23-24セリエA第11節 vs ウディネーゼ(H) ママぁ、5-3-2の攻略本買ってぇ
強敵との3連戦で1勝もできず、負傷者も増えてしまったミラン。中5日空いて今節からの3連戦は3連勝が求められる。
ウディネーゼは0勝7分3敗、6得点14失点で17位。成績不振により9節でソッティルを解任し、一昨季に途中就任して好成績を残したチョッフィが前節から指揮を執っている。ミッドウィークのコッパ・イタリアは主力をベンチにも入れずに温存し、延長戦でカリアリに敗れた。カンピオナートは現在4試合連続引き分け中。3敗の相手はユヴェントス、フィオレンティーナ、ナポリで格上にしか負けていない。プレス強度は低いが、ゴール前は堅いので失点は多くはないだけに、前回の指揮でデウロフェウを中心に攻撃力を爆上げしたチョッフィの手腕に期待がかかる。
- シュート数は8位だが、6得点はワースト2位タイ。オープンプレーゴール期待値9.25に対して3点のみ。
- パス成功数17位、キーパス数5位、ファイナルサードのパス数16位タイ。
- ドリブル数3位。
- オープンプレー被シュート数は少ない方だが、期待値と失点数は多い方。
- 1試合平均走行距離最短。
- 過去10シーズンのセリエAの対戦成績はミランの8勝6分6敗。サン・シーロではミランの5勝4分1敗。
- ピオーリはウディネーゼ戦通算10勝8分6敗。チョッフィはvsピオーリ兼ミラン戦通算2分。
- ミランはレビッチ、ウディネーゼはロドリゴ・ベカンと相性の良い選手が退団した。
チョッフィ時代の2試合の記録。どちらも苦戦していた。
ナポリ戦後の5日間
前節負傷交代したカルルが左大腿直筋腱の完全断裂を修復する手術を受けた。全治約4ヶ月。
𝑷𝒊𝒆𝒓𝒓𝒆 𝑲𝒂𝒍𝒖𝒍𝒖
— AC Milan (@acmilan) 2023年11月2日
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先発&フォーメーション
ミランはベナセル、カルル、テオ、プリシッチ、ケアー、チュクウェゼ、スポルティエッロ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。ロフタス=チークがベンチに復帰し、プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、ヒメネスがベンチ入り。
ウディネーゼはデウロフェウ、クリステンセン、エボッセ、エヒジブエ、ブレンネル、ヴィヴァウドが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
強めの雨。
ミランは被保持はムサがRWBの5-2-3。ビルドアップはカラブリア、チャウ、トモリの3バックでムサとレオンが幅を取り、クルニッチがアンカー、フロレンツィが内側、ラインデルスがトップ下気味。
ウディネーゼのビルドアップはワラセがカバセレとビヨルの間に降りる。ミランはクルニッチがワラセ、ラインデルスがサマルジッチ、カラブリアがパジェロをマーク。ウディネーゼは3-1-6のような形でサクセスにロングボールやロブパスを積極的に入れ、ボールを見るために後ろ向きになるミランの守備者の背後を取って前に走る。
3分、基本は5-3-2でミドルゾーンに構えるウディネーゼ。フロレンツィが外低めの位置を取るとエボセレがMFラインに出て4-4-2のようになる。カラブリアからそのエボセレとペレスの間のレオンにロングパス。
ミランは2トップ脇から運ぼうとする。左のトモリがボールを持つことが多い。
8分、トモリからのパスをカラブリアがトラップミス。パジェロが奪い、中央のサクセスに入れ、サクセスが左サイドのスペースに走り込むゼムラにスルーパス。ゼムラの折り返しは合わないが、フロレンツィの中途半端なボールタッチのこぼれ球をロベルト・ペレイラが撃つが枠を捉えられない。
9分、ミランのゴールキックに4-2-4vs4-2-4でプレスを掛けるウディネーゼ。ミランはジルーへのロングボールでファウルをもらう。
自陣に構えてミランのミスをサクセス、ロベルト・ペレイラ、WBでカウンターに持っていくウディネーゼ。
24分、カラブリアがパジェロとワラセの間を上がり、ラインデルスからパスを受けてミドルシュートを撃つがシルヴェストリがセーブ。
33分、トモリからワラセとサマルジッチの間を通してヨヴィッチに縦パス。ヨヴィッチから展開を受けたムサがカットインから左足でミドルシュートを撃つがシルヴェストリがセーブ。
37分、フロレンツィが内側でクルニッチに預けて前線に行く。クルニッチがレオンに展開し、レオンのインスイングアーリークロスをジルーとヨヴィッチの間でフリーのフロレンツィがターンして撃とうとするが届かない。
45分、チャウから2トップの間で受けたクルニッチ。内側のフロレンツィに繋ぎ、フロレンツィがワンタッチでライン間のラインデルスにパス。ラインデルスが前を向いて中央を運ぶが出しどころがなく止められる。
45+1分、0-0で前半終了。
