自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第27節 vs ナポリ(H)

 負傷者続出ながらエラス・ヴェローナマンチェスター・ユナイテッドに善戦し公式戦5試合負けなしの2位ミラン。中2日で6位ナポリと11連戦の9試合目。

 ナポリはここまで15勝2分8敗55得点29失点。4試合負けなし。アウェイは4試合勝ちなし(3敗)。

  • シュート数は1位だが得点数は3位。
  • ポゼッションタイムは3位。
  • 走行距離3位。
  • セーブ数最少。
  • CK獲得数はミランに次いで2位。
  • 直接対戦はミランが5試合負けなし。その前はナポリが8試合負けなし。

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランイブラヒモヴィッチカラブリアロマニョーリ、べナセル、マンジュキッチ、ダニエル・マルディーニが負傷欠場。

 ナポリはロサーノ、マノラス、ラフマニ、ペターニャ、グラムが負傷欠場。

 

  • スタッツ&控え

Match Report | 2020-21 | 27ª Match Day | Lega Serie A

 

  • ハイライト


Milan 0-1 Napoli | Politano Secures Napoli's Victory | Serie A TIM

 

  • 流れ

 最近の流れを継続するミランはボールサイドへの圧縮プレス。ナポリはファビアン、デンメ、ジエリンスキが中央へのパスコースを作り、高い位置でサイドチェンジを受けれるように両WGは幅を意識。

 ナポリの4-4-2ミドルプレスに対して、ミランのビルドアップはトナーリ(たまにケシエ)がCB間に降りるか、ドンナルンマが持って、SBを上げ、SHが内側に入るのがメイン。ナポリファーストプレスをかわされるとジエリンスキが戻って中盤に加わる。

 3分、チャルハノールがテオへサイドチェンジ。レオンが中央からマクシモヴィッチの裏に抜けてスルーパスを引き出しシュートを狙うがオスピナが良い飛び出しで防ぐ。

 15分、クリバリからディ・ロレンツォへサイドチェンジ。ディ・ロレンツォがポリターノとワンツーで前進し、トモリとダロトの間のスペースを狙うジエリンスキにパス。ジエリンスキがワントラップしてシュートを撃つがドンナルンマがセーブ。

 28分、ファビアンからディ・ロレンツォへサイドチェンジ。ポリターノへ繋ぎ、再びファビアンからインシーニェへサイドチェンジ。インシーニェがダロトに仕掛けの構えを見せてライン間のジエリンスキへ。ジエリンスキがワンタッチでシュートを撃つが枠の右に外れる。

 32分、トナーリから降りてきたレオン、カスティジェホと繋ぎ、レオンがミドルシュートオスピナがセーブ。

 0-0で前半終了。ポゼッションはナポリが少し上回る。

 48分、ダロトからカスティジェホへのパスをヒサイがカットし、ジエリンスキとワンツーでケシエをかわしてカウンター。ジエリンスキからスルーパスを受けたポリターノが右足でゴール左隅に流し込みナポリが先制。

 57分、クリアボールを拾ったディ・ロレンツォがクルニッチをかわし、ポリターノへ。ポリターノの右足クロスはトモリの背中に当たるが、こぼれ球を走り込んできたファビアンがボレーシュートもドンナルンマがセーブ。

 64分、レビッチのインスイングクロスをクリバリの背後を取ったレオンが右足で合わせようとするがミートできない。

 69分、トナーリのFK。速いボールをレビッチが頭でコースを変えるがオスピナがセーブ。

 91分、ヒサイへのタックルがファウルになったことに納得いかなかったレビッチが主審に暴言を吐き一発退場。

 92分、ディ・ロレンツォがテオからボールを奪う。エルマス、ファビアンと繋ぎ、ディ・ロレンツォのアーリークロスオシムヘンがボレーシュートも枠の右に外れる。

 0-1で試合終了。ナポリが5位浮上、ミランは首位との差が9ポイントに開いた。

 

 疲労とCF不在とカラブリア欠場の大きさを感じた試合。

 プレスはあまりハマらず。人への意識が強いことを逆手に取られ、スペースを使われた印象。28分のジエリンスキの決定機は完全に崩された格好。トナーリがファビアンに釣り出されたスペースを、インシーニェにボールが渡るまではトモリがついていたジエリンスキに使われてしまう。1vs1のカバーとクロス対応というトモリがマークを離さざるを得ない状況を作られてしまった。サムカスがジエリンスキへのパスラインを消すような位置まで戻るしかシュートは防げなかったか。

 右サイドへ圧縮するうえでのキーマンが対人で奪えるカラブリア、メイテと、戻って挟めるサレマだったのかもしれないと感じた。ファビアンやジエリンスキやインシーニェが上手かったのもあるが逃げられてしまう場面が多かったと思う。そして、前の2人がサイドへ誘導した後にどれだけ細かくプレスバックできるかも大事。チャルハノールは前2試合のクルニッチ、ブラヒムのハードワークには及ばなかった気がする。

 イブラとカラブリアが居ればという攻撃の迫力不足。CF問題は相変わらず。レオンは守備を頑張っている連戦の疲労が顕著で攻撃のアクションが普段以上に少なかった。ただ、64分のレオンはストライカー的な良い動きだっただけに決めてほしかった。

 失点はチームとして前に行こうというタイミングでダロトのパスが読まれていたこと、カウンターの1歩目でケシエがかわされてしまったこと、テオの危機察知が遅いことが原因か。テオの責任はそんなに重くないかもしれないが、デシャンに呼ばれたいなら、奪われた瞬間、ケシエがかわされた瞬間にはスプリントで戻る姿勢を見せたほうが良い。駆け上がっている状態ではなかったので戻るのは大変な運動ではないし、テオのスピードならシュートには間に合うはずだし、ポリターノへのプレッシャーになったはず。

 

 トモリはカバーもデュエルも安定したパフォーマンスで守備を引き締めた。ビルドアップでのチャレンジの姿勢も好印象。

 ケシエは流石に疲労が隠せずコントロールミスや判断ミスや相手のアクションへの反応が遅れたりする場面が散見されたが、動きを止めずに前線へ飛び出して撹乱させようというプレーをしていた。

 トナーリは12.6km走ったがあまり効果的なプレーはできなかった。

 同時に途中出場した2列目の3人は攻撃を活性化した。特にブラヒムはよく動いてボールを引き出そうとしていた。レビッチは無駄すぎる退場。ユナイテッド戦で燃え尽きるまで走れ。

 

 ジエリンスキ、ファビアン、インシーニェ、ディ・ロレンツォ、クリバリが良いプレー。メルテンスは不調が続く。

 プレス時の1列目と2列目の距離が近い気がする。

 失点が増えてきていたが全員で撤退した時はそれほど問題はなさそう。安定した攻撃をできれば失点は自ずと減りそう。

 延期されていたユーヴェ戦がミッドウィークに予定されていたが再延期になった。

 

  • 主審 Fabrizio Pasqua

 VARは2試合連続でマッツォレーニ

 前半は治療で何回か試合が止まったのにATは1分しかなかった。

 PA内でテオが倒れた場面はOFRする必要もなくノーファウルで良かったと思う。あの程度の接触でアピールするのは恥ずかしい。

 オシムヘンへファウルをしたテオのもとに向かっていたらマリオ・ルイの足に引っ掛かり転倒。膝を痛めたっぽいが交代はせず。ミランの試合で年に2回も主審が交代するという滅多に無いことが起こりそうだった。