23-24セリエA第15節 vs アタランタ(A) 苦難
負傷者が多い中でもセリエAでは連勝を収め、3位を維持しているミラン。
アタランタは6勝2分6敗、21得点16失点でミランとは9ポイント差の8位。セリエAは直近4試合未勝利。ホームでインテルとナポリに敗れ、前節はアウェイでサパタの恩返しを食らってトリノに3-0で敗れた。良いスタートを切ったように見えたデ・ケテラーレも10月以降は得点の関与がない。
- ポゼッションタイム9位。パス数9位、キーパス数8位、ファイナルサードのパス数5位。ドリブル数6位。
- クロス成功数2位。CK数3位タイ。
- オフサイド数3位タイ。
- コープマイネルスがキーパス数5位タイ。ファウル数3位。
- オープンプレー被シュート数最少。
- リカバリー数最多。エデルソンが8位、デ・ローンが9位。
- インターセプト数最多。タックル成功数14位。クリア数16位。
- プレス強度指数5位タイ。
- ファウル数3位(多)。イエローカード数19位(少)。
- 1試合平均走行距離4位。
- 過去10シーズンのセリエAの対戦成績はミランの7勝7分6敗。現在はミランが5試合連続無敗。アタランタのホームに限ると、ミランの4勝3分3敗だが、通算スコアは16得点、16失点の五分。
- ピオーリはアタランタ戦通算12勝9分7敗。ガスペリーニはミラン戦通算8勝9分12敗。ピオーリvsガスペリーニはピオーリの11勝6分7敗。
フロジノーネ戦後の6日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはカルル、チャウ、レオン、ケアー、オカフォー、スポルティエッロ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、チャカ・トラオレがメンバー入り。
アタランタはトロイ、スカマッカ、パロミーノ、エル・ビラル・トゥーレが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
ミランはボールサイドマンツーマンハイプレスと自陣でのブロック。アタランタは2トップで起点作り。
アタランタはミドルゾーンから人を捕まえるプレスとディフェンシブサードのブロック。ミランはフロレンツィがラインデルスとボランチを組み、3-2-5でビルドアップ。基本的にフロレンツィをパシャリッチ、ムサをデ・ローン、テオをデ・ケテラーレが見て、大胆な移動にもマンツーマンで付いていく。
3分、ジルーがポストプレーから左サイドのプリシッチに展開。プリシッチがジルーとのワンツーで突破。折り返しのこぼれ球をジルーが撃つがジムシティがブロック。
8分、デ・ケテラーレがポストプレーから左サイドのルックマンに展開。ルッジェーリのクロスをルックマンが落とし、ボールウォッチャーになったテオからフリーになったデ・ケテラーレがフリーで撃つが枠の上に外れる。
20分、ムサが右サイドに流れて撹乱を狙う。
26分、ミランの左CK。フロレンツィの速いボールをトモリがインサイドで合わせるがエデルソンがブロックしムッソがキャッチ。
37分、コープマイネルスがカラブリアの裏に走り込んでスローインを得ると、すぐにルックマンに投げる。ルックマンがロフタス=チークをブロックし、テオをかわして撃つと、トモリに当たってコースが変わりネットを揺らす。1-0
45+2分、ミランの右CK。フロレンツィのアウトスイングのボールをジルーが下がりながら頭で流し込み同点。1-1
45+3分、1-1で前半終了。
後半からアタランタはデ・ケテラーレがカラブリア、コープマイネルスがテオ、エデルソンがラインデルス、スカルヴィーニがロフタス=チークをマークし始める。保持ではデ・ケテラーレとコープマイネルスがWGのようにサイドで起点を作る。
46分、スカルヴィーニが上がって来たところで、ミランがボールを奪いカウンター。ロフタス=チークが運び、折り返しがジルーに通るが足が合わず。
49分、コープマイネルスのポストプレーからエデルソンが右から折り返し、フリーのパシャリッチが撃つがトモリがブロックし枠の左に外れる。
54分、アタランタが左サイドに人数をかけてDFを釣り出す。スカルヴィーニがルックマンに縦パスを入れ、ルックマンが左サイドでフリーのデ・ケテラーレへ。デ・ケテラーレのクロスをテオの背後を取ったルックマンが押し込んで勝ち越し。2-1
