20-21セリエA第33節 vs ラツィオ(A)
前節の逆転負けで5位に3ポイント差まで詰められてしまった2位ミラン。今節はオリンピコにて4位以内に入るには絶対に負けられない6位ラツィオとの直接対決。
ラツィオはここまで1試合未消化で18勝4分9敗53得点46失点。現在、カンピオナートのホームゲーム9連勝中。
- 上位5クラブと比較すると得点が少なく失点が多い。最近2試合は3失点と5失点。
- クロス成功数3位。失敗数2位(多い)。
- 走行距離2位。
- アクチュアルプレイングタイム5位。
先発&フォーメーション
ミランはイブラヒモヴィッチ、ダニエル・マルディーニ、アントニオ・ドンナルンマが負傷欠場。
ラツィオはカイセド、ルイス・フェリペ、エスカランテが負傷欠場。
スタッツ&控え
Match Report | 2020-21 | 33ª Match Day | Lega Serie A
ハイライト
流れ
試合は早々から動く。
0分、マルシッチのバックパスをチャルハノールがインターセプト。上がってきたサレマーケルスに繋ぎ、リターンを受けると、マンジュキッチとのワンツーからシュートを撃つが、レイナが弾きラッザリがクリア。
1分、ルイス・アルベルトが降りてラドゥからボールをピックアップし、左に開いたコレアへパス。コレアはワンタッチで内側を抜けていくルリッチへパスを出すがべナセルがブロック。このこぼれ球をコレアが拾い、インモービレとのワンツーで一気に裏に抜け出し、ドンナルンマをかわしてゴールに流し込みラツィオが先制。
ラツィオは5-3-2ゾーンミドルプレス。ライン間がコンパクト。中盤で奪って速攻。ミランのビルドアップはボランチの片方が降りて後ろ3人の形が多め。3-2の間を経由地として使いたいが、なかなか突けないのでロングボールが増えていく。
ミランはハイプレス。人への意識が強いが、ルイス・アルベルトやコレアを捕まえきれない場面が目立つ。ラツィオはGKレイナも含めたビルドアップで数的優位の局面を作り、前線も主に左サイドに密集し、縦パスの出し入れと少ないタッチのコンビネーションプレーで打開していく。
4分、右サイドからルイス・アルベルトのFK。ケシエが頭でクリアしたが、誰かに当たり後方にこぼれる。このこぼれ球をインモービレがシュートを撃つがドンナルンマがファインセーブ。
11分、ミランが左サイドの奥でボールロスト。ラッザリが右サイドを運び、左サイドのルリッチへ。ルリッチが大外のミリ=サヴィにクロスを上げるがテオが頭でクリア。しかし、中央にこぼれたボールをコレアがボレーシュートも枠の上に外れる。
30分、ケシエから降りてきたレビッチへ。レビッチがマルシッチを釣り出しケシエへリターン。ケシエは今度はライン間のサレマーケルスへパス。サレマーケルスは裏を狙ったマンジュキッチに引っ張られたアチェルビとマルシッチの間を狙ったチャルハノールへラストパス。チャルハノールはトラップしたことでシュートの機会を逸し、弱々しいシュートはレイナがキャッチ。
42分、ミランが押し込んで攻め込むがPA内でサレマーケルスがボールロスト。ルイス・アルベルトから前線へのパスはトモリがブロックするが、こぼれ球をアチェルビが頭で前に飛ばす。これをインモービレが拾い、コレアが運び、駆け上がるラッザリにスルーパス。ラッザリがドンナルンマとの1vs1を冷静に仕留めてラツィオが追加点。しかし、ラッザリがオフサイドでゴール取り消し。
45分、ケアーから前線のマンジュキッチへロングボール。アチェルビの頭に当たったこぼれ球をチャルハノールが収めて、サレマーケルスへ繋ぎ、サレマーケルスはワンタッチでマンジュキッチに折り返す。マンジュキッチはシュートを撃つがレイナの守備範囲内。
1-0で前半終了。30分辺りからロングボール効果かラツィオのコンパクトさが弱まりライン間を使えるようになってきた。
50分、チャルハノールからルーカスがボールを奪い、ルイス・アルベルトからCB間を狙ったコレアへパス。コレアがトモリをかわし右足を振り抜くと、ニアをぶち抜きラツィオが追加点。ルーカスのチャルハノールに対するファウルをOFRするが、判定は変わらず。
