自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第35節 vs スペツィア(A) 何もない。今季最低のゲーム。 (CV:秋葉忠宏監督)

 

 インテル戦の完敗から中2日で迎える7連戦の5試合目は降格圏のスペツィアと対戦。死にものぐるいでCL出場権を掴むために戦わなければいけない残り4試合。

 

 スペツィアは5勝12分17敗、28得点56失点で18位。残留ラインの17位とは3ポイント差。エースエンゾラが負傷離脱した期間もあり、現在は8試合未勝利で3連敗中。しかし、最後の勝利は8試合ぶりの勝利だったホームでのインテル戦と、スペツィアからすると奇跡を願いたくなる巡り合わせになった。

  • ホームゲーム3勝8分6敗、16得点26失点。
  • 得点数17位タイセットプレーから3点はリーグ最少。シュート決定率7%。前半のほうが得点が多く、30~45分に最多の8点。
  • エンゾラが13(PK3)点でリーグ4位タイ。ヴェルデが3点、ギャシ、バストーニ、ダニエル・マルディーニが2点、1点が4人。途中出場選手の得点数2で最少
  • バストーニが4アシスト、エンゾラ、ブラビア、エクダルが2アシスト。
  • シュート数14位、枠内シュート数14位。
  • 枠内シュート数、枠外シュート数ともにチームトップはエンゾラ。
  • 枠に当てた回数9回で13位タイ。
  • クロス成功数12位。CK数5位タイ。
  • オフサイド数13位タイ。ギャシが5位。
  • PK獲得回数4回、献上回数6回。
  • 失点数17位タイ無失点試合は4回で最少タイセットプレーから11失点は17位タイ。後半に失点が多く、75~90分に最多の14失点。
  • セーブ数4位。
  • リカバリー数6位。リーグ16位にニコラウ、21位にブラビア、23位にアンパドゥ。
  • インターセプト数11位。タックル成功数5位。クリア数3位。
  • PPDA(プレス強度指数)8位。敵陣でボールを奪ってからシュートを撃った回数3位
  • ファウル数5位(多)。イエローカード数、レッドカード数3位(多)
  • 1試合平均走行距離リーグ10位。スプリント距離18位。チームトップはホルム。
  • ポゼッションタイム14位。パス成功数16位。ファイナルサードのパス数13位。ロングボール成功数19位
  • キーパス数17位。チームトップ3はブラビア、エンゾラ、アグデロ。
  • ドリブル数7位タイ。被ファウル数チームトップ3はアグデロ、エンゾラ、ギャシ。
  • セリエA過去10シーズンの対戦成績はミランの3勝2敗。交互に勝っており、順番的には今回はスペツィアが勝利する番。
  • ピオーリはスペツィア戦通算4勝1分2敗。センプリチはミラン戦通算1分7敗。ピオーリvsセンプリチはピオーリの5勝3分。

 

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インテル戦後の2日間

 プレシーズンのアメリカツアーを発表。

 

先発&フォーメーション

 ミランはチャウが出場停止。ベナセル、レオン、フロレンツィ、イブラに加えて、違和感を抱えるクルニッチとメシアスが予防措置で負傷欠場。デストとバスケスが招集外。カルル、ケアー、ポベガ、レビッチが累積リーチ。

 スペツィアはアグデロが出場停止。ホルム、ダニエル・マルディーニ、バストーニ、モウチーニョ、サーラ、ゾヴコが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

SPEZIA VS MILAN

 

ハイライト


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流れ

 

 スペツィアは5-3-2でミドルプレス。ミランは4-2-3-1からどちらかのSBが上がって3-2-1-4のように流れの中で変化する。スペツィアは2トップで中央を消し、中盤3人がSBとボランチに対応し、DFラインからブラヒムや空いているSBに飛び出して行く。ミランは攻撃の形が見えないがサイドからシンプルに早いタイミングでクロスを入れていく。

 ミランの被保持は4-2-3-1で噛み合わせてハイプレス。スペツィアはビルドアップ時に主にアンパドゥが中盤に加わり、4-1-3-2や4-2-2-2のような形に可変し、ミランのマークをズレさせる。オリギとサレマがヴィスニエフスキとニコラウに付いたままで、レビッチがアンパドゥを放置すると、スペツィアの中盤が数的優位になり、ミランのSBからスペツィアのWBまでの距離も遠くなる。IHやCFのサイドに流れる動きでゴールに近い中央にスペースを作ってスペツィアが攻め込む。

 

 5~7分、DAZN映像途切れ。トナーリのミドルシュートが左ポストに当たる。

 23分、トナーリがPA手前でボールを奪って運びカウンター。レビッチが右に開いたところから中に入り、サレマ、トナーリと繋いでレビッチが撃つがヴィスニエフスキがブロック。こぼれ球をテオがミドルシュートを撃つがドロンゴフスキが弾き出す。

