自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24CLGS第2節 vs ドルトムント(A) コスパの悪い勝点1

 

 5失点で大敗を喫したダービーの後は4試合1失点、ターンオーバーの成功、アドリの台頭で3連勝中のミラン。7連戦の6試合目はプリシッチが初めての古巣凱旋、チャウが古巣シャルケのライバルに挑む。

 

 ドルトムントは昨季最終節で自力優勝のチャンスを逃して2位。ベリンガムが移籍した今季は4勝2分、12得点6失点で首位と2ポイント差の4位とはいえ、結果ほど内容は芳しくないらしく、2列目のロイス、マレン、ブラントは好調だがCFのフュルクルクとアレが出遅れているらしい。CLの第1節はPSGとアウェイで対戦し、5バックで臨んだが完敗。

 ミランドルトムントの対戦は02-03シーズンのグループステージ以来。前年のUEFAカップ準決勝でも対戦しており、4試合で2勝2敗、ホームでも1勝1敗ずつで五分。

 

ラツィオ戦後の3日間

 

 SnaitechのアプリであるSNAIFUNとプレミアムパートナーシップを締結。 

 

 バルテザーギとプロ契約を締結。2026年までの契約。

 

先発&フォーメーション

 ミランはカルル、クルニッチ、ロフタス=チーク、カルダーラが負傷欠場。ベナセル、ルカ・ロメロ、ペッレグリーノは登録外。バルテザーギがベンチ入り。

 ドルトムントはザビツァーとモレイが負傷欠場。

 

スタッツ&控え&ハイライト

Dortmund-Milan | UEFA   2023/24 | .com

 

流れ

 

 1分、ドルトムントのビルドアップ。コーベルが持つとレオンがフンメルスへのパスを牽制。シュロッターベックに出るとジルーがプレス。中盤はマンツーマン、トモリが内側に降りるブラントを捕まえ、テオがリエルソンまでプレスに行く。チャウとフュルクルクがロングボールを競り合う。

 3分、マレンのキープから中央でロイスがブラントと近い距離で繋いで運ぶが、ラインデルスが戻って奪う。ムサがジルーに縦パスを入れ、落としを受けたラインデルスが飛び込んできたエムレ・ジャンをかわして中央のスペースに走り込んだポベガにスルーパス。ポベガが右足で撃つがフンメルスがブロック。

 5分、レオンからプリシッチへのサイドチェンジをベンセバイニがインターセプトしてカウンター。マレンが運び、オーバーラップしたベンセバイニの折り返しをチャウがブロック。こぼれ球をマレンが合わせるが枠の右に外れる。

 6分、ミランゴールキックドルトムントはロイスがチャウ、フュルクルクがトモリ、エズジャンがラインデルスをマークする4-3-1-2でプレス。カラブリアから右に開いたムサに出ると、エムレ・ジャンが対応してブラントがポベガまで絞る。

 〜10分、人への意識が強いミランの守備に対して、ドルトムントはロイスが高い位置を取ることでフュルクルクと2トップ気味になり、ラインデルスがロイスに付いていってミランのマークの受け渡しが遅れると曖昧なポジションを取り続けるブラントが中央に登場してボールを受けたり、フュルクルクが降りてロイスやブラントが背後に飛び出す形を見せる。

 11分、ミランのビルドアップ。ドルトムントはロイスがラインデルス、エムレ・ジャンがポベガをマーク。テオが外に開いたポベガとのワンツーで内側に抜け出し、ジルーからレオンに展開するがリエルソンがレオンのドリブルを阻む。

 13分、ミランのミドルゾーンの保持はSBがアンカーの横に入る2-3-5。ドルトムントは4-4-2ブロック。

 15分、ミランの右CK。プリシッチのアウトスイングのボールにチャウが頭で合わせるが枠の左上に外れる。

 23分、レオンのボールロストからラインデルスがロイスを倒してFK。ブラントのボールにベンセバイニが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 26分、ロイスが左、ブラントが中央、マレンが右にポジションチェンジ。ベンセバイニが左の裏にロングパスを入れ、カラブリアからプリシッチへのパスをベンセバイニがヘディングで弾き返し、ロイス、ブラントと繋ぎ、中央からマレンが左足でミドルシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。

