自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24セリエA第7節 vs ラツィオ(H) 順当

 

 ミッドウィークはターンオーバーが成功し、首位インテルと勝ち点が並んだミラン。7連戦の5試合目は中2日でラツィオサン・シーロに迎える。アッズーリのスパレッティ監督が観戦。

 

 昨季2位のラツィオは代替不可能なチームの要、セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチがサウジアラビアに移籍。その後釜候補として中盤に鎌田、ゲンドゥージ、ロヴェッラと即戦力級の選手を確保し、前線の控えとしてカステジャノスとイサクセンを獲得して長年の課題である欧州コンペティションとの二足の草鞋を履けそうなスカッドを組み上げた。

 しかし、ここまでカンピオナートは2勝1分3敗、7得点8失点の12位。レッチェジェノアに敗れてまさかの開幕2連敗。ナポリにはカウンターが機能して勝利したが、ユヴェントスには完敗。CLのアトレティコ戦はプロヴェデルの劇的ヘッドで引き分け。ミッドウィークのトリノ戦は初先発のロヴェッラがアンカーで好プレーを見せ、ルイス・アルベルトとフェリペ・アンデルソンが流動的な動きと技術で崩し、浮上のきっかけを掴めそうな勝利だった。

 パス成功数2位。アタッキングサードのパス数1位。インターセプト数3位。セーブ数4位タイ。走行距離ダントツ1位。

 

 

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カリアリ戦後の2日間

 

 特になし。

 

先発&フォーメーション

 ミランはベナセル、クルニッチ、カルル、カルダーラが負傷欠場。バルテザーギがベンチ入り。ナヴァが招集外。

 ラツィオは欠場者なし。

 

スタッツ&控え

MILAN VS LAZIO

 

ハイライト


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流れ

 

 ラツィオは4-5-1で構えたところからIHかフェリペ・アンデルソンがCBにプレス。ミランは1-2-3-5でメニャンも前に出てビルドアップ。右からカラブリアが高い位置を取り、ロフタス=チークとジルーがルイス・アルベルトが出た背後のライン間でケアーから縦パスを要求し、ラインデルスがCBの裏を狙う。

 ミランは中盤がアドリがゲンドゥージ、ラインデルスがロヴェッラ、ロフタス=チークがルイス・アルベルトにマンツーマンで付き、ジルーがCBの間からプレスして片方に誘導。逆サイドのWGが絞って余ったCBへのパスと展開を牽制。ラツィオはIHが中央寄りや低めにポジションを取ってミランのライン間を広げ、そこにCFやWGが入ってハーフスペースのCBや外に広がったSBからパスを受ける。

 

 12分、ミドルゾーンでカラブリアからボールを奪ったラツィオルイス・アルベルトから内側で受けたザッカーニがカステジャノスにパス。中途半端なパスになり、ケアーが奪えそうだったが中央にいたフェリペ・アンデルソンが拾って左ハーフスペースを運んで左足で撃つがサイドネット。

 13分、ザッカーニが絞れば外が空く。プリシッチからファーにクロス。

 19分、プロヴェデルにレオンが外切りプレス。ゲンドゥージ経由でフリーのマルシッチが受け、カステジャノスに斜めの楔。カステジャノスがフェリペ・アンデルソンに落とし、ゲンドゥージがアドリからフリーになってケアーの裏に走り込むがパスが出てこない。ゲンドゥージ激怒。

 28分、ロフタス=チークが恥骨辺りの違和感で交代。

 29分、アドリがCBの間に降りる。

 32分、ミドルゾーン右サイドでボールの奪い合いを制したミラン。プリシッチが左のレオンに展開し、レオンが左足でニアに撃つがプロヴェデルが弾き出す。

 33分、ミランハイプレス。ジルーがカザーレにプレス。ゲンドゥージへのパスをアドリがカット。こぼれ球を拾ったレオンがPAに持ち込むがシュートを撃てない。

 34分、ザッカーニが中盤内側に入ってロマニョーリから縦パスを受け、中央から右サイドに展開。フェリペ・アンデルソンのドリブルとルイス・アルベルトのランニングで空いたカステジャノスがPA手前から撃つがメニャンの正面。

