23-24セリエA第16節 vs モンツァ(H) 奇策的中
公式戦で勝ったり負けたりを繰り返しているミラン。ミッドウィークのCLでレオンとオカフォーが復帰し、今節はカラブリアが出場停止だがケアーが10月末以来の復帰を果たすなど、徐々にスカッドの厚みが戻ってきた。
モンツァは5勝6分4敗、16得点14失点で9位。前節は4試合ぶりの勝利だった。今季は昨季と比較して決定機不足による得点力不足が目立っている印象で複数得点が3試合しかない。センシやカルロス・アウグストの退団に加えて、カプラーリの長期離脱とその代わりに獲得したパプ・ゴメスの長期出場停止の影響はあまりにも大きい。
- 得点数12位。ゴール期待値14位。シュート数7位。セットプレー得点期待値19位。
- ポゼッションタイム3位。パス数5位、キーパス数8位、ファイナルサードのパス数5位。ロングボール成功数5位。ドリブル数最少。
- クロス成功数5位。CK数2位。
- 失点数4位。
- オープンプレー被シュート数14位タイ。セットプレー失点期待値18位。
- セーブ数最多タイ。
- リカバリー数最少。ガリアルディーニが8位タイ、ペッシーナが11位タイ。
- インターセプト数16位。タックル成功数18位。クリア数12位。
- プレス強度指数13位。
- 1試合平均走行距離3位。ペッシーナが5位、ガリアルディーニが9位。
- 過去10シーズンのセリエAの対戦成績はミランの2勝。(昨季が初対戦)
ニューカッスル戦後の3日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはムサがウイルス性疾患で欠場。カルル、チャウ、スポルティエッロ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、ヒメネスがメンバー入り。
モンツァはカプラーリが負傷欠場。パプ・ゴメスがドーピング違反容疑で出場停止。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
ミランはポベガがLIBに入る3-4-3でモンツァとシステムを噛み合わせる。保持時はフロレンツィがラインデルスとダブルボランチを組む3-2-5。右はプリシッチ、左はレオンが幅を取る。被保持は噛み合う配置のままボールサイドの相手を捕まえるプレス。ポジションチェンジには受け渡しで対応。
モンツァはコルパニがラインデルスを見つつポベガにプレス。ロフタス=チークとプリシッチをカルボーニとキリアコプーロス、テオとレオンをダンブロージオとペドロ・ペレイラが状況を見ながら受け渡す。保持時は降りる動きと飛び出す動きでマークをずらし、ペッシーナが広範囲に顔を出す。
2分、レオンが展開し、縦に突破したプリシッチのクロスにジルーが頭で合わせるが枠の上に外れる。
モンツァがゴールキックから繋ぎ、縦パスの落としをジルーがプレスバックで奪う。ラインデルスが中央をドリブルで抜け出し、爪先でゴールに蹴り込む。1-0
4分、モンツァのビルドアップ。ポジションチェンジでマークをずらし、ジルーに付かれたペッシーナがワンツーで右サイドをフリーで抜け出してゴール前へ。
7分、ハーフウェイラインで受けたレオンが内側のテオとのワンツーで左サイドを突破。深い位置まで運び、折り返しをテオが撃つがディ・グレゴリオがセーブ。
15分、ガリアルディーニがコルパニとのワンツーで中盤中央を突破。モタの折り返しをコロンボが撃つがサイドネット。
23分、ポベガが負傷交代。シミッチがデビュー。トモリがLIB、シミッチがRIBに入る。
モンツァはコルパニが右に開いてテオをピン留めし、ペドロ・ペレイラをフリーにしたり、ダンブロージオが上がってくることで右サイドから保持して押し込む時間も少なくないが、ミランがケアーを中心に集中して守る。
