自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

気になった人たち 〜U-21EUROグループステージ&決勝トーナメント編〜

 今回は久々の3回目。2年前のU-21EUROも楽しかったが、今回も98年以降に生まれた多くの将来有望な選手を知ることができた。

 観たのはGER-NED/GER-ROM/CZE-ITA/SPA-ITA/ITA-SVN/FRA-DEN/DEN-RUS/POR-CRO/POR-ENG/CRO-SWI/SWI-POR/CRO-ENGの計12試合。WOWOWで放送されたものをブルーレイに焼いてPS4で1.5倍速で観れば余裕です。遅くても50分で1試合観れるのでオススメ。

 それでは紹介に値すると厳選された選手の羅列に参ります。

 

GK

 無失点3連勝の立役者の1人。フランス戦、ロシア戦も安定したセービング。アイスランド戦ではPKストップも。

 ドイツ戦の奮闘が印象的。昨季から苦戦が続いているラドゥや代表引退したタタルシャヌに替わってフル代表のレギュラーも狙えそう。

 

技術は高いが個で守れるタイプは少ないCB

 冷静な守備と安定した繋ぎで無失点3連勝に貢献した主将。スイス戦ではセットプレー崩れからポジションを取り直し頭で決勝点。

 主将ケイロスの相棒の左利きCB。ポルトガルの強みの1つである安定したポゼッションに貢献。ロングフィードよりも鋭い縦パスが光る。

 ドイツらしいパワー系CB。空中戦の迫力が凄い。

 前回大会の推しである主将ネルソンとコンビを組んだ左利きCB。前回大会のラスムッセンもフィードが上手かったが、この人も同様。ラスムッセンよりも身長は低いが力強さはベックの方が感じる。頑張れラスムッセン

 スロベニア戦で素晴らしいフィードを連発し大勝に貢献。ラスムッセン同様、フィオレンティーナ保有権を持っているがどのようなキャリアになるのか。

 

守備的なタイプが目立ったRB

 昨季はバレンシア方面から良くない話が多く聞こえていたため、どんなもんかと思って見ていたが、抜群のスピードが守備で効きまくり。プレス連動、ネガトラ、クロス対応も良く、ある意味1番のサプライズ。

 上述したコレイアと同系統のカイル・ウォーカー系。スピードとパワーで無敵。

 左利きRSB。本職はCBというだけある守備力。右足もそれなりに使えるのでビルドアップで詰まっていた印象はない。ブンデス3部から這い上がってきてほしい。

 

攻撃してナンボのLB

 積極的なオーバーラップと抜群のクロス精度で攻撃に厚みを加えた。今季は2部でアシストを量産しており、来季のホッフェンハイム加入も決まっているらしく今後が楽しみ。

 モロ、イヴァヌシェツとの連携による左サイドの崩しはクロアチアの生命線だった。イングランド戦のアディショナルタイムの決勝ゴラッソには思わず声が出てしまった。あんな劇的ゴールの後のセレブレーションが冷静でおもしろかった。ユニフォーム脱いだり、ベンチに突っ込んだりしろよw

 

ミランに来てほしい2人のDH

 個人的今大会MVP候補。デンマークのカゼミーロ。DFライン前の掃除機。圧倒的なスタミナと読みによるボール回収。ミランに来ないか?

 ドイツの6番。高い技術と敏捷性によるプレス回避からの広い視野を生かしてピッチを幅広く使うゲームメイク。べナセルと競争しないか?

