自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第4節 vs サッスオーロ(A) 持たされるな、持て、奪え

 

 欧州コンペティション参加チームは7連戦の2試合目。ミランスクデットを掲げた地に凱旋する。開幕3試合を終えて3連勝のチームはなく、勝ち点7でミランを含む6チームが並んでいる。

 

 昨季のサッスオーロは13勝11分14敗で11位。今季は1勝1分1敗。開幕前にコッパ・イタリアセリエBに昇格したモデナに敗れ、開幕のアウェイユヴェントス戦はシュート数は上回りながら3-0の敗北を喫した。前節はドロンゴフスキのスーパーセーブに屈してスペツィアと2-2の引き分け。

  • シュート数リーグ5位。ミラン6位。個人ではベラルディがレオンらと並びリーグ4位タイ。
  • クロス成功数3位タイ。ミラン5位。
  • セーブ数最少。ミラン19位。
  • PK献上回数2回。
  • ポゼッションタイム3位、自陣4位、敵陣2位。パス成功数2位。
  • キーパス数2位にベナセル、4位タイにベラルディ。
  • マクシム・ロペスが1試合平均走行距離リーグ最長。
  • セリエA過去18試合は10勝2分6敗でミランが勝ち越し。マペイ・スタジアムに限るとミランの6勝3敗でミランが6連勝中。
  • レオンとベラルディは2022年のセリエAで最多の得点関与数。

 

ボローニャ戦後の2日間

 シャルケから大型CBマリック・ティアウ(チャウ)を獲得。報道によると、移籍金は€5m+ボーナス2mで、27年6月までの契約。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラとクルニッチが負傷欠場。レビッチとオリギは軽症で無理せず招集外。ベンチにFWがいないがラゼティッチも招集外。

 サッスオーロハメド・トラオレとミュルデュルが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2022-23 | 4ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランはフロレンツィ、ケアー、トモリで3バックを形成し、ベナセルがアンカーの3-1+テオorレオンのビルドアップ。テオはレオンが中にいれば外で待ち、外にいれば内側に入っていく。サッスオーロはミドルゾーンで4-3-3のブロックを形成し、ベナセルにはマクシム・ロペスが出ていく。押し込まれると、ベラルディは残り気味で4-4-2のようになる。

 ミランのプレスはレオンがトリャンとエルリッチの中間ポジションで他はCBが一人余る以外はマンツーマン。サッスオーロのビルドアップは左は身長差があるトルストヴェットとベナセルの空中戦、右はトリャン、フラッテージ、ベラルディのパスワークからの打開と左に張るキリアコプーロスへのサイドチェンジを狙う。

 

 7分、左サイドでブラヒムがスローインを受けたマクシム・ロペスにプレスをかけて奪い、ポベガがこぼれ球を拾うとブラヒムに渡して前に走る。ブラヒムが内側のレオンに繋ぎ、レオンがポベガにスルーパス。ポベガの折り返しは飛び出したコンシーリがブロック。こぼれ球をレオンが撃つがミートできず。

 20分、ベナセルがジルーに縦パス。ジルーのフリックがポベガに合わず、トリャンがベラルディにパス。ベラルディがトルストヴェットに繋ぎ、トルストヴェットが運び左サイドのキリアコプーロスにパス。キリアコプーロスは内側に持ち出すと戻ったサレマの足がかかったとしてPKの笛。しかし、ベラルディの真ん中へのシュートをメニャンが横に飛びながら腕を身体の横に持っていきセーブ。

 24分、テオが右ハーフスペースまで行くがやりきれずにボールロスト。ピナモンティへのパスはケアーがカットし、こぼれ球をべナセルが蹴り上げる。これをエルリッチがヘディングでピナモンティに繋ぐ。ケアーが身体を当てるがピナモンティは粘ってベラルディにパス。ベラルディはべナセルの背後を取って中央に走り込むフラッテージにワンタッチでスルーパス。フラッテージがPA内に持ち込んでシュートを撃つが枠の上に外れる。

 45分、サッスオーロが左サイドから攻撃しようとするなかでべナセルがボールを奪いサレマにパスを出すが、ロジェリオが奪い返し、トルストヴェットが右サイドのベラルディに展開。ベラルディは追い越したトリャンにパス。トリャンのクロスにフラッテージがトモリの前に出て頭で合わせるが勢いはなくメニャンが抑える。

 45+1分、フロレンツィのパスをサレマがワンタッチで中央に入れるが高く浮く。エルリッチとレオンが競り、ポベガにこぼれる。ポベガがジルーにスルーパスを出すが少し長くフェラーリがカバー。

 0-0で前半終了。

 後半からミランは4-1のビルドアップに変更。

 49分、サッスオーロゴールキック。トルストヴェットがベナセルに頭で競り勝ち、こぼれ球をトモリが弾き返す。それをフェラーリが弾き返すと、キリアコプーロスに繋がり、トモリが前に出て空いたケアーとテオの間に抜け出したベラルディにボールが出る。PA手前でテオがベラルディを倒すがオフサイド。ベラルディが倒れた時に負傷。

 52分、サッスオーロのビルドアップ。エルリッチにレオンが外切りで寄せていくがトリャンにパスが通る。ポベガが追うがトリャンが敵陣まで運びトルストヴェットにパス。トルストヴェットがべナセルをかわしてミドルシュートを撃つがメニャンがキャッチ。

 69分、メニャンからジルーにパス。落としをデ・ケテラーレが飛び込んできたロジェリオをかわしメシアスにパス。メシアスがマクシム・ロペスをかわしてフェラーリの裏に走り込んだレオンにパスを出すがレオンは空振り。

