自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第31節 vs レッチェ(H) エースのお仕事

 

 ユヴェントスの剥奪された勝ち点15が一時的に元に戻ったことでCL出場圏外の5位に落ちてしまったミラン。残り8試合は下位5チームと2位、3位、4位との直接対決。ミッドウィークのCLで準決勝進出を決めた勢いをカンピオナートにも持ち込んでいきたい。

 

 レッチェは6勝10分14敗、26得点36失点で16位。前前節に5試合連続無得点、前節に6連敗の悪い流れを断ち切ったが、前節は最下位のサンプドリアに勝たなければいけない内容で複数得点を奪えずに勝ちきれなかった。18位のヴェローナが勝利したため、降格圏とは暫定で2ポイント差に縮まっており、いよいようかうかしていられない。

  • アウェイゲーム4勝3分8敗、11得点16失点。アウェイの方が獲得勝ち点が多く、アウェイに限ると14位だが、現在は3連敗中。
  • 得点数16位。セットプレーから6点。ゴール期待値最低。シュート決定率8%。前半に得点が多く、30~45分の9点が最多。
  • ストレフェッザが7点でチームトップ。シーセイが5点、コロンボが4点、バスキロットが3点、ディ・フランチェスコが2点、1点が3人。
  • ヒュールマンが4アシストでチームトップ。ホアン・ゴンサレスが3アシスト、ストレフェッザ、ディ・フランチェスココロンボが2アシスト。
  • シュート数18位枠内シュート数最少。枠内シュート数チームトップはストレフェッザとディ・フランチェスコ。枠外シュート数チームトップはストレフェッザ。
  • 枠に当てた回数6回。ルイス・ファーガソンが3回。
  • クロス成功数12位。CK数13位。
  • オフサイド数7位。
  • PK獲得回数2回、献上回数5回。
  • 失点数8位タイ。ボトムハーフでは最少タイ無失点試合は3回で最少セットプレーから9失点は3位タイ。前半に失点が多く、15~30分の10失点が最多。最少は75~90分の2失点。
  • セーブ数7位。枠内シュート被ゴール期待値に対する失点数の少なさの4位にファルコーネ
  • リカバリー数3位リーグ2位にヒュールマン、18位にバスキロット、22位にジャンドレイ。
  • インターセプト数2位タックル成功数2位。クリア数2位。
  • 敵陣でボールを奪った回数3位
  • ファウル数2位(多)個人リーグ2位にヒュールマン
  • 1試合平均走行距離リーグ12位。スプリント距離8位。リーグ13位にヒュールマン
  • ポゼッションタイム19位パス成功数19位ファイナルサードのパス数16位。ロングボール成功数17位。10本以上パスを繋いでシュートを撃った回数最少
  • キーパス数16位。チームトップ3はストレフェッザ、ガッロ、ディ・フランチェスコ
  • ドリブル数18位。被ファウル数5位にストレフェッザ。17位タイにホアン・ゴンサレス
  • ボールを5メートル以上運んでチャンスを作った数4位タイにストレフェッザ
  • セリエA過去10シーズンの対戦成績はミランの1勝2分。ミランが現在9試合連続無敗中。最後にレッチェが勝ったのは2006年の4月。
  • ピオーリはレッチェ戦通算2勝7分1敗。バローニはミラン戦通算2分1敗。ピオーリvsバローニは1勝1分1敗。

 

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ナポリ戦後の4日間

 ジルーが1年の契約延長。報道によると、年俸は€3.5m+ボーナス。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラが復帰。カラブリアが出場停止。ジルーがナポリとの2試合でアキレス腱を痛め、ポベガが練習中に肋骨を骨折して欠場。デストとバスケスが招集外。トモリ、カルル、ケアー、ポベガ、レビッチが累積リーチ。

 レッチェはポングラチッチとデルマクが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

MILAN VS LECCE

 

ハイライト


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流れ

 

 レッチェはミドルゾーンに4-5-1でセット。ミランは2CBと2DHの2-2か、ボランチの片方がCBの脇に降りて、残った方がアンカーになる3-1でビルドアップ。右はカルル、左はテオかレオンが幅を取る。ブラヒムは降りてピックアップして運ぶこともあり、メシアスは内側と大外のレーンを行ったり来たりする。レビッチはレッチェのゾーンの間や裏に動いてビルドアップ隊からパスを引き出す。レッチェのCBはライン間に留まっているブラヒムやサイドに流れるレビッチに付いていく。

 レッチェは繋がずにロングボールでセカンドボール回収からミドルゾーンでの保持。広い方へのサイドチェンジとクロスで攻める。ミランはブラヒムがヒュールマン、クルニッチがウダンにマンツーマン気味。トナーリはレオンと相手の状況次第でジャンドレイとブランに対応し、トモリは左サイドのカバーに出ていくことも多い。

 

 13分、降りたブラヒムが左のレオンに叩き、レオンがワンタッチで内側を抜け出したテオにスルーパスを出すと、PA内でテオがバスキロットに倒されてPKを獲得。しかし、OFRでテオがボールを外に逃がした後にバスキロットもボールを触ってから接触があったためノーファウルでPKは取り消し。

 18分、ジャンドレイのアーリークロスをトナーリとクルニッチがクリアできずにファーに流れると、バンダが飛び込んで頭で合わせるが左ポストに直撃。

 38分、レビッチとレオンが裏を狙ってDFラインを下げさせて、広がったライン間でテオからブラヒムが受けて前を向き、上がってきたテオがリターンを受けて折り返すがジャンドレイがブロックしてCK。

