7連戦の2試合目はラツィオ、インテルと続くホーム3連戦の初戦。降格圏のクレモネーゼにしっかり勝って流れを作りたい。
クレモネーゼは3勝11分18敗、28得点58失点で19位。18試合を終えて内容は悪くないが未勝利だったアルヴィーニを解任し、途中就任に慣れているバッラルディーニが後任に就くと、初戦からコッパ・イタリアでナポリを下し、チョーファニやサジューをロングボールの的に起用したロングカウンター路線で24節にようやく初勝利を挙げた。4月は連勝も記録し、就任後に限った勝ち点では16位につけ、コッパ・イタリアではローマも下して準決勝進出を果たした。17位とは7ポイント差で厳しい距離だが奇跡を起こせるか。
- アウェイゲーム1勝7分8敗、18得点32失点。アウェイに限ると17位。
- 得点数15位。セットプレーから4点。シュート決定率6%。前半の得点が少なく、最後の15分に最多の9点。
- デセルス、オケレケ、チョーファニが6点でチームトップ。ヴァレリ、セルニコラ、サジューが2点、1点が4人。
- ヴァレリ、セルニコラ、デセルス2アシストでチームトップ。
- シュート数10位、枠内シュート数14位。枠内シュート数チームトップはオケレケ、枠外シュート数チームトップはデセルス。
- 枠に当てた回数9回で10位タイ。デセルスが4回で2位タイ。
- クロス成功数3位。CK数17位。
- オフサイド数4位タイ。デセルスが3位。
- PK獲得回数6回、献上回数5回。
- 失点数最多。無失点試合は4回で最少タイ。セットプレーからリーグ最多の12失点。前後半で失点数が変わらない。15~30分、75~90分に最多の13失点ずつ。最少は45~60分の5失点。
- セーブ数最多。オープンプレーの被シュート数16位、失点期待値最多。
- リカバリー数5位。チームトップ3はヴァレリ、ピッケル、メイテ。
- インターセプト数3位。タックル成功数3位。クリア数6位。
- 1試合平均走行距離リーグ7位。スプリント距離4位。ピッケルはチームトップの走行距離で、スプリントはリーグ3位。
- ポゼッションタイム18位。パス成功数18位。成功率75%。ファイナルサードのパス数19位。ロングボール成功数最少。
- キーパス数12位。9位タイにヴァレリ。
- ドリブル数19位。被ファウル数チームトップはセルニコラ。
- ヴァレリは5メートル以上ボールを運んでチャンスを作った回数7位タイ。
- セリエA過去10シーズンの対戦成績は前回対戦のスコアレスドローのみ。90年代の対戦成績を見るとミランはホームで全勝。
- ピオーリはクレモネーゼ戦通算2勝1分。バッラルディーニはミラン戦通算1勝1分10敗。ピオーリvsバッラルディーニはピオーリの2勝5分。
ローマ戦後の3日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはトモリが出場停止。ポベガとイブラが負傷欠場。デストとバスケスが招集外。カルル、ケアー、チャウ、ポベガ、レビッチが累積リーチ。
クレモネーゼはクアリアータが出場停止。サジューが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
クレモネーゼは4-4-2でミドルプレス。ミランは2CBと2DHの2-2でビルドアップ。ベナセル、ヴランクス、ブラヒム、デ・ケテラーレがクレモネーゼのダブルボランチの前後左右、CBの前を動いて中央にスペースを作り、オリギとサレマがサイドからダイアゴナルランを狙い、空いたサイドにSBが前進。WGがサイドでSBが内側を走り抜けることもある。
ミランは4-4-2でハイプレス。クレモネーゼはロングボールを蹴るが繋がらない。
10分、デ・ケテラーレが降りる動きでロホシュヴィリを前に釣り出し、カルルからバスケスの背後を取ったサレマにロングパス。サレマが上手くコントロールして左足で流し込むがオフサイド。
14分、クレモネーゼは4-5-1でミランのCBに持たせて、中盤へのパスを引っ掛けてカウンターを狙う。保持ではメイテがアンカー気味になってガルダメスがベナセルの脇でフリーになり、ベナッシが中央に入ることでCBをピン留めして中盤で数的優位を作って前進を狙う。
16分、ミランのロングスローからクレモネーゼがカウンターを狙う。セルニコラが運ぶが、内側に持ち出したところをバロ=トゥーレが足を伸ばして奪う。こぼれ球をブラヒムが拾って左のオリギにパス。オリギが持ち運んで左足でシュートを撃つがカルネセッキが弾き出す。
20分、ミランのミスパスをキリケシュが拾う。ミランがカウンタープレスをかける。キリケシュから受けたガルダメスにデ・ケテラーレがプレス。ガルダメスがメイテに下げ、メイテがカルネセッキにバックパス。弱いバックパスをデ・ケテラーレが奪いカルネセッキをかわそうとするが、カルネセッキが腕を伸ばしてボールを掻き出す。
43分、カルルからブラヒムにロングボール。キリケシュが競り勝ったこぼれ球をサレマが右サイドで拾いクロスを上げると、オリギがヘディングで合わせるが枠の上に外れる。
45+1分、0-0で前半終了。
後半からミランのプレスはデ・ケテラーレがCBを追い、ブラヒムがメイテを見ながら追い込める時に前に出て、クルニッチがメイテ、サレマが絞ってガルダメスを見る。