 36分、カラブリア、ムサ、ジルー、カラブリアと右サイドで繋ぐ。カラブリアは逆サイドへの展開ではなく縦を選択。

 44分、押し込んだミラン。ムサが右サイドからグラウンダーで折り返すと、ジルーが右足で合わせ、プロヴェデルが弾いたボールにラインデルスが詰めるがポスト。

 45+2分、0-0で前半終了。

 

 後半からカラブリアが内側を取り、ケアーからプリシッチへのロングパスが増える。アドリも中央固定ではなくサイドのサポートに行くようになる。

 48分、ヒサイからカザーレへのパスにレオンがプレス。プロヴェデルへのバックパスにも行き、プロヴェデルからマルシッチへの高く浮いたパスにも行く。

 58分、ラインデルスが降りながら受けてアドリが前へ。テオ、アドリ、レオンで左サイドを突破して折り返すがシュートを撃てない。

 59分、テオから左に寄ったアドリにパス。アドリがライン間のラインデルスにパス。ラインデルスがマルシッチの背後を取ったレオンにパス。ジルーがラインを押し下げ、レオンのマイナスの折り返しをフリーのプリシッチが丁寧に左足ボレーで合わせてミランが先制。1-0

 61分、インターセプトを狙って倒されたカラブリアがファウルを貰えなかったが、ムサとラインデルスが素晴らしいカバー。

 65分、ロヴェッラから中央で受けたゲンドゥージにトモリが行き、大きくなったトラップを奪い取り、そのままPA内に持ち込んで撃つがロマニョーリがブロック。

 70分、ミランは3枚替えでラインデルスがアンカー、ポベガがLIH。ラツィオは中盤が流動的に動いて撹乱する。

 72分、ヒサイをプリシッチとラインデルスで挟んでムサが奪う。プリシッチが右サイドを運び、折り返したこぼれ球をムサがベシーノから奪って右足で撃つがプロヴェデルが弾き出してCK。

 73分、プリシッチのアウトスイングのボールに中央やや後方でフリーのトモリが頭で叩きつけるがプロヴェデルの正面。

 75分、ミランのビルドアップ。ケアーからムサが開いて受け、中のフロレンツィが開いて受けてワンタッチでプリシッチに縦パス。プリシッチ、ラインデルス、レオンとサイドチェンジし、オーバーラップしたテオのマイナスの折り返しにプリシッチが左足で合わせるがプロヴェデルが弾き出す。

 77分、ミランのビルドアップ。トモリから受けたケアーがプリシッチへパス。プリシッチがムサとのワンツーでヒサイの背後を取りクロス。流れたボールをテオが拾い、中央で受けたラインデルスが鎌田をかわしてPA内に持ち込み、右に運びながらシュートを撃つがサイドネット。

 85分、ペドロとフロレンツィの1vs1のカバーにムサが入って鎌田が中央でフリーになってパスを受け、鎌田はポベガがカバーに来てフリーになったルイス・アルベルトにパス。ルイス・アルベルトがイサクセンに繋ぎ、イサクセンがクロスをブロックされたこぼれ球を拾い、トモリをキックフェイントでかわして撃つがフロレンツィがブロック。

 86分、レオンがサボってマルシッチがフリーで攻撃参加され難しい状況になるが、相手のミスに助けられイサクセンのミドルシュートで終了。

 87分、ミランのビルドアップ。メニャンからテオ、テオから外に開いたポベガが受けてレオンに縦パス。レオンがカザーレを滑らせてかわし、折り返しをオカフォーが押し込んで追加点。2-0

