自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24コッパ・イタリア 準々決勝 vs アタランタ(H) 怒涛の修正に屈する

 

 カンピオナートのアウェイゲームで5試合ぶりに勝利を挙げたミランは中2日で先月敗れた相手に挑む。

 アタランタはカンピオナートは9勝3分7敗、30得点21失点で6位。前回対戦で2Gを奪い、チームトップスコアラーのルックマンがアフリカネーションズカップで欠場。カンピオナートのアウェイゲームは4試合連続勝利がない。 

 

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エンポリ戦後の2日間

 エラス・ヴェローナからテラッチャーノを28年6月末までの契約で獲得。報道によると移籍金は€4.5m+ボーナス1m、年俸は€0.8m。

 

 Optaが選出する前半戦ベストイレブンにプリシッチが選ばれた。

 

 ダニエル・マルディーニエンポリへのローンを取り消してモンツァへローンで移籍。

 

先発&フォーメーション

 ミランはトモリ、カルル、チャウ、ポベガ、オカフォー、スポルティエッロ、フロレンツィ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。ベナセルとチュクウェゼがアフリカネーションズカップで欠場。クルニッチが招集外。プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、ヒメネス、ゼローリ、チャカ・トラオレがメンバー入り。

 アタランタはハテブール、エル・ビラル・トゥーレが負傷欠場。ルックマンがアフリカネーションズカップで欠場。

 

スタッツ&控え

MILAN VS ATALANTA

 

ハイライト


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流れ

 

 3-4-2-1ほぼマンツーマンプレス同士。ミランは4-2-3-1、4-3-3もできるメンバー。アタランタは前回対戦の後半に機能したデ・ケテラーレとコープマイネルスをシャドーに配置する形。

 ミランはメニャンで余裕を持ってボールを持つ。ガッビアが高めでラインデルスが降りてくる動きが多い。アタランタはデ・ローンがラインデルスにきっちりついてくる。前線も中盤もプレスバックを怠らずにコンパクト。

 アタランタのビルドアップはWBが低い位置でWBを釣り出して、シャドーがWBの裏で受けて起点を作ろうとする。ミランはCBからGKに下がるとそのままGKまでプレスに行く。ボールサイドと逆のWBは中に絞ってシャドーを見る。

 ミランの保持が長い。アタランタパスミスが多い。

 14分、デ・ケテラーレとミランチュクがポジションを入れ替える。

 25分、コープマイネルスとミランチュクがポジションを入れ替える。

 35分、ムサがカウンターで運ぶがコラシナツに奪われる。ミランチュクがインスイングクロスをファーに上げて、フリーのデ・ケテラーレの折り返しにデ・ローンが飛び込むがガッビアと頭同士で激突。両者交代。PKをアピールしたガスペリーニが退席処分。

 44分、メニャンがキャッチしてラインデルスへ。ラインデルスが一人かわしてレオンに展開。ハーフスペースを上がってきたテオが受けて、テオのマイナスの折り返しをレオンが右隅に流し込む。1-0

 45+1分、キックオフ後、右サイドで繋ぎ、ミランチュク、デ・ケテラーレからホルムが裏に抜け出して折り返しを中に入ってきたコープマイネルスが右足で流し込む。1-1

 45+4分、カルネセッキのロングボールからデ・ケテラーレが落とし、パシャリッチが中央を運び、ミランチュクからラストパスを受けて撃つがカラブリアがブロック。

 45+6分、1-1で前半終了。

 保持率59%-41%。シュート数3(2)-4(1)。

 

 後半からアタランタはデ・ケテラーレが保持時にサイドに流れて起点を作る動きが増え、被保持はプレス時のDFラインが上がり、ライン間のスペースを狭くする。

 ミランはプレスに捕まりやすくなり、ミスとボールロストが増える。

 56分、アタランタのビルドアップ。低い位置のルッジェーリからデ・ケテラーレにパス。デ・ケテラーレの落としを左サイド裏に走ったコープマイネルスが受けて右のミランチュクにサイドチェンジ。ヒメネスミランチュクを引っ掛けてPKの判定。

 58分、コープマイネルスが決める。1-2

 72分、ミランはRWBにプリシッチ、LDHにアドリ、RDHにムサが入り、保持はシミッチとテラッチャーノがSBの4-2-4に変更。

 90+5分、1-2で試合終了。ミランテが異議で退場。

 保持率65%-35%。シュート数7(3)-7(4)。

 

ミラン

 

 前半はマンツーマンで付いてくる相手に対して、メニャンで時間を作り、ラインデルスが降りてデ・ローンを釣り出したところをいなし、ヒメネスやプリシッチがライン間のフリースペースに大胆に移動してボールを受けることで攻撃のリズムを作っていた。ただ、左はテオの持ち上がり、ラインデルスのスペースメイクとドリブル、ヒメネスとレオンのレーンチェンジなど相手を撹乱する要素があった一方、右サイドはムサとロフタス=チークの役割が悪い意味で曖昧だったように感じる。走れるからと言ってムサをサイドで起用するのはそろそろやめてほしい。

 ネガティブトランジションもプレスも基本的には機能しており、内容は悪くないがチャンスは多くないなかでミランらしい見事なカウンターアタックが炸裂して先制したときは思わずガッツポーズが出た。しかし、直後に失点。ヒメネスがホルムに吹っ飛ばされ、ムサもカラブリアもコープマイネルスを捕まえられなかった。

 追いつかれてからは後半に入っても明らかにアタランタが元気で、攻守にアグレッシブになった相手に主導権を握られた。中盤に前半ほどスペースがなかったのでボールを繋げず、デ・ケテラーレのポストプレーを抑えられない悪い流れのなかで疑問の残るPKで逆転を許した。その後はアタランタがペースを落とし、攻撃の時間が増える。終盤の4-2-4はアドリが積極的に前線にボールを入れ、テオもテラッチャーノと入れ替わって上がるが形はあまり作れず。最後は微妙なハンドを取ってもらえずに終戦。タイトルの可能性を一つ失った。

 

 61分からテラッチャーノとシミッチを投入したタイミングで4-2-3-1に変更し、RSBテラッチャーノ、LSBテオ、ラインデルスとムサのボランチ、ロフタス=チークをトップ下にして、最近機能していた形を見たかった。でも、被保持の3バックは崩したくないという気持ちもわかる。そう考えると、被保持は3バックでCB、保持は4バックでボランチに入れる選手がいると助かる。

 ヒメネスは非常に積極的な姿勢は良かったが、ホルムとのフィジカル差は厳しかった。PKは可哀想。どんどんチャレンジして成長してほしい。

 

 次は中3日でホームローマ戦。ルカクは前後で挟みましょう。

 

アタランタ

 

 前回対戦で機能した形から前線の並びを前半の内に2回入れ替え、後半から攻守ともに改善させて逆転に導いた。

 デ・ケテラーレの使い方が上手くて羨ましい。

 どこにでもいるエデルソンは個人的に前半戦のベストMFだと思っている。

 

主審 MARCO DI BELLO VAR PAOLO VALERI

 

 アタランタのPKはヒメネスが足よりも先にボールにチャレンジして掻き出しているのにファウルなったのは何故?明白な間違いではないのか。

 最後のハンドは良い映像がないのでなんとも言えない。