3月は公式戦で1勝もできなかったが、IMW明けの前節は首位を独走するナポリにアウェイで驚きの完勝を収めて3位に浮上したミラン。今節はCLに向けてナポリ戦から5人を入れ替えるが、その勢いを継続させられるか。
エンポリは7勝10分11敗、25得点36失点で14位。1月の2勝3分という好成績の後は8試合未勝利で4連敗中だったが、前節はPKの1点でウノゼロ勝利を掴んだ。降格圏の18位との差は12ポイントも余裕がある。
- アウェイゲーム2勝6分6敗、12得点21失点。
- 得点数15位。セットプレーから4点。シュート決定率7%。後半に得点が多く、60~75分、75~90分に6点ずつ。
- バルダンツィが4点でチームトップ。カプートとカンビアーギが3点、パリージ、マリン、バンディネッリ、サトリアーノ、エブエヒが2点、1点が5人。
- カプートが4アシストでチームトップ。マリンが2アシスト。
- シュート数12位、枠内シュート数13位。枠内シュート数チームトップはバルダンツィ、枠外シュート数チームトップはサトリアーノ。
- 枠に当てた回数4回で最少タイ。
- クロス成功数16位。CK数12位。
- オフサイド数19位。カプートがリーグ2位。
- PK獲得回数1回、献上回数4回。
- 失点数11位タイ。無失点試合は8回。セットプレーからの失点は9点で3位タイ。後半に失点が多く、75~90分に11失点。
- セーブ数9位。オープンプレーでの失点期待値に対して失点が少ない。
- リカバリー数19位。リーグ4位にパリージ。
- インターセプト数19位。タックル成功数5位。クリア数最多。
- 1試合平均走行距離リーグ5位。スプリント距離6位。リーグ13位にマリン。
- ポゼッションタイム14位。パス成功数14位。ファイナルサードのパス数15位。ロングボール成功数18位。
- キーパス数13位。12位タイにマリン。
- ドリブル数9位タイ。被ファウル数4位にパリージ、14位タイにカプート。
- レッドカード数最多。
- セリエA過去10シーズンの対戦成績はミランの6勝4分1敗。ピオーリ就任後はミランが3戦全勝。
- ピオーリはエンポリ戦通算7勝3分5敗。ザネッティはピオーリのミラン戦通算3戦全敗。
ナポリ戦後の4日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはメシアスが復帰し、ナポリ戦で負傷交代したブラヒムもベンチ入り。イブラとカルルが負傷欠場。デストとバスケスが招集外。カルル、カラブリア、ケアー、レビッチが累積リーチ。
エンポリはヴィカーリオとアクパ=アクプロが負傷欠場。トネッリが出場停止。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
エンポリはミドルゾーンより後ろに4-3-3ゾーンでコンパクトな陣形を保ち中央を固める。ミランはポベガが左に降り、両SBが上がり、サレマとベナセルがアンカー脇を狙い、レビッチはオリギと2トップ気味で3-1-4-2のような形でビルドアップ。ポベガが降りずに2-2の形も見られる。
ミランの守備は4-3-1-2で噛み合わせてプレッシング。ハイプレスはCBからSBのコースを切ってレビッチかオリギがCBにプレスをかけ、SBにはIHとSBで近いほうが行く。ミドルプレスは逆サイドのSB以外は完全にマンツーマンで、SBにはSBが出ていく。エンポリはボールサイドに人数を集めてショートパスでの密集突破と、2トップへのロングボールで数少ないチャンスを狙う。
12分、トナーリから右のカラブリアに展開。カラブリアは内側のサレマに繋ぎ、サレマからCB間を抜け出したレビッチにスルーパス。レビッチがワンタッチでシュートを撃つがペリザンが正面で弾く。こぼれ球をテオが拾ってシュートを撃つが、再びペリザンが正面でセーブ。
14分、カラブリアからベナセルへのパスをマリンがカットし、こぼれ球を拾ったバンディネッリがすぐにアーリークロスを上げると、トモリの前でピッコリがフリックし、カプートが反応するがトラップミスでシュートを撃てない。
38分、カウンタープレスで高い位置で奪い返し、トモリからパスを受けたトナーリがトラップでバンディネッリをかわし、マリンをブロックしながらコントロールシュートを撃つがペリザンがキャッチ。
44分、中央でフリーのトモリが右から斜めに中央へ抜け出したレビッチにロングパス。レビッチが左足で撃つが枠を捉えられない。
45分、ATなし。0-0で前半終了。
56分、右ハーフスペースからポベガのインスイングクロスをファーでテオが折り返すが、フリーのオリギが触れない。
57分、チャウのロングボールをPA内でレビッチとエブエヒが競り合うと、主審はエブエヒのハンドを取るが、OFRで取り消し。
