自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24CLGS第3節 vs パリ・サンジェルマン(A) 再来週絶対復讐

 

 公式戦6試合無敗だったが、中断明け7連戦の初戦は欠場者の影響もあって敗れてしまったミラン。強烈な個の力を持つ相手に対してどのように向かっていくか。

 

 PSGはリーグ・アンでは5勝3分1敗、20得点7失点で首位と2ポイント差の3位。CLは第1節はホームでドルトムントに完勝、第2節のアウェイニューカッスル戦はムバッペ、デンベレ、コロ・ムアニ、ゴンサロ・ラモスの同時先発に失敗して完敗。右サイドはハキミとデンベレが2人の個人技と連係で崩し、左サイドはリュカがバランスを取り、ムバッペを中心としたポジションチェンジでフリーの選手を作って崩す攻撃は破壊力が高い。しかし、ニューカッスル戦で露呈したように数シーズン前までのチームよりハイプレス耐性は落ちているので、強度の高いハイプレスとショートカウンターで押し込んでしまいたいが、中途半端に行ってしまうとスペースを与えて大事故になるリスクも孕んでいる。

 

ユヴェントス戦後の2日間

 

 特になし。 

 

先発&フォーメーション

 ミランはロフタス=チーク、オカフォー、チュクウェゼ、スポルティエッロ、カルダーラが負傷欠場。ベナセル、ルカ・ロメロ、ペッレグリーノは登録外。バルテザーギ、ナヴァ、チャカ・トラオレがベンチ入り。

 ピオーリがミランでの公式戦200試合達成。

 

 PSGはキンペンベ、ヌーノ・メンデス、アセンシオ、ケイラー・ナバスが負傷欠場。

 

スタッツ&控え&ハイライト

Paris-Milan | UEFA Champions League 2023/24 | UEFA.com

 

流れ

 

 PSGは4-2-4のビルドアップ。ミドルゾーン左サイドでの保持時はハキミがIH気味のポジションに入って3-3-4で保持。右はデンベレが大外に張り、左はヴィティーニャかムバッペが張る。右は低い位置のハキミからコロ・ムアニに楔を打ち、デンベレが外から内に入って落としを受けるか、コロ・ムアニがサイドに運ぶ形を多用。そこにハキミが一気に駆け上がって絡む。

 ミランはCBとIHを普段とは逆に置いて、ムバッペにトモリ、内側にも立つハキミにムサをぶつける。レオンがマルキーニョスに外切りか、ジルーがシュクリニアルからサイドに誘導してプレス。ラインデルスがザイール=エメリ、クルニッチがウガルテを捕まえに行く。撤退時のムサは左ハーフスペースを守り、CBのカバーにも気を回す。レオンもプレスに行かないときはハキミを気にする。

 

 5分、ラインデルス、クルニッチ、カルルと繋ぎ、プリシッチからムサが右に来て受ける。ハキミがついてくる。

 9分、ミランのビルドアップはカルル、トモリ、チャウの3バック、クルニッチとラインデルスのダブルボランチでムサがトップ下気味。

 PSGのハイプレスはムサにハキミ、レオンにマルキーニョスがつくマンツーマン。ミランはロングボールで逃げる。

 13分まで、ミランは中盤で奪うことができているがカウンターは完結できない。PSGはムバッペがサイドに張り、ヴィティーニャが内側を取ることが多くなる。

 25分、ミランはレオンへのロングボールからテオ、ジルー、レオンと繋ぎ、レオンがカットインからファーに狙いすましたシュートを撃つが枠の右に外れる。

 31分、PSGのビルドアップ。シュクリニアル、リュカ、ヴィティーニャで外回し。ザイール=エメリが食いついてきたラインデルスをかわして運びムバッペにパス。ムバッペがトモリと1vs1になり、股抜きでニアに打ち込みPSGが先制。1-0

 42分、ミランが自陣右サイドのスローイン。ジルーの落としがムバッペに繋がり、コロ・ムアニがシュートを撃つがチャウがブロック。

 45+2分、1-0で前半終了。

 

 後半からミランカラブリアがRSB、カルルがRCB、トモリがLCBに入る。ビルドアップは4-1-2-3でムサの方が降りる動きが多く、ラインデルスが裏に飛び出す動きが多い。

 PSGはザイール=エメリとウガルテの位置を入れ替え、4-1-2-3気味。ハキミに出るムサの近くにザイール=エメリを配置。ウガルテがアンカーでラインデルスを前に、ザイール=エメリが右にクルニッチを引っ張り出して、左ハーフスペースや中央にスペースを作り、ヴィティーニャやムバッペが入ってくる。

 47分、ミランが敵陣右サイドからロングスロー。クリアされてこぼれ球をムサがカルルにバックパス。カルルの処理がもたつき、ムサへのパスをウガルテが奪い、ヴィティーニャが一気に右サイドのデンベレにパス。デンベレがカットインから左隅に流し込む。しかし、OFRでウガルテのファウルを取ってノーゴール。

