自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24CLGS第4節 vs パリ・サンジェルマン(H) 魂の一勝

 

 10月のインターナショナルマッチウィークまでは10試合で1敗のみだったが、中断明けの公式戦4試合は1分3敗と、負傷者の多さも影響して厳しい状況に置かれているミラン。残り3試合、最下位からグループステージ突破のために是が非でも勝利がほしい一戦。

 

 PSGは前回対戦以降のリーグ戦も連勝し、現在公式戦5連勝中で、いずれも3得点の好調ぶり。ザイール=エメリが2試合連続ゴール。

 

incursore.hatenablog.com

 

ウディネーゼ戦後の2日間

 

 IZ BACK AGAIN?

 

先発&フォーメーション

 ミランはケアー、カルル、スポルティエッロ、カルダーラが負傷欠場。ベナセル、ルカ・ロメロ、ペッレグリーノは登録外。テオ、プリシッチ、チュクウェゼが復帰し、バルテザーギ、ナヴァがベンチ入り。

 PSGはキンペンベ、ヌーノ・メンデス、アセンシオ、ダニーロペレイラ、ケイラー・ナバスが負傷欠場。

 

スタッツ&控え&ハイライト

Milan-Paris | UEFA Champions League 2023/24 | UEFA.com

 

流れ

 

 コレオで対抗。

 

 ドンナルンマに札束の雨が降り注がれる。

 

 PSGは4-1-2-3のビルドアップ。ミランは4-2-3-1で構え、ロフタス=チークがウガルテ、ムサがザイール=エメリ、ラインデルスがヴィティーニャをマークする。ジルーはマルキーニョス寄りで、シュクリニアルにはハーフウェイライン付近までは持たせても良く、ロフタス=チークがウガルテを消しながら寄せ、ジルーもプレスバックの準備をする。

 

 5分、ミランは右サイドでキープし、中央でラインデルスがウガルテとザイール=エメリをかわしてレオンに展開。レオンがハキミを縦に抜いて、折り返しをライン間でフリーのロフタス=チークが左足で合わせるが枠の上に外れる。

 7分、ムサが右サイドで絡み、ロフタス=チークがチャンネル裏抜けから折り返すがレオンの前でハキミがクリア。こぼれ球を拾ったラインデルスがコロ・ムアニをかわそうとするが奪われてPSGのカウンター。コロ・ムアニから受けたデンベレが運び、中央で受けたムバッペがワンタッチシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 8分、テオが運ぶが奪われてカウンター。デンベレが運んで折り返すがムサがカバーしてブロック。PSGの右CK。ヴィティーニャのアウトスイングのボールをニアでマルキーニョスが逸らし、ロフタス=チークがボールウォッチャーになってフリーになったシュクリニアルが頭で押し込んでPSGが先制。0-1

 9分、PSGのプレスはムバッペがトモリ、ザイール=エメリがラインデルス、ヴィティーニャがカラブリアに行く。ムサやテオにハキミが出ると、マルキーニョスがレオンをマーク。撤退時はコロ・ムアニがラインデルスを監視してムバッペは左サイド高い位置に残り気味。

 10分、ミランは右サイドから攻め込み二次攻撃。トモリがロフタス=チークに縦パスを入れ、大外のプリシッチに落とし、プリシッチから内側の高い位置を取っていたカラブリアにパス。プリシッチがリュカとウガルテの先手を取って中に入っていきザイール=エメリを引き付け、カラブリアの折り返しをフリーのムサが合わせるがドンナルンマの正面。

 11分、ミランのビルドアップ。テオから縦パスを受けたレオンがマルキーニョスを背負うが内側にターンして運ぶ。左に開いたジルーが受けてシュートを撃ち、ドンナルンマが弾いて高く浮き上がったこぼれ球をレオンがオーバーヘッドで蹴り込んでミランが同点にする。1-1

 14分、デンベレが大外で持ち、コロ・ムアニがチャウの背後を狙ってトモリを動かし、カラブリアとトモリの間を狙ったムバッペにスルーパスが出るがメニャンが飛び出して防ぐ。

 ミランのビルドアップ。テオからジルーに縦パス。レオンが外から内に入って落としを受ける。

 18分、PSGのミドルゾーンビルドアップ。ハキミが高い位置を取り、ザイール=エメリが右に降りてムサを釣り出し、ムサの背後にデンベレが降りて受けて前を向き、レオンの背後を取ったハキミにスルーパス

 21分、退屈そうなノエル・ギャラガー

 24分、カラブリアからロフタス=チークへのパスをウガルテがカット。ヴィティーニャがキープし、ザイール=エメリから左に開いたコロ・ムアニにパス。コロ・ムアニから中央を抜け出すムバッペにパスが出るが、ムバッペはシュートミス。

 26分、PSGミドルゾーン保持。デンベレからハキミを裏に走らせ、ザイール=エメリがサポート。さらにデンベレが内側で受けて左足のコントロールミドルシュートを撃つがバーに弾かれる。こぼれ球をヴィティーニャが拾い、コロ・ムアニがウガルテに下げるがズレてウガルテのトラップが流れると、ロフタス=チークが奪ってミランのカウンター。ロフタス=チークが運び、左に開いたジルーが撃つがサイドネット。

 31分、ザイール=エメリからムサがセンターサークル内でボールを奪いカウンター。レオンが倒されてFK。トモリが直接狙うがドンナルンマがセーブ。

 36分、ラインデルスが中央を運んでレオンに展開。レオンがカットインから撃つが枠の左に外れる。

 39分、カラブリアからリュカの背後に抜け出したプリシッチにフライスルーパス。シュートを撃つがサイドネット。

 44分、ミランのビルドアップ。自陣PA内でムサがハキミに奪われるがメニャンがカバー。

 45+1分、1-1で前半終了。

 

