自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23CLGS第2節 vs ディナモ・ザグレブ(H)  CL男爆誕?

 7連戦の6試合目はチェルシーを破ってグループ首位に立つディナモ・ザグレブを迎え撃つ。

 

 ディナモ・ザグレブクロアチアリーグ5連覇中で今季は8勝1分、28得点10失点で首位。現在は公式戦6連勝中。監督は4月に就任したまもなく69歳になるクロアチア人。チーム内得点王は公式戦16試合で10得点を奪い、チェルシー戦で決勝点を決めたオルシッチ。土曜日のリーグ戦はチェルシー戦から先発を6人変更しミラン戦に向けてターンオーバーを行い、9位(10チーム中)の相手に苦戦を強いられたが90+2分に途中出場のオルシッチが決めて勝利を掴んだ。CLのアウェイゲームは直近15試合で1分14敗。

 

サンプドリア戦後の3日間

 特になし。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、レビッチ、オリギが負傷欠場。クルニッチが復帰。イブラ、タタルシャヌ、バカヨコ、アドリ、チャウ、ヴランクスは登録外。ユングダルがベンチ入り。

 ディナモ・ザグレブはボスコ・シュタロとメナロが負傷欠場。

 

スタッツ&控え&ハイライト

Milan-Dinamo Zagreb | UEFA Champions League 2022/23 | UEFA.com

 

流れ

 

 ディナモ・ザグレブは4-1-4-1ゾーンで自陣に構える。ミランはアンカーベナセル、RIHブラヒム、LIHトナーリの4-1-2-3で、序盤は間に顔を出すブラヒムを中心にした右サイドの攻撃と、前後に動くジルーと2列目から飛び出すトナーリで中央に穴を開ける。中盤以降は2CBだけでなくベナセルもフリーで受けられる状況が増えると、ベナセルが顔を上げたタイミングで前線の選手は積極的にDFラインの裏を狙う。

 ディナモ・ザグレブのビルドアップはゴールキック時はシュタロが1列上がり、リストフスキ、ペリッチ、リュビチッチの3バックになる。ペトコヴィッチが降りて足元で受けて起点を作り、アデミ、オルシッチらが飛び出す。右サイドはリストフスキが戻らないレオンを尻目に積極的に攻撃参加をして数的優位の状況を作り出す。

 

 14分、フリーのカルルが持ち上がり、ジルーが降りてシュタロを釣りだしたスペースにミシッチの背後を取って飛び出したトナーリにカルルからスルーパス。しかし、トナーリの目前でミシッチがスライディングで掻き出す。

 19分、ディナモ・ザグレブが敵陣でFK。こぼれ球を左のリュビチッチに繋ぐが、ドリブルで突破しようとするリュビチッチからブラヒムがボールを奪うと、ハーフウェイライン手前から飛び出したレオンにロングパス。PAまで持っていくが後ろから戻ったモハラミが掻き出す。

 27分、中盤左に降りたペトコヴィッチがベナセルを背負ってキープし、追い越したリュビチッチが拾い、オルシッチが右のモハラミに展開。モハラミがクロスのキックフェイントでテオをかわし左足でシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 32分、右サイドでミランが3vs2の数的優位を作り、カラブリアがインナーラップでオルシッチを引っ張ってフリーになったブラヒムがファーのレオンにクロス。レオンのトナーリへの折り返しはキックミスになる。

 34分、レオンのファウルからディナモ・ザグレブがカウンター。中央のイヴァヌシェツが左のオルシッチにパス。オルシッチはカラブリアに向かってドリブルし、細かいフェイントでシュートコースを作ってコントロールシュートを撃つが僅かに枠の右に外れる。

 42分、押し込んだミラン。トモリがPA内のレオンに縦パスを入れると、インターセプトを狙ったシュタロとブロックしてターンをしようとしたレオンが交錯。主審はPKの笛を吹く。

