自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

20-21セリエA第24節 vs ローマ(A)

 カンピオナート連敗、公式戦4試合勝ちなしの2位ミラン。5ポイント差の4位ローマとCL出場権を争ううえで重要な試合に挑む。

 ローマはここまで13勝5分5敗47得点35失点。失点が多い。9位以下のチームにはほとんど勝っているが、それ以外の上位陣には1勝もできていない。

 ホーム最多勝点のローマvsアウェイ最多勝点のミラン

 

  • 先発&フォーメーション

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 ミランはべナセル、マンジュキッチ、ダニエル・マルディーニが負傷欠場。

 ローマはジェコ、スモーリング、イバニェス、サントン、ザニオーロ、カラフィオーリが負傷欠場。

 

  • スタッツ&控え

Match Report | 2020-21 | 24ª Match Day | Lega Serie A

 

  • ハイライト


Roma 1-2 Milan | Milan keep the pressure on Inter with a big away win at Roma | Serie A TIM

 

  • 流れ

 ミランが猛烈なハイプレス。とにかく人を捕まえる。ローマはマジョラルやムヒタリアンの降りる動きに対してヴェレトゥやペッレグリーニの飛び出しで裏を狙っていく。

 ローマはムヒタリアン残し、ペッレグリーニ降ろしで5-3-2のミドルプレス。縦パスを消してCBからSBへのパスをトリガーにIHがSBにアプローチ。ミランはSBから縦、横、斜め前のパスコースを準備しショートパスで回避を狙う。

 1分、ペッレグリーニから横パスを受けたカルスドルプがテオのプレスを受けてボールロスト。テオとイブラがワンツーでPA内に持ち込みイブラがシュート。パウ・ロペスが弾き出してCK。チャルハノールのショートコーナーをトナーリがワンタッチでファーサイドへクロス。ケアーの折り返しをパウ・ロペスが弾いたボールをイブラがシュートもファシオがブロック。更にこぼれ球をトモリが押し込むがケアーの時点でオフサイド

 4分、ファシオにサレマーケルスがプレス。パウ・ロペスに下げさせてイブラも連動してプレス。これがパウ・ロペスのミスを誘いイブラがシュートを撃つが決められない。

 8分、スピナッツォーラから斜めにムヒタリアンに入るがチャルハノールとサレマーケルスのプレスバックでファシオに下げさせる。ファシオからビジャールへのパスを狙っていたケシエがビジャールから奪いショートカウンター。レビッチが確実にイブラへ繋ぎ、イブラがネットを揺らすがオフサイド

 13分、ヴェレトゥからムヒタリアンへのパスがズレてトナーリが奪ってショートカウンター。レビッチとイブラにシュートチャンスが訪れるがDFがブロック。

 16分、ファシオからスピナッツォーラへのパスをカラブリアがカット。サレマーケルスがムヒタリアンをかわして前を向き、マンチーニとクリスタンテの間を抜け出したレビッチへスルーパス。レビッチのシュートはパウ・ロペスが好セーブ。

 21分、カルスドルプのスローインムヒタリアン、ペッレグリーニ、マジョラルと繋ぎ、最後は後ろからヴェレトゥがシュートもドンナルンマの正面。

 26分、チャルハノールのアウトスイングのCKにケアーが頭で合わせるがバーに嫌われる。

 27分、ペッレグリーニのアウトスイングのCKにテオの上からマンチーニがヘディング。これをファーでムヒタリアンがコースを変えてネットを揺らすが、マンチーニのファウルで取り消し。

 30分、パウ・ロペスからムヒタリアンへ縦パス。落としを受けたスピナッツォーラがワンタッチで裏へ蹴り込むとヴェレトゥが1人抜け出すがトモリが抜群のスピードでファウルせずに防ぐ。

 32分、右サイドをカラブリア、ケシエ、トナーリ、サレマーケルスと繋ぎ、テオへサイドチェンジ。運んだテオからのラストパスをレビッチがシュートを撃つがパウ・ロペスが弾き出す。

 34分、テオから横パスを受けたケシエが敵陣へ運び、チャルハノールへ。ケシエがリターンをレビッチへ。レビッチがドリブルでビジャールを振り切りマイナスの折り返しをサレマーケルスがシュートもパウ・ロペスが立ちはだかる。

 35分、マンチーニからのパスがズレてケアーの下に転がるがコントロールミス。これをペッレグリーニが拾って運び、横のムヒタリアンに繋ぎ、ケアーの裏に入りパスを受けてシュートを撃つがトモリがブロック。こぼれ球も狙うがトナーリが先に反応して防ぐ。

 37分、チャルハノールからイブラへのパスが合わずにファシオがカット。ペッレグリーニ、ヴェレトゥ、スピナッツォーラと繋ぎ、右サイドに開いたマジョラルへ大きな展開。カルスドルプに下げるが、カルスドルプからカラブリアとケアーの背後を抜け出したムヒタリアンへスルーパスムヒタリアンがワンタッチで狙うがミートできずに枠外へ。

 38分、トナーリからPA内でパスを受けたカラブリアがファシオに足を踏まれる。一旦は流されるがVARからの進言によりOFRを行いPKに。ケシエが冷静に決めてミランが先制。