39分、トモリから内側のレオンに縦パス。レオンがジルーにフリックし、ワンツーで落としを受け、右サイドを上がってきたフロレンツィにスルーパス。フロレンツィが撃つがディ・グレゴリオがファインセーブで防ぎ、ミランのCK。
40分、ショートコーナーで繋ぎ、テオがキープし、中央のラインデルスから右のレオンにパス。レオンが前を向いて速いグラウンダーで折り返すとシミッチが飛び込んで押し込む。2-0
43分、ロフタス=チークがラインデルスとのワンツーで中盤を突破。プリシッチが左足でコントロールシュートを撃つがバーに弾かれる。
45+2分、2-0で前半終了。
後半のモンツァはガリアルディーニが右に流れてラインデルスを釣り出そうとする動きが増える。被保持はハイプレスをかけて蹴らせるように変更。
ミランはプレスは控えめで保持の可変も見られない。
53分、モンツァはRWBにチュリーアが入り、LWBにペドロ・ペレイラが移動。
60分、押し込むモンツァ。ラインデルスとロフタス=チークが釣り出され、カルボーニのクロスをライン間でフリーになったペッシーナが胸で収めてシュート。こぼれ球をコルパニが撃つがメニャンがファインセーブ。
65分、モンツァが左サイドに人数をかけて押し込み、ペドロ・ペレイラのファーへのインスイングクロスにチュリーアが合わせるが枠を捉えられない。
67分、ミランは3枚替え。トモリがCB、テオがLIB、バルテザーギがLWBに入る。
72分、バルテザーギのスローインをジルーがオカフォーにフリックし、オカフォーがダンブロージオと入れ替わってコントロールシュートを撃つがディ・グレゴリオがファインセーブ。
75分、中央でラインデルスが奪われかけるがベナセルがリカバー。ベナセルからパスを受けたラインデルスがアクパ=アクプロをかわしてゴール前のジルーにロブパス。ジルーの落としをオカフォーが流し込む。3-0
79分、オカフォーが負傷交代。
90+4分、3-0で試合終了。
ミラン
まさか、ポベガをDFラインに入れてミラーゲームにしてくるとは思わなかった。奇策がハマって、モンツァの選手たちが混乱している試合開始早々にラインデルスが個人技で先制点を取ってくれたのが大きかった。
モンツァが5-1-2-2気味でミランのIBがフリーになる場面が多く、3-2でボールと相手の中盤を動かし、縦パスやサイドから斜めの楔を入れることができていた。試合を通して相手の背後に走り込む意識も全体的に高かったように感じた。
プレスはモンツァに上手く出し抜かれた場面もあったが、中央の3-2の集中力が高く、コンパクトにゴール前を固め、60分のピンチはメニャンがファインセーブで凌いだ。レオンがダンブロージオについていかないので左サイドは同数での対応が多くなり、一人かわされると難しい状況になるが、ケアーが冷静にカバーしてくれた。
ピオーリは3バックで合わせることや左利きのCBを置くことに味を占めてきたのか。
ラインデルスが全得点に絡み、攻守でハードワークする大活躍。ラインデルスがアンカーとIHに一人ずつ欲しかったが、ベナセルが復活したのでどちらが前でも後ろでも良い最高のデュオになってほしい。
ケアーが復帰してコロンボを抑え込む上々のパフォーマンス。
シミッチがデビュー戦で得点を記録。ビルドアップ時のポジションの取り直しの速さが良い。
ポベガは新しい役割のチャンスをもらったが無念の負傷交代。もっと見てみたかった。オカフォーは仕事後に再離脱。
次はフライデーナイト、中4日でアウェイのサレルニターナ戦。例年ならこの後はクリスマス小休暇だが、今季は再来週も試合がある。
モンツァ
試合の入りが緩く、全体的に単純なミスも少なくなかった。
結果的に保持率もシュート数もミランを少し上回り、押し込む場面も多かったが、質不足は否めなかった。
主審 GIANLUCA AURELIANO VAR DANIELE PATERNA
フロレンツィが思いっきり引っ張って止めかけた場面は、流した後にカードを出して欲しいというパッラディーノの主張がごもっともだと思う。