 39分、ミランの左CK。トナーリがゴロパスを中に入れてメシアスが受けてトナーリに戻す。トナーリがワンタッチでファーにクロスを上げると、レオンが頭で合わせてミランが先制。1-0

 45+1分、ブランが右に降りてレオンを引き付け、ウンティティからヒュールマンへのパスの落としをバスキロットが前に出て受け、右サイド高い位置を取ったジャンドレイに展開してレッチェが右CKを得る。バスキロットのヘディングシュートをゴール前でメシアスがブロックし、高く上がったボールをメニャンがキャッチ。

 45+4分、1-0で前半終了。

 

 後半からミランは保持時にカルルが上がらずに右サイドはメシアスが幅を取り、左はテオが内外問わず高い位置を取る3-2-4-1に変更。

 59分、ミランボランチをベナセルが右、クルニッチが左に変更。レッチェはプレスラインが上がり始める。

 65分、RWGのストレフェッザが中に入ってパスコースを作る。

 68分、(リプレイで流れがわからない)PA内でブラヒムが左足でシュートを撃つがファルコーネがセーブ。

 69分、ストレフェッザのミドルシュートはメニャンが弾き出す。

 71分、トモリが持ち上がりライン間のブラヒムにパス。ブラヒムからレビッチへのパスはズレるが、サイドに流れたボールを拾ったジャンドレイからレビッチが奪いレオンにパス。レオンがブランとバスキロットをかわして流し込もうとするが枠を捉えられない。

 73分、バンダがカットインからシュートを撃つがメニャンが正面でキャッチ。メニャンからビルドアップし、テオからレオンへのパスをヒュールマンがカットするが、ヒュールマンからフォエルカーリングへのパスをクルニッチがカットしてそのままレオンにパスを出す。レオンがハーフウェイライン手前からPA内まで一気に運んで左足を振ると右ポストに当たってネットを揺らしミランが追加点を奪う。2-0

 78分、ミランはオリギがそのままLWGに入る。レッチェはウダンがLWGでバスキロットがRSBに異動。

 90+4分、2-0で試合終了。

 

ミラン

 

 レッチェのコンパクトなブロックと高い守備意識でボールを持たされ、カウンターを受けるリスクを排除した攻撃で得意分野を潰され、唯一のピンチをポストに助けられたが、崩すのが難しい中でセットプレーから先制点を奪い、その後は主導権を握ったまま試合を進めて勝利。3位ユヴェントスとの差を3に詰めた。7位アタランタvs4位ローマはアタランタが勝利してミランはローマを抜いて4位に浮上。CL出場権争いはさらに混沌としている。

 

 ポゼッションは7割近い数値だったが、シュートはレッチェの9本に劣る8本というスタッツ通り、ブロックの前で持たされてゴール前に持ち込むのに苦労したので、セットプレーで先制できたのは大きな意味があった。ただ、PKが取り消された場面のようにレオンがドリブルせずにDFの視線を集めてシンプルなワンタッチパスでハーフスペースの飛び出しを使う形や、得点に繋がるCKの前の裏を狙う選手とライン間を使う選手と追い越す選手が揃った場面など、今後に活かしてほしい連係が見られたのは良かった。テオとレオンのポジションを固定せずにどちらかがサイドにいる形のメリットが出ていたと思う。レオンのサイド固定がマンツーマンで受ける前に潰しに来る相手に苦戦していた時期もあったので、そのような相手に効果を発揮してくれると良い。レビッチは決定的なプレーで目立つことはなかったが、顔を出すアクションの多さはチームに貢献していたと思う。カルルとメシアスは前半の関係性よりも、後半の関係性でブラヒムが間に受けに来る形がしっくり来る。

 被保持はハイプレスをさせてもらえず、ミドルプレスが中心となった。ジャンドレイの攻撃参加にレオンが戻らなくても、レッチェが被カウンターのリスク管理のためにブランやヒュールマンの追い越しが少なかったのはプラン通りか?基本はトナーリとテオの2vs2で対処し、トモリのカバーで抑えることができた。一度だけ(?)ライン間に上がっていったヒュールマンをブラヒムがCBに受け渡そうとしたが、浮いてしまってパスを通された場面があった。

 65分の交代以降はレッチェが攻守に前に出てきたことで、それまでよりは幾分かオープンな展開になり、ミランがプレスを裏返す場面やカウンターを発動できる場面が増えると、レオンが個人技で有るのと無いのとでは大違いな2点目をもたらして勝利を確実なものにした。

 

 レオンは見事なドッピエッタセリエAポルトガル人選手としてはクリスティアーノ・ロナウド以来2人目となる2シーズン連続二桁ゴールを達成。身長もバネもフィジカルもあるのでヘディングゴールを増やしてほしいが、右からのクロッサーがいない。

 復帰したばかりのイブラがアップ中に今度はふくらはぎを負傷した様子…

 

 次は土曜日にアウェイで4位ローマと直接対決。必勝。

 

レッチェ

 

 シーズンを通してコンパクトなミドルゾーンのプレスとブロックの練度が高く、上位陣を大いに苦しませているが、攻撃陣がチャンスを活かして勝ち点を取れないと意味がない。残留に向けて正念場を迎える。

 バンダは序盤戦はドリブルのスピードとキレでインパクトを与えていたがアタッキングサードのクオリティがイマイチで、最近はキレすらもなくなっていたが、久々の先発だったこの試合は良さを発揮して少なからず脅威を与えた。

 

主審 Daniele Chiffi VAR Valerio Marini

 

 前半はレッチェの手癖やアフタータックルにアドバンテージすら適用しないこともあったのでミランの選手たちが怒るのは当然。