 1戦目のIHとしての途中出場は試合に入るのに苦しんだが、アンカーとして起用された2戦目の途中出場と3戦目の先発は高い技術で小気味良いパスワークの中心を担った。

 トナーリとロヴェッラの出場停止でアンカーとして先発したスロベニア戦で大勝。BOXtoBOXタイプの印象が強かったため、アンカーでもやれるのが驚き。

 

CH

 ポルトガルイニエスタポルトガルのポゼッションの中心。ボールを奪われない。ウルヴスでタフさが身に付いたらどうなってしまうのか。楽しみ。

 クロアチアのクロース。昨季のCLで観た時はアンカーの選手でそれほど目立っていなかったが、ビルドアップのサポートと前線でのチャンスメイクのどちらもできるIHで輝いていた。

 自分好みのBOXtoBOX。プレッシングにPAへの飛び込みにキック精度も悪くない。好き。

 連続的にプレーできる頭脳派IH。味方との位置を考えてプレーしている印象。サイドに流れてのクロスが高精度。今季はサッスオーロからモンツァへレンタル中。サッスオーロに復帰してもモンツァで昇格してもおもしろそう。

 ドイツ戦は前半しかプレーせず、1試合目も2試合目も最後の数分しか出場していないが、この人も自分好みのBOXtoBOXっぽい。ドイツ戦での被決定機を防いだ場面は素晴らしかった。

 

OH

 グループステージの個人的MVP。NEXTベルナルド・シウバ。初戦のクロアチア戦は途中出場で決勝点。以降はゼロトップとして先発し素晴らしいパフォーマンス。上手すぎる。

 物凄い推進力。前を向いたら止まらない。チームとして彼を生かすことができれば違う結末になっていたかもしれない。

 

RSH/RWG

 ドイツの左の槍がラウムなら右の槍はバク。ヴォルフスブルクではRSBらしいが攻撃力抜群。縦突破、カットインどちらも行けるドリブルは強い。

 

LSH/LWG

 クロアチアの攻撃の中心。後ろ向きで受けてもすぐに前を向ける技術、そこからの推進力、両足で撃てるシュート、献身的な守備、簡単に倒れないボディバランス、3試合連続フル出場のクロアチア人らしいタフさ。ステップアップ間違いなし。

 長身ドリブラー。良い意味で気持ち悪い。

 フィジカルと技術を兼ね備えるタディッチのような選手。イタリアで経験を積み、今季はモンツァでレギュラーを掴んでいる。是非セリエAで観たい。

 18歳ながら名門スポルティングで出場機会を得ているが、身体能力よりも頭脳で勝負していそうなのが末恐ろしい。チームが上手く回るようなプレーを選ぶ気遣いのできる18歳。は?

 

CF

 ポルトガル戦ではパワーを生かしたポストプレーでカウンター戦術のキーマンを担った。しかし、スイス戦ではCKの守備でクリアミスがオウンゴールになってしまう。このオウンゴールがなければイングランド戦が死闘になることはなかったかもしれない。

 

監督

 アンダー世代を長く指導している監督。この世代のエースであるレオンやドリブラーのジョタが怪我で招集できなくてもテクニシャン達によるポゼッションでゲームを支配。ゴール前を固められても少しの隙間で中央を崩せるチームを作り上げた。試合中の修正も上手い。

 バルセロナカンテラで長く指導してきたスペイン人監督。GK、CB、アンカーによるビルドアップや、技術があるIH、突破力のあるWGはバルサ風味を感じる。ただ、根底にあるのは北欧らしい自陣ゴール前の堅牢さ。

 

言うまでもない人

 クンデ。フランスが異常なだけでフル代表のレギュラーでも何らおかしくない。ウパメカノも本来はこの世代という異常さ。

 

 

 5月末から始まる決勝トーナメントの組み合わせは

 POR-ITA/SPA-CRO/DEN-GER/NED-FRA

 グループステージを見る限りはポルトガル優勝予想だが、フル代表ではなくこっちに回ってくる選手がいそうなドイツ、スペインは無視できない。タレント軍団フランスは監督次第。いずれにせよ楽しみだ。

 