55分、左サイドからのケシエのクロスは流れてラツィオボールに。インモービレがルイス・アルベルトとのパス交換から右サイドのラッザリへサイドチェンジ。テオの裏を狙ったコレアにラッザリからスルーパス。コレアが対角にシュートを撃つがドンナルンマが僅かに触り防ぐ。
79分、右サイド深い位置でテオからブラヒムへのパス奪ったアチェルビからミリ=サヴィ、ラッザリと縦に繋ぐ。ラッザリからインモービレへのスルーパスはケシエに防がれるが、こぼれ球を拾ったミリ=サヴィから中央でフリーのルイス・アルベルトに繋がる。すぐに前を向いたルイス・アルベルトからCB間を狙ったインモービレへスルーパス。インモービレはドンナルンマのポジションを見てループシュートを狙うがポストに当ててしまう。
82分、中央でフリーになったケシエから右サイドで裏を狙ったダロトへロブパス。ダロトがファレスに競り勝ち中央へ折り返すがテオは僅かに間に合わずレイナが先に抑える。
83分、ダロトがファレスをかわしてクロスを入れる。ラッザリのクリアを拾ったトナーリがミドルシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。
86分、中央のミリ=サヴィから上がっていくマルシッチへロングパス。収めたマルシッチはサポートに来たラッザリにパス。ラッザリはインモービレへ。インモービレはパスを受けるとすぐに右足を振り抜く。このシュートがポストに当たりゴールに吸い込まれ、ダメ押しの3点目。
89分、ケシエから裏を狙ったダロトへパス。ダロトの折り返しはファレスがブロックしCK。チャルハノールのアウトスイングのボールにカタルディのマークを外してニアに入ってきたケシエが頭で合わせるがバー直撃。こぼれ球をロマニョーリが狙うが枠の上へ。
3-0で試合終了。ラツィオが完勝でホーム10連勝。
ミラン
完敗で暫定5位に転落。残り5試合の対戦相手もCL争いと残留争いの真っ只中にあるチームしかいないので厳しい戦いになる。アタランタとナポリは抜けて、ユヴェントス、ラツィオとの4位争いになりそう。
GKを使ったビルドアップにハイプレスを空転させられるのは今に始まった話ではないが、この試合は連動性も各人の強度も足りないように見えた。奪いどころを明確にして激しく強い圧力を与えたかった。
前節に続き、チャンスメイクでもフィニッシュでもイブラ不在によるクオリティ不足が顕著。マンジュキッチはフィニッシャーとして前線で待っていたが、そこにはほとんどボールが入らない。アクションも少ないので前線の流動性も生まれない。
前日に問題が起きたらしく招集すら微妙で強行出場だったと思われるトモリはここに来てコンディションが最悪。インモービレに寄せられずポストを許し、コレアに振り切られる。ただ、通常状態のロマニョーリでもそうなっていただろうから代わりはいない。
個人的に3失点目のレビッチとトナーリにイラつく。上がっていくマルシッチにレビッチがついていかないのはわかっていたので、戻れよと思いつつも諦め。問題は途中出場なのにDFラインの前にスプリントで戻れないトナーリ。スプリントで戻ればインモービレに少しでもプレッシャーを与えられたのにジョグはありえない…ガットゥーゾがアイドルなら走れ。
走れと言えばこの試合の走行距離の差は約6.6km。0.6人ラツィオの方が多いくらいの差。何が何でも走れば良いわけじゃないが、このくらいの差になると内容にも影響してくるのか。
ラツィオ
最近の緩さはほとんど見せず。不調だと思っていたルーカスも全くそのようなプレーはなく。
レイナから尽くプレス回避していく様はアタランタ戦のようだった。
やはりルリッチの存在は大きい。左サイドの機能性が大違いだと思う。
「カイセド離脱中なのラッキーだわー」とか思ってたら全く関係ない試合展開だった。
主審 Daniele Orsato
VARはマッツォレーニ。
オルサートらしいジャッジ。映像を見た上でファウル取らないのはやりすぎ。全体的にチャルハノールは相性が悪かった。