自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24セリエA第14節 vs フロジノーネ(H) CBテオ

 

 3位のミランはミッドウィークのドルトムント戦に敗れたうえに、チャウの負傷でCBがトモリしかおらず、テオがCBで先発する苦しい台所事情。

 

 昇格組で若手主体のフロジノーネは5勝3分5敗、19得点21失点で9位。後方からCBと中盤でビルドアップして、スレを起点にSBも積極的に駆け上がって攻撃を展開する能動的な戦いで好成績を収めている。しかし、5勝は全てホームで、アウェイでは2分4敗、5得点11失点と極端に差がある。

  • セットプレーシュート数19位、得点数2位タイ。
  • 枠に当てた回数12回で最多。
  • ポゼッションタイム11位。パス数10位、キーパス数18位、ファイナルサードのパス数11位。ドリブル数5位。
  • スレは得点ランク4位タイの6得点(PK1)、枠に当てた回数最多の5回、キーパス数2位。
  • オープンプレー失点期待値最多。セットプレー失点数4で18位。
  • セーブ数3位。
  • リカバリー数8位。バレネチェアが2位タイ。
  • インターセプト数19位。タックル成功数15位。クリア数2位。
  • プレス強度指数11位タイ。敵陣でボールを奪った回数4位。
  • ファウル数最少。
  • 1試合平均スプリント距離3位。
  • 過去10シーズンのセリエAの対戦成績はミランの2勝2分。
  • ピオーリはフロジノーネ戦通算4勝3分3敗。ディ・フランチェスコミラン戦通算5勝1分9敗。ピオーリvsディ・フランチェスコはピオーリの6勝1分4敗。

 

ドルトムント戦後の3日間

 

 特になし。

 

先発&フォーメーション

 ミランはジルーが2試合出場停止の2試合目。カルル、チャウ、レオン、ケアー、オカフォー、スポルティエッロ、ペッレグリーノ、カルダーラが負傷欠場。プリマヴェーラからナヴァ、バルテザーギ、シミッチ、ヒメネス、チャカ・トラオレ、カマルダがメンバー入り。

 ベナセルが7ヶ月ぶりにベンチ入り。

 フロジノーネはマッツィテッリ、ハルイ、マルキッザ、リローラ、カライが負傷欠場。

 

スタッツ&控え 

MILAN VS FROSINONE

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランのプレスは4-2-3-1。フロジノーネは保持時は4-1-2-3で右サイドはブラビアとモンテリージが高い位置に行き、スレがその動きで空いたスペースに降りたり、チュニがSBの裏に流れたり、左サイドはオヨノが高い位置を取り、ヘイニエウが降り、イブラヒモヴィッチやチュニが内側で縦パスを受けて起点を作る。

 フロジノーネは4-4-2で高い位置からプレスに行く。バレネチェアがアンカーのラインデルスを捕まえに行く。ミランは右サイドのロフタス=チークが低めでオコリを釣り出し、左サイドのムサとフロレンツィが高い位置を取る。フロジノーネの中盤のギャップやWGでSBを釣りだした背後をSBが狙う。

 20分辺りからミランがペースを掴み始める。

 28分、フロジノーネはブロック守備をヘイニエウを落とした4-5-1に変更。

 34分、トモリからヨヴィッチへロングボール。ヨヴィッチが収めてロマニョーリを釣り出し、CBがいなくなった中央のスペースにムサが走り込んでスルーパスを受けてシュートを撃つが左ポスト。オフサイド

 41分、チュクウェゼのバックパスを受けたトモリがトラップミス。チュニが奪い、メニャンと1vs1になるがメニャンがセーブ。

 42分、ロマニョーリのパスをプリシッチがインターセプト。ロフタス=チーク、チュクウェゼとつなぎ、プリシッチへのクロスをロマニョーリが弾いたこぼれ球をヨヴィッチがボレーで蹴り込みミランが先制。1-0

 45+1分、1-0で前半終了。

 

 後半のミランはフロレンツィがミドルゾーンでラインデルスの脇に立つ場面が増加し、ロフタス=チークは前に行って3-2-5。

 49分、メニャンからDFラインの裏に抜け出したプリシッチへロングパス。プリシッチが見事なトラップから加速し、トゥラーティの肩を抜く冷静なシュートを流し込む。2-0

 63分、ムサがRWG、アドリがアンカー、ラインデルスがLIH。

 72分、アドリとポジションチェンジをしたテオが中央でアドリからパスを受けて敵陣PAまで運び、ラインデルスの折り返しがブロックに遭いCK。

 73分、上述の左CK。プリシッチがテオにバックパス。テオのアーリークロスをファーでヨヴィッチが折り返し、ゴール前でトモリが押し込む。3-0

 78分、ポベガがLIH、ベナセルがRIH、チャカ・トラオレがLWG。

 81分、フロジノーネが右サイドからFK。ブレッシャニーニのインスイングのボールが誰も触れずにゴールに吸い込まれる。3-1

 85分、フロジノーネはオヨノがRSB、ジェッリがLSBの4-2-4。

 90+5分、3-1で試合終了。

 

ミラン

 

 直近の2試合よりはプレスの比重を高めた試合の入り。サイドのポジションチェンジにかわされる場面もあったが、CBのカバーが光っており、それほど危険な場面を作らせなかった。4人までの関係だったのでなんとかなっていたが、前節のように5人かけられていたら、更にゴール近くの深い位置に入られていたと思う。

 保持では上手く行った回数は多くないものの、ハイプレスに出てくる相手の裏を狙う意識が共有されていたと思う。序盤はどちらもペースを掴みきれていなかったが、20分辺りからフロジノーネのプレスが弱まりミランが押し込む時間を作り出した。34分のムサのオフサイドの場面はプレスに対して狙い通りの形だった。先制点は41分の大ピンチをメニャンが凌いだおかげで、こちらにもやってきたラッキーチャンスを決めきることができた。

 後半にロフタス=チークの位置を上げたのは複数の相手に対応されていたチュクウェゼをフォローするためか。

 49分の追加点はムサがロマニョーリとモンテリージの間に入ったことで、ムサに意識を持っていかれたモンテリージの背後をプリシッチが突いた。メニャンとプリシッチのクオリティも見事だった。

 徐々にフロジノーネの保持が長くなり、ミランは自陣でのプレーが多くなるが、1点を返されても崩れる雰囲気は無いまま終わった。

 決めきれない試合が多かったなかで、この試合はフロジノーネの方がシュートを多く撃ったが、ミランがしっかりチャンスをモノにして勝ちきった。

 

 テオはCBの方が寄せが速いように見える。最後の砦としてスピードと思い切りの良さがカバーリングで生きていた。自分がSBの時にCBにやってほしいプレーだったのかもしれない。ビルドアップも良く、左利きCBの重要性を改めて感じるものだった。

 メニャンは3シーズン連続でアシストを記録。

 ヨヴィッチが初ゴールと初アシスト。最近は惜しいシュートが多く、悪くない流れで来ていたので量産体制に入ってほしい。

 ベナセルの復帰は朗報だが、1月にはアフリカネーションズカップがあるのでコンディションを上げすぎないで、ゆっくり調整してほしい。

 

 次は中6日でアウェイのアタランタ戦。元気なジルーに任せた。(1週間ぶり2度目)

 

フロジノーネ

 

 スレの受ける位置が低すぎた。サイドチェンジをもっと狙っても良かったと思う。右サイドはオヨノ、マッツィテッリとのコンビが鉄板か。

 

主審 Matteo Marchetti VAR Daniele Paterna

 

 特になし。