 47分、ジルーのインターセプトからミランが攻撃。ラインデルスがヴィティーニャをかわし、中央でジルーとのワンツーからPA内に持ち込んで左足で撃つが枠の右に外れる。

 49分、左から運び、ラインデルスがプリシッチに展開。プリシッチのクロスが流れ、テオが拾ってクロスを上げると、ジルーが頭で合わせて逆転。2-1

 59分、PSG3枚替え。イ・ガンインはそのままIHに入る。

 62分、ロフタス=チークが運んで倒されてFK。テオが直接狙うがドンナルンマがファインセーブ。

 68分、セカンドボールの奪い合いからゴンサロ・ラモスとのワンツーで左サイドを突破したムバッペが角度のないところから撃つがメニャンがセーブ。

 79分、デンベレ、ハキミ、ザイール=エメリにテオ、ムサ、チャウで対応し、ロフタス=チークとジルーが下がってスペースを埋め、中に運んだハキミからジルーが奪い、レオンが運んでファウルを受ける。

 84分、クルニッチがムサと同じ位置に入る。

 メニャンのロングボールをジルーとハキミが競って流れたボールをオカフォーが拾い、コントロールシュートを撃つがドンナルンマがファインセーブ。

 85分、ミランの右CK。プリシッチのアウトスイングのボールをニアでクルニッチが逸らし、ロフタス=チークが頭で合わせるがシュクリニアルがブロック。最後はオカフォーが左足で撃つが枠の上に外れる。

 88分、イ・ガンインが左から右ハーフスペースに移動してハキミからパスを受け、ジルーをかわして左足で打つが右ポストに弾かれる。

 89分、PSGはムキエレがRCB、マルキーニョスがLCB、ザイール=エメリがLSB、バルコラがLWG、イ・ガンインがボランチの超攻撃的4-2-4。

 90+1分、プリシッチがハムストリングを痛めて交代。フロレンツィが同じ位置に入るが5バック気味。

 90+8分、2-1で試合終了。

 

ミラン

 

 前回対戦はプレスに行って空いたスペースを使われて完敗を喫したが、今回はプレスを控えて全員でコンパクトに守り、レオンとロフタス=チークの推進力を活かして魂の逆転勝利を掴み取った。首位と2ポイント差の3位に浮上。

 CLでの逆転勝利は2009年のレアル・マドリー戦以来らしい。

 

 昨季のナポリ戦を彷彿とさせるミドルゾーンの守備からカウンター勝負がハマった。得点はカウンターではないが、決定機を作り、タクティカルファウルを誘発した。中盤をマンツーで見ながら全体をコンパクトにセットして、CBが一人余ってムバッペやデンベレのドリブルと中盤のマークのズレをカバーした。押し込まれてもロフタス=チークとジルーがプレスバックしてコンパクトさを維持することで、また全員が前向きで守備をできる状況を作っていた。レオンが守備に戻る回数や、深い位置で守備をする場面の多さも過去最多だったのではないか。それだけ全員が気持ちを強く持って意識高く守ることができた。

 ピンチの大半は中盤でのボールロストからのカウンターで、崩されてPA内で撃たれたのはイ・ガンインのポストに当たったシュートくらいだった。ジルーがPA内に下がっている特殊な状況かつ、イ・ガンインが自分で展開して大胆にレーンを跨いで来たのでフリーで受けさせてしまった。

 CKの失点はロフタス=チークのミスであるのは間違いないが、トモリがチャウのマーカーのコロ・ムアニにブロックされてマルキーニョスにフリックされたことも見逃せない。

 保持は序盤から右サイドはDFラインの裏を狙う意識が高く、カラブリアも積極的に攻撃参加し、ムサも顔を出すことが少なくなかった。特にロフタス=チークの存在感が大きく、ウガルテとのミスマッチも活かすことができた。プレスを受けてもメニャンがムバッペを引き出してトモリが開いてフリーで受けることもできたので右サイドは安定していた。

 左サイドはムサが低い位置で受けることでハキミが前に出てくるプレスを裏返すことに成功した。同点弾はレオンの個人技からではあるが、勝算があり、一気に決定機に持っていける状況を作ることができた。

 両WGとテオに加えて、中盤の3人が全員運べる選手だったのはプレス回避でもカウンターでも効果的だった。ボックストゥボックスでも良いが、やはりラインデルスは低い位置から剥がして運んで展開する姿に魅力を感じる。次のドルトムント戦もこの3人で行きたいがムサが出場停止。

 

 ジルーがCLでのフランス人史上最年長得点者になった。2試合連続フル出場お疲れ様です。

 レオンよ、守備すると疲れるやろ。でも、守備して讃えられるのも、守備頑張って勝つのも気持ちええやろ。これからも頼んだで。

 

 次は中3日でアウェイのレッチェ戦。今回の勝利は非常に大きいが、不調の最中に迎えたPSG戦を特殊なメンタルと戦術で戦ったので、根本的な問題の解決には繋がらないと思われる。よって、次戦の振る舞いと結果が重要になる。

 

PSG

 

 前回対戦の後半に効果を発揮した4-3-3で始めたが、前回対戦ほどスペースを与えてもらえずに前線が詰まらされた。

 ドンナルンマのセービング力は流石に凄い。

 

主審 Jesus Gil Manzano (ESP) VAR Juan Martinez Munuera (ESP)

 

 特になし。PSG側は厳しいと感じるイエローカードもあったと思う。