後半からミランは予想通りの2枚替え。ただ、クルニッチはパフォーマンスではなく負傷が理由の模様。2トップはジルーが左でオカフォーが右。ビルドアップは4-1-ラインデルス-4といった感じ。
46分、ウディネーゼの左CK。サマルジッチのアウトスイングのボールをサクセスがニアで逸らし、カバセレが詰めるが枠の上に外れる。
47分、ゴールキックからカラブリアがジルーにロングボール。中央でジルーが収めてオカフォーに落とし、オカフォーからラインデルスにスルーパス。ラインデルスがチップショットを狙うがミス。
59分、ウディネーゼが左サイドからスローインやファウルでゴリゴリと前進し、右サイドのエボセレに展開。縦突破を警戒するフロレンツィに対してカットインでPA内に侵入し、ラインデルスとアドリの間に割って入るとアドリの足に引っかかってファウルでPK。
62分、ロベルト・ペレイラが決めてウディネーゼが先制。0-1
69分、ウディネーゼの右CK。サマルジッチのインスイングのボールをファーでサクセスがカラブリアを抑え込んで合わせるがメニャンがファインセーブ。
82分、レオンの放り込みからウディネーゼがカウンター。左に開いたサクセスからチャウとトモリの間を抜け出すトヴァンに右足アウトでスルーパス。トヴァンが撃つがトモリがブロック。
89分、レオンのインスイングアーリークロスをジルーが肩で合わせるがシルヴェストリがファインセーブ。
90+1分、押し込むミラン。ルカ・ロメロがカットインからゴール前の密集の手前のロフタス=チークにパス。ロフタス=チークがワンタッチで密集に入れ、オカフォーがシュートフェイントでカバセレを滑らせるが、ロベルト・ペレイラが戻ってボールを掻き出す。
90+3分、カラブリアのロングスロー。カバセレのクリアを中央でフロレンツィがワンタッチミドルボレーシュートを撃つがシルヴェストリが弾き出す。
90+7分、0-1で試合終了。
ミラン
引いた相手を破壊できず、勝てる気も負ける気もしなかった”無”の試合に敗れ、中断明け公式戦4試合未勝利。試合後はブーイングも多く、クルヴァ・スッドの下に挨拶に行った選手も、カラブリア、メニャン、フロレンツィ、ポベガ、チャウ、アドリ、ロフタス=チーク、ルカ・ロメロだけで、チームは空中分解の危機にさらされている。
4-4-2で図を作ったが、実際に4-4-2と言える場面はゴールキックのビルドアップ時くらいで、保持、被保持ともに3バックで大半の時間を過ごした。しかし、ただでさえジルーとヨヴィッチが実戦で2トップを組むのがほぼ初めてで連係も相性もないうえに、試合開始から2トップだったことで、周りも崩したり展開することよりもクロスを2トップに届けることを優先して単調で相手にとって守りやすい攻撃になってしまった印象。結果論だし、RWGのプリシッチとチュクウェゼが起用できない故の決断だったはずだが、ルカ・ロメロ先発の4-3-3で普段通りに入ったほうが良かったのではないか。
保持はカラブリアが残って3バックになり、左のトモリからのビルドアップが目立った。トモリが供給役を担い、フロレンツィ、ラインデルス、レオンが左寄りに集まってヨヴィッチとジルーがPA内でボールを待っていたが、エボセレ、ペレス、サマルジッチ、ワラセに封じられ、左サイドを崩し切ることも、左サイドに相手を寄せて逆サイドに展開することも、CFに当てて侵入することも効果的にできた場面はごく僅かしかなかった。フロレンツィの定まらないポジショニングはウディネーゼよりもミランに悪影響をもたらしていたかもしれないし、そもそもレオンのサイドに細かい崩しは求めてはいけないか。右から運んで左サイドのレオンにスペースを与えるのが最も効率が良いに決まっている。
ミランが左サイドでボールを持っているときのウディネーゼのLIHのパジェロのポジショニングがカラブリア寄りで、ボールサイドに寄るワラセとの間に大きなスペースができていた。24分のカラブリアがミドルシュートを撃った場面は上手く入っていったが、もっと効果的に活用する方法を見つけたかった。
持たされて5バックで守られればどんなチームでも苦戦するはずだが、ミランはDFラインの前でのプレーばかりで、DFの体の向きや視界を動かすための手数をかけなさすぎだと思う。ポゼッションで大きく上回ったが、PA内のボールタッチ数にほとんど差がなかったことにも顕れている。インテル、ユヴェントスと5-3-2のチームに負け続けるのは偶然じゃない。例えば、ハーフスペースの深い位置を取りに行くだけでCBは動かざるを得ないし、そこに中盤の連動がないとライン間が広くなる。そのようなちょっとしたズレからジリジリとPA内に侵入していく嫌らしい攻撃ができるようになって欲しい。
次は火曜日にホームのPSG戦。チーム状態も順位も厳しすぎる状況だがやるしかない。プライドを見せてくれ。
ウディネーゼ
今季初白星。
フリーステップアップ失敗で出戻りのロベルト・ペレイラがキャプテンで良いのか?
主審 Juan Luca Sacchi VAR Eugenio Abbattista
大きな不満が一つある訳ではなく、小さな不満が嵩んで煮えきれない気持ちにさせられる。PKは最初はないと思ったが、リプレイを見れば納得。