 72分、ミランはデ・ケテラーレがCF、アドリがトップ下。

 83分、サッスオーロはマルキッザがLSBに入り、ロジェリオが前へ。

 88分、フロレンツィが左ハムストリングを痛めてミランは10人で戦う。3-2-4。

 0-0で試合終了。序盤からミランがボールを持つ展開のなかでゴールの2手前くらいでのミスが多く流れを掴みきれない。逆にカウンターからPKを与えるもののメニャンが防ぐ。それでも流れを掴めずサッスオーロは慣れていく。56分の3枚替え後は再びペースが上がるが、15分程度で落ち着き、最後までゴールが遠くスコアレスドロー

 

ミラン

 

 7分、レオンのポベガへのスルーパス

 8分、トモリがプレスを受けてメニャンに下げるが、メニャンの素晴らしいフィードがベラルディとフラッテージの間に入ったテオに通る。しかし、その後のサイドチェンジがオーバー…

 14分、ビルドアップ。べナセルのワンタッチ、テオのアウトパスでレオンに届けるがターンに時間がかかり加速できず…

 22分、フェラーリのサイドチェンジでフリーのトリャンに届けられると、ポベガがトリャン、トモリがフラッテージにスライド。

 24分、フロレンツィナイスカバー。

 33分、フロレンツィがサレマとワンツーで右サイドから前進し、左ハーフスペースのポベガにパス。ポベガがミドルシュートを相手に当てて被カウンター…撃ちたくなる気持ちはわかるが、左に出せばテオとレオンで突破できたはず…

 35分、テオが降りたベラルディについていかず緩慢な守備になるが助かる。

 後半早々45分、右高い位置にフロレンツィ、内側にサレマ。ケアーからの浮き球パスをフロレンツィが頭でロジェリオの裏に出し、サレマがPAに入るがクロスがジルーに合わない…

 47分、メニャンからサレマに低空高速パス。サレマとブラヒムが良いコンビネーションで突破しブラヒムが右からクロスを上げるが精度を欠く…

 53分、トルストヴェットからキリアコプーロスへのパスが繋がらずに助かる。繋がれば同数か数的不利のカウンターを受けていた。

 59分、内側に入るテオ、IHとSBとCBの間に立つトナーリ、外に降りるレオンのポジションチェンジと立ち位置でズレを作る。トナーリがSB裏に走ってCBエルリッチをサイドに引っ張り出すがCKにさせられる。

 79分、右ハーフスペースでアドリがカルルから縦パスを引き出すが、その後の選択肢がどれも難しそう。

 

 速攻にしろ、遅攻にしろ、チャンスになりそうな場面は多かったが精度を欠いた。特にターンオーバーで先発したブラヒムとサレマは期待されたような活躍ができず、ブラヒムは開幕節で返させた掌を2節と今節で元に戻してしまったし、サレマはいつ殻を突き破るのか。ワールドカップ中断までがラストチャンスだと思ったほうが良いかもしれない。レビッチとオリギの軽症も計画を狂わせたが、今後もこの2人は怪我が多そう。ポベガは守備面ではレオンのカバーやマンツーマンで行くときとスペースをカバーするときの位置取りは良かったが、攻撃面ではテオとレオンとの連携が全く取れなかった。

 その左サイドだが、今季はピオーリがレオンを流動的にプレーさせようとしているのか、レオンが中でプレーしたいのかはわからないが、最初から中にいるレオンは相手にとって怖い存在なのか?昨季も中に入りすぎているときは結果が出ていない事実がある。

 この試合で言えば、テオがボランチ、ポベガがシャドー、レオンがWGの3-2-5のビルドアップだとすると、相手の前の3-3の間でベナセルとテオが受けられそうだし、ボランチに食いつけばシャドーが浮きやすくなる。WGにSBが食いつけば、シャドーがSB裏に抜ければCBも動かすことができる。SBが遅れてレオンが前を向いて1vs1になればこっちのもん。メニャンやケアーらボールホルダーがフリーの状態でシャドーの降りる動きにCBかSBが食いつけばWGかジルーが裏を狙える。サイドチェンジを繰り返せばクロスに対して大外がフリーで合わせられる。と思う。

 

 メニャンは15-16シーズン以降25回以上PKに直面したGKのなかで最高のセーブ率を記録。南京錠マイク。

 復帰後初の公式戦だったケアーは全く問題のないパフォーマンス。空中戦、予防的マーキング、クロス対応、対角のフィードや裏へのパスなどで流石のプレー。

 両SBのターンオーバーを任せられるフロレンツィの負傷は大問題。カルルのSBやチャウの早期デビューはもちろん、3バックの採用もあり得るかもしれない。と考えていたら、デストが来る。本当に大問題だと思ったのか仕事が早い。ギリギリ市場が開いている時期だったのは不幸中の幸い。

 

 次は中3日でミラノダービー。連戦組は大変だが頑張れ。

 

サッスオーロ

 

 ポゼッションにこだわらず、ミランに持たせる現実的な戦い方を選択し勝ち点をゲット。べナセルに対してトルストヴェットの高さを活用したり、トリャンが運べる仕組みなど対ミランの準備が感じられた。

 PK失敗に負傷とツイていなかったベラルディ。最後の飛び出しがオンサイドだったらテオを退場にすることができた。

 昨季最終節は酷い出来だったマクシム・ロペスが実力を発揮。セカンドボールの反応が良く、ライン間を閉める動きをサボらない。

 

主審 Giovanni Ayroldi VAR Luca Banti

 

 特になし。