 前半は0-1で終了。20分まではミランが圧倒したが、以降はミランの圧力に慣れたローマがペースを取り戻しお互いにチャンスを作りあった。

 48分、マジョラルからマンチーニへのパスをレビッチがプレスバックで奪い、テオから受けたトナーリのブラヒムへの縦パスでカウンター。ブラヒムから引き取ったテオがシュートまで持ち込むが僅かに枠の左に外れる。

 49分、パウ・ロペスから受けたマンチーニがプレスに来るレビッチを内側にかわす。ビジャール、カルスドルプと繋ぎ、カルスドルプからDF裏へ蹴り込むがトモリが弾き返す。しかし、これを拾うのはヴェレトゥ。スピナッツォーラが運び、カラブリアとトナーリを引きつけてヴェレトゥへ。ワントラップしたヴェレトゥが見事なコントロールシュートを決めてローマが同点に。

 57分、カルスドルプのスローインを受けたマンチーニにレオンがプレスをかけてパウ・ロペスに下げさせる。パウ・ロペスが左前方へのパスを狙うがカラブリアがカット。レビッチがサレマーケルスからのパスを反転してマンチーニをかわし左足を振り抜くと、右サイドネットに突き刺さりミランが勝ち越し。

 71分、エル・シャーラウィが右サイドに開きトモリを釣り出した中央のスペースに走りこんだムヒタリアンにブルーノ・ペレスからパス。ケシエが付いていくがスリップしてしまい、ムヒタリアンがノープレッシャーでシュートを撃つが枠に収められない。

 77分、テオのFKにファーでトモリが足を伸ばして合わせるがパウ・ロペスが腕を伸ばしてセーブ。

 79分、サレマーケルスからブラヒムへのパスをブルーノ・ペレスがカット。ディアワラの縦パスをムヒタリアンがペッレグリーニに落とし、エル・シャーラウィの折り返しをムヒタリアンがシュートもドンナルンマが弾き出す。こぼれ球をテオとムヒタリアンで奪い合うがムヒタリアンのファウル。

 80分、ディアワラにブラヒムとクルニッチでプレスをかけて奪ったクルニッチが超ロングシュート。枠に飛ぶがなんとかパウ・ロペスが弾き出す。

 92分、スピナッツォーラからの横パスをムヒタリアンがワンタッチでメイテの裏を取ったエル・シャーラウィへ。マイナスの折り返しをペドロがシュートを狙うがミートできず。しかし、クルニッチのクリアがムヒタリアンの下に転がりムヒタリアンがシュートを撃つがドンナルンマの正面。

 1-2で試合終了。ミランが5位ローマとの差を8に拡げる大きな勝利。

 

 自分たちの武器を取り戻すと、光が戻ってきた。

 ここまでのアウェイ公式戦の戦績がミラン史上2位らしい。

 

 最近はハイプレスの強度が低く、相手にプレッシャーをかけられず、スペースをプレゼントしてしまうのが問題だったが、この日は相手を呑み込むハイプレスが復活。この試合にかける想いの強さも感じた。序盤は完全に試合を支配したが得点だけが足りなかった。2点ぐらい取れれば最高だった。

 ハイプレスの姿勢を取り戻したのは良いが、相手が慣れてくると外される場面が多く、レッドスター戦と似たような形で崩される場面も多かったのでまだまだ改善が必要。

 5-3-2ミドルプレスに対するSB起点のビルドアップは安定感がある。ハイプレスされると厳しいのは変わらず。

 

 ロマニョーリ外しを敢行したCBではトモリとケアーが初めてコンビを組んだ。連携して守ったような場面はなかったが、個々のパフォーマンスは及第点以上。特にトモリはピンチを救うプレーが多かった。個で守れるというのは本当に大きい。しかし、失点に繋がったクリアミスやプレス時のマークの受け渡しの判断の稚拙さも見られた。ケアーだけでなく、SB、DHとの連携も強化してほしい。ビルドアップではできることが少ないが、左足で悪くないフィードを蹴っていたのが印象的。

 カラブリア、ケシエの安定したハイパフォーマンス。

 レビッチ、サレマーケルスが復調。ボールタッチの感覚やキレが戻り、攻守に貢献度が高かった。

 クルニッチ投入後はブラヒムがトップ、レオンが左、クルニッチがIH気味だったが、レオンの守備が良くないと思ったのか75分頃からレオンがトップ、ブラヒムがトップ下、クルニッチが左になった。クルニッチ助かる。

 

 次は中2日でウディネーゼ戦。連戦がインターナショナルマッチウィークまで続く。持たされると思われるウディネーゼ戦はイブラ、チャルハノール、レビッチ、マンジュキッチにはいてほしいのに…

 

  • ローマ

 3-4-2-1で図を作ったが実際は3-5-2と言ってよさそう。

 人に食いつくミランの守備に対して縦のポジションチェンジやレイオフを頻繁に行った。

 1失点後にプレス強度が上がり、2失点後はペッレグリーニ(エル・シャーラウィ)をケシエにつけ、テオにはWBが出る形に変更。

 ファシオじゃなくてイバニェスだったらもっとプレスをかわされたはずだし、マジョラルじゃなくてジェコだったらと思うと怖い。

 2点目のマンチーニは諦めが良すぎる(笑)

 

 VARはイラーティ。

 終盤までは試合を壊さないように頑張っていたと思う。