自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24セリエA第21節 vs ウディネーゼ(A) famiglia

 

 カンピオナートは3連勝中ながら、勝ち点を落とさない2位とは7ポイント差、4位以下の集団とは8ポイント差の単独3位に定着してしまったミラン。前節は3-5-2の守備に対して良い攻撃を展開できたので、今季敗れている5-3-2のウディネーゼにリベンジを果たしたい。

 ラインデルスとムサが累積出場停止リーチ。

 

 ウディネーゼは2勝12分6敗、21得点32失点で18位と1ポイント差の16位。とにかく引き分けが多いので勝点を伸ばしきれない。年末にはボローニャを3-0で破り、前節はフィオレンティーナを苦しめて2-2。ただ、ブロック守備と武器のロングカウンターが冴えていたので勝ちきりたい試合だった。

 パス本数と走行距離が最少で、ドリブル数が最多。リーグで最も縦に早いチーム。

 

incursore.hatenablog.com

 

 両チームに縁があるザッケローニが来場。元気そうで良かった。

 

ローマ戦後の5日間

 

 中東・北アフリカ地域におけるオンライントレードのリーダーであるCFI Financial Groupとの新たなパートナーシップを締結。

 

 デビス・バスケスシェフィールド・ウェンズデイからアスコリにローン先を変更。

 

先発&フォーメーション

 ミランはベナセルとチュクウェゼがアフリカネーションズカップで欠場。カルル、チャウ、トモリ、ポベガ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。フロレンツィとスポルティエッロが復帰。プリマヴェーラからバルテザーギ、シミッチ、ヒメネス、ゼローリ、チャカ・トラオレがメンバー入り。

 ウディネーゼはデウロフェウ、ビヨル、エボッセ、デイヴィス、ヴィヴァウドが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

UDINESE VS MILAN

 

ハイライト


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流れ

 

 ウディネーゼの被保持はミドルゾーンでエボセレがテオを監視して4-4-2気味に構える。サイドに張るレオンにはジョアン・フェライラが出ていき、右サイドは基本的にはカラブリアにサマルジッチ、プリシッチにハッサン・カマラが対応する。中央のエリアは食いつかずにステイ。

 保持はルッカへロングボールを入れてセカンドボールを回収し、サイドに人数をかけて相手も引き寄せてダブルボランチの脇や逆サイドへのサイドチェンジから速攻を狙う。カマラが高い位置を取ってカラブリアを押し下げて、プリシッチとの間にサマルジッチが開き、ロベルト・ペレイラが自由にスペースに動く。

 ミランは保持も被保持も4-2-3-1。

 

 15分、左からレオンがジョアン・フェライラとマッチアップ。ジルーがハーフスペースに立ってからペレスの裏でスルーパスを受け、中央を抜け出してシュートもオコイェがセーブ。

 17分、アドリが右に開いてサマルジッチを引き付け、右サイドのマークをずらす。ジルーへの縦パス、プリシッチが落としを受け、テオのアーリークロスにジルーが走り込むがミートできない。

 23分、左サイドからルッカがエボセレへサイドチェンジ。エボセレの折り返しからルッカが撃とうとするがケアーがブロック。

 29分、レオンがフリーでハーフスペースに降りて中央でのパスワーク。レオン、ラインデルス、ロフタス=チーク、ジルー、ラインデルスと繋ぎ、エボセレの背後を取ったテオがマイナスに折り返すがジルーに合わない。

 30分、テオが大外のレオンに預け、ハーフスペースを駆け上がりエボセレの背後を取ってスルーパスを受ける。マイナスの折り返しをジルーがスルーしてロフタス=チークが流し込む。0-1

 32分、ウディネーゼのゴール裏からメニャンに対して人種差別。試合中断。

 38分、試合再開。

 41分、オコイェからルッカへロングボール。ウディネがキープし、右から中央へ。サマルジッチがケアーをかわして流し込む。1-1

 45+6分、1-1で前半終了。

 保持率26-74。シュート5(2)-4(3)。

 

 後半はウディネーゼの守備の強度が上がり、ミランは中盤でのミスが増加。

 61分、ミランがクリアしきれない、繋げない流れで、トヴァンがラインデルスとテオをごちゃごちゃ抜いてメニャンの顔付近を抜ける強烈なシュートを突き刺す。2-1

 68分、ミランはオカフォーがトップ下気味。

 75分、ミランはオカフォーがRWG、ヨヴィッチがトップ下気味。保持時はロフタス=チークとヨヴィッチがシャドー、テオが中盤に入って3-2-5のような可変も見せる。

 82分、大外低い位置のレオンから中央を上がっていったテオにロブパス。テオの折り返しをロヴリッチが触り、こぼれ球をジルーがシュート。バーに当たったこぼれ球をヨヴィッチが押し込む。2-2

 83分、ウディネーゼはロヴリッチがLWBに入る。

 90+1分、テオのロングボール。ジルーが落とし、ヨヴィッチがシュート。こぼれ球をジルーが撃ってCK。

 90+2分、フロレンツィのアウトスイングのボールをジルーが中央でフリックし、オカフォーが蹴り込む。2-3

 90+7分、2-3で試合終了。

 後半保持率34-66。シュート6(4)-11(4)。

 

ミラン

 

 人種差別という非道な行為による中断で失った流れを途中出場の2人がひっくり返す最高の勝利。チームは家族だ。

 

 ウディネーゼの保持が少ないため、プレスについては書くことがあまりない。配置的には噛み合わせやすいが、実際のウディネーゼの保持時はポジションバランスが歪で柔軟な対応が求められた。ロベルト・ペレイラorトヴァンが自由に動くのでダブルボランチが揃ってボールサイドに引っ張られることは珍しくなく、逆サイドのIHがフリーになった1失点目のようにガッビアが余っているのにケアーがルッカとサマルジッチに対応しなければいけなくなることがあった。

 保持は相手がスライドする左サイドからチャンスを作った。右はサマルジッチを引き出すのが意外と難しく、アドリやケアーが2トップの脇から運ぼうとしてもルッカが頑張ってついてきていたのでなかなかズレが起きる場面を作り出せなかった。逆に左はエボセレとジョアン・フェレイラが積極的にテオとレオンの前に詰めてくるので、裏やギャップを狙いやすかった。レオンはドリブルはあまり冴えていなかったが、大外に張って相手を引き付けてスペースを作り、テオとジルーの動きをパスで活かしてチームに貢献した。

 

 週中に発熱があったというジルーはシュートこそ決まらなかったものの、動きは良く、全得点に関与した。得点とアシストどちらもリーグ2位になった。

 オカフォーは存在感がなかったが値千金の逆転決勝点。ヨヴィッチはトップ下、シャドー気味でジルーと良い関係を築いて逆転への足がかりになった。

 

 次は中6日でホームのボローニャ戦。この勢いで5連勝しよう。

 

ウディネーゼ

 

 少ないチャンスを活かして逆転したが、最後まで耐えられず。勝ちきれない悪癖が露呈した。

 サマルジッチはRIHの印象が強いが、LIHでもやれて、被保持でSHのようにも振る舞えるのは素晴らしい。

 

主審 FABIO MARESCA VAR ROSARIO ABISSO

 

 27分のプリシッチがルッカにアフターでぶつかられたのはPKにならないのか?足同士だったら悪意がなくても少しでも遅れればファウルなのに。

 人種差別があった場合の対応は難しいと思うが、メニャンとコミュニケーションを取り、一旦中断して次は試合終了と全員にしっかりと示したのは良かったと思う。