが左に開いたロベルト・ペレイラに渡し、ロベルト・ペレイラのクロスにサクセスが頭で合わせるがジャストミートできずメニャンがキャッチ。

 42分、カルルからビヨルとベカンの間に抜け出したレオンにロングパス。レオンが蹴ったボールがビヨルの腕に当たり、OFRの結果PKの判定に。

 45分、PKをイブラが右に蹴るがシルヴェストリが完璧なセーブで防ぐ。しかし、蹴る前にベトがPA内に入っていたため蹴り直し。怒ったソッティル監督は退席処分。

 48分、今度はイブラが決めてミランが同点に追いつく。1-1

 50分、ウディネーゼが左右に揺さぶり、ウドジェがサクセスとのワンツーで内側に運んでシュートを撃ち、こぼれ球を左ハーフスペースで拾ったサクセスが深い位置から折り返すとベトが決めてウディネーゼが勝ち越し。2-1

 2-1で前半終了。

 後半のミランは前半の終盤のようにべナセルが降りずに3-2を維持してロングボールをスペースに蹴る形が増える。

 51分、ミランの左CK。トナーリのアウトスイングのボールにチャウが頭で合わせるがシルヴェストリの正面。

 63分、ミランは4-2-3-1に変更。

 69分、ロベルト・ペレイラから左サイドのスペースにサクセスを走らせる。サクセスとチャウが交錯しチャウが倒れるがファウルはなく、サクセスのマイナスの折り返しをウドジェが撃ち、枠の右に外れていくボールにエヒジブエが詰めてネットを揺らしウディネーゼが3点目を奪う。3-1

 74分、ウドジェが左サイドを深い位置まで運んでマイナスのクロスを上げると、PA手前でロベルト・ペレイラががジャンピングボレーで合わせるが枠の左に外れる。

 83分、ミランが左サイドからFK。トナーリのボールをビヨルが頭でクリアして高く上がったボールにクルニッチが走り込んで右足で撃つが枠の右に外れる。

 3-1で試合終了。

 

ミラン

 

 ウディネーゼのプラン通りの完敗。イブラの最年長得点という偉業も慰めにはならない。1月の崩壊を立て直して無失点4連勝を記録した2月から一転、3月は2分2敗で脆弱なチームに戻ってしまった。

 序盤のビルドアップの狙いは、ベナセルが降りてカルルが開くことでロベルト・ペレイラとウドジェを前に釣り出し、アンカー脇(IHの裏)とWBの裏にスペースを作ってブラヒムとサレマーケルスがそこで基点を作ることだったが、ワラセとネウエン・ペレスの集中した対応で封じられた。とはいえ、ミランミランで根気強くボールを動かしてスペースを作ることや右サイドに集めてサイドチェンジからクロスというプレーはなく、手数をかけずに攻撃する能しかないように見えてしまう。左サイドは無。

 結果的に、PKを獲得した場面や後半の立ち上がりのようにシンプルに裏にロングボールを蹴る方が簡単にゴールに近い位置でプレーできることも証明されたが、今度はウディネーゼがブロックを組んで裏のスペースを狭めると、全く決定機を作れずに守りきられた。

 ポゼッションで違いを作れないのは今に始まった話ではないので、ハイプレスとポジティブトランジションが頼みの綱だが、こちらもからっきし。ウディネーゼインターセプトを狙われると危険な中盤にはDFからパスを入れず、屈強な2トップへの縦パスやロングパスを躊躇なく蹴って落としとセカンドボールの回収を全員が理解しているので、ミランは収めさせると一気に前進され、収めさせなくてもウディネーゼは守備の準備ができていた。

 失点は時間、タイミング、内容、どれを取っても酷い。10分以内の先制点献上となった1失点目はビルドアップのミス。士気が上がりそうな同点直後、前半終了間際の2失点目はまず左サイドでベトから取り切りたかったし、最後のクロス対応のポジショニングは誰が正しいのか謎。3失点目は4バックへの変更でカルルがウドジェに対応するようになりサイドにスペースが生まれ、チャウが倒れたためカルルがカバーに行ってPA内が同数ではなくなってしまい、そのカバーをする中盤もいなかった。守備陣は点を取れないから無失点を維持するしかないのは酷だが、自分たちのパスミスで先制点を与えてしまうのは切ない。

 

 イブラはPKをまた失敗したがVARに助けられた。ボールが来ないので降りてきてしまう気持ちはわかるが、ブラヒムとレオンにイブラまで降りて行ったら相手のDFは全く怖くない。

 バロ=トゥーレは何もせず。エヒジブエのスピードを警戒したのかもしれないが、フロレンツィを見たかったし、デストは招集すらされない。

 途中出場の攻撃陣も何もしなかったが個人の責任ではない。

 クルニッチ投入直後のワラセへのプレッシングは良かった。あれがチームの基準にならないと。

 ロングスローが全然飛ばない。

 

 次は4月2日に3週連続ナポリ戦の1試合目。

 

ウディネーゼ

 

 完勝。2トップのフィジカル、IHのテクニック、WBのアグレッシブさが爆発した。

 サクセスはワントップもできるなら欲しい。

 

主審 Daniele Doveri VAR Luigi Nasca

 

 特になし。