 90+3分、押し込んだラツィオ。ベシーノが運び、中央のルイス・アルベルトにパス。ルイス・アルベルトが後ろ向きでワンタッチでインモービレにパス。落としを受けたペドロが左足で切り返し、右足で右上隅にコントロールミドルシュートを撃つがインモービレオフサイド

 90+5分、レオン、チュクウェゼ、ムサ、フロレンツィが右サイド深い位置で細かく繋ぐ。レオンからPA内のフロレンツィに入れ、ヒールで繋いでチュクウェゼが撃つがロマニョーリがブロック。

 90+6分、2-0で試合終了。

 

ミラン

 

 互いに相手の出方は想定内で前半は互いに悪くない出来だったが、後半にミランはいくつかのポジション修正を図って先制すると、その後は多くのチャンスを作って快勝。

 

 ビルドアップは前半はCBやアドリから中央3レーンのライン間へのパスをカットされてカウンターからピンチになりかける場面が何度かあった。後半はそのようなラインをブレイクする中距離のパスを控え、サイドへの展開と平行サポート、ドリブル、裏抜けでサイドを攻略した。カラブリアとムサが中にいるとザッカーニとルイス・アルベルトは位置取りに困り、アドリが左による動きでゲンドゥージを引き寄せてラインデルスをフリーにした。ラツィオトリノ戦でもハーフスペースからSBの裏を狙われており、ミランは準備していたであろう策略に切り替えて崩しきった。

 

 プレスはレオンがカザーレにフラフラ行ってしまうとハマらないいつものパターンもあったが、ジルーがしっかりCBにサイドへ誘導できればCBが一人余るので、ケアーもトモリもしっかり前で勝負ができていた。ザッカーニに受けられて運ばれても最終的に一人余っている安心感があった。中盤のマンツーマンもほとんど問題なく、ロフタス=チークはルイス・アルベルトを完璧に抑えていた。終盤はルイス・アルベルトがかなり自由に動き、ベシーノが上がってきたり、レオンが戻ってこなかったり、マンツーマンでは対処しきれない状況になっていたが、中央を固めて集中した守りを見せた。

 

 2試合連続先発となったアドリは守備ではゲンドゥージを一度完全にフリーにさせてしまったがパスを出されずに助けられ、プレスに連動して前で奪う場面もあり、保持では先制点に絡み、自身の価値を証明してサン・シーロミラニスタから交代時に万雷の拍手を浴びた。強度を出そうとするあまりファウルが多かったのは気をつけて改善したい。

 シュート以外最高のラインデルス。サン・シーロ初ゴールで2試合連発のオカフォー。左右どちらでも機能して得点に絡むプリシッチ。速い強い上手い、新ジャンル「内側のWG」ムサ。素晴らしい新戦力。

 RSBはローテーションとは言え、フロレンツィがファーストチョイスと言えそうな最近の保持での働き。

 トモリは最近は良い時の判断と対応が戻ってきている印象。本当に良かった。

 レオンは守備で穴を開けても素晴らしい2アシスト。何も言えねえ。

 

 次は中3日でアウェイのドルトムント戦。最近のドルトムントを全く知らないのでわからない。ただ、唯一行ったことがある海外のスタジアムがジグナル・イドゥナ・パルク。本当にスタンドの傾斜が急。

 

ラツィオ

 

 トリノ戦のようにルイス・アルベルトとフェリペ・アンデルソンを流動的に動かしてくると思ったが、フェリペ・アンデルソンは左まで来ることがなかったのが助かった。中盤も同じ並びでベシーノがIHで先発の方がアドリと競り合うのが不安だし、過去にやられている印象があるので嫌だったし、ベシーノがサイドに開いて内側でフェリペ・アンデルソンがフリーで受けられる方が一気に打開されそうで怖かった。

 

主審 Davide Massa VAR Paolo Silvio Mazzoleni

 

 ファウルの基準がよく分からなかった。