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※6/15追記

 決勝トーナメント全試合観ました。どの試合も接戦で最後までどちらが勝つかわからない試合展開でした。

 ベストバウトはデンマークvsドイツ。前半序盤はドイツがサイドを広く使った攻撃で主導権を握ったが、デンマークは3トップの並び(ドレイヤー中央→右、ダラミー右→左、ブルーン・ラーセン左→中央)を変更。更に後半からインサイドハーフに投入したホルスが積極的にボールに関わり主導権を握り返す。その流れでデンマークが先制するが、終盤にパワープレーに入ったドイツがセットプレーから追いつき延長戦に突入。ドイツがデンマークのミスを逃さずに逆転弾を決めるが、デンマークはRWGイサクセンのドリブルが猛威を振るいPKを獲得。キャプテンのネルソンがきっちり決めて運命のPK戦へ。7人目のデンマークの18歳クリスティアンセンが止められてドイツが勝利。デンマークは前回大会に続きドイツに屈した。

 ドイツはこの試合で出た右サイドのレーン配分問題を、バクをSBにしヴィルツを中に入るWGとしてプレーさせることで解決。オランダ、ポルトガルを破り見事に優勝。決勝を観る人が多そうだが、ぜひこの1戦を観てほしい。

 GSに引き続き良かったのはポルトガルのヴィティーニャ、ダニー・モタ。イタリアのフラッテージ。デンマークのナーティ、ネルソン。ドイツのラウム、ドルシュ。ちなみにフランスはクンデがフルに呼ばれて、ウパメカノがU-21に来た。追記では新たに発見、GSではわかりかねた良さが見えてきた選手を紹介します。

 

GK

 GSではピンチがあまりなかったため目立たなかったが、ボール保持率が上がらず、4-3-1-2を研究されサイドから攻め込まれる場面が頻発したなかで、決定的なセーブを連発。決勝進出の立役者。

 

CB

 左足の高精度フィードでサイドアタックをサポート、守ってもハードタックルで起点を潰し優勝に大きく貢献。

 

LSB

 ポウルセンの負傷交代でU-21デビューを果たした18歳。攻撃への関わり方が上手。PK失敗という苦い経験をしたが、コペンハーゲンでも終盤戦にレギュラーを掴んでおり将来が楽しみ。

 

DM

 ソシエダでのプレーを観たことがあり、才能があることは既に知っていたが、やはりボールを前進させる術をよく知っている賢い選手だった。ベテランのような落ち着きがある。

 

CM

 ローゼンボリではWGのようだが、ドイツ戦の後半からインサイドハーフに入り流れを引き寄せた。

 

OM

 5月に18歳になったばかりだが、レヴァークーゼンで主力を担い、3月のGS期間はフル代表に招集されていた神童。この世代ではクオリティが頭一つ抜けていた。オランダ戦の2点目は上手すぎる。

 

RWG

 派手な突破などはないが、ミスが少なく、守備もできる計算しやすい選手。

 ドイツ戦の延長に登場し、キレキレのドリブルで何度も風穴を開け、殊勲のPK獲得。

 ドイツのスーパーサブ。GSでも決勝トーナメントでも途中出場で得点を奪った。

 

LWG

 左利きで縦に仕掛けられる。EURO2020のスウェーデン戦を観てフル代表に入れた方が良かったのではないかと思った。

 スピードとドリブルスキルが光っており、押し込まれていても運んで陣地回復してくれる。

 

CF

 中央からサイド裏に流れて起点を作り、ゴール前にもしっかり顔を出すドイツのエース。4得点で得点王。この1年で大きく評価を上げたが、マンチェスター・シティで出番を得られるのか再レンタルか換金か?

 途中出場のクロアチア戦で2Gを奪い勝利の立役者に。少しビジャっぽさを感じた。

 スペイン戦に途中出場し、裏へのアクションで前線を活性化。延長に持ち込む流れを作り出した。

 

監督

 GSにはいなかったヴィルツを組み込んだ新しい形を短期間で仕上げ、自身2度目の優勝を果たした。

 

 次回は2023年大会。そして、来年のワールドカップに何人行けるか注目。