自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24セリエA第20節 vs ローマ(H) フランス万歳

 

 下位相手の公式戦3連勝の勢いはアタランタには通用せず、コッパ・イタリアのタイトルを失ったミラン。今節からカンピオナートは2周目に突入。5連戦の最後は勝ち点差が10も開いているローマを迎え撃つ。

 ラインデルスとムサが累積出場停止リーチ。

 

 ローマは8勝5分6敗、31得点21失点で8位。ミラン同様にミッドウィークにコッパ・イタリアがあったがラツィオに敗れ、カンピオナートでもラツィオが7位といつの間にか逆転されている。カンピオナートの直近5試合は全てトップハーフとの対戦で、ホームでは1勝2分、アウェイでは完封負けだった。

 今季はセットプレーの得点が昨季までよりは少ないが、得点数は3位。全体的な攻撃のスタッツはミランと近いが、縦に速い攻撃とドリブルがミランのほうが圧倒的に多い。失点期待値は相変わらず低く、ゴールに近寄らせない守備はできているが、失点期待値を失点が上回っている。

 

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アタランタ戦後の3日間

 

 クルニッチがフェネルバフチェにローンで移籍。報道によると、条件付きの買い取り義務で、フェネルバフチェが降格しなければ€5mで買い取り。

 本当に助かった。ありがとう。さようなら。

 

先発&フォーメーション

 ミランはベナセルとチュクウェゼがアフリカネーションズカップで欠場。カルル、チャウ、トモリ、フロレンツィ、ポベガ、スポルティエッロ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。オカフォーが復帰。プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、ヒメネス、ヌシアラ、ゼローリ、チャカ・トラオレがメンバー入り。

 ローマはモウリーニョがベンチ入り禁止。エンディカとアワールがアフリカネーションズカップ、アズムンがアジアカップで欠場。ディバラ、スモーリング、エイブラハム、レナト・サンチェス、クンブラが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

MILAN VS ROMA

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランの保持は4-2-3-1。ローマは前線から中央の3-2でミランボランチを囲んでサイドに誘導し、WBがSBにプレス。ミランはWGがサイドに張ってWBの裏をIBにカバーさせ、ロフタス=チークやアンダーラップしたSBがIBとCBの間に走り込む。

 ローマはボーヴェが低め、クリスタンテが高めで3-4-2-1にも見える形でビルドアップ。ミランはWGが内側に絞って縦斬りでIBにプレス。ジルーはマンチーニよりもロフタス=チークと2人でパレデスとボーヴェを意識する立ち位置。アドリはエル・シャーラウィをマークする場面が多い。ローマはWBでSBを釣り出してDFラインのギャップを開かせ、ルカクでDFラインを牽制、クリスタンテがラインデルスとミスマッチ、エル・シャーラウィがライン間、サイド、裏と幅広く動き回る。

 10分、ハイプレスをかけてアドリが右サイドでエル・シャーラウィを潰してボールを奪う。ラインデルスが中央に潜り込み、前に出たアドリがワンフェイク入れて左足で流し込む。1-0

 ミランマンチーニに持たせて中盤かCBを余らせる守備が機能。

 29分、ローマはロングボールからセカンドボール回収。ジョレンテからゼキ・チェリクにサイドチェンジ。ルカクに斜めの楔。繋いでゼキ・チェリクがシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 ローマはミランの守備が揃わないうちに速攻を狙い、サイドチェンジでオープンな状況を作り始める。

 45+1分、1-0で前半終了。

 保持率46-54。シュート7(3)-5(2)。

 

 後半からローマはクリスタンテがCB、ペッレグリーニがRIHに入り、保持は3-3-2-2に変更するが、ミランがプレスでハメ、プリシッチがプレスをいなして主導権を握る。

 55分、保持、トランジション、プレスで押し込んだミラン。クイックリスタートのショートコーナーから、アドリがファーに上げると遅れて上がってきてフリーのケアーが折り返し、ボールの移動中にフリーになったジルーが押し込む。2-0

 66分、ローマはロングボールからセカンドボールを拾い、クリスタンテが中央のルカクに縦パス。ペッレグリーニが横に動いて落としを受けようとしたところをカラブリアが引っ掛けてPK。

 68分、パレデスが中央に決める。2-1

 ローマは多少強引でもルカクへボールを入れていく。

 78分、ミランは3-4-1-2に変更し、ムサがRWB。

 83分、ムサが自陣から運び、中央のラインデルス経由でテオへ。テオがジルーとのワンツーから左足一閃。3-1

 85分、ペッレグリーニの反転ミドルシュートをメニャンがセーブ。

 89分、ムサが右サイドから左ハーフスペースに横ドリブルし、縦に運んでシュートを撃つがポスト。

 90+5分、3-1で試合終了。

 後半保持率50-50。シュート10(2)-7(3)。

 

ミラン

 

 保持はローマがサイドに誘導してきたが、各自が相手のプレスの出方を見て適切なポジションを取り、空いているスペースと相手の寄せ方を認知してプレーすることができていた。相手WBの裏でWGが逃げ場になったり、相手の中盤3枚がサイドにスライドしたときは逆サイドのSBが内側で展開を受けたり、誘導されることに対して準備ができていた。ラインデルスは常に先の展開を読んだプレー選択でクリスタンテを掌の上で転がした。

 被保持はジルーをあえてステイさせて中盤へのプレスバックを任せ、サイドに誘導させてハメたり、中に入れてきたところを中央の数的優位を活かしてボールを奪うことができていた。アドリはDFラインと連携してエル・シャーラウィをマークしたり、CBのカバーに入ったり、ネガティブトランジションインターセプトしたり、素晴らしい集中力だった。

 後半はPKで失点するまでシュートを撃たれなかったので、そのままの流れで進めたかった。失点後はローマがルカクをシンプルに狙い始めて流れが傾きかけたが、3バックに変更して中央の人数を増やすと落ち着きを取り戻し、テオのミサイルで試合を決めた。

 

 アドリが初ゴール。ボールを受けて捌くだけでなく、前述したように守備での貢献が素晴らしかった。

 そして、フランス人が大活躍。ジルーが早くも10Gに到達し、賢い守備でも貢献。テオがゴラッソで勝利を決定づけ、メニャンはピンチは少なかったが2度の好セーブで流れを渡さなかった。

 ガッビアはルカクを完璧に抑えたわけではないが、ルカクの強さを逆に利用して、通常よりも強いコンタクトでバランスを崩させていた。

 ラインデルスとプリシッチは相手をいなすのが上手すぎる。

 

 次は中5日でアウェイウディネーゼ戦。前半戦の雪辱を果たそう。

 

ローマ

 

 モウリーニョが解任。クラブ全体の情熱と一部の選手のクオリティで繋いできたが、内容と結果はほとんど改善しないままだった。後任がデ・ロッシらしいが、レジェンドはやめておけと全ミラニスタが伝えたい。

 

主審 MARCO GUIDA VAR PAOLO SILVIO MAZZOLENI

 

 50分のカラブリアがボーヴェを倒した場面はファウルでイエローだと思う。