64分、エンポリはグラッシがアンカー、マリンがLIH。
67分、エンポリがミドルゾーンで保持し、パリージからファッツィーニへのパスに飛び込んだテオが入れ替わられ、右に張ったカンビアーギにボールが渡るが、トナーリが戻って見事なタックルでボール奪取。
69分、ミランは4-2-3-1に変更。レオンは外に張り、テオは低い位置から。右はサレマが内側。被保持はレオンがエブエヒをマークし、ブラヒムがグラッシからデ・ヴィンテルにプレス。
75分、テオが内側を上がり、中盤に降りたブラヒムから左サイドのレオンにパス。レオンのインスイングクロスはデ・ヴィンテルが頭に当て、流れたボールをフロレンツィがワンタッチボレーで狙うが右ポストに直撃。
78分、エンポリはカカーチェがLWB、ハースがLSHに入って5-4-1でブロックを組む。
82分、オープンな展開の中でミランがカウンター。レオンが運び、ブラヒム経由でサレマに繋がり、サレマがパリージをかわしてシュートを撃ち、ルペルトに当たって流れたボールにジルーが反応して押し込もうとするがデ・ヴィンテルがブロック。
86分、テオからPA内のジルーに縦パスを差し込むと、ブラヒムが落としを受けてシュートを撃つがペリザンがファインセーブ。
88分、ブラヒムがドリブルで中央に突っ込み、デ・ケテラーレが左のレオンに繋ぎ、レオンのクロスをファーで受けたフロレンツィの折り返しをジルーが押し込んでミランが先制かと思われたが、ジルーのハンドでゴール取り消し。
90+8分、0-0で試合終了。
ミラン
今季の流れの通り、良い結果は続かず、ゴール前を固めた相手を崩すことも破壊することもできずに勝点を取りこぼす。
被保持を4-3-1-2で噛み合わせて、SBとIHがマンツーと受け渡す部分を判断し、ベナセルが中盤にプレスバックで加勢してボールを奪う。ネガティブトランジションの強度も高く、トナーリとポベガが疲労で遅れ始めた70分手前まではカウンターの心配もほとんどなかった。試合通しての被シュートは2本と守備面は全く問題がなかった。
保持率70%、シュート23本、枠内4本だがチャンスを多く作ることはできなかった。ほとんどプレスをかけてこないので敵陣でボールを持つのは簡単だった。前半は縦横コンパクトな相手に対してサイドチェンジやロングボールこそ行っていたが、サイドチェンジをしてもレオンのように独力で薄いサイドを突破してチャンスを作る選手はおらず、サポートが必要なので相手のスライドが間に合う場面が多く、相手を疲弊させる効果はあったかもしれないが打開するまでには至らなかった。12分のようにPAの近辺でスルーパスを通すのに十分な時間とスペースがあった場面はほとんどなかったのでレビッチは決めてほしかったし、CBがフリーの場面は多かったので44分のレビッチのような大胆な斜めの動きをオリギにもやってもらいたかった。
後半途中からレオンが左サイドに入って大外からのチャンスメイクができるようになり、それに対して10分経たずにエンポリが5-4-1に変更してサイドの守備を強化したことで、今度は中央からダイレクトに攻められるようになったがブラヒムは決めきれず。
単純に前半からレオンがサイドにいれば、エンポリの対応が遅れて得点を奪えた気がする。または相手のプレスが弱かったのでビルドアップはべナセルがアンカーの4-3-3で、WGとSBで幅を取ってピッチを広く使い、飛び出せるIHのポベガとトナーリでチャンネル攻略ができたと思う。逆サイドのSBとIHは1人がクロスに飛び込み、1人はネガトラに備えてステイ。
ポベガの起用法は驚いたが、今後に繋がるパフォーマンスだった。
オリギは流石に擁護のしようがない。先発だとスタミナ配分を考えているのかアクションが少ない。やってくれないと本当に困る。というか、とっくに困ってる。
デ・ケテラーレを右サイドで使いたいと個人的に考えていたが、見続けるうちに左寄りの方が明らかにシンプルで良いプレーをしている気がする。LIHがおもしろそうだが守備は崩壊しそうなので、レオンを休ませる時に3-4-2-1で左のシャドーがバランスが良さそう。
次は中4日で水曜日にナポリとホームでCL準々決勝の1stレグ。ナポリは今節はレッチェにラッキーなオウンゴールで辛勝したがシメオネが負傷。12km以上を走り続けているトナーリよ、キツいだろうが頑張ってくれ。
エンポリ
なんとか守って勝ち点1。
守護神ヴィカーリオの負傷離脱があってもペリザンが良い活躍をしている。ルペルト、デ・ヴィンテルもよく身体を張った。
主審 Matteo Marcenaro VAR Paolo Valeri
主審はミラン戦初担当。2つのハンドをVARに助けられた。