 30分、フンメルスが持ち上がり、フュルクルクが左足でミドルシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 33分、テオが低い位置のリエルソンに出ていく。リエルソンからフュルクルクへロングパス。落としをエムレ・ジャンが受けて右に持ち出してクロスを上げると、チャウの背後でブラント胸トラップからオーバーヘッドを狙うが枠の上に外れる。

 36分、ムサのドリブルでのプレス回避から右CKを獲得。こぼれ球をカラブリアが頭でゴール前に入れるとDFとGKの間に落ちるが、ジルーとテオが重なってしまう。

 40分、PA手前でロイスとフュルクルクのワンツーが失敗し、テオから受けたレオンが自陣から運んでカウンター。PA内でジルーに折り返すが、浮かせたトラップをシュロッターベックがクリア。

 41分、スローインに困るテオ。チャウをボールサイドに寄らせて、低い位置で受けたトモリがコントロールミスで奪われドルトムントにチャンス。

 42分、上述の流れでドルトムントが左サイドでスローイン。プリシッチとラインデルスの受け渡しミスでフリーになったベンセバイニがロイスから受けてPA左から強烈なシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 43分、ドルトムントの右CK。ブラントのボールにニアでベンセバイニがアウトでフリックし、ファーのロイスの手前でムサがクリア。

 44分、ラインデルスが低い位置から運び、内側のレオンからサイド裏のポベガにパスを出すがドルトムントがカット。しかし、テオが奪い返し、レオンがポベガとワンツーで内側を抜け出し深い位置から折り返すがジルーに合わない。流れたボールをムサが拾いクロス。ポベガのシュートのこぼれ球をテオペナルティアークから右足で撃つが枠の上に外れる。

 45分、ATなし。0-0で前半終了。

 

 後半からミランはビルドアップ時にムサがラインデルスの脇、エズジャンとマレンの間に顔を出して安定したボール保持と被カウンターの備えを両立し、左サイドを低い位置で受けてブラントを引き付けて出ていくテオと高い位置から降りるレオンと時々ポベガの連係で運ぶ場面が頻発。

 53分、コーベルからフュルクルクへのロングパスをトモリが奪い、テオから受けたレオンがワンタッチでフンメルスの背後に飛び出したポベガにパス。ジルーへの折り返しはシュロッターベックが前で防ぐ。流れたボールをムサが拾い、レオンが中央で受けてワンタッチでプリシッチにパス。プリシッチが反転シュートを撃つがコーベルがセーブ。

 54分、ドルトムントのビルドアップ。コーベルがジルーを引き付け、フンメルスからフリーのシュロッターベックへパス。シュロッターベックが少し運んでプリシッチを引き付け、内側のマレンにパス。マレンがワンタッチでプリシッチの裏を取ったベンセバイニにパス。プリシッチが爆速で戻る。

 58分、左ムサ、右アドリのダブルボランチ、ラインデルスがトップ下に入る。被保持は基本的にラインデルスがエムレ・ジャン、アドリがエズジャン、ムサがロイスをマーク。

 74分、バイノー=ギッテンスがフロレンツィとチュクウェゼをかわし、ヌメチャとアデイェミがフリーだったがシュートを撃って枠の上に外れる。

 76分、シュロッターベックがフリーのリエルソンに展開。リエルソンが持ち上がり、大外のアデイェミからエムレ・ジャンが受けてアドリをかわしてミドルシュートを撃つがチュクウェゼがスライディングブロック。

 78分、ミランのビルドアップ。メニャンから中央でアドリが受け、エムレ・ジャンをかわしてラインデルスにパス。ラインデルスがフンメルスをかわしてオカフォーにスルーパス。シュロッターベックが対応しリエルソンがカバー。

 80分、レオンがカウンターでラインデルスとのワンツーから突破をフンメルスに止められてFK。フロレンツィがファーのレオンに蹴り、レオンが胸トラップからファーにクロスを上げてテオが大外から飛び込んで頭で合わせるが枠の上に外れる。

 84分、ベンセバイニからムココへの縦パスが流れてメニャンがキャッチ。すぐにアドリへスロー。アドリから大外で受けたチュクウェゼがカットインからシュートを撃つが枠の左に外れる。