 26分、ギャシが左サイドに流れて起点を作り、レツァのクロスに中央に入っていったアミアンが頭で合わせるが枠を捉えられない。

 28分、スペツィアのビルドアップ。ヴィスニエフスキにオリギが外切りで寄せるが、ブラビア経由でアミアンへ。アミアンがロブパスでエスポージトに繋ぎ、エスポージトがヘディングでサイドのスペースに流れたエンゾラに繋ぐ。エンゾラがキープし、ブラビアがカルルの裏を狙ったレツァにパス。レツァが切り返しでカルルをかわし右足でシュートを撃つがトモリがブロック。

 45分、0-0で前半終了。

 

 55分、スペツィアがカウンターからブラビアがコントロールミドルシュートを狙うが枠の上に外れる。

 カルルからのパスをサレマがトナーリに落とし、トナーリがブラヒムとのワンツーで中央を突破。トナーリが運び、ブラヒムにラストパスを出すが、ブラヒムが角度の厳しいところからニアを狙うがポストの外側に当たる。

 58分、カウンターからミランの左CK。テオのアウトスイングのボールに後ろからポベガが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 67分、カルルからパスを受けてデ・ケテラーレが前を向こうとするがレツァが奪い、エクダル、ギャシと繋ぎカウンター。ギャシからスルーパスを受けたエンゾラがシュートを撃つがメニャンが正面で弾く。

 68分、ギャシが左サイド深い位置でキープし、大外を追い越したレツァが内側のエクダルに繋ぎ、エクダルが折り返すがメニャンが弾き出す。

 74分、ギャシのキープとレツァのアンダーラップでスペツィアの左CK。エスポージトのインスイングのボールにアミアンが頭で合わせ、右ポストに跳ね返り、バロ=トゥーレに当たったこぼれ球をヴィスニエフスキが押し込んでスペツィアが先制。1-0

 82分、クリアボールを収めて起点を作ったエンゾラがカルルに倒されて中央やや左からスペツィアがFKを獲得。

 84分、カルルが左CBに入る。

 上述のFK。エスポージトのシュートが左上隅に決まる。2-0

 90+6分、2-0で試合終了。

 

ミラン


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 最初から得点の気配がなく、スペツィアのビルドアップを潰すこともできず、悪い流れのまま試合は進み、セットプレー2発を食らっても逆襲の兆しが見られないまま惨敗。4位との差は4に開いて残り3試合。全勝必須。

 

 保持はどのような狙いを持っていたのかわからなかった。どのエリアにどのように侵入してゴールに迫るのか、チームとして共通認識を持っていたのか。なんとなくオリギやレビッチにクロスを上げるくらいしか感じることができなかった。

 ハイプレスを浴び続けたわけではないのに、擬似カウンターを狙うわけでもないのに、保持時間のうち敵陣での保持が32%しかない。ブラヒムはスペースを見つけることができず、後半の一部の時間帯以外は空気。

 頼みのプレッシングもスペツィアの可変ビルドアップに対応できないのでショートカウンターを発動できない。ロングカウンターも数えるほどしかない。

 点を取れないなら、せめて失点を避けなければいけかったが、インテル戦に続いてCKから先制点を奪われてしまう。バロ=トゥーレはメニャンが出てくれると思ったのだろうが、ボールウォッチャーにもなりアミアンの動きに全く対応せずに足が止まって合わされた。FKはスーパーで防ぎようがなかったが、2失点のきっかけになったギャシとエンゾラのフィジカルを生かしたキープに試合を通して苦戦した。

 

 基本配置5-3-2のプレスとブロック、ビルドアップ時の3→4への可変、2トップの起点作りなどインテルとの共通項が少なくない降格圏の相手に、インテル戦同様に良いところなく敗れたのは2ndレグに向けてさらに不安が募る。最近は全体的に足元のプレーが多く、裏へのアクションが少ないと思うので、深さを作る動きをしたらパスを出してDFを前後左右に揺さぶって欲しい。DFラインの裏とMFラインの手前とDF-MFのライン間は全て繋がっている。MFもDFも前に来させることはできているのだから裏を使ってよ。

 

 次は中2日で火曜日にCL準決勝2ndレグインテル戦。この鬱憤を解放させてくれ。

 

スペツィア

 

 ミランより長い準備期間を活かして前節まで継続していた4-3-3から5-3-2に変更し、被保持の集中力と保持の狙いが噛み合って完勝。大きな勝ち点3を得た。

 ヴィスニエフスキとエスポージトの加入直後の印象はイマイチで、前者はフィジカル能力は高いが足元が絶望的、後者はゲームメイクのセンスを感じるが判断と精度を欠いていた。しかし最近は慣れて、ウィークだと思っていた部分は気にならず、ポジティブな要素になっている。ヴィスニエフスキは試合を経るごとに運ぶ場面が増えている。

 

主審 Daniele Doveri VAR Valerio Marini

 

 ブラヒムがPA内でエスポージトに両手で押されたのはフットボールコンタクトの範疇ということか?