59分、スローインを受けたオケレケにチャウが寄せ、ブラヒムが挟んで自陣中央でボールを奪い、そのまま運んでカウンター。右ハーフスペースのサレマに渡して、クロスをブラヒムがフリーで合わせるが枠の上に外れる。
61分、セルニコラからハーフスペースに抜け出したピッケルにロブパス。オケレケが落としを受けてアフェナ=ギャンにパス。アフェナ=ギャンがハーフスペースを上がってきたセルニコラに繋ぎ、セルニコラのクロスをファーでフリーのヴァレリが頭で合わせるが枠の上に外れる。
63分、セルニコラのクロスをチャウが蹴ったこぼれ球をヴランクスがレオンにロングパスを出してカウンター。レオンが運んでマイナスの折り返しがブラヒムに繋がるが、右でフリーのサレマに出さずに撃ったシュートはDFがブロック。
72分、クレモネーゼはオケレケがCF、RWGにギリオーネが入る。
76分、カルルからジルーへの縦パスをロホシュヴィリが横から足を出してカット。こぼれ球を拾ったガルダメスが前線のオケレケにスルーパスを出す。オケレケがカルルとチャウに挟まれながらも、シュートフェイントの切り返しに滑ったカルルの足にチャウが引っかかって倒れると、冷静に左足で流し込んでクレモネーゼが先制。0-1
80分、ミランの右CK。トナーリのアウトスイングのボールをメシアスが逸らし、フリーのレオンがコントロールしてから撃つが枠の左に外れる。
90+2分、メシアスがPA右でFKを獲得する。メシアスが低いボールを蹴ると、クレモネーゼの誰かに当たってコースが変わりゴールに吸い込まれてミランが同点にする。1-1
90+5分、カウンターでゴール前に入っていこうとしたピッケルがトナーリの顔面を殴り、OFRの結果レッドカードで退場。
90+7分、レオンのクロスをキャッチしたカルネセッキがすぐに前線に蹴ってクレモネーゼがカウンター。右サイドの流れたヴァレリの折り返しをギリオーネが撃つがメニャンの正面。
クルニッチのミドルシュートはカルネセッキが指先で弾き出す。
90+8分、1-1で試合終了。
ミラン
やっていることは悪くないが結果を出せない、見慣れたターンオーバー組の試合。19位のクレモネーゼに2引き分けは失態。
一応、公式戦8試合連続無敗。アタランタがミラン、ローマと同勝ち点ながら3チームの直接対戦成績により5位に浮上しミランは6位に転落。残り5試合はCLとの並行だが例年通りのラストスパートを頼む。
ベナセル、ヴランクス、ブラヒム、デ・ケテラーレが中央3レーンで相手ボランチとCBを引き付ける動きを続けて、組織にギャップを作り、サイドからオリギとサレマが斜めに入っていく保持時の狙いは序盤はハマっており、10分のはサレマがオフサイドじゃなければ狙い通りの得点になっていた。しかし、すぐにクレモネーゼが4-5-1に変更すると、中央でズラすのが難しくなる。ブラヒムが左ハーフスペースで前を向いた時にデ・ケテラーレやサレマが中央や右からDFの裏に斜めに抜け出す動きを見せていたが良いパスは出なかった。
全体的にサイドバックが試合に絡めていない印象が強く、いてもいなくても変わらないような存在感の薄さだった。WGが幅取り役兼ストライカータスクも担っていたため、SBはWGの動きによって立ち位置を変えないといけない難しさがあり、クレモネーゼのWGも守備意識が高かった。2トップが降りて、SBも上がりきれないと攻撃の厚みを感じる場面が少なかったので、バロ=トゥーレを上げて、ベナセルがアンカー、オリギがCFの3-1-5-1で押し込んで行くのも手段の一つだったと思う。
レオンとジルーを投入しても試合の流れは変わらず、今回も最終的にチャウのパワープレーを頼りに押し込んでこぼれ球を拾ったところからメシアスがファウルをもらい、メシアスのラッキーなゴールで勝ち点1を拾った。レオンとメシアスを張らせてチャウとジルーに放り込んでおけば1点は入る。
被保持は保持率が74%だったこともあり、クレモネーゼの左寄り4-3-3に上手く繋がれた場面がたまに前半にあった程度。後半はプレスの修正で中盤の数的不利を感じる場面はなくなった。CFのアフェナ=ギャンが体を張れるタイプではなく、自慢のスピードもチャウが準備の早さで抑え込んでいた。失点場面はカルルのパスの判断から、チャウとの追い込み方の連係までミスが続いてしまった。チャウは右足に持たせないように縦に行かせてファーへのシュートコースをブロックできるようにしながら撃つのが厳しい角度に追い出したい。カルルは内側から戻って切り返しをさせないようにする。絶対に防げたはずなのでもったいない。
次は中2日で土曜日にデーゲーム。ホームに2位ラツィオを迎える。過去2シーズンと同じ流れなら絶対に勝ちます。
クレモネーゼ
チョーファニは起用せず、アフェナ=ギャンとオケレケでパワー<スピードを重視した人選で先制点を奪った。WGにWBタイプのヴァレリとギリオーネを投入する徹底ぶり。ピッケルとガルダメスのタフさも際立った。
主審 Luca Pairetto VAR Luca Banti
内側を抜け出したカラブリアがロホシュヴィリに抱えるような感じで倒された場面はファウルだと思ったが。カラブリアがボールをコントロールできていればDOGSOでレッドカードレビューがあったのか。