 85分、フンメルスのロングパスをトモリが頭でテオに繋ぎ、テオが飛び込んできたリエルソンをかわす。内側のレオンがラインデルスとのワンツーで中央に運びチュクウェゼにラストパスを出すがチュクウェゼのシュートをコーベルが距離を詰めてブロック。こぼれ球をラインデルスが撃つが枠の右に外れる。

 87分、シュロッターベックが持ち上がり、中央でムサが倒してFK。エムレ・ジャンのライナー性のシュートは枠の上に外れる。

 88分、フロレンツィからアドリが右に開きながら受けるがエズジャンがボールを奪う。中央でパスを受けたヌメチャがシュートを撃つが枠の右に外れる。

 89分、フロレンツィがバイノー=ギッテンスからボールを奪い運ぶ。レオンにパスを出し、PA内へ入っていくところでバイノー=ギッテンスに倒されるがノーファウル。

 90+4分、0-0で試合終了。両チームともオープンな展開に疲労困憊で倒れ込む。

 

ミラン

 

 縦志向同士でトランジションの激しい試合だったが、ニューカッスル戦に続いて決定機を決めきれず、またしても勝ち点3を逃す。ドルトムントとのアウェイゲームで勝ち点1は悪くないが、ニューカッスルがPSGに快勝したので勝っておきたい試合だった。

 

 ビルドアップはラツィオ戦で機能していたIHが中から外に流れて受ける形をこの試合でも多用し前進することが出来ていた。ただし、前進の過程でボールを失いラインデルスの脇を突かれるカウンターを受ける機会も少なくなかったため、後半からラインデルスとムサのダブルボランチ気味に修正し、ドルトムントの4-1-3-2ハイプレスに対して1-4-2で数的優位を得て保持を安定させる。ポベガは中央でエムレ・ジャンを留めながら左ハーフスペースでレオンの平行サポートや裏抜けにタスクを変更してチャンスを作った。

 

 プレスはレオンがRCBに外切りプレスに行く形を選択。このやり方で課題になるRSBへの対応はテオがブラントにピン留めされることがなかったので序盤からSBまで行くことができた。しかし、ドルトムントからすると、ブラントが降りることでトモリも釣り出すことができるため、前線に広いスペースを作ることができたとも言え、何度かフュルクルクがロングボールを収めたところからPAに近づいた。後半途中のブラントからアデイェミへの交代でテオが出られずにリエルソンがフリーで上がってくる場面が増え、中盤のマークのズレが発生して攻め込まれるようになったが、チュクウェゼがしっかり中央に絞ってカバーをした。右サイドはプリシッチがベンセバイニよりも内側のマレンへのパスコースを消す立ち位置を取り、カラブリアが内側のマレンと大外を上がろうとするベンセバイニのどちらにも対応しようとしてどっちつかずになることがあった。ただ、ムサの戻りが速く、サイドに運ばれても内側をカバーできていたのは助かった。チュクウェゼは前述したように中央への絞りだけでなく、バイノー=ギッテンスとフロレンツィの1vs1のカバーへの意識も高く、守備面だけで言えばかなり助かった。

 

 80分以降は特にトランジションゲームの様相が強まり、行ったり来たりの展開は本当にキツそうだったので、スプリントも多かったであろうムサ、ラインデルス、テオの体力に感心した。中盤がいないのに次が中2日なのは酷すぎるが、インターナショナルマッチウィーク前最後なので頑張ってもらうしかない。

 

 次は7連戦の最後、中2日でアウェイのジェノア戦。消耗の激しい試合から厳しい日程。収まるレテギとキレキレのグドムンドソンのカウンターに要注意。

 

ドルトムント

 

 ニューカッスルもだが、CLレベルだとフリーのCBが運んでチャンスを作ってくる。

 ベンセバイニが攻守に優秀だった。しっかり守って、タイミングよく攻め上がる。

 

主審 Szymon Marciniak (POL) VAR Tomasz Kwiatkowski (POL)

 

 エムレ・ジャンへのイエローは少しかわいそう。フロレンツィのはPKじゃないのか。