 49分、メニャンからリュカの背後を取ったプリシッチにロングパス。プリシッチの折り返しが流れ、ジルーが懸命に追ってシュートを撃つがサイドネット。

 51分、中盤右サイドで奪い合いが続き、中央でヴィティーニャが奪い左のムバッペに展開。カルルが戻ってカラブリアを助けてCK。ムバッペがクイックリスタート。デンベレPA内で受けて、右足のシュートフェイントから左足でシュート。メニャンが弾いたこぼれ球をコロ・ムアニが押し込んで追加点を奪う。2-0

 57分、ザイール=エメリがクルニッチ、テオからボールを奪いカウンター。運んで左のムバッペにパス。ムバッペがカラブリアをかわして撃つがメニャンがセーブ。

 62分、メニャンからジルーへロングボール。胸で落とし、ラインデルスが運んでプリシッチにパス。プリシッチがカットインから左足で撃つがドンナルンマの正面。

 63分、PSGビルドアップ。浮くヴィティーニャを中心にボールを動かしてプレス回避。左から展開しデンベレがシュート。

 66分、カラブリアから受けたプリシッチが内側に運び、ラインデルスがウガルテをかわしてレオンに展開。レオンのコントロールミドルシュートは枠の右に外れる。

 69分、メニャンから内側に飛び出したレオンにロングボール。レオンの落としをジルーがワンタッチでループシュートを狙うがドンナルンマがキャッチ。

 77分、カルルが右サイドでコロ・ムアニからボールを奪う。プリシッチが中央に運びハキミの背後を取ったレオンにスルーパス。レオンが右足で撃つが、ハキミが触りドンナルンマがセーブ。

 81分、左サイドでトモリがインターセプトをそのままレオンにパス。レオンの落としがポベガと意図が合わずPSGがカウンター。ハキミ、イ・ガンイン、コロ・ムアニと繋ぎ、上がってきたハキミが中央に折り返し、ヴィティーニャがカラブリアを引き付けてムバッペにパス。ムバッペのワンタッチシュートはメニャンが触りポストに当たる。

 88分、PSGミドルゾーン保持。マルキーニョス、ゴンサロ・ラモス、ヴィティーニャが中央で繋ぎ、ザイール=エメリが右に展開。ハキミ、イ・ガンインからザイール=エメリが右サイドを持ち上がり、折り返しをゴンサロ・ラモスがスルーし、イ・ガンインが流し込んでダメ押しの3点目。3-0

 90+4分、3-0で試合終了。

 

ミラン

 

 質の差を痛感する完敗で3試合連続無得点でグループ最下位に転落。

 低い位置からのビルドアップはロングボールを蹴るしかなかったが、ジルーもレオンも何度か起点になれたり、プリシッチが背後を突けたり、そこからチャンスになりそうな場面がなかったわけではないが、カウンターの場面も同様に、決定機を作る質、決めきる質が足りなかった。決めきれないのはCL3試合通しての重大な課題。

 普段と配置を変更して行ったプレスは前半は悪くなかった。ラインデルス、クルニッチ、ムサが奪ってカウンターに繋げる場面も少なくなく、プレスを裏返される場面は少なかった。ジルーのプレスバックも目立った。しかし、前半で唯一と言って良いかもしれない機会で先制点を与えてしまった。ラインデルスが入れ替わられてしまい、トモリのヘルプに誰も行けず、一流選手の鋭い振りで撃ち抜かれた。ムサが戻ってカットインのコースを消してほしかった。

 後半はPSGがミランのプレスに対して配置を変更し、よりプレスを引き出して中盤や前線にスペースを作ろうとする。ピンチになった場面はビルドアップよりもカウンターが多かったが、この修正でプレスはハメにくくなって中盤が奪う場面はほとんどなくなった。

 先述した1点目のムサや、76分から途中出場のアドリが85分で既にヘロヘロな状態で3点目もザイール=エメリに置いていかれたり、全体的に戻りが遅いのが気になった。中2日アウェイで厳しいのはわかるが、スペースを極力減らせるように全員で守らないと、このクラスの相手は抑えられない。ウガルテとザイール=エメリの方が強度が高かったのは言うまでもない。再来週のリターンマッチは強度を上げて、ニューカッスルがホームで見せたように観客と一緒に戦う一体感でリベンジしてほしい。

 

 ただでさえFWがいないのに、ヨヴィッチが試合中のウォーミングアップで負傷したらしく前線3人がフル出場。

 

 次は中3日でアウェイのナポリ戦。好調のクワラツヘリアのカウンターが怖い。

 

PSG

 

 予習していてもヤバかった前髪刈り上げ男ザイール=エメリ。本当に17歳とは思えない。

 

主審 Slavko Vinčić (SVN) VAR Nejc Kajtazovic (SVN)

 

 クルニッチにイエローなら7分のザイール=エメリもイエロー。トモリのもカルルのも厳しい。