58分、ロフタス=チークがジルーの落としを受けて中央を運ぼうとするがエデルソンが奪いアタランタがカウンター。ルッジェーリがカラブリアの背後を取ったデ・ケテラーレにスルーパス。デ・ケテラーレがPA内に持ち込んで撃つが枠を捉えられない。
ミランはベナセルをRDHに投入し、ムサがRWG、ロフタス=チークがトップ下の4-2-3-1に変更。被保持は4-4-2気味でムサはルッジェーリに対応する。
71分、ミランは4-4-2に変更。
75分、ヨヴィッチへの縦パスをスカルヴィーニが奪いアタランタがカウンター。コープマイネルスから上がるスカルヴィーニにスルーパス。長くなってトモリがカバーするがスカルヴィーニが奪い、カラブリアもかわしてシュートを撃つ。メニャンが弾いたこぼれ球にルックマンが詰めるがメニャンが連続セーブ。
79分、プリシッチの左足平行グラウンダーの折り返しがジルーとカラブリアを抜けて流れてくるとヨヴィッチが合わせて同点。2-2
90+2分、カラブリアがミランチュクのドリブルを倒して2枚目のイエローカードで退場。
90+3分、ミランはムサがRSB、ヨヴィッチがRWGの4-4-1。
90+4分、ミランチュクのパスミスをプリシッチが奪うが、コントロールミスをミランチュクが奪い返す。コープマイネルスが右ハーフスペースに走り込んだミランチュクに入れ、ムリエルが落としを受けてバックヒールで流し込み勝ち越し。3-2
90+8分、3-2で試合終了。
ミラン
インテル、ユヴェントスに更に離されたが、このメンバーにどこまで求めるのかが難しい。
前半はミランが自陣でボールを保持する時間が長かったので、持たされている感もあったが、右サイドはカラブリアやロフタス=チークでルッジェーリやエデルソンを釣りだして背後を狙うこともできていたので悪くはなかった。しかし、後半からアタランタが保持も被保持も修正する。被保持はWGをWB、IHをIBが見る形に変えて前半にミランに使われていた左サイドのマークのズレやすさを解消。保持ではミランの両SBに対してキープできるデ・ケテラーレとコープマイネルスをマッチアップさせることで、前半の2トップではあまり作れなかった前線での貯めをサイドで作って押し込めるようになった。終盤のアタランタの中盤にギャップが生まれていた時間帯以外はチャンスの気配がなく、好きなようにやられてしまった。何故か2度追いついたが完敗だった。
ミランは保持時の流動性でマークを撹乱させようとしてフロレンツィ、テオ、ムサ、ロフタス=チークが色々な動きをしていたのは悪いことではなかったと思うが、今季はSBがボランチ化して3-2のビルドアップをするのはほとんど機能していない印象がある。4-1-2-3からボールサイドと逆サイドのSBが柔軟に中盤にヘルプに行く形や、ボールサイドのSBが内側に移動してCBからWGへのパスコースを作るのなら良いが、固定化してしまうとあまり移動の恩恵を感じない。
2失点目はフィオレンティーナ戦で苦しんだサイドに5人を集めるオーバーロードから。トモリがサイドに引っ張り出されて中央にスペースを空け、テオは簡単にマークを離してしまった。ミランも連動したアクションで崩したい。
右サイドは連携があったが、左サイドはプリシッチが孤軍奮闘。
ムサがアンカーでラインデルスがLIH、もしくはムサがRIH、ロフタス=チークがLIHの方が良かったかもしれない。というか、ポベガで良かったかもしれない。ムサは左だと右サイドにバグを起こしに行く面では良いが、左サイド高い位置での絡み自体が良くない。RIHなら降りたり、開いたり、飛び出したり縦横無尽なのに。WGをやらせるのも可哀想。
次は中3日でアウェイのニューカッスル戦。勝つことも2位になることも難しいがやるしかない。レオンは復帰できるのか。
アタランタ
見事な配置変更で勝利をもぎ取った。
エデルソンの攻守における運動量と堅実さが素晴らしかった。ルックマンはバネがあって身体の使い方もうまい。マークのズレに対するデ・ローンの対応力が流石。
デ・ケテラーレはデ・ケテラーレだった。ミラン時代からあのような決定機を外してしまうのは何故?左サイド起用推奨派だったので後半の躍動は複雑な気持ちだった。
主審 Federico La Penna VAR Valerio Marini
ヨヴィッチもベナセルのも序盤だったら出ていなかったカード。