 44分、ジルーがPKを右下隅に決めてミランが先制。

 1-0で前半終了。

 後半からディナモ・ザグレブは非保持時はペトコヴィッチを前に残させる。

 45分、イヴァヌシェツのミスパスをトモリがワンタッチで前方のレオンにパス。レオンが収めて下げたボールをトナーリがワンタッチでジルーに縦パス。ジルーの落としをサレマ、ブラヒム、レオンと繋ぎ、レオンがリストフスキを抜き去り左足でクロスを上げると、リュビチッチの前に入ったサレマが頭で合わせてミランが追加点を挙げる。

 55分、リストフスキが左のオルシッチにパス。オルシッチはPA内のペトコヴィッチに入れてゴール前へ入っていく。ペトコヴィッチが4人を引き付けてゴール前のスペースに入ったオルシッチにパス。オルシッチが冷静に右隅に流し込んでディナモ・ザグレブが1点返す。

 76分、左→右→左とボールを動かすミラン。ハーフスペースで持ったポベガにリストフスキが出てくると、その背後に走り込んだテオにポベガがスルーパス。テオがワンタッチでマイナスに折り返すと、PAに入っていたポベガが豪快に蹴り込んでミランが3点目を奪う。

 77分、ミランはRWGにデスト、トップ下にメシアスがそのまま入る。ディナモ・ザグレブはシュピキッチがRSB、ドルミッチペトコヴィッチの2トップで4-4-2。

 83分、ディナモ・ザグレブはバトゥリナがトップ下の4-2-3-1。

 88分、トモリから中盤の左に開いたポベガが受けて、前のレオンにパス。レオンはシュタロとシュピキッチの間に走り込んだデ・ケテラーレにパス。デ・ケテラーレが抉ってデストに折り返すが手前でペリッチがブロック。マイナスにメシアスもテオもいた。

 3-1で試合終了。

 

ミラン

 

 引いた相手に対して序盤から解決策を示すことができていた。ブラヒムが右サイドのリンクマンになることで試合の流れを作った。ジルーがCBを、IHが2人で相手の中盤3人を押し込むことでペトコヴィッチに対して2CBとベナセルで数的優位を作り、フリーの状態から配球することができた。縦パス1本でのPKは押し込むことができたから取れたといっても過言ではない。前半の内容で1点も取れないと嫌な雰囲気になりかねなかったので、なんとか前半のうちに先制できて良かった。

 後半立ち上がりにカウンターで追加点を取れたのは素晴らしかったが、その後は集中力を欠いてボールを動かされ、ペトコヴィッチに集中して要注意のオルシッチをフリーにして失点したのはいただけない。PA内だったことでペトコヴィッチに足を出しにくかったのは仕方ないし、パスコースを消したつもりだったのだろうが、サレマ、トモリ、ベナセルのうちの誰かはオルシッチを見ておきたかったし、パスを出させてはいけなかった。

 その後は再び集中力を取り戻すと同時にディナモ・ザグレブ疲労の色が隠せなくなる。そして、乱れた守備をテオとポベガが見逃さずに3点目を決めて勝負アリ。デ・ケテラーレのトップ、デストのWG、メシアスのトップ下など新しい起用法を試しつつ、クルニッチも復帰し、ジルー、トナーリ、ベナセルのプレータイムを僅かな時間でも抑えることができた。

 サレマのCL2戦連発、ポベガのミラン初得点、13-14シーズンのセルティック戦以来のサン・シーロでのCL勝利、グループ首位に浮上とめでたいことが多かった。そのセルティック戦はセルティックに若きファン・ダイクがいた。

AC Milan - Celtic FC, Sep 18, 2013 - UEFA Champions League - Match sheet | Transfermarkt

 

 次は中2日でホームのナポリ戦。互いに中2日で戦術的にも重要なエースを欠く。ミランはレオンの出場停止がどちらに転がるか?

 

ディナモ・ザグレブ

 

 流石に引きすぎたし、運動量でも劣った。それでもペトコヴィッチの懐の深いキープとオルシッチのシュートセンスは厄介だった。

 

主審 Jesús Gil Manzano (ESP) VAR Juan Martínez Munuera(ESP)

 

 ラ・リーガクラスタからの悪名高い人たちだったが特になし。